84森実施計画2021」を策定・公表した。 「みんなでつくる水源の森実施計画2021」では、取組の柱として新たに「都民の理解を促進する取組」を加え、水源林の魅力発信に向けた特設サイトの開設や、PR施設のリニューアル等ふれあい施設の魅力向上等を具体的な施策として盛り込んだ。 また多摩川上流域における民有林の保全・管理と、多様な主体と連携した森づくりについては引き続き取組の柱として取り上げ、地元自治体等関係機関と連携した林道等の基盤整備や水道教室の実施やデジタル教材の配信などによる小学生向けの学習支援などを新規施策として盛り込んだ。第2項 DX推進によるお客さまサービスの向上 この25年間は、インターネットの普及に代表されるように、ICTが大幅に進化した時代であった。特に近年はDX(デジタルトランスフォーメーション)が話題となっており、当局もこうした新技術を活用しながら、お客さまサービスの向上を図ってきた。1 スマートメータの導入 (1)自動検針システムの導入と課題 新技術を活用した東京水道の付加価値の向上の代表的な例が、現在当局で進めているスマートメータの導入事業である。 直接検針をせずとも検針データを取得するという試みは、これまでも実施されてきた。多摩ニュータウンでは、昭和46(1971)年以降、水道メータに隔測装置を取り付け、屋外の集中パネル版で一括して検針できる方式(隔測集中検針方式)を導入し、昭和51(1976)年には、約4,400戸を対象として、世界で初めて電話回線を利用してメータの検診を行う自動検針システムを導入した。 しかし、隔測集中検針方式の場合は、検針員が屋外の集中パネルを確認するという作業が必要であり、自動検針システムも電話回線が必要である。平成以降も自動検針システムの導入に向けた実証実験を行ってきたが、コスト面や技術面での課題が解決されなかった。 (2)スマートメータ導入に向けた検討 平成20年代に入り、当局はこれまでの自動検針システムではなく、通信機能を備えたスマートメータの利用に向けた調査検討を始めた。 平成28(2016)年2月の「東京水道イノベーションプロジェクト」において、平成32(2020)年度に、五輪選手村予定地の中央区晴海五丁目地区を対象としたスマートメータ約6千個のモデル導入を行うと発表した。また、同年9月のIWA世界会議・展示会においても、知事よりモデル事業の実施と今後10万個を導入する旨を発表した。 令和2(2020)年3月、これらを踏まえた「水道スマートメータトライアルプロジェクト実施プラン」を公表し、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会中の選手村において自動検針を行い、検針データを用いた料金算定・徴収を行うこと、その結果を踏まえ令和6(2024)年度までに都内で10万個のスマートメータ設置を目指すことを明らかにした。 その後、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会が開催延期になったことから、西新宿や霞が関、検針困難地域などを設置場所に加え、令和4(2022)年度から6(2024)年度までの3か年の設置目標などを示した「水道スマートメータトライアルプロジェクト推進プラン」を令和3(2021)年4月に公表した。令和4(2022)年6月には名称を「水道スマートメータ先行実装プロジェクト推進プラン」に改め、スマートメータの設置事業を推進するとともに、令和4(2022)年10月からはスマートメータの運用も始まった(写真3-7)。【写真3-7 スマートメータの画像】
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