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舛添前知事「知事の部屋」

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記者会見

平成27年9月11日更新

舛添知事定例記者会見
平成27年9月11日(金曜)
14時00分~14時26分

知事冒頭発言

1 台風18号による大雨の被害について

【知事】私の方から、まず台風18号による大雨の被害について、一言、申し上げたいと思います。
 東京都内では8日から10日にかけて大雨警報が継続して発表され、一部で床上浸水、床下浸水など発生したものの、大規模な災害には至りませんでした。しかし、もう皆さんご承知のように、栃木県、茨城県では、記録的な大雨で、鬼怒川の堤防が決壊するということで、住宅街で多くの方が取り残されるなど大規模な浸水被害が発生しております。被害を受けられた方々には、謹んでお見舞いを申し上げたいと思います。
 都の方の対応ですが、既に昨日、緊急消防援助隊として、東京消防庁及び稲城市消防本部から指揮支援隊や航空隊などの部隊を茨城県に派遣いたしました。また、警視庁におきましても、広域緊急援助隊として現地で活動中であります。さらに、今日から浸水した病院からの患者搬送や医療機関、避難所への支援のため、東京DMAT指定医療機関から、医師、看護師等からなる医療救護班を現地に派遣いたしました。また、今後の支援に向けた調整を図るための連絡要員として、職員を現地に派遣いたしました。今後、被災地の要請に応じまして、東京都としてできることは最大限協力してまいりたいと思っております。

2 ロンドン市との友好都市提携について

【知事】2番目ですけれども、都市外交です。ロンドン市との友好都市提携につきまして、お知らせをいたします。
 昨年10月、私がロンドンに出張しました折にロンドン市長のボリス・ジョンソンさんとお会いしてお話をし、「東京とロンドン、友好都市提携をしようじゃないか」という話をして、ずっと協議を進めてまいりました。その結果、今般、基本的な合意に達しましたために、都議会第3回定例会に東京都とロンドン市との友好都市関係の結成について議案を提出して、ご審議いただくことといたします。
 ロンドン市との友好都市関係が結成されれば、東京都にとりましては、1996年のローマ市との連携以来、19年ぶりの画期的なものとなります。成熟都市としてオリンピック・パラリンピック大会を成功させたロンドン市の経験を学ぶことで、2020年大会の成功につなげたいと思っております。昨年、参りましたときも非常にいろいろなことを教えてもらいましたし、どういうふうに努力しないといけないかというようなことで、それが、例えば大会後のレガシーをどうするかとかですね、競技施設の見直しとか、様々な点に反映されておりますので、そういう知見もあわせてロンドンとのこの友好都市連携というのは大きな実りをもたらすと思います。さらに、大都市に共通する課題の解決に友好都市として共同で取り組むことで、お互いに都市の総合力の向上につなげていきたいと思っております。
 詳細は政策企画局に聞いていただきたいと思いますけれども、今、都市ランキングで6位までの都市でいうと、トップがロンドンです。2位がニューヨーク、これは姉妹都市です。3位のパリもそうです。4位が東京、5位がシンガポールですけれども、6位のソウルとも姉妹都市関係にあるということで、トップのロンドンと4位の東京が連携するということでありますので、非常に大きな意味を持つと思っております。

3 「ふるさと復興の今が分かるツアー」について

【知事】3番目ですけれども、ちょうど今日、9月11日というのは、東日本大震災から4年半となります。宮城や東北でまたこの大雨の被害というのは大変心が痛みますけれども、東日本大震災で被災しました都内におられる避難者の方々を対象に、ふるさとの復興状況を見ていただくツアーを実施したいと思っておりますので、お知らせをいたします。
 4年半になりましたけれども、都内にはまだ7200人以上の方が避難しておられます。こうした方々から、「地元は今、どうなっているのだろうか」と、「どうも情報が入らないのだけれど」という、そういう声が伝わってきておりました。一方で、今、被災地の県でも頑張って公営住宅の整備など進んでおります。そうすると、住まいはどうするのか、東京に残るのか、地元の公営住宅に移るのかと、こういうこともしっかりと判断するべき時期が来ると思います。そうした中で、都は被災3県と連携いたしまして、復興の状況を実際に見ていただく、地元に触れていただくということで、「ふるさと復興の今が分かるツアー」、これを初めて計画、実施することにいたします。
 6つのコースを設けまして、130人参加で、10月下旬から希望者が参加できる。岩手は遠いので1泊する。宮城は、北部と中部に分けて日帰り。福島は、原発避難地域からの方、地震、津波からの方、それから自主的な方と3コースに分けて、これも日帰りで実施をいたします。地元での居住先となり得る公営住宅、それから病院などを視察していただくとともに、もう既に帰っておられる方との交流ということの場所も設けたいと思っております。地元の復興の状況を実際に見ていただけますので、対象となる都内避難者の方には参加を検討していただきたいと思います。必要な負担は食費だけですので、ぜひご参加願えればと思います。この詳細は総務局に聞いていただきたいと思います。
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)

