
舛添知事定例記者会見
平成27年7月24日(金曜)
14時00分~14時30分
知事冒頭発言
1 「防災ブック」について
【知事】私の方から、冒頭、4点ばかりご報告をしたいと思います。
まず第1点、現在作成中の「防災ブック」についてお知らせをいたします。都はこれまでも、首都直下地震をはじめとする災害への備えを進めてまいりましたけれども、被害を最小限に抑えるために、都民一人ひとりの力を結集させて災害への対応力を高めていかなければなりません。そこで、各家庭におきまして、日頃の備えが万全となるよう、一家に1冊常備し、日常的に活用できる「防災ブック」を現在作成しております。英語版なども作りまして、外国人等に向けた対応も考えていきたいと思っています。
タイトルは、「東京防災」です。東京の地域特性や都市構造、都民のライフスタイルなどを考慮した「東京仕様」の「防災ブック」であることをシンプルに表現したものでございます。地震をはじめとした災害ごとに起こり得る危機や取るべき行動など、災害時に役立つ様々な知恵や工夫などを掲載いたします。サイズは、コンパクトで携帯しやすいB6判にいたしました。黄色と黒のストライプによりまして緊張感を感じさせたり、いざというときにも目立ち、見つけやすいデザインとしてあります。9月1日より、都内の皆さんのお宅に順次お届けしますので、まず手に取って読んでいただきたいと思います。
次、マスコットキャラクターですけれども、子供から大人まで防災に興味を持っていただけるように、「防サイくん」、サイは動物のサイです。「生まれも育ちも東京都の3才の子どものサイ。好奇心旺盛だが、臆病過ぎるのがたまにキズ。防災に興味シンシンで、どんな防災アクションもお茶の子サイサイ。好きな防災アクションは『机の下に隠れる』。口ぐせは『今やろう。』」。さあ、今やろうというようなことだそうでありますので。いろいろ都が制服を作ったり、マスコットキャラクターを作ると、またネットでいろいろなことを言われる方もあると思いますけれども、賛否両論含めて言っていただくと、この「防サイくん」の知名度が上がるということであります。今後、この「防サイくん」なども活用して、9月の配付に向けまして、交通メディアやデジタルサイネージなど、様々な広報手段により事前広報を展開していきたいと思います。なかなかかわいらしいと思いますけれどね。来週から早速、都営大江戸線及び新宿線の車内ディスプレイでPR映像を流しまして、「東京防災」について発信していきます。みんながしっかりとこの防災について心構えをしておかないと、いざというときに、公助だけではだめなので、やっぱり自助、共助、公助ということで、これを活用していただきたいということで、事前のPRをしたいということであります。
詳細は、総務局に聞いていただきたいと思います。
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)
2 パラリンピック体験プログラム「NO LIMITS CHALLENGE」の実施について
【知事】2番目のテーマは、パラリンピックですが、東京都パラリンピック体験プログラム「NO LIMITS CHALLENGE」の実施についてお知らせをいたします。リミッツと感じないノーリミッツのチャレンジだと。「失われたものを数えるな、残された機能を最大限に活かせ」と、こういうことでありまして、これはパラリンピックの理念であります。ノーマライゼーションとか、それでも同じ理念があって、例えば右手を失っても左があるじゃないかと、こういうような感覚で、パラリンピック大会の競技の認知度向上の気運醸成に積極的に取り組んでいきたいという意味で、この「NO LIMITS CHALLENGE」と、今の理念を生かした名称にしました。
そこで、具体的にどうするかということですけれども、区市町村や都が主催する広く都民が集まるイベントにパラリンピック競技を体験できるブース、それからパラリンピアンとの交流、競技や選手を紹介する展示です。ブラインドサッカーをやったり、それから、車椅子のバスケットボールの競技体験というようなことをやっていただく。
