
舛添知事定例記者会見
平成27年10月2日(金曜)
14時00分~14時31分
知事冒頭発言
1 都立競技施設整備に関する諮問会議の設置について
【知事】私の方から4点、ご報告をいたします。
まず初めに、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会で都が整備します競技施設について、設計内容などを第三者の目でチェックしていただくために、「諮問会議」を設置することといたしましたので、お知らせをいたします。都が整備する競技会場につきましては、昨年度から時間をかけて会場計画の再検討を行い、都議会でもご議論いただいて予算計上して、これまで準備を進めてまいりました。また、整備を確実に進めるために、先般、発表しましたとおり、各施設の整備における責任体制を明確にしたところであります。
その上で、広く都民・国民の皆様のご理解をいただくためには、さらに、外部からの視点でも、基本設計、実施設計の内容などをチェックすることは重要であると考えてございます。
そこで、専門の知見を有する方々で構成する諮問会議を設置し、第1回を10月9日に開きます。私も出席をいたします。当日は、デザインビルド方式で整備を進めます「オリンピックアクアティクスセンター」、「海の森水上競技場」、「有明アリーナ」の3施設を対象として、基本設計の内容、性能、仕様、コストなどについてご意見をいただいて、今後の施設整備に反映してまいります。委員の皆さん方の名簿ですが、建築、土木、法律、スポーツの各分野で専門性やご経験の豊富な方々にお願いをいたします。
施設整備の状況につきましては、都民の皆様にもご理解をいただきたいと思いますので、会議終了後には、契約手続きに支障があるものなどを除き、資料や議事内容は可能な限り公開してまいりたいと思っております。
この件の詳細につきましては、オリンピック・パラリンピック準備局にお尋ねいただきたいと思います。
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)
2 新規恒久施設の「施設運営計画策定支援事業者」の決定について
【知事】2番目のテーマです。これも同じく競技施設にかかわりますが、2020年大会で都が整備します新規の恒久施設のうち先行して整備を進めております4施設について、「施設運営計画策定支援事業者」が決定しましたので、お知らせをいたします。
東京都は、新規恒久施設を大会後も末永く有効活用していくため、施設整備と並行して、早い段階から民間の知恵とノウハウを取り入れた「施設運営計画」を策定していくこととしております。6月に、この計画策定を支援します民間事業者を募集したところ、4施設で合計25件の提案をいただきました。そこで、提案内容について、「企画提案内容」「財務状況」「運営実績」の面から審査をいたしまして、支援事業者を選定いたしました。
まず、オリンピックのアクアティクスセンターですけれども、これは「株式会社フクシ・エンタープライズ」を代表として2社で構成するグループ、海の森水上競技場については、「一般財団法人公園財団」、有明アリーナにつきましては、「株式会社東京ドーム」を代表とする4社で構成するグループ、それから、カヌー・スラローム会場につきましては、「株式会社協栄」を代表として2社で構成するグループ。いずれも、公共のスポーツ施設等の運営・管理に多くの実績と知見を有する会社・団体でございます。
支援事業者の皆様には、各施設における具体的な事業内容、運営手法、周辺地域や施設と連携した取組などについて、民間の知恵やノウハウを生かした積極的なアドバイスや支援を期待しております。今後は、施設ごとに、今回選定しました支援事業者や、都の関係各局で構成する検討会を設置し、大会後の確かな運営を視野に入れた施設運営計画を策定してまいります。
先ほどお話ししました諮問会議による施設整備の進捗状況の管理と合わせまして、大会後の後利用についても十分な検討を行い、都民・国民に納得の得られるすばらしい施設となるように、しっかりと取り組んでまいります。
この点も、詳細はオリンピック・パラリンピック準備局にお尋ねいただきたいと思います。
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)
