40とともに、平成15(2003)年度から「貯水槽水道の管理状況調査」を開始した。この調査では、現地を訪問して貯水槽水道の管理状況の実態把握や設置者に対する指導、助言、情報提供などを行った。 さらに平成16(2004)年度からは、「クリーンアップ!貯水槽」と題して、貯水槽水道の点検調査、管理者への指導や直結給水への切り替えに関するPRなどに取り組んできた(写真2-4)。【写真2-4 貯水槽水道点検の様子】 平成16(2004)年度から21(2009)年度までの5か年で都内水道給水区域内にある約15万6,000件の貯水槽水道を点検した結果、全体の約57%が適正に管理されていたほか、約37%が既に廃止若しくは撤去済、又は直結給水へ切替え済と判明した。 一方、調査の結果、早期に改善が必要な案件が6%程度存在していたことから、貯水槽の設置者や利用者に対して、必要な改善措置を早急に講じるよう指導を行った。 さらに平成22(2010)年度から24(2012)年度までには、貯水槽内での水の滞留時間が長いなど、特に残留塩素消費量が多いと推定される貯水槽水道に焦点を当てた詳細調査及び指導を実施するなど、貯水槽水道の管理改善を促進してきた。5 東京水道長期構想STEPⅡ(平成18(2006)年11月) の策定 平成9(1997)年5月のSTEP21策定後、おおむね10年が経過し、お客さまの「安全でおいしい水」に対するニーズは更に高まり、平成16(2004)年に発生した新潟県中越地震、平成17(2005)年9月に首都直下地震対策大綱の策定など、危機管理への対応も強く求められるようになった。こうした社会状況の変化を踏まえ、一層の給水サービス水準の向上、社会及び環境保全への貢献など、幅広い視点を取り入れた、新たな水道施設整備の長期構想として、「東京水道長期構想ーSTEPⅡー ~世界に誇る安心水道~」(以下「STEPⅡ」という。)を平成18(2006)年11月に策定し、水道施設の更なるレベルアップを図ることとした。第3項 利根川水系全量高度浄水処理の達成1 利根川水系浄水場における全量高度浄水処理導入 先述のとおり、当局は、STEP21にて利根川水系全浄水場での全量高度浄水処理導入について計画した後、平成16(2004)年の「東京水道経営プラン2004」と「推進計画」において、今後10年以内に整備するという目標を示した。 対象となる浄水場(金町、三郷、朝霞、三園及び東村山)では、既に高度浄水処理の導入が進められており、このうち三園、東村山両浄水場については、維持管理や経済コスト等の事情から、全量高度浄水処理に必要な施設整備を一括して行った。 一方、残る3浄水場は、この時点では施設能力の半量程度を対象とした高度浄水処理の導入にとどまっており、先述の目標を達成するには追加の施設整備を急ぎ行う必要があった。 金町浄水場では、これまで一期、二期と2回施設整備工事を行ってきたが、残る処理能力(98万㎥/日)分を対象とした三期工事を平成18(2006)年度から開始し、平成25(2013)年4月に通水した。 三郷浄水場でも同様に、残る処理能力(55万㎥/日)分の高度浄水施設を整備する二期工事を平成20(2008)年度に開始し、平成25(2013)年10月に通水した。 そして朝霞浄水場でも、残る処理能力(85万㎥/日)を対象とした高度浄水施設整備のため、平成20(2008)年度より二期工事を開始し、平成26(2014)年3月に通水した。これにより、利根川水系の全浄水場での高度浄水施設整備が完了した(表2-4、写真2-5)。
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