今年度、来週7月31日に足立区で開催されます「ジャパン パラ ゴールボール競技大会」を皮切りに、「福生の七夕まつり」とか、葛飾区とか江戸川区も、調布市、日野市、立川市、いろいろなところで、18イベントやりたいと思っています。様々な競技体験、魅力的なコンテンツを準備しますので、是非来ていただきたいと思います。この件、詳細はオリンピック・パラリンピック準備局に聞いていただきたいと思います。
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)
3 「森林・緑地保全活動情報センター」の開設について
【知事】3番目は、森林の話です。このたび、7月28日に都民の皆さんの自然体験活動を支援する「森林・緑地保全活動情報センター」を立川合同庁舎内に開設しますので、お知らせをいたします。これまで東京都では、森林や里山での田植え、間伐、植林などの体験を通じまして、都民の皆さんが東京の自然の魅力を体感できるようボランティア活動の機会を提供してまいりました。今回、森林・緑地保全活動情報センターを開設しまして、ボランティア活動に対する都民からの相談、問い合わせに対応するほか、専門Webサイトを開設して、水道局の多摩川水源森林隊や産業労働局のとうきょう林業サポート隊など、各局の取組を発信・PRするなどして、都民の自然体験活動への参加を図りたいと思っております。
今回のセンターの開設を通じまして、登録した方には、希望者と活動のマッチングが円滑に図られますよう、ニーズやスキルに応じた情報をメールにより定期的に提供してまいります。センターを通じて都民が気軽に森林・緑地保全活動に参加できるようになり、森林・緑地ボランティア活動の裾野が広がることで、将来の担い手の育成にもつなげていきたいと思います。私自身も、ずっと森林ボランティアを若いときからやっていましたので、そのときの体験をぜひ東京都民の皆さんもやっていただく。本当に、緑の中で活動できますし、世代を超えて活動できるし、いろいろないいことがあるというふうに思います。ぜひ参加していただければと思います。
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)
4 女性の活躍推進に向けた取組について
【知事】最後ですが、これは女性の活躍推進に向けた取組について、2件ほどお知らせをいたします。
まず1件目、8月31日に「女性が輝くまち・東京シンポジウム」の題でシンポジウムを開催いたします。このシンポジウムは、自身の夢や希望の実現に取り組む女性たちを支援し、社会全体で働き方改革を進めるために昨年から開催しているものであります。今年は、職場における女性の活躍を世界中で支援しているアメリカの非営利団体「カタリスト」のCEOでありますデボラ・ギリスさんをお招きして基調講演をしていただきます。それに続きますパネルディスカッションには、女性役員の戦略的登用など、女性の活動推進に取り組みます株式会社大和証券グループ本社会長の鈴木茂晴さん、新しい産後のライフスタイルの提唱者として知られる光畑由佳さんなどに参加していただきまして、私自身も参加して、女性も男性もいきいきと幸せに暮らせる東京の実現に向けて議論したいと思っています。ほかにも、会場では、先進的取組を進める企業によるプレゼンテーションや参加者同士の交流会も実施いたしますので、ぜひご来場いただきたいと思います。
また、TOKYO MXの「東京クラッソ!」で、私とパネリストの1人であります国際ジャーナリストのドラ・トーザンさんが女性の活躍のあり方を話し合いますので、こちらもご覧いただきたいと思います。
2つ目の、女性の活躍推進ですけれども、「東京都女性活躍推進大賞」の募集についてお知らせいたします。この賞は、子育てと仕事の両立を支援する先進的な取組によりまして、女性の継続就業に顕著な成果を上げた企業や団体の取組を広く発信するため、昨年度、創設したものでございます。昨年度は、産業、医療、教育、地域の4つの分野から計4団体を表彰いたしました。今年は第2回目ですけれども、新たに個人への表彰を今回設けたいと思います。例えば、自らの斬新な発想で製品開発や市場開拓を行い、功績を上げるなど、目覚ましい活躍をしている方に贈りたいと思っています。さらに、こうした優れた取組や女性の姿をより多くの方々に知っていただきますように、受賞内容を新聞や就職情報誌などのメディアを活用して、発信の強化を図ってまいります。今日から募集を開始いたしますので、奮って応募していただきたいと思います。
