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舛添前知事「知事の部屋」

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記者会見

平成27年5月15日更新

舛添知事定例記者会見
平成27年5月15日(金曜)
14時00分~14時37分

知事冒頭発言

1 「公金管理ポリシー」及び「平成27年度公金管理計画」の策定について

【知事】まず第1番目ですけれども、公金です。「公金管理ポリシー」及び「平成27年度公金管理計画」の策定についてお知らせいたします。
 日銀の大規模な金融緩和などによりまして、5年国債が一時、マイナス金利に陥るなど、近年、運用利回りは極めて低い水準で推移をしております。
 こういう金融環境の変化を受けまして、公金関連の基本原則を一部見直して、新たに「公金管理ポリシー」を策定いたしました。この内容は、もちろん安全性はしっかりしないといけないですし、流動性の確保もしないといけないですけども、多様化、効率化。もう効率化も前からあったのですけど、多様化ということを入れて、先ほど言ったように、国債の利回りがマイナスになるということでは、運用してもマイナスになるわけですから、この多様な金融商品ということを考えました。そこで、さらに昨今の金融情勢を踏まえまして、公金全体の金融商品の構成が最適なものになるよう金銭信託など、新たな運用商品を含めたポートフォリオを非常に戦略的に作成したということであります。では、どういうものをポートフォリオに組み込むかというと、具体的な取組としては、まず、元利保証型の金銭信託。それから、外国銀行を預金の引き合いに参加させる。それから、債券を、「円建外債」・「ユーロ円債」を取り入れるということで、「平成27年度の公金管理計画」を策定しました。その今の3つについて説明します。
 まず第1、これは、日本の自治体で初めてですけれども、元利を保証する形の金銭信託による運用を開始する。都が信託した資金を、信託勘定に入れるわけですけれども、信託銀行の元利保証がついた国内及び海外の金融市場に対する投融資で運用する。当然、ですから、これは国債以上の利回りを確保できるわけであります。こういう形で、信託銀行を通しますけど、信託銀行の元利保証がついているというのは、自治体が初めてやることであります。
 2番目、それから、今まで都市銀行、信託銀行、地方銀行など国内銀行だけに入札させていたのですけども、外国銀行を入れる。これ、安全性の高い外国銀行を入れることによって、この間の競争性を高めると、こちらに有利な状況を作っていく。
 3番目、海外の信用力が極めて高い債券発行体に対して積極的に働きかけをやりまして、「円建外債」、それから「ユーロ円債」での運用を開始して外債市場を活性化していく。
 このような取組を推進していくことで今まで以上に安全かつ効率的な公金管理を行うとともに、東京における国際金融市場の活性化にもつなげていきたい。都民のお金をお預かりしているわけですから、寝かしておいてマイナス金利なんていう、先ほどの国債ではないですけども、少しでもやはり元本がしっかり確保された上で利回りが良いものという形でやっていきたいと思っています。
 会計管理局の方に、詳細については聞いていただきたいと思います。
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)

2 「東京文化ビジョン」の英語版について

【知事】金融の話から、次は文化の話でありますが、「東京文化ビジョン」、この英語版ができました。昨年末に、これ、発表したわけですけども、様々な海外とのプロジェクトがこの中に掲げてありますので、この英語版を使いながら東京都やアーツカウンシル東京などが持つ独自のネットワークを活用して海外の文化関係者に協力を呼びかけていきたいと思っています。こうした取組によりまして、新たな関係を築くことで海外の才能ある新進若手アーティストの招聘、それから都立文化施設を核とした世界的な共同展覧会など、国際的な事業連携を実現していきたいと思っています。
 また、しょっちゅう外国の方にお会いしたり、姉妹友好都市、それから在京大使館の文化部門にも働きかけを行いたいと思っています。これを使えば、皆さん、英語は読めますから。それから、都庁の外国語版のホームページにもこれを掲載して、幅広い層に我々の文化戦略を訴えていきたと思っています。
 これを見て世界中の芸術家が日本、東京に来てくれる。そして創作活動を一緒に行っていきたいと思いますので、様々な機会にこの英語版を活用したいと思っています。この件は、生活文化局の方に聞いていただきたいと思います。
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)

