ここから本文です。

舛添前知事「知事の部屋」

ごあいさつプロフィール施政方針記者会見活動の紹介知事と語ろう知事の海外出張交際費

記者会見

平成27年2月10日更新

舛添知事定例記者会見
平成27年2月10日(火曜)
14時00分~14時31分

知事冒頭発言

1 小笠原視察(結果)について

【知事】まず、第一点目です。昨日、東京都議会議長をはじめ、都議会の方々と共に、小笠原を視察してまいりましたのでお知らせいたします。
 初めに、都の漁業調査指導船「興洋」の視察を行いました。「興洋」は、普段は水産資源の調査や水温観測、海洋環境のモニタリング等を行っておりますが、今般の中国漁船の違法操業問題では、海上保安庁や水産庁と連携して、監視業務を行うなど大きな役割を担っているという説明を受けました。「興洋」が行きますと、漁船がまず逃げていくそうです。
 次に、村長なども同席しまして、漁業者や観光事業者、子育て中のお母さん方といった島民の方々と親しく懇談させていただきました。懇談では、漁業者の方から、本当に被害があって漁に出られなかったということ、それからごみが捨てられていたり、ずたずたに切られた網が沈んで、非常に資源が荒らされている。それから観光地としての風評被害の影響があるという観光業者の方々、それから中国人が上陸してくるのではないかというのを、夜、漁船の光というのは近くに見えるので、これでお母さん方が非常に不安だったという声を直接お聞きしました。
 海上保安庁をはじめとする関係機関による様々な取組が功を奏していますけれども、今年になってからも、外国漁船が小笠原の海域において、1~2隻現れておりまして、今後も決して油断することなく、関係機関が継続的に情報交換を行って、複合的に対策を講じていくことが重要であると思います。(視察場所である父島の地図をディスプレイ表示)これは父島の地図で、ここに役場があって、小笠原諸島、先程言いました船というのはここにいたわけです。(都漁業調査指導船「興洋」の写真をディスプレイ表示)これが「興洋」という船であります。都におきましては、昨年12月から、この中国漁船が違法操業を行っていた海域を中心に、この漁業調査指導船を活用した試験操業を開始しておりまして、漁場への影響についても調査するとともに、国が実施するサンゴ資源の調査に協力してまいりたいと思っております。
 (現「やしお」の写真と新「やしお」の建造コンセプトをディスプレイ表示)これは、伊豆諸島北部を管轄する調査指導船の「やしお」という船なのですけれども、これがもう古くなりますので、この度、これを更新する。そしてこの船を少し大きくして、小笠原海域まで航行可能にする、このレーダーを高性能に変える、ソナーも良くするということで、最新の調査・監視機器を備えた船舶の建造に向けて、来年度から設計に着手し、海上監視活動を一層強化したいと思っております。予算原案の中に組み込んでおります。貴重な水産資源を守り、島民の方々の安全・安心な暮らしを確保するため、都としても、引き続き国や小笠原村と連携して、全力で取り組んでまいりたいと思っております。
 詳細につきましては、所管の総務局及び産業労働局にお尋ねいただきたいと思います。

2 「東京都雇用対策協定」の締結について

【知事】続きまして、二点目の話ですが、本日、塩崎厚生労働大臣との間で、「東京都雇用対策協定」を締結いたします。私がこの後、厚労省に参りまして、サインをしたいと思います。
 そして、よく私が言いますように「恒産なくして恒心なし」という言葉がありますけれども、仕事に就いて、安定した生活が実現することで、はじめて気持ちも落ちつく。明るい気持ちで生活していくことができる。そういう言葉ですが、雇用の問題というのは非常に重要であります。
 そこで、東京都では、ハローワークを所管する国の東京労働局との協議の場をつくりまして、議論を重ねてまいりました。その結果、この度、国との間で協定を締結して、更なる連携の強化を図っていきたいと思っております。具体的に、東京都と、東京労働局というのは東京にある国の機関ですが、東京都と東京労働局は、取組及び実施方法を事業計画として毎年度定める。どういうことをやろうかということを相互に共有して定める。そして運営協議会を設置するというようなことが内容となっております。協定の締結によりまして、都と国とがそれぞれの強みを活かして、非正規雇用労働者の正社員化、これは私が力を入れていることですけれど、一体となって雇用対策を進めていきたいと思います。
 詳細は産業労働局に聞いていただきたいのですが、厚労大臣の塩崎さんと私でサインをします。そして、今日の16時40分から17時、厚生労働大臣室、私も前にいた古巣なのですけれども、そこでやるということでありますので、雇用問題についてハローワークも活用してもらいたい。我々のいろいろな機関も活用してもらいたい。それぞれ、東京はやはり東京都を管轄していますけれども、国の強みというのはネットワークを持っていまして、例えば栃木、群馬、こういう所で働いてる方が東京に来たい、ないしは東京の方がそちらへ行きたいという時は、どうしても国のネットワークを上手に使うというのは大事なので、このような形で、雇用の問題で国と都が協定を結んで一緒にやるというのは画期的だと思いますので、是非取材にもいらしていただきたいと思います。