3 都立駒沢オリンピック公園のレストラン・カフェ事業者の決定について
【知事】それから、3番目ですが、都立駒沢オリンピック公園におけるレストラン・カフェ事業者を決定しましたので、お知らせをいたします。皆さん方にお知らせしましたように、公園における多機能利用の取組として、5月に「レストラン・カフェ事業者の公募」を開始しましたけれども、民間ならではのアイデアやノウハウを生かした多くの魅力的な提案をいただきました。審査は、「公園利用者へのサービス」や「建物デザイン」などの評価項目について、外部の専門家などによって行いまして、その結果、「株式会社クリエイト・レストランツ・ホールディングス」に決定をいたしました。
この公園の、私もよく遊びに行くとこなのですけれど、駒沢公園の西門付近に、新しいレストランできます。有機野菜をふんだんに使ったヘルシー志向のメニューを展開しているのが、「ミスターファーマー」でありまして、ここに設置されると。
メニューですけれども、この店舗では、モーニングからディナーまで、利用者のニーズに合わせた「時間帯別メニュー」や「テイクアウトメニュー」を展開する予定でありまして、気軽に多くの方々に喜んでもらえると思っております。
建物のイメージは、緑豊かな公園に、マッチするように、大きな勾配の屋根がデザインとして印象的でありまして、開放的なテラス、ガラス張りの室内空間で、緑を満喫しながら食事を楽しむということができるようになっております。
それから、今後は、あれだけ大きな公園の中にあるわけですから、災害のときに帰宅困難者など、被災者支援施設にも転用できるように、事業者の店舗設計・建築に合わせてWi-Fiスポットの整備など、防災機能も高めたいと思っております。平成29年春のオープンを目指しております。
この件、詳細は建設局に聞いていただきたいと思います。
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)
4 東京消防庁が実施している「東京防災セミナー」について
【知事】次は、防災です。防災ブック「東京防災」の配布を行っておりまして、幸い、大変好評でありまして、まだ届いていないという方もおられたり、是非売ってくれと、他県の方がおっしゃったりというので、うれしい悲鳴を上げているとこですけれども。それに関連しまして、東京消防庁は全ての消防署において、「東京防災セミナー」をやっております。これも大変地元の方々に好評なので、お知らせして、まだ、少し残り期間ありますから、皆さんにおいでいただければと思います。
9月6日から10月14日、東京消防庁の管内の全消防署でやっております。ここでは、例の防災ブック「東京防災」を活用して、実際に家具類の転倒防止はどうすればいいかとか、消防団と連携した初期の消火訓練、応急救護訓練などを実施しているということです。
スタートした9月6日から9月23日までに、約20万人が参加してくださいました。どういう感じかというのは、中野消防署と足立消防署の例でいうと、家族連れで皆さん来られたり、本当に幅広い年齢層の方に来ていただいております。
このセミナーは、日曜日・祝日は11時から12時まで、月曜日から水曜日は19時から20時まで、全ての消防署において開催しております。10月14日までやりますので、防災ブックを読まれて、実際どうするんだろうというのを、そこで体験できますので、是非いらしていただきたいと思っております。まだ、あと10日ありますので。
この詳細は東京消防庁の方に聞いていただければと思います。
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)
質疑応答
【記者】幹事社、読売新聞の木下です。幹事社から3点ほど伺います。まず、冒頭発表がありました都立競技施設整備に関する諮問会議ですが、これについては、まず、デザインビルドを採用する3施設について、諮問会議でチェックを受けるということですけれども、東京都が新設する施設は、ほかにも4つほどあると思いますが、それらについてはどういうふうにしていくのでしょうか。
【知事】これも順次、同じような手続でやっていきたいと思っています。
【記者】それは、基本設計が上がってきたところとか、そういうタイミングになるのでしょうか、時期等は。