3 危険ドラッグ及び特殊詐欺の根絶に向けた警視庁等との協定締結について

【知事】3点目ですけども、危険ドラッグの話です。危険ドラッグ及び特殊詐欺を根絶するため、「東京都宅地建物取引業協会」、「全日本不動産協会東京都本部」、「警視庁」、「東京都」の4者で協定を締結することになりましたので、お知らせいたします。都では、「東京都安全・安心まちづくり条例」を改正して、新たに危険ドラッグ等の危険薬物や特殊詐欺の対策を強化する規定を盛り込むことを予定しております。この今回の協定は、条例の実効性を確保するために、条例の制定に先立って締結するものであります。具体的には、皆さんご承知のように、そういう危険ドラッグ及び特殊詐欺をやるような人たちに不動産を貸さない、アパートを貸さない。そういうことなので、主な内容は、不動産協会において、啓発活動や警察への情報提供、危険薬物の販売などや特殊詐欺に使用させない旨の確約書の利用を会員の不動産会社へ働きかけてもらいます。今回の協定先である2つの団体の協会には、都内の事業者の9割以上が加入しているため、不動産業界を通じた貸主への働きかけが期待できます。都は、この協定締結によりまして、警視庁、両協会とともに危険ドラッグ及び特殊詐欺の根絶に向けた官民連携の取組を強化してまいります。この協定は、来週5月19日の定例記者会見の後、私も出席して都庁で締結式を行います。詳細は、青少年・治安対策本部に聞いてほしいと思います。
 いろいろ皆さん方も報道なさっているように、特殊詐欺のアジトなんかがあった時に、貸している家主が、その不動産業界も含めてしっかりしていて、こういう「どうも怪しいことをやっている。」というような通報で、そのアジトを急襲することができたというようなことがありますので、こういう取組をやりたいと思っています。

4 「デング熱対策」について

【知事】次は「デング熱対策」についてお知らせいたします。今年の夏も昨年のように、国内感染例が発生する可能性が十分にあることを踏まえまして、デング熱対策を強化します。
 まず1番目、蚊の発生抑制についてであります。ボウフラが発生しないように水たまりをなくすなど、地域を挙げての対策が必要であります。そのため、蚊が本格的に発生する前の6月を「蚊の発生防止強化月間」として、広く蚊の発生抑制を呼びかけます。
 では、具体的にどうするか。「水のないところに、蚊はたたぬ」という、何かおもしろいフレーズですけども、JR、私鉄、地下鉄駅構内等でこのポスターの掲示、それからJRのトレインチャンネルで映像を放映するほか、さらに都営バス、ラッピングバスで、あまり楽しいあれではないですけども、非常に目につくと思いますので、こういうことをやりたい。
 それから、防除方法などをわかりやすく記載したリーフレットや小冊子。これは、発生対策や防止対策、こういうのも細かく書いてありますので、これを保健所等で配布をいたしますし、それから、東京都のホームページにアクセスしてもらえば、これらをダウンロードできるようになっております。
 それから、次の2つ目の大きな対策ですけども、媒介する蚊の早期探知についてであります。これまでも蚊のサーベイランスを16施設で行ってまいりましたけれども、今年度は新たに9施設を、主として公園なのですけども、追加して、蚊の成虫とボウフラの発生状況等の調査を行います。今まで、神代植物公園とかお台場海浜公園とかで調査しましたけれど、新たに代々木公園、日比谷公園、こういうところでも実施するということであります。
 さらに3つ目の対策として、発生時の感染防止対策についてであります。医療機関で適切な診療ができますように、海外渡航者や外国人の感染者、感染症疑い患者を診察する医師を対象として、医療機関向けのデング熱診療のポイント等を学ぶ研修会を7月に開催いたします。
 さらに全国初めての取組として、患者が蚊に刺された場所などの情報を集積します。例えばどこで蚊に刺されたかということに対して、「ここで刺されました。」ということや、「こういう蚊がいました。」、それから、「この辺に何とか公園で9人いました。」という情報、棒グラフで患者の数などを情報としてホームページで公表するということをやりたいと思っています。こうした情報を提供することで、都民や施設管理者の皆様に注意を促して、対策を講じていただければと思います。
 さらに、都はこれらの対策とともに、区市町村をはじめとした公園や施設の管理者と協力して、蚊の発生防止等に取り組んでまいります。是非都民の皆様も、自分のご家庭でできる、変な水たまりをつくらないということも含めて、取り組んでいただきたいと思います。
 詳細につきましては、この件は福祉保健局に聞いていただきたいと思います。
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)

