39 このほか、高度浄水処理水の安全性やおいしさをお客さまに実感していただくため、平成16(2004)年7月よりペットボトル「東京水」の製造を開始した(写真2-3)。最初はイベント等での無償配布を行っていたが、イベント等に参加できず入手することが困難なお客さまにも飲んでいただくため、同年11月から店舗での販売を行うこととした(令和3(2021)年10月に販売終了)。 さらに、同年10月の「東京水道経営プラン2004」と同年11月の「安全でおいしい水プロジェクト推進計画」(以下「推進計画」という。)において、今後10年以内に利根川水系の全浄水場での高度浄水処理率100%達成を目指すと公表した。 推進計画は平成16(2004)年度から18(2006)年度までの3か年を対象としていたが、依然として飲み水としての水道水に満足していないお客さまの割合が3割を超えていたことから、平成19(2007)年1月に「安全でおいしい水プロジェクト蛇口回帰推進計画」を公表し、引き続き「安全でおいしい水」の実現に向けて取り組むこととした。その後平成22(2010)年3月には「安全でおいしい水プロジェクト行動計画(2010~2012)」も公表し、平成26(2014)年6月【写真2-3 ペットボトル「東京水」】に「東京タップウォータープロジェクト」(後述)が発足されるまで、計10年間にわたる長期プロジェクトとして進められてきた。4 貯水槽水道対策 (1)直結給水要件の緩和と普及拡大 先述の平成15(2003)年度お客さま満足度調査でも示されたように、貯水槽水道方式での給水に比して直結給水方式による給水の方が飲料水としての満足度が高い。 法改正により水道事業者の関与が可能となったことも踏まえ、当局としても「安全でおいしい水」の追求の一貫として、貯水槽水道管理への関与と直結給水方式の一層の普及に向けて動き出した(図2-1)。図2-1 直結給水方式への切替えイメージ 当初メータ口径50㎜以下を対象としていた増圧直結給水方式は、平成16年度以降75㎜以下へと対象を拡大し、これにより集合住宅での導入対象が拡大した。また、3階以上のフロアに対しても、ポンプによる増圧をせずに直圧給水を可能とする特例直圧直結給水方式を同年度から導入することで、更に直結給水方式の普及拡大を図った。 平成19(2007)年度からは、直結給水方式への切替えを更に拡大させるため、適用対象となるメータ口径の緩和や6階以上への直圧直結給水を可能とするなどの緩和措置を講じ、平成21(2009)年2月からは増圧ポンプを直列多段又は並列に設置することで、より高層で大規模な集合住宅でも直結給水を可能とする方式を導入した。 これらの一連の緩和措置により、ほぼ全ての建築物で直結給水を選択できるようになった。(2)貯水槽水道管理への関与 当局は平成13(2001)年の水道法改正を受けた東京都給水条例の改正に伴い、これまで蓄積してきた貯水槽水道の設置状況に関する情報をデータベース化する
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