【知事】そのタイミングをどうするかだけれども、基本的には、第三者の目できちっとチェックをするということが目的でありますので、そういう目的にかなうようにしていきたいと思っております。どの時期でやるかというのは、ちょっとまだ全体がスタートしていないので。ですけれども、わかり次第、また皆さんにお知らせしたいと思っています。ちょっと今、時期の選定とか、どの段階かは検討中です。
【記者】それで、知事がこの諮問会議に期待するチェックのレベルといいますか、要するに、金額面であるとか、あと、施設の設備の面であるとか、かなり細かいところまで指摘等を求めていくような会議体を期待しているのか、それとも、大枠的なところを了承をもらうような会議になるのか、どの辺のレベルを期待しているのかというのを。
【知事】全ては、新国立競技場が白紙撤回ということになりましたが、そのプロセスの反省の上に立って、同じ轍を踏まないということが原則であります。やはり、私も建築は素人です。だから、専門的なことは分かりませんが、やはり値段が高過ぎるなとか、ちょっと時間かかり過ぎるなとか、暑いとき、冷房どうなのと、普通の、いろいろな質問があります。やはり、そういうことに的確に答えができないと、要するに、都民が理解できないわけですから、そういう、普通の人が思うような疑問についてきちんと答えられるということが前提であって、専門家でないと分からない、細かい、どの資材が幾らかかるとか、この工法だったら幾らかかるというのは、もう説明してもらうしかないと思います。そういうことができる方が委員に入っています。
それから、増田明美さんが入っておられますから、実際、アスリートとして見たときに、「いや、ちょっと、これ、困るよ」ということもおっしゃると思います。それから、法律の専門家、建築の専門家、土木の専門家。建築と土木というのは、分野が全然違うので、両方の分野の方が入っておられます。私たちも、皆さん方も、そんなに建築、土木の専門家は、記者さんにもおられないと思います。でも、疑問だなと思ったときに、この人たちが私たちのかわりに見て、チェックをしていただくと。だから、そのレベルはどこまで細かいかとかいうよりも、そうして、きちんと、皆が納得してやると。そうすると、逆に、何でもいいからコストを削減すればいいわけではなくて、「あと1億円足せば、もっといいのができるのに」というようなときは、私は足してもいいと思うのです。安かろう、悪かろうも困る。
だから、みんなが納得いくこと、そういう施設になるためのということが目的ですから、どういう運営をするかというのは、基本的に、こういう専門家の方々に任したいと思っております。私も、初回に出て、どういう意図でやるのだということをしっかり申し上げて、検討してもらいたいと思っています。
【記者】2つ目の発表にも絡むのですけれども、施設運営計画策定支援事業者。これは、事業者さんが決定した4施設のうちの3つは、多分、今回、諮問会議にかかる施設だと思うのですけれど、ここでの検討内容、あるいは、既に出ている企画提案書の内容とかというのは、基本設計とかには盛り込んでいく関係にはなっていくということでしょうか。
【知事】要するに、最初の諮問会議は、今言った新国立競技場の轍を踏まないために、そして、この運営計画をどうするかというのは、次につながるレガシーのためであるわけです。ですから、例えば、ある競技施設、こういう使い方をしたらどうだと。それは終わった後に都民のためになるスポーツ施設になるのかどうなのか。オリンピックはオリンピック、あとはあとということではないと思うのです。やはりどこか、断絶する面もあるけれども、継続性もあると。だから、そういうことで、やはり役人というか、官では知恵が回らない。きちんと、どういうふうに運営をして、恒久施設ですから2020年の後も続く、そうすると、赤字の垂れ流しになるような施設になるのですかと。そうではなくて、やはりちゃんと採算をとれるようになるのですか。そこは民間の方が上手なので、そういうことをやりたいと。