4 「チャレスポ!TOKYO」について

【知事】それから、次ですが、これは障害者スポーツです。9月20日(日曜日)に、障害のある人もない人もみんなでスポーツにチャレンジするイベント、「チャレスポ!TOKYO」を開催いたしますので、お知らせいたします。
 今年は会場を東京都障害者スポーツセンターから東京国際フォーラムに移しまして、より多くの方のご来場をいただきたいと思っております。
 まず、障害者スポーツの体験コーナーでは、車椅子バスケットボール、ブラインドサッカー、ゴールボールといったパラリンピック競技が体験できます。競技用の車いすや、目を隠すアイシェードを使うことで、障害のあるなしに関わらず、同じ条件で一緒にゲームを楽しんでいただくことができます。
 それから、ステージイベントもやります。午後のステージには私も参加しますけれども、ふなっしーに来ていただいて、ふなっしーを「一日障害者スポーツサポーター」に任命します。ふなっしーとのブラインドサッカー体験やゲストアスリートを交えてのトークショーを行いたいと思います。ゲストアスリートとして、北京オリンピック400メートルリレーの銅メダリストの朝原宣治さん、それから北京のバドミントン日本代表の小椋久美子さん、それからアテネ・北京・ロンドンパラリンピックの車椅子バスケット日本代表の藤本怜央さんなど、多くのオリンピアン、パラリンピアンに駆けつけていただいて、ステージだけでなく来場者と一緒に競技を体験していただいて、イベントを盛り上げていただきたいと思っています。
 また、この「チャレスポ!TOKYO」のプレインベントを、明日、12日、味の素スタジアムで実施いたします。FC東京ホームゲームに伴って開催されるフードコート、「青赤横丁」におきまして、車椅子サッカーの体験などを行います。
 こうした機会に、これまで障害者スポーツを見たことのない方にも、ぜひご来場いただいて、その魅力を知ってほしいと思います。記者の皆さん方も、ぜひ障害者スポーツが広まりますように積極的に情報発信していただけるとありがたいと思います。この件の詳細はオリンピック・パラリンピック準備局に聞いていただきたいと思います。
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)

5 動物愛護アニメとポスターについて

【知事】次ですが、動物愛護です。アニメとポスターを作成しましたので、お知らせします。
 ペットというのは、飼い主にとって家族の一員として生活に潤いを与えてくれる大切な存在であります。ただ、人と動物が地域で共生していくためには、飼い主の方はルールを守る、マナーを守る、責任を持って、途中で飼育放棄しないで、終生にわたって飼育することが必要だと思います。「犬を飼うってステキです――か?」という都民の皆さんに大変喜ばれてる冊子です。子供のころから動物に親しんで、命の大切さを学ぶためにつくりましたけれども、今度、これのアニメ版をつくりました。全編では20分間のフルアニメーションとなっておりまして、DVDで都内の小学校や公立図書館に配付しますほか、9月12日(土曜日)に上野恩賜公園噴水池前広場で開催されます「動物愛護週間中央行事 動物愛護ふれあいフェスティバル」でも放映をいたします。
 それから、今度、「ずっと家族だよ」という、広く都民に動物の遺棄や虐待が犯罪であることや、命の大切さを訴えるためのポスターも作成いたしました。こちらは警察署、都立公園等に配付するほか、先ほどのアニメとともに東京都のホームページでも閲覧できます。この点の詳細は福祉保健局に聞いていただきたいと思います。
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)