3 英国王室のおもてなしについて

【知事】三番目は、英国政府の要請によりまして、今月下旬に来日が予定されておりますケンブリッジ公爵殿下、と言ってもお分かりにならないかと思いますが、ザ・デューク・オブ・ケンブリッジ、プリンス・ウィリアム、ウィリアム王子を、2月26日午後、接遇することになりました。
 大変名誉なことでありまして、日本に初めてウィリアム王子は来られる訳ですけれども、是非都議会とともに、東京都をあげておもてなしを行いたいと思っております。東京および日本に良い印象を持って帰っていただきたいと思っております。26日の午後、全東京を挙げてウィリアム王子を歓迎したいと思っております。
 詳細につきましては、これから英国政府と相談しながら決めてまいりたいと思っております。

質疑応答

【記者】幹事社の共同通信馬場です。幹事社から幾つか質問させていただきます。ウィリアム王子なんですけれども、まだ延遼館はありませんけれども、東京都としてどういったおもてなしをしたいか、知事のお考えをお聞かせください。

【知事】先般、ロンドンに行きました時に、ロンドン・オリンピック・パラリンピックの経験というのを学ばせていただきました。そして、チャタムハウスで講演させていただいたり、ジャパンソサエティで話をさせていただく。それからロンドン・オリンピックの組織委員長をはじめ、皆さん方がお時間を割いていただいて、お話をいただきましたので、非常に参考になりました。そういうことで、競技施設の見直しであるとかレガシーを残すとかということで、これからの政策展開に役立つと思います。
 そういう意味では、是非、我々が今一生懸命、2020年のオリンピック・パラリンピック大会を準備しているのだという姿もごらんいただきたいし、いつも私が申し上げますように、スカイツリーがあって浅草寺がある。雷門がある。先般、東京のブランディング戦略でも申し上げましたけれど、伝統と革新が共存しているこの東京の良さというものを満喫していただきたいと思っていますので、具体的にどういう形でおもてなしをするかは、まだ、26日まで16日間ありますから、これは英国政府と、これから細かく詰めていきたいと思いますけれど、2020年に向かって一生懸命頑張って、我々が準備している姿というのをウィリアム王子に是非見ていただきたいし、ウィリアム王子は非常にラグビーがお好きだということなので、その前の年の2019年にはワールドカップが日本で開かれますので、そういうお話も含めて、本当に活力ある東京、しかし、伝統もしっかり重んじる東京、そういう姿を見ていただいて、良い印象を持ってお帰りいただきたいと思っています。

【記者】次に雇用対策協定なんですけれども、国と協定を結んでいる自治体というのは、これまで幾つかあると思うんですが、各自治体によって雇用情勢というのは違うと思うんですけれども、東京都はこの協定でどこに重点を置こうと考えているのか、知事のお考えをお聞かせください。

