東京近代水道125年史
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【資料編】法令・答申125 years' history of Tokyo Modern Waterworks〔法令・答申〕安全でおいしい水プロジェクト基本方針1751 プロジェクト実施の背景(1)水道水の現状  水道水の安全性については、平成14年度における給水栓の水質試験結果において、水質基準46項目に関する測定値は、すべて高い水準で水質基準を満たしている。水質検査についても、法定内容を上回る頻度、項目で実施しており、万全な体制といえる。 当局ではこれまで、安全でおいしい水の安定的な供給を目指して施設の整備など様々な施策を進め、水質面ではかなり改善してきている。しかし、これまで以上に安全でおいしい水への要望が高まっており、さらなる水質向上が求められている。 そこで、お客さまのニーズに的確に応え、より安全でおいしい水を供給するとともに、お客さまから信頼される水道事業を構築するため、局をあげた取組として「安全でおいしい水プロジェクト」を実施する。  また、安全でおいしい水の供給のために、高度浄水処理の導入や経年管の取替等、様々な取組を実施してきており、カビ臭への苦情もほとんどなくなるなど、おいしさについても改善されてきている。(2)お客さまの評価  平成15年度のお客さま満足度調査の結果、半数を超えるお客さまが飲み水としての水道水に不満を持っていることが明らかになった。特に、貯水槽水道を使用しているお客さまについては、不満足の割合が60%を超えており、直結給水のお客さまと比較して約20ポイントも高い値となっている。不満の要因としては、水道水に対するお客さまのニーズが高度化していることに加え、水道水の現状を正しくお伝えする当局の努力が不足していたことが考えられる。  その一方で、高度浄水処理の導入など、より「安全でおいしい水」の供給に対するお客さまの期待度は2 基本方針策定の考え方(1)基本方針の位置付け  本基本方針は、東京水道中期事業指針の主要施策の一つである「安全でおいしい水プロジェクト」について、局内部での検討委員会における検討報告を受け、プロジェクトが今後進むべき方向性を明らかにするものである。80%を超えており、水道水の品質向上に対するお客さまの期待は高い。(3)お客さまニーズへの対応  お客さまの期待に応えるためには、より安全でおいしい水をお届けできるよう、さらなる水質向上に全力で取り組んでいかなければならない。また、安心してお使いいただくため、お客さまの声をより的確に捉えていくよう努めるとともに、水道水の安全性とおいしさ、局の施策への取組について、お客さまにより適切にアピールしていく必要がある。さらに、水道局全体の信頼性は、水道水に対する信頼に深く関連していることから、水をつくりお客さまにお届けする事業活動の全般を通じて、お客さまから高い信頼が得られるような取組を行っていくことが求められる。  今後、本基本方針に基づいて、高度化するお客さまニーズに的確に応え、より安全でおいしい水の供給に全力で取り組むことによって、信頼され親しまれる水道事業の構築を目指していく。(2)施策への取組の視点  お客さまに安心してお使いいただける水道を実現するためには、総合的な施策展開を図ることが不可欠である。組織の枠を超え、局をあげたプロジェクトとするため、次の3点を柱として施策への取組を図る。(平成16(2004)年5月 東京都水道局)安全でおいしい水プロジェクト基本方針

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