5 「品川シーズンテラス」のオープンについて

【知事】 次は、芝浦の水再生センターの上部を利用した大型複合ビル、「品川シーズンテラス」がオープンいたしますので、お知らせします。先般、この地域を視察して、ご一緒した記者の方もおられると思います。今、再開発で、品川駅がリニア中央新幹線の始発駅になる。それから、新しい新駅をJRがつくる。今回、当ビルが位置する品川駅周辺は、品川-田町間の新駅とか、リニアモーターカーの始発駅により、非常に交通の結節点としての役割は強まりますし、これから1つの大きな国際的なセンターになると思いますので、都としても、「まちづくりガイドライン」を策定して、この地域の開発整備の誘導を行ってきました。
 この芝浦水再生センターは、東京の中心部の汚水処理を行う重要な施設でありますけれども、施設が老朽化しましたので、大規模な更新が必要です。それで、この更新にあわせまして、全国で初めて立体都市計画制度を下水道事業に利用して、下水道局が借地権を設定して、地下に貯留池をつくって、上に民間が大型複合ビルを建設するということで、こういうものができた。
 品川シーズンテラスというのは、巨大なビルで、延べ床面積が約20万平方メートルと、都庁の第一庁舎と同じ程度で、下水熱や再生水を利活用して、国内最高水準の環境性能を持っております。
 地下に整備したこの貯留池は、合流式下水道の改善施設で、降雨初期の特に、非常に汚れた下水を貯めることによって、高浜運河、東京湾の水環境の改善に効果を発揮いたします。
 また、ビル建設に伴いまして、新しく整備された公園は、約2.6ヘクタールありまして、既存の芝浦中央公園と一体利用できるように拡張されて、品川駅周辺の「憩いの場」としての役割が期待できます。28日にオープニングセレモニーを行いますので、私も出席したいと思っています。この件は、詳細は下水道局に聞いていただきたいと思っています。この地域、今から大きく開発が行われて変わっていく、その1つのモメンタムになると思っています。

6 下村文部科学大臣との面会について

【知事】最後ですけれども、週明けの5月18日(月)に下村文科大臣が面会に来られます。案件は新国立競技場についてであると聞いておりますけど、詳細は不明でありますので、お会いして、お伺いします。新国立競技場は、2020年のオリンピック・パラリンピックや2019年のラグビーワールドカップのメインスタジアムであることから、開催都市である都に対して、整備状況の説明などに来られるものと考えております。面会の冒頭は公開いたしますので、是非取材にいらしていただきたいと思います。時間や場所など、詳細についてはオリンピック・パラリンピック準備局に聞いてもらいたいと思います。

質疑応答

【記者】幹事社毎日新聞の武本です。幹事の方から3つ、4つ、ちょっとお尋ねさせてもらいます。
 1点は、お話ありました公金管理の関係ですけれども、これは拝見しますと、債券だとか預金、金銭信託でのお話ですけど、知事、昨年、国際金融センター構想の関係の中で、公金による株式の運用について意欲を示されていたと思いますけれども、法律上の規定等、なかなか難しい面もあるかと思うのですが、今回、株券については触れられていませんけれども、それについては知事、それはもう、やはり難しいとご判断されたという理解でよろしいでしょうか。

