区分カルキ臭におい−1味度度かび臭原因物質外観2.昭和40年代前半までに布設した、内面がライニングされていない強度の低い鋳鉄管や布設年度の古い鋼管38 臭気強度(TON) 有機物(TOC) 色 度 濁 度 残留塩素0.1以上 トリクロラミンmg/L不検出(臭気なし) 2-メチルイソボルネオールng/L不検出 ジェオスミンng/L不検出1以下1以下0.1項目単位水質目標値0.4以下mg/Lmg/L以下設定する目標目標値の目安ほとんどの人が消毒用の塩素のにおい(カルキ臭の一種)を感じないほとんどの人がカルキ臭を感じない異臭味(カルキ臭を除く)を感じないかび臭を感じない不快な味を感じない色や濁りがわからないクリプトスポリジウム応急対策指針」(以下「クリプト応急対策指針」という。)を策定した。この指針では、クリプトスポリジウムの検出ないし感染症発生といった状況に応じて、応急的に講じるべき内容や広報活動、関係機関への情報連絡といった事項について定めている。 さらに、平成19(2007)年3月に厚生労働省が示した「水道におけるクリプトスポリジウム等対策指針」に基づき、同年5月、クリプト応急対策指針を改正した。2 水道水質に対するお客さまの評価 以上のような取組を通じて、水道水の水質は改善され、平成14(2002)年度に実施した給水栓での水質試験の結果、水質基準46項目の全てにおいて高い水準で基準を満たした。 また、高度浄水処理導入のきっかけとなったかび臭も、平成11(1999)年度以降はお客さまからの苦情がほとんど見られなくなるなど、施策の効果が着実に表れてきた。 しかし、こうした施策にもかかわらず、平成15(2003)年5月に実施したお客さま満足度調査では、回答いただいたお客さまの50.4%が、飲み水としての水道水の水質に不満があると回答していた。不満の理由としては、「おいしくない」が78.1%と最も高く、続いて「カルキ臭い」、「安全性に不安がある」といった理由が挙がるなど、安全とおいしさを追求する当局の施策は、より一層の努力を要することが明らかとなった。 この調査では給水方式別の集計も行っているが、直圧直結給水方式又は増圧直結給水方式で給水を受けているお客さまの不満割合が40%程度であるのに対して、貯水槽水道方式で給水を受けているお客さまは61.7%が不満であるとの結果も示された。 また、高度浄水処理の導入等による安全でおいしい水の供給について、仮にコストがかかったとしても実施すべきと回答したお客さまの割合が80%に達する等、水道水の水質に対するお客さまのニーズが高度化していることが明らかとなった。 さらに、高度浄水処理の導入など、安全でおいしい水の供給の取組を理解している方ほど満足度が高くなる傾向も見られ、当局施策に関するお客さまの理解促進を一層図っていく必要性も明らかとなった。3 「安全でおいしい水プロジェクト」の実施 そこで、こうしたお客さまのニーズに応え、「より安全でおいしい水」を提供するため、当局は平成16(2004)年5月に「『安全でおいしい水プロジェクト』基本方針」を策定、同年6月の水道週間に合わせて「安全でおいしい水プロジェクト」をスタートした。 プロジェクトの基本方針では、より安全でおいしい水を供給するという観点から、体系整理と既存施策の充実を図り、新規施策の展開、水道水の現状及び取組への理解促進、お客さまからの信頼向上に向けた取組などを柱として示した。その上で、具体的な施策として高度浄水処理の導入促進や経年管2取替え、鉛製給水管の解消、貯水槽水道対策といった事項を掲げた。 また、より安全でおいしい水の供給を求めるお客さまの期待に応えるため、本プロジェクト発足と同時に、カルキ臭の指標である残留塩素やかび臭原因物質、有機物等、国が定めた水質基準等よりも高いレベルの水質目標である「おいしさに関する水質目標」を設定し、おおむね10年後に目標の実現を図るとした(表2-3)。表2-3 おいしさに関する水質目標
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