
舛添知事定例記者会見
平成27年10月16日(金曜)
14時00分~14時24分
知事冒頭発言
1 都立競技施設3施設の事業者募集について
【知事】まず、第1点目、競技施設です。都が整備しますオリンピック・パラリンピック競技会場のうち、アクアティクスセンター、有明アリーナ、海の森水上競技場につきまして、設計・施工一括発注方式で、契約に向けた発注案件として公表しましたので、お知らせをいたします。
まず、水泳競技を予定していますオリンピックアクアティクスセンターについてご説明いたします。地上5階、大会時は座席数2万席の水泳場を建設する計画としておりまして、予定価格は約538億円であります。大会時2万席とする観客席は、大会後には5000席に減じる。
それから、次、バレーボール競技を予定しています有明アリーナです。地上5階、座席数約1万5000席のアリーナを建設する計画でありまして、予定価格約361億円であります。屋根構造の一部や内装材などに木材を採用しまして、来場者に和の空間を感じていただけるように、多摩産材の活用を含め、実施設計で詳細を検討いたします。大会後は、スポーツ大会のほか、イベント時に利用しやすいように、メインアリーナはコンクリートの床を使ってありまして、必要な車両搬入ルートの確保を図っております。
3番目ですけれども、ボートとカヌースプリントの競技を予定しています海の森水上競技場であります。中央防波堤内側・外側埋立地の間にある、長方形の水域に競技会場を建設する計画としておりまして、予定価格は約249億円であります。両端に、締切堤を造ることということで、競技に適した静穏な水域の確保ができます。後利用としては、競技大会だけではなくて、水辺を生かしたスポーツ、教育、レクリエーションなど、都民のレガシーとして多様な利活用を図ってまいります。
なお、9日に開催されました諮問会議におきまして、アクアティクスセンターについては、「観客席を減じるのにもコストがかかるため、そのまま残して使うことも考えられるのではないか」という意見、有明アリーナにつきましては、「東京の水辺の魅力をもっとアピールすべきだ」という意見、海の森水上競技については、「海の森公園との連携を考えるべきだ」とご意見を頂戴したところでありまして、これらのご意見につきまして、今後更に検討を深めて、できるだけ実施設計に反映してまいりたいと思っております。
先ほど、個々に予定価格を示したほか、調査設計費とか工事中のセキュリティー対応費とか、追加工事費が生じた場合の対応含めて、全部、683億円、404億円、491億円という、これまでずっと皆さんにお示ししてきました整備費の範囲内で収まるということであります。
今後、入札に参加する各企業から出されました技術提案と、入札金額等を総合的に評価して、落札者を決定し、来年1月に仮契約の締結としたいと思います。
都議会で議決をいただかないといけない案件でございますから、来年の第1回定例会において審議いただいて、年度内に契約を締結する予定であります。
いろいろな技術的なこともありますので、詳細につきましては、オリンピック・パラリンピック準備局及び関係局に聞いていただきたいと思います。
2 モスクワ市長の来日について
【知事】2番目であります。これもまた外国からのお客さんでありますけれども、10月22日に、ロシア連邦モスクワ市のセルゲイ・ソビャーニン市長とお会いしますので、お知らせをいたします。
昨年9月にモスクワで市長とお会いして以来の再会となります。今回、10月22日には、市長との会談の後、両都市間で相互に関心を有する分野において、交流・協力にかかわる合意書を締結し、その後、交通管制センターや、浜離宮恩賜庭園を視察する予定であります。
私が行ったときも、ものすごい渋滞で、「空港にたどり着けるのかな」と思うぐらいの渋滞だったので、市長さんも、「非常に東京の交通は、比較的スムーズに流れている」と言うことがあったので、その点、ご興味がありそうであります。
こういうことを含めまして、モスクワ市とは、今後とも実務的な交流を積み重ねまして、友好都市関係をより豊かなものにしたいと思っております。
詳細は、政策企画局に聞いていただきたいと思います。
ちなみに、セルゲイ・ソビャーニン市長は、プーチン大統領の側近でありまして、プーチン大統領が大統領のときの大統領府長官、プーチン大統領が首相のときの副首相という地位でありまして、それでモスクワ市長に任命されたということであります。
3 「非正規雇用対策シンポジウム」の開催について
【知事】次ですけれども、これは雇用の面です。東京都の新たな取組といたしまして、「非正規雇用対策シンポジウム」を開催いたしますので、お知らせをいたします。