一番わかりやすい例で、どの会社がどうだということではないけれど、株式会社東京ドームが施設運営計画策定支援事業者に入っています。私もしょっちゅう東京ドームに行きますけれども、いつもいっぱい人が入っていると。例えば、ああいうにぎわいにするというのは、どういうふうにやればいいかというのは、おそらく官よりも、この人たちの方が知っているので、また、だから、選ばれたのだろうと思いますけれども。そうすると、有明アリーナを、今までのドームを経営してきたノウハウを使って、どう運営するか。これはもう2020年にとどまらない、その先を見越したということが念頭にあります。だから、造るときもしっかり造る。そして、造ったのを運営していって、2020年の後、すばらしい世界一の東京にするための施設にするにはどうするかと。その2つの車輪を回しながら、都民の皆さんに、ああ、それなら税金出していいなと思われるようにしたいと思っています。
【記者】あと、もう1点、五輪絡み、エンブレムの問題なのですけれども、28日に組織委員会の方で、武藤事務総長と、あと、副事務総長2人について、報酬の返納という処分がなされて、また、今日、マーケティング局長ですとかクリエイティブディレクターの方も、また、何か、更迭と評価できるような人事があったようですけれども、これで一連の処分的なものが出たわけですが、知事もかねてから、エンブレムの問題、責任の所在をはっきりさせるべきだという発言があったと思うのですけれども、どう受けとめるかということと、あと、一連のエンブレムの騒動をちょっと総括して、どうお考えになるか。
【知事】基本的に、組織委員会が中心になってエンブレムを決めると。もちろん最終的にはIOCがしっかりと背後で関与するという形でやってきて、組織委員会自体が、いろいろな問題があるということで調査をして、先ほど申し上げたマーケティング局長含めての処分もお決めになったので、それは適切にお考えになったのだと思います。今、何よりもやはり求められているのは、一日も早く、本当に国民、都民が喜ぶエンブレムを作ってもらいたいというのが、今、最大の思いであって。招致のときのバッチではなく、できたら早く新しいバッチをつけたいなと思っています。
ただ、今回見ていると、私の尊敬する王さんもエンブレムの検討会議に入られて、いろいろな形でおやりになる。それから、誰でも応募できるということで、非常にオープンになりました。いろいろな方が入って、おやりになる。もちろん審査ですから、秘密にしないといけないところはあると思います。けれども、前回のプロセスに比べれば、様変わりの形でオープンになって、よく見えるようになった。透明性、公開性が増したと思いますので、あとは迅速性だと思います。透明性、公開性の担保をやっていて、そうすると、時間かかり過ぎるというのは問題になるかもしれません。だから、今、私がむしろ申し上げたいのは、できるだけ早く良いものをお決めくださいということなので、そして、私たちはそれを活用して、早く明るいムードで、2020年に持っていきたいと思っていますので。開催都市は東京で、都知事は私なので、これから必要なことを含めて、いい方向に、とにかくもう明るい方向に持っていくために全力を挙げたいと思っています。
【記者】東京MXテレビの三嶌です。先日、大田区で会議があって、区内での民泊を認めるという動きを進めていこうということになりました。これは、東京オリンピックに絡んでも急いでいく必要がある、宿泊施設の確保という問題もにらんだ動きだと思いますけれど、知事は、大田区のこの動きをどう評価して、都としては、宿泊施設の確保という問題にどう取り組んでいくか、お考えをお聞かせ願いたいのですが。
【知事】大田区がこういう形で先行的におやりになったというのは評価したいと思います。というのは、この問題は関連するいろいろな問題があって、例えば、空き家対策。空き家というのは、一戸建てもマンションも含めてですけども、ものすごい数で増えていっている。これは何とかしないといけないという、そういう問題も実はあります。それから、おそらく来年は日本に来られる観光客が2000万人を超えるのではないかと。ものすごい数で増えています。そうすると、宿泊施設の不足という今おっしゃったこともあるので、是非、そういうことも含めて前向きに検討したい。