質疑応答

【記者】幹事社、日本経済新聞の岩村です。まず、水害に関しまして、知事にお伺いいたします。東京都でも過去に利根川とか荒川など、大規模な水害を引き起こした川が多数ありまして、かつ、都市型の水害ということを言われることもありますけれども、今回の過去に前例のないような大雨の事態を受けて、東京都の水害対策、今後、見直し、あるいはこういう点をより強化すべきではないかという点などございましたら、お願いできますでしょうか。

【知事】今回は50年に一度という、極めて異常だという気象庁の発表がありましたけれども、我々は、1時間当たり50ミリの降雨に対応できるように、護岸の設備、様々な整備、分水路、それから調節池を作ってまいりました。ただ、ここのところ、今回もそうですけれども、ゲリラ的にものすごい雨が降りますので、区部では時間最大50ミリより上の75ミリ、多摩地域では時間最大65ミリの降雨に対応できるように、護岸とか、今言った調節池などの整備を進めるようにしております。私も視察しましたけれど、溢れ出しそうになれば、調節池の方に流していくと。これも今回数カ所、現実に稼働させましたけれども、そういうことをずっと整備しておりますので、都市型の集中豪雨的な雨に対しても強いまちを作っていきたいと思っております。

【記者】わかりました。2点目ですけれども、先ほどおっしゃいましたロンドンとの友好都市の関係で、ロンドンとは大体いつ頃をめどに提携したいとお考えですか。

【知事】これは今のところ、この秋に、ボリス・ジョンソン・ロンドン市長がお見えになる予定です。東京に来られます。その場で議論をする。もちろんその前に議会手続きはとりますけれども。それから、ラグビーのワールドカップに招待されていますので、私もロンドンに参ります。そういうことで、この秋には調印をしたいなと思っております。

【記者】わかりました。最後、五輪のエンブレムの関係なのですけれども、先日、組織委員会がエンブレムの選定の過程について、第三者委員会というのを設けて、なるべく公開を常に意識した形で選定作業を行うということを発表いたしましたけれども、知事はこうした選定の方法についてはどのようなお考えでいらっしゃいますか。

【知事】これは私がずっと主張してきたことでありますので、そういう形で公開性、透明性というのが更に増すというのは大変良いと思います。要するに、いろいろな問題がエンブレム絡みで起こりましたけれど、国民や都民が支持しない、嫌な思いをするエンブレムはだめだということで取り下げになったと思いますから、やはりそうならないようなプロセスが必要だと思いますので、そういう透明性を確保した上で、1日も早く良いものを決めていただきたいと思っています。

【記者】毎日新聞の武本です。直接都政マターではないですけれども、本日の閣議で、初代スポーツ庁長官に鈴木大地さんが選ばれることが閣議決定で決まりましたけれども、2020年の五輪に向けて、いろいろと連携しなければいけないことも多いかとは思うのですが、この人事についての受けとめと、あと、鈴木さんに期待することを教えていただけますか。

【知事】現実に水泳の分野で大変な業績を挙げられていますし、メダリストとして日本人誰もが知っている方なので、大変適任だろうと思っております。本人もしっかりおやりになるということで快諾されたようでありますので、いろいろな課題がありますけれども、東京都としても連携してやりたいと思いますので、是非頑張って、日本のスポーツの振興のために初代長官として努力していかれることを期待したいと思います。我々の方でいろいろお手伝いするようなことがあれば、喜んでやりたいと思います。今おっしゃったように、連携を深めていくという姿勢で臨みたいと思っています。

【記者】東京新聞の松村です。教育委員会の関係で伺いたいのですが、1つは、新しい教育委員に宮崎さんを任命するという議案を出される予定ですが、選ばれた理由を教えてください。それともう1つは、教科書の関係なのですが、東京都は中学校の歴史・公民に育鵬社を選んでいますが、この系列の教科書ができたときからずっと選んでいるのですが、最初のときはその当時の知事の意向だと言われましたけれども、知事が変わってもこれを選ばれていることについてはどう思われていますか。