この2件については、生活文化局に聞いていただきたいと思っております。
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)
5 2020年東京大会公式エンブレム発表会について
【知事】冒頭の私の発言はそれぐらいにしますけれど、今日、7月24日、5年後東京オリンピックのスタートということで、都庁前広場で夕方、イベントをやります。そこで、新しいエンブレムが今日、公表されます。だから、明日から、私も旧バッチを外さないといけないので、使えなくなって、少し時間はかかりますけれども、今後は有料でそのエンブレムを使ったバッチその他のものができるということでありますので、また、ちょっと天気が心配ですけれども、皆さん方の取材の方もよろしくお願いいたします。
質疑応答
【記者】幹事社、時事通信の安延です。幹事社から2、3点伺います。
1点目、冒頭ご発言のあった防災ブックなのですけれども、もう少し詳しい中身、具体的なイメージ、どんなものを想定されているのかということと、それとあと、配布されるまでの周知も大事かと思いますが、トレインチャンネル以外の周知の方法で、何か考えていることがあれば教えてください。
【知事】今、準備していますけれども、サプライズという面もあった方が、皆さん、フレッシュな感じがすると思う部分で。ちょっとそこは、わざと、今日も中身を言わなかったのは、そういう意味でありますので、期待してお待ちいただければということであります。
そして、皆さんのお手元に届きますよというのは、先ほどご説明したようなメディアを含めてですが、その他、いろいろな手段で、これは周知したい。というのは、大体、役所から届けられるものというのは、そのままごみ箱に入れられるということが非常に多いので、そうでないように、お役に立つようにと思っていますので。そのために、やはり上手に、事前にお知らせしておかないと、「何だ、こりゃ」という。だけど、さっきの「防サイくん」が出てきて、「あっ、ついにこれが来たか」というのがあればと思いますので。少し意図的に中身は知らせない面もあるとご理解いただければと思います。
【記者】ありがとうございます。2点目、新国立の関係なのですけれども、下村文部科学大臣が、今朝の閣議後会見で、整備計画が白紙になったことを検証する第三者委員会について、法曹界とか建設業界、アスリートとかメンバーに入れて、近く立ち上げる方針を示しました。9月中旬にも中間報告をまとめるそうです。改めて、知事の受けとめと、どういった議論を期待されるか、お聞かせください。
【知事】私は、とにかく検証するというのは大変結構で、それはずっとやるべきであると思っていましたけれど、もうちょっとスピードアップした方がいいのではないかなという気はします。きちんとした調査をしないで拙速にやれということではないのですけれども、やはり、もう少し早くないと、気の抜けたビールを飲むような形になるのではないかなというような危惧もあるので。それは組織のトップがお考えになることでしょうけれども、とにかくやはり第三者の目でしっかり見るということが必要であるとともに、見られない中だけでこそこそやっていたものがあると思うので、それはやはり大臣のリーダーシップで出さないとわからないと思うのです。私も、大臣をやった経験がありますから。
やはり、内部のうみは内部から出すということも必要だということなので。文部科学省自体の信用が失墜している訳ですから、それを取り戻すというのは相当なことです。それで、こういうことで50億円という国民の税金が既に使われている訳でしょ。だから、そういうことの責任はどうするのですかということがあるので。私はやはり、きちんとした責任の所在を明らかにして、しかるべき処分を含めて対応をやらないといけないけれども、そういうことは、電光石火で実はやるべきだと思っていますので、方針は違いますけれど、何もやらないよりはいいです。
【記者】ありがとうございます。
