
舛添知事定例記者会見
平成27年10月9日(金曜)
14時00分~14時28分
知事冒頭発言
1 「東京味わいフェスタ2015」及び「ヒューマンライツ・フェスタ東京2015」について
【知事】私も今戻ってきたばかりですけれども、丸の内界隈から。
まず、「東京味わいフェスタ2015」が今日から始まりまして、先ほどオープニングセレモニーに参加してまいりました。また、多くの記者の皆さんにも取材にいらしていただきましてありがとうございました。世界のお寿司やTOKYO Xとイベリコ豚の料理をはじめまして、丸の内仲通りに並ぶキッチンカーの料理、これを会場でいくつか味わいましたけれども、様々な東京産食材を使った有名シェフの料理は大変おいしくて魅力的でありました。あの値段でなかなか食べれらないので、満喫をしてきました。
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)
さらに、「ヒューマンライツ・フェスタ東京2015」も今日から東京国際フォーラムで始まりました。同じようなところでやりましたので、私からのオープニング・メッセージとして、人権と多様性の尊重がいかに重要であるかということを強く訴えてまいりました。
この両方のイベントは、今日から日曜までの3日間開催しておりますので、是非多くの皆様にご来場いただいて、東京の多彩な食への魅力を味わってもらうとともに、人権の大切さへの理解を深めていただきたいと思っております。
それが第1点です。
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)
2 遠藤五輪担当大臣との行政視察について
【知事】それから次は視察の話ですけども、来週の13日(火曜日)に遠藤五輪担当大臣と一緒に新宿駅及び旧国立競技場敷地を視察いたしますので、お知らせいたします。
2020年大会に向けまして、新宿駅を誰もが利用しやすいターミナルとするために、「新宿ターミナル協議会」を今年の6月に立ち上げまして検討を進めているところであります。今回、私と吉住新宿区長で直接、遠藤五輪担当大臣を現場にご案内して、案内サインの表記が設置者ごとに異なっていたり、乗換ルートに段差がある現状など、これは改善しないといけないから検討会を開いているわけですけども、今こういう現状であるというのを見ていただきたいと思っております。
その後、旧国立競技場の跡地にまいりますが、新国立競技場は現在、事業者の選定が進められておりますけれども、今回、旧国立競技場の敷地がほぼ更地となったということでありますので、遠藤五輪担当大臣と一緒に現地の状況を視察したいと思っております。
この視察に関する詳細は都市整備局及びオリンピック・パラリンピック準備局に聞いていただきたいと思っております。
3 第6回東京圏区域会議について
【知事】3番目は、区域会議です、国家戦略特区です。来週の10月14日(水曜日)に、国家戦略特区の第6回東京圏区域会議を開催いたします。昨年10月1日に第1回東京圏区域会議が開催されて以降ほぼ1年たちましたけれども、東京都としては都市再生・医療分野、東京開業ワンストップセンター設置など既に28件のプロジェクトについて認定を受けております。
第6回会議のこの14日の案件は、現在、国と調整中でありますが、大田区における旅館業法の特例などの提案を予定しております。この詳細は14日の区域会議の後に皆様方にご説明をしたいと思っております。
4 防災ブック「東京防災」について
【知事】それから、続きまして、大変好評でうれしい悲鳴が上がっている「東京防災」についてです。「東京防災」は、今申し上げたように大変好評なのですけども、まだ届いていないという問い合わせもたくさんいただいています。既に都内の9割、10月1日現在で細かい数字をいうと97%を超えるご家庭への配布を終えたのですが、例えば親の世帯と子の世帯が一緒に住んでいて、家に郵便ボックスが1個しかないと。そうすると1つしか入らないのです。そのため、お父さん、お母さんは見たけれど、子供夫婦は見てないとか。社員寮があって、そこも郵便ボックスが1個しかなくて、何人住んでいるか分からないというようなことで、実はもらってないと。管理人がちゃんと配ってなかったとかいろいろあると思うのです。
そういうことで、97%までいったのですけれども、予想を上回る追加要望をいただいて、これは皆さん、手にとってご承知のように、各地域ごとの地図をつけているので、ちょっと複雑な刷り方をしないといけないので、一部の地域で、今、地図を追加しないと間に合わなくなってしまったということであります。今月から来月にかけまして、特に地図の印刷を至急行いながら、残りの3%のところに何とかお届けしたいと思っております。どの地域が届いておらず、どういう状況かというのは、東京都の防災ホームページでお知らせをしたいと思いますので、ご覧いただければと思います。また、いつでも、まだ来てないよというのは都の方にお伝えいただければ、全力を挙げてご要望に応えるようにいたしたいと思っております。
