
舛添知事定例記者会見
平成27年3月31日(火曜)
14時00分~14時30分
知事冒頭発言
1 「持続可能な資源利用に向けた取組方針」の策定について
【知事】一番目です。「持続可能な資源利用に向けた取組方針」の策定についてお知らせをいたします。世界の資源消費量は、30年間で2倍になっておりまして、気候変動や森林減少などの環境影響が地球規模の問題となっております。
東京が将来に亘って活力を維持していくためには、資源利用のあり方を持続可能なものに転換させていくことが必要であります。そこで、これまでの廃棄物の3R、リデュース・リユース・リサイクル施策からさらに一歩踏み出しまして、資源採取の段階も含めたサプライチェーン全体を視野に入れて、三つの柱を掲げた「持続可能な資源利用に向けた取組方針」を策定いたしました。資源ロスの削減、エコマテリアルの利用促進、廃棄物の循環利用のさらなる促進ということで、まず第1の柱、資源ロスの削減ですが、例えば、日本では米の生産量に匹敵する年間500万トンから800万トンの食品が無駄に廃棄されている。したがって、これの削減に取り組む必要があります。第2の柱は、エコマテリアルの利用であります。例えば、コンクリート用の型枠というのは、マレーシアなどから輸入された熱帯材の合板が多いのですけれども、国産材等への転換に取り組む必要がございます。3番目の柱、これは廃棄物の循環利用の更なる促進であります。オフィスビル等から出ます廃プラスチックなどは、リサイクルがまだ十分ではございません。
今後の取組ですけれども、この取組方針に基づきまして、来年度から、先進的な企業等と連携したモデル事業を実施しまして、その成果を広く普及させてまいります。また、区市町村などと連携して、事業系廃棄物のリサイクルのルールづくりなども進めてまいりたいと思っております。
2020年のオリンピック・パラリンピックと、その後を見据えて世界一の都市・東京に相応しい資源循環の実現を目指していきたいと思います。この件の詳細は、環境局に聞いていただきたいと思います。
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)
2 災害時における物資の調達支援協力に関する協定の締結について
【知事】次は、今日この後、株式会社セブン&アイ・ホールディングスの村田社長に都庁までお越しいただきまして、災害時における物資の調達支援協力に関する協定を締結いたしますので、お知らせいたします。
災害時の避難生活においては、避難者の多様なニーズに応えるため、高齢者、乳幼児、また女性などにも配慮した食料・生活必需品を確保する必要があります。そこで都は、一昨年3月に、イオン株式会社や株式会社ローソン等が加盟する日本TCGFと同様の協定を締結いたしました。更に今回、セブン-イレブン・ジャパンやイトーヨーカ堂など、148社を擁する国内最大級の流通大手の株式会社セブン&アイ・ホールディングスと協定を締結いたします。これによりまして、コンビニ業界売上高では、6割を超えるネットワークの協力が得られることとなります。
今後は、災害時に各企業が持つ全国的な流通ネットワークを最大限に活用してもらい、被災地外から東京へと物資を効率的に調達する仕組をさらに強化することで、東京の防災力の一層の向上を図ってまいりたいと思っております。この件の詳細は、総務局に聞いていただきたいと思います。
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3 都庁内保育所の設置について
【知事】 三番目は、都内保育所の設置についてです。長期ビジョンにも掲げておりますけれども、都は事業所内保育所の設置促進を進めておりまして、そのシンボル的な取組として、都庁内に地域や近隣企業にも開放した保育所を開設いたします。場所は、都民広場に面した都議会議事堂1階南側を予定しておりまして、入所定員は48名、0歳児から2歳児までの子供を受け入れます。定員の半分は、新宿区のお子さんを受け入れ、残りの半分は、都の職員に加えて、今後、近隣企業と協定を締結し、従業員のお子さんも受け入れます。夜10時まで預かり可能な延長保育を行うほか、在園児の当日の体調不良にも対応できるよう、看護師が常駐いたします。28年10月の開所に向けて、4月には事業者の公募を予定しております。
なお、この都庁内保育所の設置は、本日、策定いたしました「東京都職員ワーク・ライフ・バランス推進プラン」に盛り込んでございます。このプランでは、育児への配慮が中心であったこれまでの支援を一歩前に進めまして、育児の事情を抱えていても、管理監督職への昇任に挑戦する職員のキャリア形成を支援するとともに、仕事と介護の両立も支援いたしたいと思っております。
こうした支援によりまして、都は、ワーク・ライフ・バランスの推進に率先して取り組んでまいります。この件の詳細は、総務局に聞いていただきたいというふうに思います。
