【資料編】法令・答申125 years' history of Tokyo Modern Waterworks184〔法令・答申〕史跡玉川上水保存管理計画(抜粋)(2)名勝「小金井(サクラ)」 小金井サクラのヤマザクラ並木は、大正13年(1924)年、「史蹟名勝天然記念物保存法」(大正8年法律第44号)第1条の規定に基づき名勝に指定された。〔指定年月日(官報告示):大正13(1924)年12月9日付け 内務省告示第777号〕① 近世の優れた水利技術を現す状況がよく残されている。② 現在も水路として機能している。③ 近世から近代に至るまで多用途に活用され、江戸・東京の発展を支えてきた施設・遺構が残されている。(2)地域と共存してきた水と緑の空間① 近世に堤の空間を利用して植栽されたヤマザクラが、名勝として残されている。② 武蔵野らしい雑木林等から成る空間が、現代では散策・憩いの場として活用されている。③ 文学作品等に登場する武蔵野の風情が今も残され、錦絵や観光絵はがき等に名勝「小金井(サクラ)」の風景が描かれているほか、武蔵野を代表する風景として写真集等にも登場するなど都民に親しまれている。④ 水路沿いに連続する緑地帯が、市街地内の貴重な緑地空間を形成している。・玉川上水の水辺環境と一体となった「ヤマザクラ並木の美しい景観」を、将来に継承する。また、憩いの空間として国民に親しまれる場を将来に継承する。3 玉川上水の価値(1)近世の優れた水利技術が今も生き続けている「土木施設・遺構」1 目標<保存管理の目標>・今日まで残されてきた近世及び近代の「土木施設・遺構」を、良好な状態で将来に継承する。また、一部で水道原水導水路として活用されている機能が、適切に維持されるよう将来に継承する。2 史跡「玉川上水」と名勝「小金井(サクラ)」の保存管理<基本的な考え方>・現状維持を基本として、史跡としての適切な保存を図3 周辺環境の保全<基本的な考え方>・史跡「玉川上水」と名勝「小金井(サクラ)」を適切に保存管理するため、史跡指定範囲外の玉川上水路用地についても現況を踏まえつつ、適切に管理されるよう関係機関に働き掛ける。る。(1)土木施設・遺構の保存管理 「近世の水利技術が今も生き続けている土木施設・遺構」を適切に管理し、後世に継承する。(2)環境の保全 「土木施設・遺構」と一体となって地域と共存し調和してきた「快適な水と緑の空間」を適切に管理し、後世に継承する。(3)土木施設・遺構の公開・活用 多くの人々が貴重な「土木施設・遺構」との触れ合いを通じて保存への理解を深められるよう、活用を推進する。・玉川上水路用地以外に存在する、導水路に関連した「土木施設・遺構」及び周辺の発展に重要な役割を果たしている橋梁についても、史跡「玉川上水」と名勝「小金井(サクラ)」の適切な保存との整合を図るよう、関係機関に働き掛ける。 史跡「玉川上水」と名勝「小金井(サクラ)」を適切に保存していくため、保存管理の基本方針を次のとおり設定する。(1)区間別特性を踏まえた保存管理の実施 玉川上水は東西に長大であり、その特性が場所(区間)によって異なるため、土木施設・遺構の利用状況や残存状況、土地利用の状況等を踏まえ、区間を区分した上で、それぞれの特性に応じた保存管理方法を設定し、実施する。第3章 基本的な考え方第4章 保存管理
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