【資料編】法令・答申125 years' history of Tokyo Modern Waterworks162〔法令・答申〕首都東京にふさわしい将来の水道システムを考える会報告書(抜粋)3 次世代につなげる水道 水道事業の重要かつ緊急の基本目標であり、「浄水施設能力の確保」、「水道施設の更新・機能強化」、「施設の安定的・効率的な運転管理」を具体項目とした。4 地球環境に配慮した水道 地球環境への配慮は、全ての産業において緊急かつ重要の課題である。特に水道事業のような産業においては、エネルギー消費・資源の両面において関連があり、この取組は非常に重要である。このことから、「地球温暖化対策」、「資源の有効利用」を設定した。5 わかりやすく親しみやすい水道 「都民生活を支える水道」のカテゴリーの中で、お客さまのニーズが多様化する中でも、わかりやすく親しみやすい、お客さまと一体となった事業運営が不可欠となっている。このような状況のなか、「お客さまへの情報の発信」、お客さまに十分認識されていない「給水設備の適切な維持管理」、「水道施設のイメージアップ」という具体項目を設定した。6 水道界をリードする水道をめざして 「首都東京の機能を支える水道」の中で、首都として必要な施設整備を行っていくことにより、水道技術、経営技術においても高いレベルを維持することになる。このことから、それらを全国の水道界に還元して水道のレベルアップに貢献することも東京水道にとっては、重要な課題の1つである。その中で、「新技術の研究開発と活用」、「水道技術の継承と人材育成」、「国内外の情報収集・発信」、「広域化・広域連携」という具体項目を設定した。のことを実現するため、「震災対策」、「事故時のバックアップ」、「異物混入の防止」という具体項目を設定した。 現在の長期構想である「東京水道新世紀構想―STEP21―(平成9年5月)」は、策定後概ね10年が経過し、経年管の更新や高度浄水処理の導入にもみられるように施設の整備も順調に進んでおり、一定の成果を達成してきている。 こうしたなか、次のステップとして「首都東京にふさわしい将来の水道システムのあり方」を検討し、「都民生活を支える水道」、「首都東京の機能を支える水道」の二つの基本的視点から、水道システムの進むべき方向性について、ハード・ソフトの両面にわたり幅広い提言を行ってきた。現行法上では、課題の解消が困難な場合は、法・条例の改正をも視野に入れた提言を行っている。 ここでは、「提言の具体化にあたっての留意事項」及び、東京水道だけで解決が図られる課題ではないものの、水道界をリードする立場にある東京水道に、取り組んでもらいたい「東京水道へ期待すること」について、とりまとめた。 信頼される東京水道の構築に向けて、これらの項目に対して、果敢な取組を期待する。 また、こうした事業を支えるため、人材の計画的・継続的な採用・育成により優秀な人材を確保するとともに、さまざまな業務手法を活用し、高い技術水準を確保しつつ、効率的な執行体制を築くことが重要である。 東京は、首都であり、政治・経済の中心地である。このため、長期にわたる断水は都民生活に影響を与えるだけでなく、日本の社会経済活動にも波及し,その影響は世界にも及ぶ可能性がある。これらの状況を考慮すれば、耐震性をはじめとした最高レベルの1 提言の具体化にあたっての留意事項 経営資源の有効活用 高度浄水施設の整備など都民ニーズの高い施策や水道施設の更新など、次世代につながる施策は、確実に実施していくことが必要である。こうした施策は、期間が長期化することや、多額の費用を要することを勘案し、経営資源(資金、人材など)を有効に活用するとともに、事業実施の平準化など、計画的な取組により、一層効率的・効果的な事業の推進が必要である。2 東京水道へ期待すること 東京水道の危機管理第4章 信頼される東京水道の構築に向けて
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