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4 「東京都子供・子育て支援総合計画」の策定について
【知事】四番目も関連いたしますが、「東京都子供・子育て支援総合計画」を策定いたしましたのでお知らせいたします。
この計画は、子ども・子育て支援法と、次世代育成支援対策推進法の二つの法律に基づく、子供・子育て支援に関する総合計画であります。福祉、保健、医療、雇用、教育など、様々な分野にわたる267の事業を位置付けておりまして、平成27年度から31年度までの5か年を計画期間としてございます。
この計画のポイントですが、まず、幼児教育と保育にまたがる初めての計画であります。また、広域自治体である都の役割として、人材の確保と資質の向上に向けた取組についても詳述しておりまして、保育士等のキャリアアップと処遇改善支援など、多くの事業を盛り込んでおります。前から保育士のキャリアアップと言っており、幼児と保育にまたがることをやる。
計画には、妊娠期から18歳までの子供のライフステージに応じた三つの目標と、年齢にかかわらず、共通的に取り組むべき二つの目標の計五つの目標を掲げてあります。
先日お知らせしました、東京版ネウボラであります「ゆりかご・とうきょう事業」や、長期ビジョンでお示しした平成29年度末までの待機児童解消に向けた取組など、本計画に基づき推進いたします。今後、本計画に基づく各種取組を総合的に推進して、安心して産み育てられ、子供たちが健やかに成長できる「世界一の福祉先進都市」を目指してまいりたいと思っております。
この件の詳細は、福祉保健局にお尋ねいただきたいというふうに思います。
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5 「東京のブランディング戦略」の策定について
【知事】五番目です。「東京のブランディング戦略」を策定いたしました。この戦略は、外国人旅行者の誘致に向けまして、多様な東京の魅力を海外に向けて広く浸透させ、東京のブランドイメージを確立していくことを目指すものであります。
2月に素案を公表し、ご意見を募集したところ、約60件の意見が寄せられました。こうしたご意見を踏まえまして、ブランドコンセプトを、「伝統と革新が交差しながら、常に新しいスタイルを生み出すことで、多様な楽しさを約束する街。」に決定いたしました。
今後は、このコンセプトが具体的に目に見えるものとするために、ロゴ・キャッチコピーや、ポスター、映像等の制作に着手することとし、株式会社HAKUHODO DESIGNの代表取締役社長の永井一史さんに、東京ブランドのデザイン全般を監修するクリエイティブディレクターをお願いいたしました。永井さんは、様々な企業のブランド構築にかかわる、デザインによるブランディングの第一人者でございまして、東京都でも、「ヘルプマーク」のデザインを手がけていただいております。
ビジネスに、海外の方々とのコミュニケーションにと、様々な場面で東京ブランドを活用していただきますよう、皆様の心に響くロゴ・キャッチコピーを制作し、広く発信していきたいと思っております。この点の詳細は、産業労働局に聞いていただければと思います。
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6 「東京文化ビジョン」の策定について
【知事】 次が、東京文化ビジョンです。この度、「東京文化ビジョン」を策定いたしましたので、発表いたします。1月に素案を公表し、都民の皆様から意見募集を行い、約120件のご意見をいただきましたが、都議会においても、様々なご議論をいただきました。
寄せられた意見などを踏まえながら、さらに検討を進め、最終報告では、新たな施策の方向性を打ち出しました。主なものを紹介しますと、東京全域の多彩な芸術文化資源を魅力向上に生かすこと。それから、既にお話ししたかもしれませんが、アールブリュットの拠点を多摩地域に形成したいと思っています。さらに、空き店舗や古民家等を活用して、アーティスト・イン・レジデンスを整備するということなどであります。
東京の文化ビジョンをよりわかりやすいものとするために、東京独自の文化の特色を、伝統文化を基軸に説明を加えました。さらに、「東京芸術祭(仮称)」を作りあげていくための道筋を始め、主要プロジェクトなどの詳細説明を盛り込んでございます。さらに、東京文化ビジョンの実現に向けて重要な役割を担います都立文化施設については、各館の運営方針を明示しました。
併せて、東京芸術文化評議会のメンバーの皆様から、東京文化ビジョンの実現に向けた力強いメッセージを頂戴しておりまして、本ビジョンに掲載してございます。
この文化ビジョンに基づきまして、史上最高のオリンピック・パラリンピック文化ブログラムを展開するとともに、都民の皆様をはじめ、国、自治体、企業、教育機関、アーティスト、芸術文化団体など、多くの方々と連携し、「世界一の文化都市・東京」を実現してまいります。この件の詳細は、生活文化局に聞いていただきたいと思います。