ただ、逆にいろいろな問題点も、皆さんの報道でも出ているように、要するに、セキュリティーがちゃんと守られているか、ごみを捨てる日がめちゃくちゃだと隣近所に迷惑かかるとか、いろいろなことがあるので、ですから、周辺住民が嫌がるようなことをやってもらっては困るので、今年の7月に内閣府、厚生労働省が通知を出して、とにかく近隣住民からの苦情の窓口を設置しないとだめですよと。それから、苦情に対応できないときは認定を取り消しますということも、国はガイドラインを出されているので、そういうことも念頭に置いて、プラスマイナスありますから、いいことばかりではないので。それで、大田区がおやりになるので、東京都としては、大田区、そして国と協力して前に進めるべきは進めたいと思っています。
これからも東京のほかの地区で、私のところもやってみたいというのがあれば、それは検討するという形で対応していきたいと思っていますので。大阪府・市に先行して大田区がおやりになるということなので、それでしっかりとみんなが国民的な議論をやる中で、いつも言うように「万機公論に決すべし」で、その中で、いろいろな問題点もあぶり出されて、いい解決策が見出されると思っていますので、都としてもできることはやりたいと思っています。
【記者】日本経済新聞の舘野です。東京メトロの株式について、会計検査院から指摘がありまして、それで、今日の国土交通大臣の閣議後の会見でも、太田国土交通大臣が、経営効率化、サービス向上のためには、国と都が連携して売却する必要があるというのが基本的な考えだと。それで、東京都と調整を図っていきたいと発言しています。
この問題について、現在の東京都知事のスタンス、お考えをお願いいたします。
【知事】多くの問題があるのですが、簡潔に申し上げますと、一番大事なのは、2020年を前にして、東京メトロを含めて、地下鉄全体のサービスを向上させる必要があると、そこに全力を挙げるべきであって、会社の統廃合とか、株をどうするかということが問題ではないと思っています。
本当に地下鉄というのは便利が良いです。都心を走っているし、バスに比べると非常に乗りやすいというのがあるので、地下鉄のサービス改善というのは、絶対、2020年大会の成功のために必要なので、今、株の売却をして、そのことで東京の地下鉄網が良くなるのかということをまず考えるべきであって、やはり、取捨選択して優先順位をつけないといけないというのが私の基本方針ですから。やるべきことがいっぱいあるので、そんなことを考える余裕はありませんと、それが私の考えです。
【記者】すると、復興財源にというような名目もあるのですけれども、現時点では売却ということを検討する余裕はないと。
【知事】いや、復興財源にというなら、沖縄の道路を修繕するために我々の貴重な財源を使っているのだったら、そっちから先にやったらどうですかと。国も、やはり国民の税金をきっちりと使う、無駄はしないというのを、もうちょっと考えてもらわないと。というのが、私の答えです。
【記者】文化放送の高橋民夫です。私、長い間、防災についてずっとかかわってきておりました。「東京防災」が、私の友人たちの手にも届き始めております。そして、評価も随分上がっておりますが、知事のところにどういう評価が、まだ短い期間ですが、上がってきているのか。そして、そうした「東京防災」の中で、常日ごろ大切に思われている隣近所の連携プレー。これが、ちょっと3ページぐらいしか表現されていないこと。こうしたことがとても大切なことなのではないだろうか。そして、前回にも触れておられましたが、緊急時輸送道路の確保ということで、建物が倒れてこないようにする。こうしたものもとても大切なのだが、表記がちょっと少ないかな、と感じたことがあったのですが。あれもこれも書いていたら、本当に大変なことになってしまうのは分かるのですが、これなんかも、繰り返し繰り返し、やはり知事の方から、あるいは担当部署の方から、伝える必要があるかな、と思ったのですが、いかがでしょうか。
【知事】はい、ありがとうございます。比較的いい評価を皆さんにいただいていまして、この前、「ありがとうございます」って私に言う年配のご婦人がおられて、「何でしょうか」と言ったら、「いや、うちにも届いて、みんな喜んで見ています」と言うので、「ああ、ありがたいな」と思っているのです。