3点目も五輪の関係ですけれども、冒頭の最後にご発言があったのですが、今日がちょうど大会5年前ということで、各地でカウントダウンイベントとか、それから、夜にもエンブレム発表、ちょっと雲行き怪しくなっているのですけれども、改めてということになりますが、今後、新国立以外にもいろいろ課題があろうかと思いますので、今後、取り組むべき課題とか、どういった点に力を入れたいか、知事のお考えを改めてお聞かせください。
【知事】私は、みんなが協力してやらないといけないと思っております。開催地である東京都はもちろんのこと、国家的事業ですから、国もそうだし、オリンピックのプロデュースをやる組織委員会もそうですね。それから、IOCや日本のオリンピックの総元締めJOC、それからパラリンピックの総元締めJPC、その他、あらゆる団体が心を1つにして、大会を成功に導かなければならない。では、心を1つにして一緒にするための大前提は何かというと、情報公開と情報の共有なのです。
ですから、責任のなすり合いをいろいろなところでやっているように見えますけれども、私に言わせれば、それもあるのだけれど、最大の失敗の要因は情報を公開してこなかったこと。これをやらない限りは、要するに、情報を共有しなくて心を1つにできないわけですから、マスコミに対しても国民に対しても、きちんと情報を公開していく。そのことによって、しっかりした議論ができて、賛否両論あるけれども、こういう形でまとまりましょうということになると思うので。私はもう積極的に情報公開するし、しない組織に対しては、しろということをこれまでも言い続けてきたし、言っていくと思いますので。閣僚会議のトップは遠藤五輪担当大臣がおやりなので、遠藤五輪担当大臣にもそういうことはしっかり申し上げていきたいと思っていますので。そして、みんなで一緒に作り上げるということを、新国立の問題で、ある意味では大きなミステークを起こしたわけですけれども、それを他山の石じゃない、こっちの石なので、つまずきの石かもしれないけれども。とにかく、そういうことを、失敗を成功のもとにするような形でやっていかないといけないので。私が何度も申し上げたように、責任の所在がはっきりしないというのが1つ。情報公開が全くないということが2つ。そして、もう1つは、専門家の関与が極めて少ない。
だから、3番目について言うと、アスリートファーストと言うのならば、アスリートの人たちの意見を聞かない競技場建設なんてあり得ないのです。だから、今は、とりあえず内閣中心になって、全体としてやるという体制、その中に東京都も協力するという体制、つまり、官の体制はできていますけれども、民の意見をどこまで聞くのかと。民の意見を聞きますということは言っているけれど、民の意見をきちんと担保できる、そういうことをやってもらわないといけないと思っていますので。これから課題は山積していますけれども、いろいろな課題を乗り越えて、日本人の団結心を示したいと。我々の力を合わせれば、いろいろな困難は克服できるよと、そういう一体感を持つ、今日が初日にしたいなと思っています。
ですから、過去はきちんと反省しないといけないけれども、言いわけがましいことを、みんな、責任者が言っているのではだめなので、前向きになって、もうそういうことの上に、反省すべきはして、そして、みんなで力を合わせてやろうじゃないかと、日本人の力を示そうじゃないかと、そして、2020年を大成功に導こうじゃないかと。そのための今日が第一歩だと思っています。
【記者】テレビ東京の渋谷です。知事は、新国立の見直しについてですね、見積もりがやはりずさんだったということもおっしゃっていますけれども、新国立以外の都の施設整備費というものも、当初の予定よりも膨らんでいます。どうして金額が膨らむのか、そういうことが起きるのか、教えていただけますでしょうか。
【知事】いや、これも私が全て知っているわけではありません。私、後から来ましたから。誘致のときには全く関わりない訳ですので。そうすると、やはり誘致するために有利な条件を出すと。そうすると、ボートの会場だって69億円でできるって言っていた訳です。ふた開けてみたら1000億円になっていたわけです。それもカットして491億円まで、半分以下にしたわけですね。
