
舛添知事定例記者会見
平成27年3月20日(金曜)
14時00分~14時26分
知事冒頭発言
1 「第49回八丈島フリージアまつり」について
【知事】明日21日から4月5日まで、八丈島におきまして、第49回「フリージアまつり」が開催されますので、お知らせいたします。
ここにも飾ってありますけれども、昨日、「フリージアまつり」キャラバン隊の皆さんがお越しくださいました。今、非常に良い香りがしていると思いますけれども、春を告げる花である、素晴らしいフリージアをいただいたところです。
八丈島では35万本のフリージアが咲き誇りまして、無料つみとり体験やスタンプラリー、40万輪のフリージアで作る花の絨毯「インフィオラータ」などのイベントが沢山用意されております。
羽田から飛行機でわずか55分で行くことができますので、この機会に是非、八丈島へお出かけいただきたいと思います。私が着用していますネクタイは八丈の黄八丈のネクタイでありまして、これも重要な産物であります。色の具合もちょうど良いと思います。
それからもう一つ。伊豆諸島では八丈のように、一足早く春が訪れて色とりどりの花が見頃を迎えております。伊豆大島でも明後日22日まで「椿まつり」が開催されています。大島では災害からの本格的な復旧に向けまして、引き続き宿泊助成や割安パッケージツアーなどの提供を行いますので、是非これもご利用いただければと思います。詳細は産業労働局にお尋ねいただきたいと思います。
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)
2 デンマーク王国フレデリック皇太子殿下の接遇について
【知事】二点目です。デンマーク政府の要請によりまして、今月下旬に来日が予定されておりますデンマーク王国フレデリック皇太子 同妃両殿下を、27日午前、東京都が接遇することとなりましたのでお知らせいたします。
フレデリック皇太子殿下は、2009年からIOC委員を務めておられまして、当日は、都議会オリンピック・パラリンピック推進対策特別委員長であります髙島議長、組織委員会幹部とともに、東京湾を船でご案内したいと思っております。先般、ウィリアム王子をご案内しましたけれど、特に殿下がIOC委員でおられますので、是非ご覧いただきたいと思います。
ビーチバレー、体操、テニス等の競技会場や選手村など、2020年大会の施設予定地を海上から視察いただくと同時に、ウォーターフロントに面した「世界一の都市を目指す東京の姿」をご覧いただきたいと思っております。
今回のおもてなしを通じまして、2020年東京大会の準備が着実に進んでいることをご理解いただくとともに、東京の魅力を実感していただけるよう、万全を尽くしていきたいと思っております。東京湾から東京の全貌を眺める。世界で今、非常にホットな形になりつつあると思います。
詳細は政策企画局に聞いていただきたいと思います。
3 高潮対策センターの2拠点化稼働について
【知事】三番目は防災対策です。東京港の津波・高潮対策の要となります高潮対策センターの2拠点化が、4月1日よりスタートするのでお知らせします。
ご承知のとおり、東京の沿岸部にはゼロメートル地帯が、広範に渡り、地盤の低い地域が広がっています。これは東京の弱点でもあります。こうした地域を、津波・高潮による浸水から守っているのが防潮堤や水門でありまして、非常時には遠隔制御で水門閉鎖を行う高潮対策センターは、極めて重要な役割を担っております。私自身が、こういうセンターを既に視察しております。ご承知のように、こういう防潮堤の水門をリモートコントロールで上げ下げできる。高潮対策センターでは、全部がここで中央制御できるようになっております。
東京港における防潮堤、水門の配置図であります。こういう防潮堤が、ずっと東京を守っている訳です。今回、江東区辰巳にある高潮対策センターに加えまして、新たに港区に第二高潮対策センターを整備いたしました。
現行の高潮対策センターでは、これまでも遠隔操作が可能ではありましたが、新たなセンターからも全ての水門を遠隔操作できるように通信網を構築いたしました。ですから、こちらからも全部の水門に指令を出すことができる。こちらの新しいセンターからも、全部リモートコントロールで指令ができる。これによりまして、一方のセンターが万が一機能不全に陥っても、もう一つのセンターから全水門閉鎖というような操作が可能になります。パソコンでいうと、バックアップ体制がしっかりしているということで、一つが駄目になってもバックアップがしっかり利くということであります。このようなバックアップ体制が整い、東京港の津波・高潮に対する防災機能が一層強化されるということであります。