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7 東京芸術劇場の新館長について
【知事】次のテーマです。東京芸術劇場の新館長についてお知らせいたします。この度退任されます福地茂雄さんの後任として、東京芸術劇場の館長を、経団連副会長の荻田伍さんにお願いすることになりました。4月1日からご就任いただきます。荻田さんは財界においても信頼される存在であるとともに、新日本フィルハーモニー交響楽団をはじめ、数多くの文化団体の運営に関わるなど、芸術文化や国際交流に関する経験も豊富でございます。東京芸術劇場は東京を代表する総合的な芸術文化施設であります。東京文化ビジョンにも文化拠点の一つとして記載している、池袋の中心的な存在として、国内はもとより世界に東京の舞台芸術をアピールしていく役割を担っております。是非、芸術監督の野田秀樹さんとともに、東京芸術劇場を国内外の劇場をリードする存在へと仕上げていただきたいと思っております。この点につきましても、詳細につきましては生活文化局にお尋ねいただきたいと思います。
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8 パネル展「延遼館の時代」の開催について
【知事】 次も文化・歴史です。パネル展「延遼館の時代」の開催についてお知らせをいたします。このパネル展はゴールデンウィーク期間中であります、5月1日から8日まで、都庁南展望室で開催いたします。ご承知のように、浜離宮のこの延遼館の跡に延遼館を復元する形で東京都の迎賓館をつくろうということが話の発端で、いろいろ資料を探索していたところ、非常におもしろい歴史的な資料があったということで、サブタイトル「明治ニッポンおもてなし事始め」ということで、鹿鳴館時代の前にこれがあったとほとんど知られてない。そこで、都の公文書館所蔵の「延遼館夜会記録」の内容を中心に、外交史料館や江戸東京博物館などの協力も得て、約30点のパネルを展示いたします。パネルでは、近代日本最初の迎賓施設であります「延遼館」が果たした役割、当時のおもてなしの様子をわかりやすく紹介いたします。
例えばですね、「延遼館夜会記録」、私もこのコピーを見ましたし現物も見ましたけれども、延遼館を舞台に明治14年に時の東京府知事が皇族方や各国公使をお招きした晩餐会の様子を綴った資料でございます。この名前を見ればわかりますけれども、これは山縣有朋ですね。井上参議、井上馨、三条実美とか、そういう方々が出ておられますし、ここには外国の公使も出ていますけれど、こういうのが今まで外に出てなかったのが出てきたということで、私もこの時代の歴史を勉強して、いろいろな本や文献を読みましたけれども、こういうものを見たことは今まで一度もなかった。これは鹿鳴館時代以前の日本外交の実像を知る大変貴重なものでありまして、この記録のレプリカも展示をいたします。先般イギリスのウィリアム王子がお見えになった時に、ウィリアム王子の先祖に当たる皇太子様が一番最初に明治維新後の日本に来られて、そのためにこの延遼館をつくろうという話が明治政府から出てきたというのが発端で、非常にイギリスとも関係が深うございます。是非、多くの都民の皆様にお越しいただき、都の公文書を通じて「延遼館」の歴史に触れていただきたいと思います。ちょうどゴールデンウィークですので、是非、散歩がてら都民の皆さんにお出でいただければと思います。
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)
9 東京開業ワンストップセンターの開所について
【知事】次に、先般お知らせしましたけれど、今日の夕方開催の「東京開業ワンストップセンター」開所式に、安倍総理と石破大臣が出席されることになりましたのでお知らせいたします。このセンターは、対日投資促進に向けて、日本再興戦略にも位置付けられているものでありまして、外資系企業やベンチャー企業等の法人設立を支援する国家戦略特区の取組でございます。これを契機として、国ともしっかりタッグを組んで、国際的ビジネス拠点としての東京のプレゼンスを更に高めていきたいと思っております。これは、都心の真ん中で、日本政府と東京都が一緒にワンストップセンターを設けて、外国の企業がそこに来れば、そこだけで全ての手続きができるということで、国際都市東京に相応しいものを内閣と東京都とで一緒にやるということです。総理がお見えになるし、地方創生大臣である石破大臣もお見えになるということで、今日の夕方、一緒にオープニングをやりたいと思っていますので、是非皆さんも取材に来ていただければと思います。