1つは、ですから、とにかく誘致合戦勝ち取るために都合のいい数字を作ったというのは、これは否めないんじゃないかと。しかも、きちんとした調査をせずに、実際、あの海の中でボート会場つくると、こんな難工事があるよと、そこまでおそらく詰めなくてやったのでしょう。
ひどい話になると、これ、伝え聞くのですが、「まさか招致できると思わなかった」という。それはね、ザハ案についても言われたのです。「まさか、東京になるとは思わないから、まあ、やったんだ」という関係者でおっしゃった方がおられたのでびっくりしましたけれども、そういう面があったのとですね、それから膨れ上がった原因について、2000億円カットする努力をしましたけれど、その過程でさんざん各スポーツ団体に叱られた。
これはみんな反省してもらわないといけないのは、オリンピックがあれば何でも許されるのかという感覚なのです。つまり、気持ちはわかります、私もいろいろスポーツやっていたから。そうすると、「チャンスだ、これを機会に、自分のところのスポーツのためにいいスタジアムを造ってやろう。これを機会にいい会場を造ってやれ、絶好のチャンスだ」ということをみんな考えてしまう訳です。それでどんどんどんどん最高のものを造って1000億円、ボートがいい例ですけれど、1000億円などという数字出しちゃう。結局はおかしいじゃないかといっても、「あなた、ボートやらないでしょう」。「私、ボートやりません、専門家じゃありません、わかりません」と。結局、誰がカットしてくれたか、それはIOCがやってきて、「ちょっといくら何でも1000億円、高いのではないの」と。彼らみんな専門家ですから、ボートやっている。ここ切ったら安くなるのではないかというアイデアをむしろ向こうから頂いて、「そうでなきゃ、長良川でもどこでもあるのだから、遠くでもやりましょう」まで言って、あそこまでなったわけです。
ですから、やはり新国立競技場のこういう問題があったときに、我々、国民全体で、特にスポーツの団体の皆さんに反省してもらわないといけないのは、オリンピックだったら何でも許されると、もうこれはないです。そういう思いでやったら、オリンピック返上しましょうというような声が起こります。そうでしょう。いろいろなところに国民の税金使わないといけない、都民の税金使わないといけないのに、オリンピックなら何やっても許されるっていうような発想があったのではないかと思うので、もう新国立競技場のこの問題で、皆さんそれは重々にそういうことではいけないっていうのはわかったと思いますから、今後は、それは何度も言うように気持ちはわかるのです、私、陸上競技やっているから、最高のグラウンド、トラックが欲しいしね、馬術やっているときは、やっぱりそれこそ静ひつな環境で馬に乗りたいと思うし、柔道やっているときも、それはしっかりした柔道場が欲しいと思う。わかるのだけれども、しかし、みんながそういうこと言ってると、べらぼうなお金になってしまいますから、ですから、みんなそれぞれ言いたいことの2割ずつぐらい我慢してやるっていうのが今からの方針じゃないでしょうか。
【記者】関連して申し訳ありませんが。先ほどから、皆さん、今日でオリンピックまであと5年ということですけれども、都の施設の建設というのは、あと5年、間に合うのでしょうか。
【知事】いや、それはもう間に合わせないといけないので、これは私が責任者ですから、全て指揮監督してやらせて、定期的にチェックをしております。で、それは必ず間に合わせて、いいものを造ると。しかも、後でレガシーになるものを造ると、そういう方針で頑張ってやっていきたいと思っています。
【記者】東京MXテレビの風戸です。今日、日本記者クラブで遠藤五輪担当大臣が記者会見をされました。その中で、新国立競技場を防災施設として、別の意味としてしっかり出していくのはどうかというお話をされていました。東京都の地震対策にもなるという発言がありました。知事は、費用負担についてはゼロベースだとお話しになっていらっしゃいますけれども、こうした防災面での機能を備えたものということであれば、東京都が費用を支払う理由の1つになるのかなと思うのですが、知事としては、今、いかがでしょうか。
【知事】そういうことも含めてこれからの議論だと思います。何度も申し上げますように、税金を出す都民が納得すればいいし、納得しないものはだめですから、今のようなアイデアも含めて検討するということだと思います。