この点、詳細については港湾局に聞いていただきたい。
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)
4 西武池袋線連続立体交差事業の効果について
【知事】四番目は、交通体系の話に関わりますが、立体交差事業であります。西武池袋線の「開かずの踏切」対策ということで、連続立体交差事業を行っておりますが、練馬高野台駅から大泉学園駅の区間で、1月に全線の高架化が完了しました。その事業効果についてお知らせいたします。
西武池袋線については、平成19年度から28年度までの10年間で整備を進めております。今回高架化した2.4キロメートルのうち、石神井公園付近の1.2キロメートルを1期区間として、平成23年に高架化し、6カ所の踏切を除却することができました。第2期区間の1.2キロメートルは、1月25日に高架化が完了しまして、3カ所の踏切が除却になりました。これで、練馬高野台から大泉学園までの事業区間全線の高架化が完了になりました。
「開かずの踏切」は非常に混んでいて、朝の8時00分台は1時間のうち43分閉まっており、最大220メートルの交通渋滞が踏切の前にあったのですが、今はガラガラです。
例えば石神井公園駅前ですと、駅の周辺で駅前広場や、新たに生み出された高架下空間に商用施設が整備されました。駅前広場や駅の北口の商用施設などの開発ができました。
次に、私がいつも言っていますように、高架の下の有効利用ということで、特に保育所。親が勤めに行く時に、子供をそこに預けて行ける。高架下ができるということで、保育所も開園されるなど、地域ニーズに沿った様々な利用ができ、地域の利便性の向上や活性化につながっております。
3月28日午前10時00分から、東京都建設局、練馬区、西武鉄道の3者の主催で、地元の方々や商店会の方々をお呼びして、全線高架化の記念式典を開催いたします。詳細は建設局に聞いていただきたいと思います。
5 女性の活躍推進の気運醸成について
【知事】最後でございますが、先般から申し上げていますように、女性の活躍推進の気運醸成に向けて、新しく映像広告やポスターを作成いたしましたのでお知らせいたします。
先般、女性活躍推進大賞贈呈式の場において、女性活躍推進のシンボルとなる、女性が夢や希望に向かって羽ばたくイメージのロゴマークを私から発表したところでございます。今回、このロゴマークを活用した映像広告を作成しまして、明日から3月29日までの間、JRトレインチャンネルや渋谷ハチ公前交差点街頭ビジョン、映画館CMなどで放映いたします。
また、本日から3月29日までの間に、山手線など電車の中吊り広告やフリーペーパーの記事広告なども併せて実施いたします。これらの広報展開によりまして、女性の活躍を皆が応援して、職場・家庭・地域などあらゆる場所での気運醸成が図られていくきっかけになればと思っております。詳細は生活文化局にお尋ねいただければと思います。
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)
質疑応答
【記者】ありがとうございます。幹事社の東京新聞の方から二点お伺いします。一点は今のお話なんですけれども、女性の活躍についてですが、いろいろ議論はあると思うんですけれども、クオータ制というところがですね、いろいろ女性の、何人かに1人は女性に、いろんな所でしようと、国会議員もしくは地方の議会とかですね、そういうところもあるんですけども、都庁の中でもそれは一つ考えられるんではないかと思いますが、一般的な面でですね、女性のクオータ制について知事がどのようにお考えか、お話しいただければと思います。
【知事】それはプラスマイナスありまして、あまりにも女性の登用が遅れている時には、クオータ制を入れるぐらいのことをやらないと動きませんということがありますけれども、そこから先は、まさに性の差別なく、能力のある人が活躍できる場をつくるということで。女性のクオータ制を敷くことによって、逆に能力ある男性のチャンスが狭まるというのは、機会の均等という原則に反しますから、それのバランスのとり方だろうと思います。少なくとも我が東京都庁においては、3人のうちの1人が女性です。クオータ制というのは、国によっては議員の半分は女性でないといけないというところもありますけれど、これが例えば議員についてだと、有権者、主権者が決める話ですから、一つの手であるけれども、いろいろな問題があるということで、それを入れようが入れまいが、実際にどんどんできるところから女性が活躍する場をつくるべきであるというのが私の意見です。
