東京近代水道125年史
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【資料編】法令・答申125 years' history of Tokyo Modern Waterworks156〔法令・答申〕東京水道グループのグループ経営に関する基本方針(抜粋)官民連携等を推進していくこととした。(イ)東京水道グループを取り巻く状況の変化と対応   都の人口は令和7年にピークを迎え、その後減少する見込みであるため、40年後には給水収益が約12%減少する見込みとなっている。   また、基幹施設である浄水場は、高度経済成長期までに集中的に整備されてきたことから、今後、多くの施設が一斉に更新時期を迎える。   さらに、労働力人口の減少に伴う人材不足や政策連携団体への業務移転に伴う水道局の現場力の低下など、かつて経験したことのない局面を迎える状況にある。   こうしたことから、水道局において、都の水道事業が将来にわたり持続可能な事業運営を行っていくため、事業の根幹に関わる課題解決のための羅針盤として、概ね2040年代を見据えた将来構想である「東京水道長期戦略構想2020」を策定した。 この中で、都の水道事業の「基本理念」を以下のとおり定めた。【基本理念】〇 東京水道は、グループ職員の総力を結集して持続可能な水道事業の実現に取り組んでいきます。○ 東京水道は、都民生活と首都東京の都市活動を支える基幹ライフラインとして、安全でおいしい高品質な水を安定して供給していきます。○ 東京水道は、時代に即した技術やサービスを取り入れ、お客さまから信頼が得られる事業運営を進めていきます。○ 東京水道は、都の広域水道としての一体性と責任を確保しつつ、経営基盤の強化を図り、健全な経営に努めていきます。  また、同構想では、基本的な考え方の一つに「政策連携団体を含む効率的な運営体制の構築」を挙げるとともに、都の水道事業が目指すべき姿と取組の方向性の一つとして「東京水道グループの総合力強化」を掲げている。 イ 水道局所管の政策連携団体が置かれた状況(ア)水道改革の一環としての政策連携団体統合   都の水道事業の経営基盤を強化するため、それまで水道局所管の政策連携団体であった東京水道サービス(株)と(株)PUCを統合し、令和2年4月から東京水道(株)として業務を開始した。   この政策連携団体統合により、水道業務を包括的に担うことができる体制が構築され、水道局から現場業務の業務移転を積極的に推進するとともに、政策連携団体の責任と創意工夫の下で、一層効率的かつ効果的な業務運営を行っていくこととしていることから、政策連携団体の役割は益々増大していく。(イ)特別監察結果報告書による指摘   平成31年2月に公表された、東京水道サービス(株)に対する特別監察結果報告書において、同社における不適正処理事案をはじめ、コンプライアンスや内部統制の不備、水道局のガバナンスの甘さなどが指摘された。   これに伴い、令和元年8月に、特別監察結果に対する改善報告書を取りまとめたが、統合後の政策連携団体においては、特別監察結果に対する改善報告書に記載された内容を引き継ぎ、コンプライアンスや内部統制に関する仕組みを整えた。   また、水道局は水道事業を取り巻く状況変化も踏まえ、グループとしてのガバナンスを十分に機能させていく必要がある。(ウ)統合後の政策連携団体の状況   統合後の政策連携団体では、令和2年6月に再び不適正処理事案が発覚し、改めてコンプライアンス確保が経営上の重要課題となった。   また、前述のとおり、統合後の政策連携団体は、自らの責任と創意工夫の下で、一層効率的かつ効果的な業務運営が求められるため、経営の自主性向上のための経営基盤をこれまで以上に強化していく必要がある。   このため、政策連携団体において、業務プロセスの一層の改善によるコンプライアンス確保や、四半期ごとの収支状況報告による経営改善等に取り組んでいるが、こうした政策連携団体

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