【記者】東京新聞の川上です。先日の森会長の日本記者クラブにおける記者会見で、これは先ほどのお話にもあるのですけれど、オリンピック全体の費用が、これは一時期だと思うのですけれども、2兆円に膨らんだというお話をされていたのですけれども、この2兆円という金額を知事はどう捉えるかということと、それから、これは都だけではなくて、組織委員会とか、全部ひっくるめたオリンピックの総額なのですけれども、これは一体幾らぐらいになるものなのかということを知事はどのように捉えていらっしゃるのか、この点についてお願いできますでしょうか。
【知事】それはあくまでも森さんが言った数字ですから、どういう根拠でおっしゃっているかはわかりません。今一生懸命それぞれが努力しながらやっているので、それが幾らになるか分からないので、軽々にどういうふうになるという見積りというのはおっしゃらない方がいいと思います。
先般もボート会場1000億円というのは、もう終わった数字であって、今491億円ですから。やはり正確な数字をおっしゃっていただいた方がありがたいと思いますので、491億円を1000億円とおっしゃるのなら、2兆円、実は1兆円だったということにだってなりかねないでしょう。ですから、これはもっと今、詰めますので、国民が納得する形での数字の積み上げはやっていくと。
だから、そういう案が出て、皆さんが、森さんが2兆円と言ったら飛びつくというのは、いかに今まで情報が全くないかということです。しかし、都の建設計画の数字はびっしりわかっているでしょう。それは都議会でちゃんと出しているではないですか。私もきちんと説明しているではないですか。だから、森さんの1000億円は間違っていますよと、491億円が正確ですよというのは、それは公表した数字ですから。だから、それはきちんと、私に関する限りは、皆さん方含めて、都議会に出して、きちっと数字を変わったら変わったで出していく。2兆円という数字を聞いて、初めて聞いたというのは。国は何やっているのですかと。国の方の2520億円というこの数字にいくまで何が何かわからなかったでしょう。組織委員会、今、どうですかと。組織委員会、仮設をやるのです。では、仮設の建設計画とそれの見積りをお出しくださいと。だから、川上さんにお願いしたいのは私よりも組織委員会の方にそれは質問なさった方がいいと思います。
【記者】NHKの中島です。5年後、ちょうどオリンピックですけれども、東京都では10年程度を目標に長期計画、長期ビジョンを出していますけれども、5年後の東京というのは、どういった姿であるかというのを、今、知事はどういうイメージや構想を抱いていますでしょうか。
【知事】今のようなごたごたはとにかく解消されて、みんなが心を1つにして、本当に2020年のオリンピック・パラリンピック大会を心待ちにしていると。そして、世界中もそれを歓迎して、もう観光客も2000万人をはるかに超えて、たくさんその前の年あたりから来て、観光も一大産業になっていると。そして、今日は、朝、水素社会の1つの目玉の水素バスを試乗してみましたけれども、例えばああいう先端的な産業がどんどんどんどん先に行って、世界に先駆けていって、東京が非常に豊かな、経済的にも豊かな街になっていると。
それで、やっぱりおもてなしということも、都民、国民が心を1つにして世界中の方をお迎えするというような雰囲気であっていただきたいし。オリンピックも当然ですけれども、パラリンピックも成功させないといけない。そのためにもハード面での、ただ段差をなくすというバリアフリーではなくて、やっぱり心のバリアフリーを残していく。外国の方に対してもきちんと対応できると。新宿駅、今、いろいろな表示を統一しようといって変えようとしていますけれども、本当に2020年に、長期ビジョンで言ったように、我々東京で仕事ができて良かったな、東京で生活できて良かったなと、病気になっても東京だから良かったなと、老後も東京だったら良かったなと。地方に出ていけなんて言われる方がおられるけれど、とんでもないよと、みんなが言えるような、そういう東京にしたいなと思っていますので、それは、今日、もう5年前ですから、今日を第一歩としてさらなる努力をしたいと思います。
(テキスト版文責 政策企画局調整部政策課)