【記者】もう一点、お伺いしたいんですけれども、今日地下鉄サリンの事件からですね、20年が経ちまして、東京で起こった未曾有のテロ事件なんですけれども、知事はこの事件をどのように捉えられているか、もしくはテロ事件、東京におけるテロ対策、これについてどのようにお考えか、よろしくお願いします。
【知事】これは、私は今でも忘れないし、3月20日という日にちも忘れていないのは、実は私は東京大学で教鞭をとっていました。そして、医学部の学生を教えていたのですけれども、理科系ですね。医学部含めて非常に優秀な諸君がオウム真理教に入って行った。そして都庁の爆弾の犯人というのは実は私の教え子でありまして、なぜそんなことが起こったのだろうかということで、徹底的にその頃の若者研究をした。本棚を探してみたら、これは絶版ですけれど「戦後日本の幻影<オウム真理教>彼らはどこから来て、どこへ行くのか!?」、こういう本を一気に書き上げて。基本は犯罪心理学なのですけれども。20年前にコンピューターをやっている連中の方が向こうに行く傾向があった。コンピューターとの関係はどうであろうかとか、いろいろな点を検討して、犯罪心理学者の仲間と相当分析をしたことがあって、戦後日本の幻影ということで書いた。何とかこういうことを避けたいと思って、時間がないから申し上げませんけれど、例えば、ずっと森林ボランティアの活動をやっていましたけれど、森林ボランティア活動に入って一緒にやった若者は、こういう所に行かなかったのです。そういうことではなくて、無茶苦茶頭は良いのだけれど、コンピューターの中で自分の王国、オウムもそうですけれど、そういうのを幻影の中でつくり出したことがそういうことになったので、実を言うと、私が問題意識を持っているのは必ずしも解決したとは言えない。その後、コンピューター社会というのはさらに続きまして、ツイッターであるとかブログであるとか、私たちが日常茶飯事に使っているって、こういうものがどういう影響を与えているのだろうかということで、いろいろ検討をしましたので、図書館にでもあればご覧いただきたいと思います。
二度とこういうことが起こってはいけないので、今日も各地でいろいろな訓練を行っている所があると思いますけれども、徹底的に警察を含めて、対策をとっていきたいと思っております。そして、情報収集というのは非常に大切なので、最初に長野で起こった時は、普通のサラリーマンが何かやったのだろうという話でえらい冤罪になりましたけれども、情報をしっかりと得るということで、その後、例えばオウム関係というのは、定点観測という方法でずっと定点で見ているということも定着しております。そういう情報収集を含めて、二度とああいう事件が起こらないように徹底をしたいと思っております。
【記者】共同通信の船木です。先日もちょっと質問させていただいたんですけども、都の流通在庫備蓄に関連して、ランニングストックに関連しての質問なんですけども、これに関連して都のチェック体制にまつわる部分なんですが、実際に都が委託しているはずの燃料のチェックの体制についてなんですけども、都というのは、これ、契約ではですね、毎月、組合から報告を受けるということが定められていてですね、先日の都議会総務委員会、昨日あった総務委員会では、気づいていたのかという都議の質問に対してですね、担当のほうが、都としては、組合内部の在庫確認方法について確認する立場にないという形の答弁をされているんですよね。都として確認する立場にないという。これ、形式上、要は組合と都の契約だったということを理由にそういうことをおっしゃったと思うんですけども、都が自身で所有する燃料のチェックを自分でせずに、やっぱり組合任せにしていて、やっぱり毎月、来るはずの報告に、やっぱり気づいていたのかという、それは実際、来てなかったわけですが、気づいてなかったんじゃないかという疑問もやっぱりまだ残ったままになっています。
先日、知事、抜本的な改善というのをですね、おっしゃっていたんですけども、こういった認識だと、やっぱりまた同じような問題が、やっぱり起きかねないのではないかなと個人的に思っていてですね、知事の、やっぱり過去および今後における都の備蓄に関してのチェック体制についての認識というのをちょっとお伺いしたいんですけども。
