東京近代水道125年史
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41表2-4 各浄水場に導入された高度浄水施設の処理能力【写真2-5 利根川水系全浄水場高度浄水施設完成式典】2 お客さま満足度の向上 前項で記載したように、平成15(2003)年度のお客さま満足度調査の結果では、飲み水としての水道水への満足度は3割弱であった。これを改善し、お客さまの満足度を向上させるため、「安全でおいしい水プロジェクト」を展開してきた。 プロジェクト発表後のお客さまの満足度の推移を見ると、当初28%だった満足度は、平成18(2006)年度には34%、平成21(2009)年度には46%まで上昇した。そして利根川水系全浄水場高度浄水100%が達成された平成25(2013)年度には、満足度は52%となり、お客さまの満足度は着実に向上していった。金町 三郷 朝霞  しかし、20代から40代までの女性の間では依然として飲み水としての水道水に対する不満度が高く、不満に思う理由として「なんとなくおいしいと思えない」、「水道管や貯水槽の汚れが不安」、「水道水を飲むのはカッコ悪い」といった意見があった。 水道水に対するお客さまのイメージを転換するためには、お客さまの「分からない」という不安を解消するとともに、「おしゃれ」や「エコ」といったように、水道水に対する新しい価値やイメージを付与するPR展開が必要であった。 3 「東京タップウォータープロジェクト」の発足 そこで、当局は平成26(2014)年6月に、これまでの「安全でおいしい水プロジェクト」を発展させる形で「東京タップウォータープロジェクト」を開始した。 本プロジェクトでは、安全でおいしい水をつくり、届ける施策を継続するとともに、お客さまの声を踏まえ、環境保護や経済的コスト面での優位性など、水道水の新しい価値やイメージをPRし、水道水に対する満足度を更に向上させることを目的としている。 まず、つくり、届けるという点では、直結給水方式への切替え促進や貯水槽水道管理に関する指導及び助言、水源林の保全や水道管の計画的な取替えなどを具体的施策として掲げた。 次に水道水のPR及び満足度の向上という点では、簡易検査キットによりお客さま自身で自宅の水道水の水質チェックを行う「水道水質モニター」の実施、浄水場体験ツアーの実施や多摩川水源森林隊への参加等、水道水をつくる過程への参加を通じたお客さまの理解促進に向けた取組を施策として掲げた。 また、水道水とミネラルウォーターの価格比較や、海外における水道水を飲む文化(タップウォーター)などを紹介しつつ、水道水に対するイメージ向上を図るPR施策も推進することとした。

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