以上の案件に加えまして、もう一つお知らせします。これは私自身の話になりますけれども、明日4月1日、公務終了後入院することとなりましたのでお知らせいたします。記者の皆さんもよくご存じのように、従前からの腰痛が悪化したため病院を受診しましたところ、左の股関節について、変形性の股関節症と診断されました。早期の手術も選択肢でありましたけれども、ここのところ公務を最優先に行ってきました。しかし、このところ痛みの度合いもかなり強まりまして、限界というような感じがしておりました。そこで、医師とも相談した結果、第一回定例会が終了して、予算も成立したこの機会に外科的な手術という形で、抜本的な治療を受けることにいたします。入院後速やかに手術を受けまして、手術後は翌日からリハビリを開始して、大体1カ月程度で退院できる予定であります。なお、病院名等の公表は差し控えたいと思います。また、入院による影響を最小限に抑えたいと考えております。入院中でも必要な意思決定が行えるため、職務代理は置きません。手術後の経過につきましては、報道官からお伝えいたします。都民の皆様や都議会の関係者の皆様にご心配をお掛けすることとなりますし、記者の皆さんにも大変ご迷惑をお掛けしますけれども、しっかりとリハビリに取り組んで、1日も早く都庁で職務をできるようにしたいと思っております。
私の方からの報告は以上でございます。
質疑応答
【記者】幹事社の東京新聞の方から三点質問させていただきたいと思うんですけれども、一つは都庁の保育園なんですが、これは先ほど言っていたとおり、シンボルといいますかですね、もっと保育所を都心の方に作ろうというところのですね、シンボルだなと思うんですけれども、都心への保育所の建設について、設置について、知事はどのようにやったら良いと思っていますでしょうか。
【知事】これは都庁という職場に作る訳ですけれど、いろいろなあり方があると思います。一つはやはり鉄道の駅の立体になっているような所。下が空きますから、そこでやっていく。駅前というのは出勤の途中に子供預けていける。満員電車の非常に劣悪な環境の中に子供さんを入れなくて済むということがあります。ただ、先般日本橋や丸の内を視察した時にありましたように、外国為替等をやっている方で、勤務時間が夜になるとか、通勤の時はそんなに混まない電車で赤ちゃんを抱いても行けるけれども、夜はどこも預かってくれない。そうすると、職場に保育所があった方が良いということで、様々なニーズがあると思いますので、それぞれのニーズに合わせたいろいろな取組があって良いと思っています。半分は都庁の職員。半分は地元の方々。それから企業の方々。新宿の近くの方は住居の近くで預けられる訳ですし、都庁の職員や関連の企業の方々が協定を結んで入る場合には、自分の職場の近くにやれるということで、こういう保育施設は多様なニーズに合わせたものが必要だと思っております。
【記者】ありがとうございます。もう一点はですね、昨日、受動喫煙のですね、対策検討会が開かれまして、最終日だというふうに我々、聞いていたんですけれども、結局決まらずにですね、日程が延びました。それで、次回に結論が持ち越されているんですけれども、委員の方々からはですね、条例化を求める声が強いというふうに、我々、聞いておるんですけれども、知事はですね、この受動喫煙対策検討会の今の状況と、それから条例化について、改めてどう思われるか、お伺いしたいと思います。
【知事】いろいろなご意見があって、今後もう少し検討しようということで、最終的な締めということにならなかったので、いろいろな議論があって良いと思います。結果的に言うと、受動喫煙を絶対阻止するということが実現すれば良い訳ですから、吸っている方は自由かもしれないけれど、人が吸っている煙を吸わらされるのは堪らない。これを阻止するということを、実効あらしめるためにはどうしたら良いか。それで、分煙対策をやる。そのために必要な支援を、例えば飲食店等でやっていく。そういう中で、世論や国を含めての全体的な大きな方針で、国の法律なり条例なりできちんと決めた方がより効果があるということになれば良いのですけれど、今の段階ですと様々な意見があって、昨日の検討会がすぐまとまらなかったようなことがあると思いますので、私自身はたばこは吸いませんけれど、たばこを吸っている方は吸っている方でご意見があると思います。また、飲食店を経営している方々にもそれぞれのご意見があると思いますので、とにかく分煙する。望まない喫煙はしないで済む。これが実効的になるように、4月からの予算でもそういう支援策を付けておりますので、そういう方向で、少しずつ着実な成果を上げていきたいと思っております。
【記者】三番目なんですけれども、今の知事のお話で、入院といいますか、されるということなんですけど、その間の職務体制について、もう少し詳しく、知事は病院から基本的ないろんなものを判断していくということなんでしょうか。なかなか現場が見られずにですね、なかなか難しいとは思うんですけれども、その間の職務体制をもう少し詳しく教えていただけますでしょうか。