ただ、今、高橋さんご指摘のように、いろいろ欠けている部分とかいうのもあるかもしれません。ですから、ぜひ都民の皆さん含めて、皆さんのご意見をいただいて、それで、例えば改訂版を作るとか、あれに加えて、来年、まだ決めていませんけれども、欠けている部分だけ付録としてつけるとかいうようなことも考えたいと思います。100%完璧じゃないと思いますので、ぜひそういうアイデアをいただいて、それで、先ほど申し上げましたように、他府県からもたくさんのご要望があります。ご家庭には配っているのですが、事業所、会社には配っていないのです。そうすると、住んでいるのは埼玉県、千葉県、神奈川県だけれども、自分の職場は東京だという人にあれは届かないので、そういうことを含めて、企業も、買いたいという方もおられるので、できるだけ早く、なるべく安い値段で頒布できるようにしたいと思っています。またいろいろと、アイデアあればいただきたいと思います。
【記者】NHKの江頭です。諮問会議のことなのですけれども、先ほどのご発言でも、新国立競技場と同じ轍を踏まないというお話がありまして、それを教訓にしてできている今回のお話だと思いますので、これまでも、再三ご指摘はされていることですけれども、やはり、何を教訓としているのかというのを、もう一度、知事からの言葉で教えていただきたいのと、あと、情報公開はもちろんやっていると思うのですが、今後、費用の増減というのは、上限を足しても事によってはいいと思うというお話もありましたが、資材の高騰とか人材不足とか、いろいろ不測の事態も今後起こり得るかもしれませんので、そういうものが起きたときには、やはり都民に速やかに情報公開がされると考えていいのかどうかと、この2点を教えてください。
【知事】基本は情報公開ということで、情報をみんなと共有していくと。やはり私は常に申し上げていたのには、ぜひ建築とか、土木の関係の方、もっと普通の人に説明していただけませんか。ザハさんのキールアーチと、いつも私が言いますけれども、悪いという意見しか出てないけれども、いいという方もおられるので、「じゃあ、何でそれをもっとお知らせいただかないのですか」ということを申し上げたと思います。
だから、今度についても、いろいろな計算の仕方があったり、専門家の方がおられると思いますけれども、普通の都民が、「ああ、なるほどな、これ、30億もかかるのだ」、「ああ、それはかかるの当たり前ね」と、こう思えればいいと思うのです。そして、できればそういう中で選択肢が出てきて、A案、B案、C案と出て、「例えば、A案だと100億のままです。B案だと安くて80億ですけれども、これとこれとこれが欠けます。例えば、冷房がありません。ちょっと120億にしますと、これだけいいものがあって、2020年の後も本当に都民が快適に過ごせるようになります。だから、今、どうでしょうか、20億円積み足しては」ということができればと思って。まさに新国立でやっているのは、そのことをやっているわけですから。
それで、何が問題かと言ったら、一部の人だけがやっているのではなくて、東京都民全員、日本国民全員が、2020年の成功のために、自分のことだと、自分もそこに関わってやっているのだということを持つためには、情報が密室の中から出てこないといけないのです。ですから、エンブレムの問題も同じような指摘があったように、必要な、外に出せないのはしようがないです、契約上出してはいけないのがありますから。けれども、出せるものは出す。だから、会議が終わった後に、法律上とかいろいろな契約上、非公開扱いが必要ではないものは、全部公開する、そして、皆さんに伝えると。
私は、さきほどの諮問会議はそういう選択肢、安かろう悪かろうでもまた困るので、選択肢の提示ということ、そしてコンセンサスの形成をやる。先ほど、早くエンブレムを決めてくれということを言ったのだけれども、結局、迅速性が問題だと言っても、時間かかるのです。かかるけれども、迂遠なように見えて、振り返ってみたら情報公開やったために、実は早くなるのです。これまで、時間無駄ではないですか、新国立にしても、エンブレムにしても。あれなかったら、もう全部できている。だから、迂遠なように見えても、やはり国民、都民と情報を共有してみんなで一緒に考えて、みんなでつくり上げるという、そういう姿勢を示すためのものが諮問会議であるということを申し上げておきたいと思います。
(テキスト版文責 政策企画局調整部政策課)