都では、安定した仕事に就きたいと希望する非正規労働者の正社員化を促進するために、今年度から様々な対策を実施しております。その一環としまして、企業経営者、人事労務担当者などを対象にしまして、「TOKYO正社員化促進計画~人を活かそう、未来のために~」ということをテーマとしたシンポジウムを12月3日に開催し、私も出席いたします。
当日は、アルバイトから経営トップにまで上り詰めました株式会社吉野屋ホールディングスの安部修仁会長の基調講演をいただいて、正社員転換に積極的な企業の取組事例の発表なども行いたいと思っております。
今日から、シンポジウムの参加者を募集いたしますので、ぜひ積極的にご応募いただきたいと思います。
詳細は、産業労働局にお尋ねいただければと思います。
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)
4 都と三宅島、御蔵島村での「総合防災訓練」の実施について
【知事】次は、防災訓練であります。10月28日(水曜日)ですが、都と三宅村、御蔵島村で「総合防災訓練」を実施しますので、お知らせをいたします。
この訓練は、内地から遠く離れた島しょ地域で「住民主体の迅速な避難」や「防災機関相互の連携」をテーマとして行います。具体的には、地震による津波の発生を想定しまして、住民・観光客等の高台への避難訓練や、警察、消防、自衛隊などと連携して、倒壊家屋からの救出・救助訓練などを実施いたします。また、今回、初めて火山噴火の発生を想定して、海上自衛隊や海上保安庁などの船によりまして、地元小学生が島外に避難する訓練を実施いたします。
訓練を通じまして、住民自ら防災を考える機会としていただいて、都も円滑な対策がとれるように万全なものとしていきたいと思っております。
この点の詳細は、総務局にお伺いしていただければと思います。
5 「東京ブランド推進キャンペーン」について
【知事】次は、東京ブランドを推進する取組の1つとして、都内各地のハロウィンイベントで、東京ブランドをPRしたいと思っています。「HALLOWEEN&TOKYO」のキャンペーンを実施しますので、お知らせをいたします。
キャンペーンでは、「&TOKYO」のPRとして、10月17日の渋谷109を皮切りに、六本木など、人出の多い都内4カ所のエリアや、さまざまなハロウィンイベントの会場で、カボチャのデザインのごみ袋を配布いたします。クリーンなまちづくりを働きかけることで、清潔で快適な東京の魅力の向上と、その発信につなげていきたいと思っております。
本キャンペーンでは、日本の「KAWAII文化」を世界に発信する「きゃりーぱみゅぱみゅ」さんに、私いつも、「ぱみゅぱみゅ」が言いにくくてすみませんが、何度言っても。「きゃりーぱみゅぱみゅ」さんにスペシャルレポーターとなっていただいています。
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)
残念ながら、ごみ袋、準備する段階で「&TOKYOマーク」がまだ発表する前で間に合わなかったので、残念ながら、「&TOKYOマーク」ではない。そこは「ハロウィン&TOKYO」になっているはずなのですけれども、「東京をクリーンな町にしよう」ということで。特に渋谷地区が非常にハロウィンでにぎわうのですけれども、後のごみなどで商店街の方がものすごくご迷惑していらっしゃるということを聞いておりますので、ぜひこれをもって、この中にごみを持って帰っていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
さらに、先週お知らせしましたとおり「何でも使えますよ」いうことですが、今日から、「&TOKYO」マークのロゴのダウンロードが東京都のホームページから可能になりますので、ご活用ください。
それから、楽しい使い方のアイデア募集やビジネスで活用するための登録も今日からやりますので、公式サイトをごらんになって、ぜひ活用いただければと思います。詳細は産業労働局に聞いていただきたいと思います。
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)
質疑応答
【記者】幹事社、読売新聞の木下から、3点ほど伺います。
まず、五輪の施設、今日入札公告された3施設なのですが、先ほどお話にありました、もともとの整備費の金額と今日公告された予定価格は、この差額というのは、周辺施設とかが今回は入っていないと思うのですが、最終的にその整備費に収まるという話を先ほど知事もおっしゃいましたけれども、削減されるような意見とかというのは、先日の諮問会議等で出なかったのか、また、この後更に削減していく考えがあるのかをまずお聞かせください。