この件の詳細につきましては、総務局にお尋ねいただければと思います。
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5 「東京ブランド推進キャンペーン」について
【知事】続きまして、第5番目ですけども、「東京ブランド推進キャンペーン」のお話であります。いよいよ東京を売り出すということで、「東京ブランド」の推進に向けたキャンペーンを開始いたしますので、お知らせをいたします。
都は、2020年東京オリンピック・パラリンピック大会の開催と、さらにその先を見据えまして、旅行地としての東京を強く印象づける「東京ブランド」の確立に向けまして、ブランドコンセプトに基づくロゴ・キャッチコピーを使った本格的なキャンペーンに取り組みたいと思っております。このロゴ・キャッチコピーについては、様々な制作物のデザイン全般にわたって担当できる事業者を、どういう事業者ができるかということで公募いたしました。
そこで、企画選定委員会で審査をしました結果、株式会社博報堂が選ばれました。その企画内容の中で提案がありました永井一史氏をクリエイティブディレクターとすることを、もうこれは3月に皆さんに発表したところでございます。そして、永井氏が監修して制作した複数案について、海外の言語学者や専門家にヒアリングを行い、多様な活用が可能であり、シンプルで受け入れやすいと好評価を得ましたロゴ・キャッチコピーを選定いたしました。
そして、「& TOKYO」と決まりました。
紹介ビデオも作ってみました。
この「& TOKYO」は、様々な人、モノ、コトと出会い、つながることで、東京は新しい楽しさを作り出す街であるという、そういうメッセージを世界に向けて発信したいと思っています。
「何とか&TOKYO」と、こうなるわけなので、いろいろな使い方ができます。先ほどの味わいフェスタですと、「FOOD&TOKYO」。それから、「FASHION&TOKYO」。「SHOPPING&TOKYO」。それから、都バスに例えば「MOVING&TOKYO」と。是非、皆さんが左側を自由に考えてロゴを完成したいと思っております。
実際にどういうふうにやるのと、ちょっと私、考えてみました。自分の名前をつけました。「YOICHI&TOKYO」と。これで便箋か何か作って書いてやると楽しいかなというのが1つです。
それから、金魚をたくさん飼っていますので、「金魚&TOKYO」という、こういうのも作って、江戸川あたりで金魚をいっぱい生産しているので、ちょっと持っていって「どうだ」と言って売り込もうかなと思ったりしています。
それから、もう1つ作ってみたのは、今自転車でシェアサイクルとかやりたいので、「BIKE&TOKYO」ということで、例えば自転車専用レーンを作るときにこういうのを使ったりとかできるので、いくらでも無限に展開可能だということであります。
そこで、我々役人の発想では乏しいと思うので、どういうふうに皆さんだったらこの部分を使って活用しますかというのを、16日(金曜日)から広く募集して、「あ、これ、すごいアイデアだな」というのを集めて、発表会を開催して紹介したいと思っています。
それと、16日から募集開始しますけれども、この「& TOKYO」のロゴを「東京ブランド」の公式サイトからダウンロードして、無料で利用できるようにしますので、お使いください。
それで、ちょっと法律上のことをご説明しますので、よく聞いておいていただきたいのは、先ほどの私の便箋とか、金魚とか。例えば私が自分で作って使うときは、これは私が個人で、ある意味で趣味で利用する場合は全く自由にロゴを使うことはできます。だから、皆さんが太郎とか花子とかいうの、何でもいいのです。ただ、お金もうけというか、ビジネスなどでロゴを活用するときは、一応、東京都に我が会社が、会社の名前をつけ、「文化放送&TOKYO」とか、こう使うのだったら、文化放送さん、登録お願いしますということです。エンブレムのときに著作権とかいろいろありましたけれども、この「& TOKYO」は、著作権法的なことを言うと、「&」というのはどこでもあります。「TOKYO」も全くどこでもあるので、こういう一般的な文字でシンプルなもので構成されるデザインのときには、著作権法上の保護対象とならない可能性が極めて大きいと言っておきたい。ですから、著作権法上の保護対象にならない。