【知事】法律を変えてもらえない限り、今の地方自治体関係の法律では不可能だということなので、不可能ならばできないということで、元利保証型の金銭信託をとりあえず1つの方法として、あまりにほかが利回り悪いですから、ということなので、これはもう、前も説明しましたように、法律上の規定で無理なのです。

【記者】前は運用で何とかなるのでないかということをおっしゃったかと。

【知事】GPIFは特別法があってできるのでそれは。ですから、東京都だけで決められないのです、法律の決まりがあるから。東京都が条例で勝手にできる話じゃないので、そうすると全国の自治体が、もうやろうじゃないかと。だから、今の法律古いじゃないかということで、国会で法律を作り変えないとできない仕組みになっている。ただ、しかし、やっぱりリスクは、当然ハイリスク・ハイリターンであるので、リスクはありますから、リスクが起こったときに誰がどう責任とるかということになるわけなのです。
 だから、公金を毀損しないという観点から見ると、安全性が一番になってくるので、じゃあ、GPIFはどうかというようなことになってくるのですけど、それはもうちょっと国会レベルの議論が必要だなと思っていますし、それから、税金払うほうの立場から見たときに、若干リスクを冒しても、そういうのを狙ってやるという、やっぱり世論がマジョリティにならないと、やっぱりなかなかそこは難しいですね。今でも株式自体についても全く信用してない方が非常に多いわけなので、どうしてもやっぱり日本人の性向として、ハイリスク・ハイリターンより、やっぱりローリスク・ローリターンということで。しかも、それが今まで、ある程度正しかった面がありますので、バブル経験したりするので、少しこういう形で一歩一歩できるところからやりながら、また議論を展開していきたいと思っています。

【記者】2点目ですが、先ほどまた発表ありました文化ビジョンの英語版についてですけれども、先ほど活用についてお話ありましたが、知事、都市外交に力を入れるというスタンスでいらっしゃいますが、これをどういう形で活用していきたいか、もう少し具体的にお聞かせ願えますか。

【知事】例えば外国に行くと、姉妹都市などで、じゃあどういう協力をやりましょうかっていうのはありますね。そうすると、今、こういうことをしたいのですって口頭で伝えますけど、やはり体系立ったこういうメッセージを向こうにお伝えして、後でこれをよくお読みいただいて、対応していただきたいと。そうすると、例えばドイツならドイツにこれだけ優秀な若い芸術家がいて、日本文化との融合みたいなことを図りたいと、じゃあ、ぜひこちらにいらしてくださいというようなことができるし、また、国際交流で是非日本からの文化のミッションを派遣してくれというのがあると思います。我々、経済、スポーツだけじゃなくて、こういう文化についてもしっかり考えていますよ、ということを世界に発信するので、これは今後外国から賓客がお見えになるので、そういうときにお渡しする、それから私が行くときに、文化の話をするときに皆さんにお配りすると、こういう形で活用したいと思っています。

【記者】あと、幹事から最後もう一つお願いします。先日の記者会見でもちょっと話出ましたけれども、大阪都構想が明後日迫っているものですから、ちょっと改めてで恐縮なのですけれども、知事、大阪のことは大阪の皆さんでお決めいただくというのがスタンスであって、それ自体についてのコメントは控えるというお話でした。一方で、知事、東京への影響についてですね、先般の会見では、我々のほうは十分議論し尽くしているので、大阪の住民投票云々は東京都には影響しないと思うというお話でしたけれども、昨今東京都の23区の区長が都構想の関係でいろいろな発言をされていて、例えば荒川区の西川区長などは、大阪都構想が実現すればうらやましいと、大阪が東京のモデルになり得るというような形で、要は、都からもっと区のほうに権限を移してほしいということを、それで、そういった発言の背景には、そういう権限移譲の話が全然進まないじゃないかといういらだちがあるようですけれども、知事ご自身は今の23区のあり方、議論し尽くされているというお話ではありましたが、今のままでいいとお考えなのか、改めてもうちょっと議論進めていかないといけないとお考えなのか、お聞かせください。

