【資料編】法令・答申125 years' history of Tokyo Modern Waterworks160〔法令・答申〕首都東京にふさわしい将来の水道システムを考える会報告書(抜粋)(2)人口が集中する大都市 東京には常住人口1,202万人に加え、日々約314万人の流入があり、都内23区に限定すれば、人口密度は全国平均の約38倍、集中度といった観点からも極めて突出した都市であり、都民生活、都市活動における東京水道の果たす役割は非常に大きなものとなっている。(3)国際都市としての側面 東京は、国内外から大量の情報が流入・集積され、各国の大使館が立地していることなども相まって、国際ビジネス市場や文化の活動・交流拠点といった国際都市としての側面を有している。(4)社会資本の高密度な集積地 東京には、交通基盤、通信基盤、生活基盤といったあらゆる社会資本が高水準に整備され、このような社会資本の高密度な集積地であることが、人々の移動や物流の活性化、情報の集積・発信に大きく寄与し、都市の活気を生み出している。(5)学術・研究機関の集積地 東京には、他の都市と比較して2倍以上の数の大学があり、学術・研究機関の集積地としての性格を色濃く有している。(6)文化の継承・流行の発信地 東京は、文化の継承地としての性格を有しているほか、東京の知名度を活かし、新しいビジネスやファッ1 東京の概観(1)政治・経済の中心地 東京は、我が国における政治・経済の中心地としての性格を有している。2 東京をとりまく社会状況の変化(1)成熟社会の到来 社会の成熟に伴って、水道に求められるものも、量に加えて質、とりわけおいしさや安全性に対するニーズが強まってきた。一方、蛇口からそのまま飲める水道水に対する期待も高まっており、将来にわたって水道水の安全性や安定給水を確保していくことは水道事業者の使命であるといえる。ション、トレンドの創出に関連する多くの情報が発信されており、流行の発信地という性格も有している。(2)少子高齢化の加速 日本の人口は平成18年にピークを迎えると見込まれているのに対して、東京の人口のピークは、日本の人口ピークより9年遅い、平成27年と推計されている。このことから、今後しばらくは東京への人口流入が続き、平成27年以降、ゆるやかに減少していくものと考えられる。(3)国際化の進展と国際社会における責任 情報技術の目覚しい発達に伴い、人、モノ、資本、情報などの交流が、今後より一層グローバル化していくことが予想される。また、アジア圏における経済も力強い成長が見込まれる中で、今後、東京は国際社会における存在感と責任が一層増していくと考えられる。(4)求められる危機管理 東京は、これまでも、水道供給における様々な危機を乗り越えてきた。今後も、大規模地震の発生や気候変動、テロ行為やネット犯罪、新興感染症の発生等に対する幅広い危機管理が求められている。危機を未然に回避し、被害を最小限にとどめていくためには、効果的に施設の強化や維持を行うとともに、その効果を検証しながら、継続的にレベルアップを図っていくことが肝要である。第1章 東京の現状首都東京にふさわしい将来の水道システムを考える会報告書(抜粋)(平成18(2006)年7月 首都東京にふさわしい将来の水道システムを考える会)
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