【知事】先ほど、ご意見の一部はお知らせして、今、各委員の方々に、このまま発言を外へ出してよろしいかと聞いていまして、それが出れば出ますので、またご検討願えればと思っております。いろいろな意見を入れて、実施段階でどうするかということでありますけれども、例えばオリンピックアクアティクスセンターだと、683億円と538億円ですから150億円ぐらいの差があります。そのときに、工事中、テロでやられても困るからセキュリティー対策とか、様々なものがそこに入っていないので、そういう中で、何か対応する整備費で削減できるのか、それは検討して、できるだけしたいと思っています。だから、これよりも絶対超えないようにするというのは当然ですけれど、更にもっと減らせれば、当然努力をしたいと思っています。
【記者】2点目ですが、今日午前中、知事が官邸に行かれて、国と都が政策を進めるに当たって新たな協議機関を設置するというお話があったと思うのですけれども、これ、具体的には、これまでも知事が官邸に行かれていろいろな議論とかされていると思うのですが、改めてそういった協議の場を作ることの意味ないし狙いをちょっとお聞かせください。
【知事】例えば皆さんご承知のように、国土交通省と都とは、あらゆる分野について正式な協議機関を持ち、これはスタートに当たりまして、その当時の太田国土交通大臣と私で出席してやりました。こういうことは続けていきたいと思いますけれども、あらゆる政府の省、我々からいうと各局にまたがる問題がたくさんあります。そうすると、1つ1つ、では、厚生労働省と福祉保健局でどうやりますというのをやるというのは、もう20個ぐらい作らないといけません。そこで、全体的に官邸が向こうの司令塔になる、我々は私が司令塔になって、そして、例えば総理がおっしゃっている介護のために離職する人をゼロにしようと。そうすると、介護のために離職する可能性が一番高いのは東京のサラリーマンたちなので、そうすると東京は何ができるのだろうかと。そういうことで、働き方の改革ということになれば、産業労働局であり、福祉の方だと福祉保健局であるわけですから、そういうところを、その度に必要な人材を集めてやっていくには、官邸が主導してやった方がいいだろうということでありますので、政府と東京都で司令塔を作って、そのもとに必要な共同でやる作業をやっていく。
今日申し上げたのは、今後羽田ももっともっとよくしていかないといけません。国土交通省と当然これは議論することになりますけれども、我々にも港湾局があったり、建設局で担当したりとか、いろいろばらばらになっている部分がありますから、そういうところを一緒にやろうということに意義があると思っております。
【記者】3点目ですが、来週、知事がソウルに出張されますけれども、改めて、直前になりましたので、意気込みと狙いをまた伺わせてください。
【知事】これは向こうの大きな新聞社が主催する国際的なシンポジウムで、非常に世界的にも評価が高い。各国から政治のリーダーが集まるということでお招きいただきましたので、今の東京の現状をまず世界に向かってソウルから発信をしたいと思っております。そして、その後、姉妹都市でありますソウルの朴元淳市長とその会議の場で対談をして、2つの大きな都市が、隣国同士でもあるので、どう協力できるかというような話をしたいと思っています。韓国のマスコミの皆さん方からいろいろなインタビューの依頼なども来ていますので、できるだけお答えをして対応したいと思っています。そういうことで、ソウルと東京の2つの都市が共通して抱える問題を解決していくということが日韓関係にも非常に良い影響を与えますし、今月末、来月初めには日中韓の首脳会談が予定されていますので、そういうことに向かって、都市としての1つの貢献ができるのではないかと思っています。
もう1つ、この前既にお知らせしたと思いますけれど、ソウルと東京、お互いのまちのPRを地下鉄などの広告を使ってやろうということを、ソウルが今東京でやっているので。私が帰った後、12月ぐらいになるかもしれません、ソウルの地下鉄にハングルで東京に皆さんいらしてくださいという東京の宣伝をします。非常に良い関係を今後とも進めていくという意味で、貴重な機会なので行ってまいりたいと思っています。
【記者】東京MXテレビの三嶌です。先ほども発表がありましたが、今月、三宅島と御蔵島の方で、訓練がある、特に三宅の方では火山を想定した初めての訓練というところで力を入れるということだそうですが、伊豆大島でも、今日に土砂災害の追悼式があったように、町では防災のまちづくりに向けて施策を進めていると。大島町も大規模土砂災害が起きた時期でもあるということもあわせて、島しょ部の災害対策をどう進めていくかというところを改めてお考えをお聞かせ願えないでしょうか。