【知事】荒川の西川区長の念頭にあるのは、おそらく児童相談所の区移管だと思います。これはよく議論をしています。しかし、荒川区だけが23区ではありません。区によっては必ずしも自分の区に移管することに賛成の区ばかりではない。そうすると、都知事は全体の立場を考えないといけないですから、いろいろな意見を聞きながら考えていくということが必要ですし、一方で、全体は厚生労働省、国があります。だから、都の立場というのは、片一方で国があって、片一方で区市町村があるわけですから、それの上手な調整を図るということなので、それぞれの区長さんはそれぞれいろいろな思いがあると思いますけども、区によって随分立場が違います。
 だから、いろいろな区長さんがご自由に言うのは結構だと思いますけども、例えば同じく発言されている世田谷の保坂区長は、むしろ権限が少ないから都構想のようなことをやってはだめだと。むしろ自分たちは大阪のような市になりたいのだと、80万人を超える人口がいるわけですから。だから、同じ点を捉えても大阪都構想になると、同じ立脚点から賛否が分かれているということなので、いろいろな方がご自由におっしゃればいいんですけど、私は何度も申し上げますように、都知事の立場としては、大阪のことについてはコメントをしないということを一貫したいと思っています。

【記者】大阪の住民投票の結論というのは、東京に影響というのはないだろうというご見解というのは変わらないという思いでいらっしゃいますか。

【知事】いやいや、だから、ただ、結果次第でそれがいろんな議論を誘発する可能性はあるので、それはそういう大阪の結果を見て、少しでもいい都政にしていかないといけないので、少しでもいい区市町村との関係を築いていかないといけないので、それでみんなが議論をして、改善すべきところがあればやっていければいいので。ただ、我々は、都と区の関係とか、都と市町村の関係とかいうことをどうするかということがプライオリティではなくて、先ほどの児童相談所の例で言うと、本当に大変な子供たちをどう守るのだという、その結果を出すことに全力を挙げるべきだと思うのです。この前申し上げたように、下町で親から虐待されたような子供を救い出さないといけない時に多摩あたりに逃がさないと、近くだとそれまた親が連れ出しに来るわけです。そうした観点から見たときに、やっぱり都が今言った下町から多摩に連れてくるという、都がしっかり面倒見たほうがいいなと例えば私は思うわけです。
 ということは、誰がやるとか言うことじゃなくて、都がやっても区がやっても市がやってもいいのです。だけど、子供の命を守るということに結果が出るべきで、東京が良くなる、東京都民の生活が良くなる、東京がすばらしい世界一のまちになるということに全力を挙げるので、その過程で何か問題があればそれは良くお話をして、区市町村と、ないしは国との議論をしていけばいい話であって、先にそっちの議論をしてじゃないと思うのです。私はそういう政治手法をとりません。まず何が都民のためになるかということからやっていって、これだけ課題が山積していますから、とてもじゃないけれども、その課題の解決に全力を挙げるしかないというのが今の心境です。

【記者】共同通信の小柳です。すいません。オリンピックの関係で2点お尋ねします。昨日ですね、お台場のトライアスロンの会場について、組織委員会の森会長が国際トライアスロン連合の会長と会談して、横浜の山下公園での開催を要請しました。知事もこれまで航空管制の問題とか、水質の問題について指摘されてきました。一方で、地元港区からはお台場での開催というのを求めてきていると思うのですけど、それとお台場から横浜に移すということについて知事はどうお考えでしょうか。
 あとは先ほど、文科大臣との会談の関係なのですけど、先ほど国立競技場、新国立の整備状況の説明に来るのではないかという話でしたけど、これまで国は都の方に一部費用の負担というのを求めてきています。そのような話もあるのでしょうか。