【知事】今徹底的に調査し、改善の方策をとるように指示をしております。具体的に言うと、口頭ではなくきちんと紙で報告書を出す。だから、組合も都に対して一月に一遍、報告書をきちんと出す。それから、各ガソリンスタンドに対して、組合は紙で契約を結んで、ちゃんとやっているのか。それは、都のためだと言って備蓄していて、1円のコストも払ってもらえないのでは、やる気がなくなりますから。そういうことを今指示して改善をしているというのが今の状況で、改善のきちっとした目途が立って、どういう形でやるかということで。これは、指示の指令ですから、きちんと紙でやれ、いいかげんに口頭でやるなということであります。
どういう形で都が緊急時に備蓄するか、燃料、ガソリンの話なのですけれども、毛布とか水とか食料品、防災の備品があります。これも定期的に新しくしていかないと、賞味期限が切れていきますから、やっぱりコストがかかる話なのです。
だから、そういう食品の劣化対策というようなことも考えた時に、ある意味で、今のこのガソリンについては、ある意味で非常に上手なシステムであって。ランニングしながら、つまり劣化しないで、普通使いながら、いざという時に都に持ってくるというのは非常に知恵があって、うまくいけばコストも非常にかかりにくい話ですけれども。しかし、私自身は、これだけの大きな一つの国家に値するだけの都市ですから、一つの国家に匹敵するような、そういう緊急対処方策を持っていて良いのではないかということ。日本国が国家として備蓄しております。東京都として一定の、これは1週間でも3日分でも良いですけれども、備蓄をきちんとやるということについて、納税者の皆さん方のご承認が得られれば、そういうことも考える時期に来ているのではないか。
個々のガソリンスタンド、それから石油の業界の組合が動かなくなった時に、どうするのですかということで、自助、共助、公助という中で、ラストリゾート(最後の手段)としての公助のあり方について、いろいろな知恵を働かせて、今の選択肢も含めて最終的には都民の生命、財産を守ることが目的であって、業界の利益を守ることが都知事の仕事ではありません。そこは明確にして、防災ということから都民の生命、財産を守るために一番良い方法を探すということで、今後とも検討を進めていきたいと思っております。
【記者】恐れ入ります。文化放送の高橋民夫です。知事、ご苦労さまです。1月16日にちょっと過去質問させていただいたことなんですが、国立競技場のですね、解体も始まりました。再建に向かっているわけなんですが。あの時に、モザイク壁画の点についてご質問させていただきました。13点の中の11点がどこへ行くのかというのが決まっていないということについてだったんですが、その後、動きはございましたですか。
【知事】その後、担当の方には言っておりますけれども、まだ報告が来ておりませんので、動きはないと思います。もう一度、高橋さんからありましたので、再度事務方に確認して、直接にでも事務方からお答えできればと思います。
【記者】テレビ朝日の北本と申しますけれど、現在、都庁内にあります、主な部署が都庁内にあります五輪の組織委員会が23日から虎ノ門の方に引っ越します。一部は都庁にも残るようですけれども。今まで、知事と、例えば森会長がですね、日々というか、頻繁に顔を合わせるといったコミュニケーションをとられながら、準備作業に当たってたということなんですが。今後、虎ノ門に五輪組織委員会のヘッドクオーターが移るということで、その部分の連携体制、コミュニケーションについて、今後どのようにこう、さらにこう、今までのような感じでやっていくのかという点についてお伺いします。
【知事】その点は、一部の機能はここに残りますので、何も私は心配しておりません。森会長自身がかなり体重はおありですけれども、非常にフットワークの軽いお方なので、東京の中で新宿、虎ノ門というのは毎日のように行ったり来たりなさると思っています。ですから、お会いして話をする機会がなくなるということはないと思いますし、必要があれば、私の方からご報告することがあれば、それほど遠い距離ではありませんので、私の方で虎ノ門に行くということもあるし、IOCの方が来られたりとか、いろいろなことがあった時にご一緒する機会が非常に多いので。組織委員会が引っ越したから、東京都と組織委員会が疎遠になるということはありませんので、それはご心配しないでいただきたいと思います。
(テキスト版文責 政策企画局調整部政策課)