だから、ユーとかアイとか、ニューヨークとかロンドンというのは、まさに一般的なもので、「TOKYO」も「&」も一般的なので、非常に著作権法上のリスクはないと思いますけれども、エンブレムのときに申し上げた、著作権というのがあって、法律的にはもう1つ、商標権というのもあります。商標権については、既存の商標と抵触していないということを確認いたしました。さらに、東京都において、一応これで商標登録を出願中であります。なお、例えば皆さんが個人でお使いになるときは問題ないのですが、新聞社とか、会社とか、団体で使われるとき、例えば「読売&TOKYO」と、こうやったときに、既に例えば今の例で言うと、「読売&TOKYO」とか、「朝日&TOKYO」とか、「毎日&TOKYO」とか、「TBS&TOKYO」とか、そういうのがあったときに、それを誰かが既に商標登録をしていたら、商標権の侵害になります、企業が使うときは。個人が好きなときに使う、例えば「YOICHI&TOKYO」と誰かが商標登録をしていても、私は個人で使うのだから、これはいいのです。だけど、会社が使って、ビジネスのときに使うと、相手が商標権登録で訴えてくる可能性があります。それで、そのときは、利用者の自己責任になる。だから、例えば今言ったように、「BIKE&TOKYO」というのをある自転車会社が自分専用で使いたいというときに、「BIKE&TOKYO」というのをどこかの自転車会社が既に商標登録をしている場合には、その権利を侵すことになるので、それをやるときはちょっと自分で調べてみてくださいということです。その商標権と著作権というのはちょっと分けて考えていただきたいので、そして、確認して、「BIKE&TOKYO」と自転車屋が使いたいと思って、誰も登録してないなといって、では、使いましょうと。そのときも、念のため、東京都に、我が自転車会社はこれを使いますからと言っていただくということであります。
公募とか登録については、詳細が決まり次第お伝えしたいと思いますし、法的な側面は、今言ったようなことを担当に私がしっかり説明をしてありますので、ご疑問があったら、都の担当に聞いていただけば、法律的にどうだと説明できるようにしたいと思っています。
それから、次に、「東京ブランド」をPRするイメージ映像も作ってみましたので、ちょっとご紹介したいと思います。
北野武さんにも出ていただいて、各界で活躍する皆さんのご協力を得ました。ありがとうございました。
今日から、都庁ホームページやブランドの公式ウェブサイトでも公開して、22日(木曜日)からは東京国際映画祭や海外テレビ放送のCMで放映することでブランドイメージを世界に発信したいと思っております。
多くの都民、民間事業者の方々にこのキャンペーンに参加していただきまして、皆さんと一丸となって東京の魅力を発信することで、世界中にファンを増やして世界一の観光都市、東京を実現していきたいと思っております。これから、私や都の職員がこのバッジを着用したり、イベントでポスターを張り出すなど、率先して「東京ブランド」の発信に取り組んでいきたいと思っております。
詳細につきましては、産業労働局に聞いていただきたいと思います。
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)
質疑応答
【記者】幹事社、読売新聞の木下です。私の方から、絞って、「& TOKYO」と、あと、午前中に行われた諮問会議の件についてちょっと伺います。
まず、「& TOKYO」からなのですが、要するに、個人利用するときにはどんどん使ってくださいと、営利目的の場合は法律に気をつけて登録してくださいと。
【知事】はい。
【記者】無料ということでいいのですか。企業が使ったりするのは。
【知事】もちろん無料です。
【記者】それは、都としては、これはどんどん使って。
【知事】ええ。むしろ使っていただく。
【記者】先ほどちょっと商標の話が出たのですけれども、一部報道で、7月に商標登録を出願して、8月ぐらいに発表する予定でいたのが、五輪のエンブレム問題があってちょっと発表が遅れたというような報道があったのですが、その件の事実関係はどうですか。
【知事】それも、もうあれだけごたごたあって、エンブレム撤回なんていう話がありましたから、少しこっちも慎重に、もう一遍、法的な側面を見て、これでもう問題ないなという形でやりました。
【記者】あと、午前中の諮問会議なのですが、まず会議終了後、座長が5分ほどぶら下がり取材に応じて、今日諮問されて、基本設計の概要をチェックして、どうだったのかというのはいまいちよく分からなかったのですが、知事にはどういった報告が入ったのでしょうか。