【知事】まず第1点目、これは今トライアスロンのIFとIOCと森会長のところの調整委員会がそういう議論をスタートしたということなので、どういう方向になるか、その検討状況を見守るというのが今の状況で、それ以上のコメントはありません。
 それから、2番目について言うと、これは文科大臣からは新国立競技場についての会談だと、面会だと、議論だということしか聞いていませんので、どういう話が出るかは月曜日の結果を待ちたいと思います。
 それから、費用負担云々の問題はありますけれど、これは誤解ないようにこの場ではっきり申し上げておきますと、かつてですね、いろんなところから500億円東京都が出すのだという、うわさかもしれないけど、いろいろなところから聞いていました。しかし、こういうものは正式にありません、公文書を調べても。きちんとそういうことが決まっているならば、前の知事でも前の前の知事でもいいのですけど、きちんと国とそういうことを決めた紙があって、それに東京都知事の公印押してあって、公文書として残っていれば当然私はそれを引き継がないといけません。次の知事というのはそうあるもので、組織ですから。
 何の紙もありません。したがって、そういう話はあくまでうわさ話であって、現知事の私を縛るものでも何でもないし、単なる風のうわさかなということで。誰一人、どれだけ調べてもそういう正式な紙はありませんから、少なくとも私が都知事に就任して以来、費用負担の話はもう1年以上たちますけれども、一度も国から要請があったことはありません。その要請を月曜日にするかどうか、それは会ってみないとわかりませんけれども、私が今申し上げたように、今まで一度もありませんので、今日段階では新国立競技場ですから、国立ですから、都が払うというような話では全くないということを明確にしておきたいと思います。

【記者】フリーの横田一です。横田基地へのオスプレイ配備について、知事は申し上げることはしっかり言っていくと、最大限の配慮が必要と明言されましたが、高知新聞の3月12日の記事を見ると、イタリアやドイツでは、厳しい規制をしていると。例えばドイツでは低空飛行を禁止するように協定を改定したということがあってですね、その高知新聞の中で、諸外国では自国の航空法を米軍にも適用する例が多いのに比べて、日本では地位協定というアメリカとの約束事を重視すると、歴然とした差があるということをおっしゃっているのですが、知事が政府にも言うレベルというのは海外並みの厳しい基準を求めるのか、今の日本の甘いレベルで甘んじるのか、これ、どちらを目指されるお考えでしょうか。

【知事】前回、横田さんいないときにも申し上げましたけれども、この会見で、基本的には安全保障政策は国の専管事項であるわけですから、地位協定や行政協定含めて、これは国がきちんと決めてもらわないといけない。だから、私は、それについて介入する権限もありませんし、その立場ではありません。ただ、しかし、都民の生命と財産を守る立場からは、運用に当たって最大限の配慮をしてもらいたいということですから、今おっしゃったようなことについても、私は私の立場、都知事としての立場では何も申し上げません。それは国がしっかりやっていただく。そして、国会の場で、それは法律で決まるわけですから、国民の代表が国会の場できちんと議論をしていただくと、もうそれ以上のことは申し上げられない。

【記者】ただ、都民の命と安全を守るということを明言されたわけですから、それを具体的に実現するには、全国知事会に働きかけて、国会での立法を促すとか、そういう行動もできると思うのですが、そこまで踏み込んで。

【知事】しかし、東京都出身の国会議員はたくさんおられますから、そういう人たちが仕事としてちゃんとやっていただきたいと思いますけれども、都知事という立場で私は自分の権限にないことをやる気はありません。それだけです。はい。

【記者】沖縄の基地負担軽減になるということで都民がリスクを背負う形になると思うのですが、その見返り、本当に沖縄の基地負担軽減になるのかと。で、嘉手納基地が空くのであれば、辺野古の基地を中止して、海兵隊のオスプレイを嘉手納に持っていけば、これは沖縄の基地負担軽減になると思うのですが、そういう担保もなしに、本当に基地負担になる根拠、具体的な成果がないままに横田基地にオスプレイを受け入れるというのは、これは全国、沖縄の基地負担軽減に名をかりた基地機能強化になると疑われかねないと思うのですが、その点については政府に問いただして、あるいは沖縄の翁長知事といろいろな情報交換しながらはっきりさせていくお考えはないのでしょうか。