【知事】それこそ頭脳の中身の手術だと判断できませんけれども、私が判断できないのは麻酔が効いている手術の時間帯の数時間だけです。麻酔が覚めれば頭はクリアですから、全ての判断ができるので、そこから先は、しっかりと各局の局長が報告をしていけば良いし、必要なものにサインをすることもできますので、そこは遺漏なきようにしっかりやっていきます。
例えば式典など、私がいた方が良いものもありますけれど、それは副知事がやれば差し障りがないと思っています。重要な政策判断の決定ができますので、あえて代理は置かないで、私が一つ一つ判断して、手術したその日から処理をしていきたいと思っています。
【記者】読売新聞の山村です。大阪でですね、大阪都構想の住民投票が5月に行われるんですけれども、それに関連してですね、まず一つ、知事はどのようにこの住民投票を見ていらっしゃるかということと、それとですね、東京都知事を1年間お務めになってですね、都政、都の制度について、メリット、デメリット、どういったところを感じていらっしゃるかということをお伺いしたいのですが。
【知事】まず、大阪のことは大阪でお決めください。東京の関与するところではございませんと、これに尽きます。住民投票についても、いろいろな住民投票のやり方がありますし、それぞれプラスとマイナスがあると思います。どれだけの法的拘束力を持つのかとか、その決め方も、大阪がご自由にお決めくださいということで、東京都は東京都で頑張って仕事をしていきますので、余所の地方自治体も頑張っていただきたい。それだけです。
【記者】日本経済新聞の舘野です。二点お伺いします。知事の入院の件ですけども、職務復帰という言い方なのかどうかあれですけども、実際に都庁に復帰されるのはいつごろとお考えなのかというのを、まずお聞かせいただけますでしょうか。
【知事】生身の体ですから、それはご報告申し上げますが、今の段階ではわかりません。手術の経過次第で、一般的に言って大体一ヶ月ぐらいだろうという話は聞いております。
【記者】それともう一つ、職務体制の件で、4月1日付の人事で、補佐官制度を所期の目的を達成したということで、少し変えていらっしゃいますけれども、その所期の目的を達成したということと、その変えた狙いについて、詳しくお願いできますでしょうか。
【知事】都庁の中が風通しが良くないとともに、あまりに大きな組織ですから、私が一つ一つの局を回る訳にいきませんので、リエゾンオフィサーがないと。局長の次に来るような地位の人を充てていましたけれども、それは十分役割を果たしたということで、今回は若い人も育てようということで、全体に若返らせたということが大きな柱であります。今後は、人材を育てていくという視点が入ると思っていただければと思っています。さらに効率的な形になるように、最終的には夏の人事異動で大きく変えますけれども、取り敢えずはこの4月にマイナーなチェンジでそれをやったということです。
【記者】MXテレビの鈴木です。渋谷区の同姓カップル条例案が、本日の区議会で通る見通しとなっております。世田谷区でも、同姓カップルを認める施策を検討しているということなんですが、この流れについての知事のお考えと、あと、都としてもそのような政策を検討するようなことはあるのかということをお聞かせください。
【知事】まず、日本国憲法は、婚姻は両性の合意のみによって行うということになっていますから、両性というのは男性と女性なので、同姓の場合は憲法上は婚姻と認められない。そこは明確なので、それまで変えようとすると、それは憲法改正マターになります。
そこから先は、プラスとマイナスがいろいろあると思います。先ほど入院の話が出ましたけれども、入院の見舞いは基本的に家族に限るということを規定を設けている病院があります。そういう時に、何の証明もない同棲だったらどうだという不便があるということ。それからアパートを借りる時に借りられない。そういうことの緩和ということで、渋谷区はおやりになったので、それは一定の効果は持つと思います。しかし、憲法上の婚姻ではありません。だからそれは、国会を含めて良く議論をやっていく必要があると思います。渋谷区で条例が可決されれば今からやっていくと思いますので、実際その運用でどうなるかというのをじっくりと見極めて、プラスとマイナスを見ながらまた考えたいと思っています。
【記者】東京新聞の松村です。教育委員会の制度が4月から変わるんですけれども、教育長も変わるということですけれども、知事はこの新しい制度について、どういうことを期待されていますか。
【知事】一つの制度が変わればそれで全部変わる訳ではないし、制度が良いものに変わっても、それを担う人材が駄目だったら駄目なので、制度がどう変わろうと、東京都の教育行政はしっかりやっていくということで、適材適所できちんとした人を任命したと思っております。国家百年の大計の教育について、全力を挙げて東京都はやっていくということで、制度改正がマイナスにならないようにやっていきたいと思っています。
(テキスト版文責 政策企画局調整部政策課)