【知事】私も途中、ほかのイベントがあったので出ましたけども、報告があったのは、私は、2020年、さらにその後を考えてくれということを申し上げたのですが、例えば陸上トラック自体はすばらしくても、ロッカーや取材ポイントへの動線部分が、パラリンピックのアスリート、義足の選手には使いにくいという事例を紹介してくださった委員がおられて、世界の競技場を実際に見ているアスリートから、「こんな競技場は嫌だ、使いにくい」という、そういう不満や苦情が出ているので、そういうのも聴いて、よく参考にするようにと。
それから、競技場本体の設計やコストだけを見るのではなくて、周辺環境を含めて考えることが重要だと。例えば、周辺もあわせて、飲食などを含めた華やかさといった視点も必要であるという意見も出されたそうです。
それから、多くの競技施設が水辺に立地するので、東京は、私がいつも言っているように水辺の文化があるので、水の都、水辺のすばらしさを積極的にアピールすべきであると、そういう意見が出たと聞いております。
それぞれの専門の立場で、基本設計について、今日、初回ですから、持ち帰って、しっかりと検討した上で、それを次の実施設計に生かしていきたいという状況であります。そして、私もそういう報告は受けていますが、あの会の冒頭で申し上げたように、いろいろな入札が不公正になったらいけないというので、かなり縛りがあるのですが、基本設計がぴっしり決まり、実際にこれでやるよということが決まってしまえば、選定の段階で資料を持っている人と持っていない人の差が出たりすると、これは不公正ですから、決まってしまえば、出せる資料はどんどん出していきたいと思います。できれば、この会見の場で定期的にここまで来ましたということをきちんと公表していきたいと思っています。
【記者】ちょっとすみません。それに重ねるような質問で恐縮ですけれども、ただ、本来の新国立を教訓にという形でこの諮問会議ができて、新国立でやはり問題になったのは、まさにコストの面でいろいろなやりとりがオープンでないところで行われていて、結論が出てきて、2520億円と出て大問題になったと認識しているのですけれども。今の知事のお話ですと、決まってから出てくるのであれば、世間の審判と言うとオーバーですけれども、そういった意見を聞く機会というのは、逆にどこで設けるのでしょうか。
【知事】まず、批判されて、私も実はメンバーだったと後で分かった有識者会議というのは、専門家ではないのです、私は建築の。あて職でぼんぼん、ぼんぼん入れられただけだという。実質的にほとんど議論をしていなくて、報告を聞くだけだった。今日は、聞いた限りはかなり積極的な意見をいただいたと。そして、こういう形で入札をいたしますよということを公告します。この公告をした後は、今、ご懸念があった、公表できなかった資料も速やかに公表したいと思っております。
おっしゃることは非常によく分かるのですけれども、どうしても法的に地方自治法の施行令というのがあって、その中で、公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律とか、いろいろなそういう法律があって、情報管理の徹底が設けられているものですから、それを守った上でできることをやりたいと思っていますので、それは国立競技場にも全く同じなので、国立競技場はどんどんオープンになり、都のものは密室だったというのは論外なので、国立もそこは同じだと思っていますので、是非ご理解いただければ。できるだけ、そして時期に応じて出したいと思っております。
【記者】あと、幹事が最後に1点だけ。今、出た公告の時期、めどなのですが、大体どれぐらいなのかというのは、今、言えるのでしょうか。
【知事】これは、ちょっと、今日の議論に私は参加してないものですから、今、私が間違ったことを言うといけないので、担当にちょっと聞いてみてください。
【記者】東京MXテレビの竹田です。来週16日で伊豆大島の土砂災害から2年ということなのですが、この受けとめと、知事は追悼式にご出席なさるのか、そして今後も大島への災害の支援というのは継続されていくのか、ご意見を。
【知事】これは、2年たちましたけれども、決して忘れてはならないし、我々は全力を挙げて支援していく、そこは変わりません。ただ、昨年、私も追悼式にまいりましたけど、今年については島内の人間だけでやりたいというご要望がありましたので、私がこの東京都庁から出かけるというよりも、大島支庁がありますから、そこから出席させていただきたいと思っています。ただ、この大災害を忘れないために、弔旗の掲揚を含めて皆さんで、我々の都庁舎においても皆でご冥福をお祈りするとともに、これまでも様々な支援を行ってまいりましたので、これからも、引き続ききちんとした支援をやっていきたいと思っております。
(テキスト版文責 政策企画局調整部政策課)