【知事】政府から今回の横田基地へのオスプレイの配備について、沖縄の基地負担軽減のためだという説明は一言もありません。ですから、横田さんが今おっしゃった、立論の前提は全然違うのだろうと思っていますから、こちらは説明もしてもらってないことについて、議論することはないと思っています。

【記者】嘉手納基地が予定されていたのが横田基地に来たというのは、あれは事実と違うのですか。

【知事】いや、だけど、そういう説明を政府がきちんとしませんから、要するに、接受国情報をアメリカからもらったと、それを我々受けただけですから、そこはアメリカがどういう腹であるかどうかということについても、それは説明を受けておりません。
 しかし、いずれにしても、これは国と国との安全保障政策ですから、都知事の立場で何を言うという、そういう権限があるものではないので、是非そこはご理解いただければと思います。

【記者】ある意味、市長の了解抜きにオスプレイが配備されるなどといったら、パリの市民は怒りまくるのではないのですか。

【知事】パリのことは知りません。東京は東京です。

【記者】国民政治学者でフランス、海外にも詳しい舛添知事だからこそ聞いているのであってですね、そんな、海外ではこんなアメリカの言いなりではないのではないですか。そういう実態を目の当たりにされてこなかったのですか、ヨーロッパで。

【知事】申し訳ないけれど、フランスにはアメリカの基地ありますか。アメリカの核の抑止力のもとにありますか。

【記者】いや。

【知事】フランスは、独自の核戦略を持っていますよ。ですから、それぞれの国はそれぞれの事情があるので、私はそういう議論はあまり生産性がないと思っていますから、私は、もうこの問題は今申し上げた以上のことは何聞かれても申し上げませんので、この質問は止めにします。

【記者】東京MXの朝倉です。また知事としての話ではないとおっしゃられるかもしれないのですが、昨日、いわゆる安保法制の閣議決定がなされたということで、今後、国会での論戦に移るわけなのですが、知事、以前、まずは憲法を変えて、そのことに国内、国外での自衛隊の活動について法律をきちんと作っていくべきだという、そういう考え方を述べられたのですが、今のこの動きに対して、どう見ていらっしゃるかって教えてください。

【知事】もう私はもはや国会議員でもないので、国権の最高機関の国会がお決めになることですから、あと、それぞれの各党、お立場があると思います。私は私の考えがありますけど、私は国会のメンバーではありませんので、これからしっかり国民の代表が国会の場で議論を尽くしていくと。そして、わかりにくいということがよく言われているので、十分にその内容について国民の理解が深まるようにやってもらうということしかありません。

【記者】以前、憲法草案をまとめられた立場からということで、安倍政権の方向性、一部賛成、ただ一部慎重であるべきというふうにもおっしゃったのですけれども、非常に拙速だという意見も今、この安倍政権の動きあるのですけれども、そういう立場からいくとどうお考えになりますか。

【知事】いや、拙速か慎重かどうかは時の政権が判断しておやりになることであって、それが非常に拙速でまずいということを主権者である国民が判断すれば、次の選挙において、それはその判断に基づいた投票行動をやればいいのでありまして、主権者はあくまで国民でありますから、国民がどう判断するか、それはそれぞれの新聞や論者がいろんなことをおっしゃっていますけど、そこは最後は主権者の判断だと思っています。
 私は、今、朝倉さんおっしゃっていただいたように、自民党の第1次憲法草案をまとめたときから私の基本的な立場というのは変わっておりません。しかし、ある政治状況のもとで政治家、特に、内閣総理大臣がある決定を下すわけですから、そこの状況というのはトップのリーダーが判断することであって、余人がそれを云々することはないというふうに思っておりますので、あくまで、私は外野席ですから、外から見ているという立場に徹したいと思っています。

(テキスト版文責 政策企画局調整部政策課)


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