東京近代水道125年史
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 後述するIWA世界会議・展示会では、東京水道名所案内用のパンフレットを配布するとともに、局職員がドローンを使用して撮影した名所の映像を当局のブースで公開した。4 みんなでつくる「水源の森」事業 水道水源林については、これまでも保全に努めてきたが、特に多摩川上流域の民有林には手入れが行き届かない森林が増加しており、土砂流出による小河内貯83 その後、浅草文化観光センター及び東京芸術劇場(令和3(2021)年4月)、恩賜上野動物園(同年6月)、東京観光情報センターバスタ新宿(同年7月)、東京国際展示場(令和4(2022)年4月)などにもシンボリックなデザインのDSを設置した。3 水道インフラの魅力の発信 当局は、玉川上水のような国の史跡、羽村取水堰せきなどの土木遺産、小河内貯水池や村山・山口貯水池のダム湖百選など、第三者機関による認定を受けたインフラ施設を複数保有している。こうした施設を通じて東京水道のインフラの魅力を広く伝えるため、一元的なPRツールとして平成29(2017)年度に制定したのが「東京水道名所」である。 景観に優れているだけでなく、東京水道が培ってきた技術を採用又は具体化し、インフラ技術を実感できる場所・施設を基本にするという観点から、歴史的価値、景観的価値、又は自然的価値が高いものを選定する、というコンセプトの下、局内で候補となる施設を絞り込んだ上で、お客さまアンケートを実施し、上位7か所を名所として選定した(表3-3)。表3-3 東京水道名所の一覧 水池への影響が懸念されるなど、早急な対策が必要となっていた。また、社会の環境意識の高まりを踏まえ、水源地保全の大切さやその取組に対し、より一層の理解促進を図るため、都民や企業、各種団体といった様々な主体との連携が重要になってきた。 こうした状況を踏まえ、早急に取り組む必要がある「民有林の積極的購入」と「多様な主体と連携した森づくり」に重点を置いた計画として、平成29(2017)年3月、「みんなでつくる水源の森実施計画」(計画期間:平成29(2017)年度~令和2(2020)年度)を策定・公表した。 この計画において、平成22(2010)年度以降公募により行ってきた民有林購入に加え、小河内貯水池への影響が特に大きい地域(約2,000ha)を民有林重点購入地域と位置付け、積極的に購入し主体的に管理を行うこととした。 また、多様な主体との連携としては、都民、企業、大学及び地元自治体等と連携した森づくりを行うこととした。主な取組として、多摩川水源サポーター制度の創設、ネーミングライツ導入により企業と協働した森づくりを目指す「東京水道~企業の森」の実施や、企業協賛金制度の創設などを挙げた(写真3-6)。【写真3-6 東京水道~企業の森】 さらに、地元自治体と連携した共同イベントの開催や、水源地の地元文化に触れる機会の創出なども新たな施策として提示した。 令和3(2021)年3月には、「みんなでつくる水源の森実施計画」の次期計画として「みんなでつくる水源の

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