○水道法施行に伴う事務処理方について
昭和三三年二月一二日
厚衛発第一二八号
水道法の施行に関しては、昭和三十二年十二月二十七日厚生省発衛第五百二十号をもつて厚生事務次官通達(以下「次官通達」という。)が発せられたところであるが、更に左記事項に留意のうえ本法の施行に遺憾なきを期せられたい。
(以下同じ。)
記
一 水道法(以下「法」という。)に基く、認許可指令並びに専用水道確認通知は、様式第一によられたいこと。
二 次官通達第五の一による厚生大臣への報告は、様式第二により提出せられたいこと。
なお、従来の認可申請書の写は、今後その必要はないこと。
三 水道法施行令附則第三項の規定により、貴職において法附則第六条第一項の規定による水道事業又は水道用水供給事業の届出を受理した場合は、二の様式にならつて、水道事業(水道用水供給事業)届出受理報告書として、すみやかに厚生大臣に報告せられたいこと。
四 法第三十二条の規定に基き、専用水道の確認を行つた場合は、様式第三によりこれが処理状況を毎四半期終了後一箇月以内に本職あて提出せられたいこと。
なお、法附則第六条第一項の規定により専用水道の届出を受理した場合もこの様式にならつて、専用水道届出受理報告書として報告せられたいこと。
五 水道法施行規則(昭和三十二年厚生省令第四十五号(以下「規則」という。)の運用については、次の各事項について御了知のうえ周知徹底を期せられたいこと。
1 第五条関係(工事設計書に記載すべき水質試験の結果)
水源における水質が最悪と考えられる時期、すなわち、降雨、降雪、洪水、渇水時等においてもなお水質基準に適合する水を供給するようにしなければならないので、この時期における水質試験の結果を記載せしめられたいこと。
水質試験の結果を記載する書類は、様式第四によること。
2 第十条関係(給水開始前の水質検査)
水道基準に適合するか否かの判断は、供給される水についてされるのであるから、給水せん水について行うものであること。この場合、採水箇所の選定は、水道施設の構造、配管の状態等を考慮して、最も効果的な場所を選ぶようにすること。
なお、必要に応じ、配水池、浄水池、水源等における水質についても検査を行うことが望ましいこと。
3 第十四条関係(定期及び臨時の水質検査)
定期の水質検査を行う場合は、次のことを留意すること。
イ 検査する水の採水場所の選定は、2に準ずるが、規則第十四条第一項第一号による検査(一日一回の検査)の採水場所としては、必ず配水管の末端等水が停滞しやすい場所も選定するようにすること。
ロ 一日一回行う色及び濁りの検査は、採水した水につき肉眼的観察で差し支えないこと。
ハ 規則第十四条第一項第二号(月検査)ただし書の規定による検査項目の省略は、地理的、地質的、環境的状況に応じ、必要がないと明らかに認められる項目に限ること。
なお、既存の水道については、当初全項目にわたつて検査し、しかる後において必要でないもののみにつき行うようにすること。
臨時の水質検査は、次のような場合に、行うこと。
イ 水源の水質が著しく悪化したとき。
ロ 水源附近給水区域及びその周辺等において消化器系伝染病が流行しているとき。
ハ 浄水過程に異常があつたとき。
ニ 配水管の大規模な工事その他水道施設が著しく汚染されたおそれがあるとき。
ホ その他特に必要があると認められるとき。
第十四条第一項第二号の水質検査の結果の書類は、様式第四によること。
4 第十五条関係(健康診断)
病源体検索は、赤痢菌、腸チフス菌、パラチフス菌を対象とし、必要に応じてコレラ菌、赤痢アメーバ、サルモネラ等について行うものとし、急性灰白髄炎(小児痳痺)流行性肝炎、泉熱、伝染性下痢症及び各種下痢腸炎にも注意することが望ましいこと。
病原体検索は、主として便について行い、必要に応じて尿、血液、その他について行うこと。
5 第十六条関係(衛生上必要な措置)
水道事業者、水道用水供給事業者及び専用水道の設置者は、取水場、貯水池、導水きよ、浄水場、配水池、ポンプせい等の周辺は、常に充分の清掃を施行し、汚物等によつて水が汚染されないよう留意するとともに当該施設には、さくを設け、施錠設備をする等のほか汚染防止のため一般の注意を喚起するに必要な標札、立札、掲示等をすること。
前項の施設の構内においては、便所、塵芥捨場、汚水溜等の施設は、汚水のもれない構造とし、排水は良好な状態にしておくとともに、し尿を用いる耕作、園芸並びに家畜、家禽の放し飼等をしてはならないこと。
水の消毒は、すべて塩素によるものとし、塩素以外のものは、使用しないこと。
消毒設備は、消毒が中断しないよう常に整備し、事故に備えて予備を設けるように指導せられたいこと。
塩素注入場所は、量水せい、配水池等において行い、塩素が充分水に混合するようなところを選ぶこと。
次のような場合には、残留塩素を〇・二PPM(結合残留塩素の場合は一・五PPM)以上にすること。
イ 水源附近及び給水区域、その周辺等において消化器系伝染病が流行しているとき。
ロ 全区域にわたるような広範囲の断水後給水を開始するとき。
ハ 洪水等で水質が著しく悪化したとき。
ニ 浄水過程に異常があつたとき。
ホ 配水管の大規模な工事その他水道施設が著しく汚染されたおそれのあるとき。
ヘ その他特に必要があると認められるとき。
六 法第四条の水質基準は、これに関する省令が公布されるまでの間は、別記飲料水判定標準によられたいこと。
七 法第三十六条第一項の規定により専用水道に関して改善命令を発しようとする場合等においては、関係行政機関例えば、鉱山等の専用水道については、通商産業局長とあらかじめ連絡し、これが施行の円滑を期せられたいこと。
八 法第四十条の水道用水の緊急応援に関する処分等これによつて他に著しい影響を及ぼすおそれがあると認められる場合には、関係行政機関等と充分連絡し、これが施行の円滑を期せられたいこと。
様式及び別記 省略