56額する口座割引制度を導入し、料金水準の平均1.3%引下げと合わせることで、料金体系を見直したとしても基本的に全ての使用者が値下げ又は据え置きとなる改定内容となった。 このため、議会では料金改定におおむね理解を示す意見が多かったが、基本水量の引下げにより、これまで基本料金を減免してきた生活保護世帯や公衆浴場の一部に値上げとなる層が生じることが議論となり、特別の減免措置や積極的な口座振替の普及を求める付帯決議が付された上で、原案どおりに可決された。 以降、消費税増税に伴う料金変更は行われたものの、本稿執筆時点に至るまでこの料金体系が維持されている。第3項 一体的事業運営体制の構築1 当局の監理団体の概要(1)監理団体制度の概要 東京都では、民間の資金・人材・経営ノウハウなどを活用することで、都が直接事業を実施するよりも、より効率的、弾力的な事業執行やサービス提供が可能と見込まれる場合に、団体を設立し、活用してきた。 こうした団体のうち、都が出資等を行っている団体及び継続的な財政支出、人的支援等を行っており、全庁的に指導監督を行う必要のある団体は監理団体と位置づけ、様々な指導や改革に向けた取組を行ってきた(都政との関連性の観点から位置づけを再整理し、令和元(2019)年5月に「政策連携団体」へと改称)。 当局でも、経営効率化の観点から、早い段階より監理団体への外部委託を進めてきた。また、その機能を最大限活用するため、「東京都水道局所管東京都監理団体指導監督要綱」に基づいた指導及び経営参画を通じて、監理統制を図ってきた。 後述する「東京都水道局における一体的事業運営体制の構築について」(平成18(2006)年10月)を策定した時点で、当局に関連する監理団体は株式会社PUCと東京水道サービス株式会社の2社であり、その他東京都市開発株式会社、水道マッピングシステム株式会社といった団体が設立されていた。(2)株式会社PUC 昭和41(1966)年、公営企業における電子計算機導入を契機として、システム開発及び維持管理を目的と(3)東京都市開発株式会社 昭和55(1980)年11月、淀橋浄水場の跡地の再開発が進む中で、当局ビルの所有床の管理や未利用地の暫定活用を行う団体として設立された(図2-5)。(4)東京水道サービス株式会社 昭和62(1987)年2月、東京の水道事業が施設拡張から安定と質に重点を置き始めた時代、送配水施設を科学的かつ合理的に維持管理をするための受皿を作る目的で、水道総合サービス株式会社として設立された。 平成13(2001)年6月、業務の範囲や業務内容をより明確にするという目的から名称を東京水道サービス株式会社(以下「TSS(株)」という。)に変更した(図2-6)。図2-6 会社のロゴマーク(5)水道マッピングシステム株式会社 平成2(1990)年3月、水道マッピングシステムを早期に効率的かつ適正に集中運用管理する組織として設立された(図2-7)。する財団法人公営事業電子計算センターとして設立された。 公益法人制のあり方に関する見直し及び改革が進む状況を踏まえ、平成16(2004)年4月には財団法人から株式会社へと移行し、名称を株式会社PUC(以下「(株)PUC」という。)に改め、平成18(2006)年10月に監理団体として指定された(図2-4)。図2-4 会社のロゴマーク図2-5 会社のロゴマーク
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