【知事】やはり先ほど申し上げましたけれども、特に地震、津波、それから、大島の場合は土砂災害がありました。どうしても小さな基礎的自治体でありますから、避難者の支援ということに大変な困難を生じて、この伊豆大島の場合も、一気にあれだけの土砂が流れてきて、大変な被害が出たわけですけれども、そうすると町役場だけではとてもではないけれど対応できないということがあります。これはもう都の支庁を機動的に動かすことによって、町村の対応を側面支援するということが必要だと思っていますので、経費面を含めて、いろいろな便宜が図られるようにやりたいと思っております。私の方は、もう全力を挙げてこの支援をしていきたいと思っています。
【記者】日本経済新聞の舘野です。五輪の施設の入札についてお伺いします。大規模な事業で、入札の不調も懸念されるのですけれども、予定価格の水準ですとか、最近の建設市況と照らし合わせて妥当な水準と見ているのかという点と、そういう入札不調のリスク、これから始まる施設もありますけれど、どうコントロールしていくかお考えをお願いします。
【知事】基本的に、設計と施工の一括発注方式でありますし、きちんとした条件をつけておりますので、今のところは、手を挙げる人がいなくて、ないしはこちらが提示した金額に対して、「そんな安いお金じゃうちはやれないよ。もっと金くれ」というようなところが出てくるという、そういう入札不調の心配はほとんどしておりません。これでやれるだろうということで。
それで、もし本当に現実の可能性として、今おっしゃったような入札不調の危険性があるとすれば、それは諮問会議においてご専門の先生から、おそらくそういう指摘が出てきたであろうと思いますけれども、そういうことも出てきておりませんので、基本的にはこれでやっていけると思っています。
あとは、先ほど幹事社さんがおっしゃったように、少しでも、どこかもうちょっと減らせるところはないかということで、IOCの皆さんもコストのかからない五輪ということをおっしゃっていて、都の方も、そういう経費削減努力を続けてくれということなので、そういう努力はしていきたいと思いますが、それが入札不調の引き金になるようなことにはならないと私は思っております。
【記者】産経新聞の伊藤です。競技施設の関係でお伺いしたいのですが。先ほど、諮問会議の意見については、実施設計などにできる限り盛り込むという話があったのですけれども、オリンピックアクアティクスセンターの大会後の減築について見直す可能性があるのかということ、あるなしはともかく、その判断というのは、誰がいつ頃までに行うのかということをお伺いしたいのですが。
【知事】先ほど申しましたように、地上5階で、大会のときは2万席だと。ただ、これを大会の後は5000席に減じるという、この判断は基本的に私は良いのではないかと。常にやはり2万席を埋めるというのは非常に大変なので、そこはいいのではないかと思っております。
あと、例えばプールの床を可動式にするということをやると、後利用ができる。ロンドンのいろいろな施設を見たのですけれども、「こんなに多目的に利用できるのか」と。そうすると、やはり床を可動式にするとか、いろいろな工夫をしているので、それを我々もある意味で取り入れているので、この後、もっと議論を重ねたり、それから今日、全部公表いたしますので、いろいろな専門の方、それから、例えばアスリートとか、イベントをおやりになる方で、「いや、こういう点をもう少しつけ加えてもらえば、もっとすばらしいものができる」というのは、それはもう大歓迎なので、おっしゃっていただいて、いつも「万機公論に決すべし」と言っているのは、我々だけで考えたり、建築の専門家だけで考えたら分からなくて、この前も増田明美さんがいらしていただいたので、アスリートの立場から見たら、こうでないといけないとおっしゃってくれたことが非常に諮問会議でも生きてきています。ですから、そういうものを入れて、まだまだ実施設計の間に変えられるところは変えられると思いますので、今、アクアティクスセンターについて一例を挙げてご質問あったので、そう思っております。
したがって、これをまた1つのきっかけにして、非常にそういう意味で柔軟性を持ってやっていきたいと、こう思っております。
皆さん、くれぐれも、「&TOKYO」の方のご宣伝をおやりいただければと思いますので、またソウルに参ったときもいろいろな展開をしたいと思っています。
(テキスト版文責 政策企画局調整部政策課)