【知事】宮崎緑さんについては、これまでいろいろな識見もありますし、そしてまた、たしか、千葉県かどこかの、ちょっと間違っているかもしれないですけれど、よその県での教育委員もおやりになっているということでありますし、女性としても非常に活躍されているということで、適任であろうと思っております。(正しくは神奈川県の教育委員。以下に追加情報あり。)
 それから、教科書の選択というのは、誰が決めるかというのは、都立学校は都の教育委員会、各市町村はそこの教育委員会が採択権者でありますので、その方々にお任せして、私は何も言わないというのは、それは制度上、そうなっていますので、そこはお任せしているということでありますので。教育というのはいろいろな意味で、いろいろな多様な意見があればいいと思いますので、知事が変わったから、知事のイデオロギーとか哲学でどうするという、そういう考えであってはいけないというのは私の基本的な哲学ですから。教育委員会の方にしっかりお任せして、一言もこのことについては指示もしなければ、意見も言いませんし、何もしませんと、この立場を維持したいと思っております。

【記者】朝日新聞の吉浜です。先ほどの災害の件なのですけれども、都内でゲリラ豪雨に備えて進めている対策なのですけれども、今どれぐらい進んでいるかというのは分かるのでしょうか。

【知事】例えば、今、やはり調節池が一番大事なので、是非一度視察してみればわかりますけれども。私は善福寺川の氾濫をどう抑えるかというとこで、環状7号線の下に、学校のプールが、何100個か何1000個か知らないけれど、それが入るぐらいの大きな池があって、そこに水を流します、溢れそうになると。今度、終わったら、それをまたポンプで吸い上げる。魚も一緒に入って、魚も一緒に戻ってくるという、こういうところなのですけれども。例えば、こういうものについては今着々とやっていて、私が見たところは整備済みなのですけれども、上流の方に向かってずっと整備を進めております。
 そして、これは、先般、お堀端のところについてもやりましたけれども、様々な形の調節池をやって、今のところは、まず、調節池の方についていいますと、11河川25カ所で212万立方メートルの貯留量があるということでありまして、そういうことが進んでおります。それから、護岸の整備の方が、今、計画しているのが324キロメートルですけれども、既に済んでいるのが213.3キロメートルで、護岸整備率が約65%ということになっております。治水安全度という概念がありまして、それは、今言った護岸と調節池、この両方で治水の安全性を高めるということで、今のところ、平成26年度末の数字を出しますと、78%という数字が出ていますので、あと22%、100%までいくのにはもうちょっと頑張らないといけないと思っております。
 先ほど、50ミリ云々という話をしましたけれど、今回は、善福寺川については調節池を使わないで済みました。それは、50ミリまでだったら大体調節池を使わないで済むと。ただ、先ほど申し上げたように、65ミリとか、75ミリということになれば、これは、50ミリを超えようという水準を上げたのは、平成24年の11月に、ちょっとこれでは大変だというのをここ数年、ものすごい雨が降ります、それで上げたので。そうすると、50ミリを超えたときには、やはり調節池で対応するということで、今回はそういうことでないところがほとんどであったということであります。
 今、調節池について言うと、2025年度までに13施設を完成させますので、長期ビジョンに書いた数字を言いますと、10年後の先の話をしている訳ですから、2025年までには調節池の貯留量を今の約1.7倍にするということで、ほぼこれで相当の対応ができると思っております。
 2016年度には、この環状7号線の地下の広域調節池に着手します。これ、ものすごいものができると思いますので。そういうことを、1つ1つ確実にやっていくことによって、この河川の対策をやりたいと思います。
 ちょっと失礼します。先ほどの、宮崎緑さんについて訂正をいたします。千葉商科大学の先生ということで千葉と頭にありましたけれども、今、千葉商科大学の国際教養学部長ということで、大変グローバル人材の育成に積極的に取り組んでいるということで、グローバル人材を育てるというのは、昨日の教育委員会の総合会議でも申し上げましたように、1つの大きな柱でありますので、是非、そういう観点から、グローバル人材育成ということでもお話をいただきたい。
 それから、女性の視点を教育に生かしていただきたいということは先ほど申し上げたとおりであります。千葉県ではなく、神奈川県の教育委員をお務めになったと、経験があるということであります。
 それから、更に、中央教育審議会の委員も務めておられるということでありますので、その点もこれは考慮して教育委員にお願いしたいということで。これは議会同意が必要な人事でありますので、今月の第三回都議会定例会に提案して、ご審議いただきたいと考えております。

(テキスト版文責 政策企画局調整部政策課)


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