【知事】今、ウィリアム王子の件でオリンピック・パラリンピックの話をしましたけれども、世界一の都市・東京を目指すという時に、普通道路がちゃんと走っているとか、ホテルが幾つあるとか、競技施設はどうだとかですね、経済どうだという話をするのですけれども、意外と忘れているのは人々の生活の質、ワーク・ライフ・バランス、雇用、こういうところが忘れられていて、昔のかつて、高度経済成長時代の日本のイメージというのは、もう仕事ばっかりして、家庭も顧みないで、モーレツサラリーマンみたいな、そういうイメージでしたね。
 これはもう、それは50年前のオリンピックの時にはそういうことがあったかもしれないけれども、しかし成熟した、本当に生活と仕事を両立させながら、特に女性が活躍できる、そういう成熟した先進都市であるという姿を見せる時に、雇用の問題でめちゃくちゃ格差が広がっているとか、雇用の問題で、自分の意に反して非正規になるというような姿は、私は世界一の街としてはふさわしくないと。そういう意味で、今言った非正規雇用を正規化する。
 それから、ワーク・ライフ・バランスですね。やはり2020年に諸外国の方が来られて、ああ、日本人の生活、ゆとりがあるではないかと、こんなに生活を楽しんでいる。実は生活を楽しんでいるのですけれども、イメージとしては、もう働いてばかりというイメージがあるので、それから、女性蔑視で、女性がちゃんと社会で活用されていないようなイメージがあるので、そうではないですよと。そういうことをしっかりと国と協定を結びながら、協力しながらやっていきたい。
 これはだから、世界一の都市を目指す東京の戦いの一つでもあると思っています。そういう観点から、他の都市とは違うというより、特色づけということであれば、そういうふうに思っています。

【記者】はい、ありがとうございます。小笠原なんですけれども、今、喫緊の課題として知事もおっしゃいました、漂着ごみの問題があると思うんですが、今後、具体的に都として何か支援策とかお考えとかありましたらお願いします。

【知事】これはですね、環境省、それから水産庁、農林水産省ですね。それから国土交通省。国の機関ともこれは密接に連携をとってまいりますけれども、国も予算的な措置も随分とっていますし、我々も必要な予算を確保していますので、具体的にこれから事務方がどういう形で対応するのかは詰めていきますけれども、ごみの問題、それから、漁業資源の確保、特に中国が捨てていった網ですね。そういうものをどうするかというのは非常に深刻なので、水産庁、環境省を中心として、我々も東京都としてできることはやると、そういうことで協議を進めていきたいと思っています。

【記者】NHKの江頭です。就任1年を迎えましたので、それに関連して幾つかお尋ねしたいことがあります。この1年間でですね、知事が最もやっぱり成果を、手応えを感じておられる部分と、これまで取り組んでおられたことでですね、成果を感じておられる部分と、逆にちょっと手つかずに、この1年間なってしまった部分というのをまず教えていただきたいのと、あと、今後の大きな課題としてですね、オリンピックのレガシーづくりということを挙げておられますけれども、これはレガシー委員会などで現在話し合っているところだと思うんですが、知事ご自身が、特にまちづくりなどにおいて、どんなビジョンを今、現段階でお持ちかということをお尋ねしたいと思います。
 あと一つが、重点を置かれた都市外交についてなんですけれども、これは議会などから優先順位がどうなのかというようなですね、批判も出ましたけれども、知事ご自身はどのような成果を、この1年感じておられるかというのをお尋ねしたいのですが、よろしくお願いします。

【知事】どれが手応えがあった云々というのはいつも申し上げますように、評価は他人がやるものであって、自分の評価というのは間違っている可能性がありますから、是非皆さん方が評価してくださいということと、1年に全部をやれる訳ではないですから、やれるところからやっていくということなので、具体的に言うと、競技施設の見直しを含めて、オリンピックの方は相当力を入れてやりましたけれども、なかなかパラリンピックまで手が回っていない。例えば、こういうことをやりたい。それから、スポーツの方は相当やっていますし、新しい追加種目の話まで出ていますけれども、文化の方がまだ、文化イベントの方がまだ。文化戦略ビジョンは出しましたけれども、文化のブランディング戦略も出しましたが、こういうところはついていないということです。それから、それぞれの分野について言うと、例えば、社会保障の方で少子化対策というような話は、公約を掲げて一歩一歩、都有地の地代の補助というようなことをやる。それから、都営住宅の建て替えの時に、高層化してそこに老健とか保育所を入れるということをやる。一歩ずつ、工程表を組んでやっていくということで、全ては長期ビジョンの中に纏めてあって、そこに400近い項目について数値目標をやったということに尽きると思っております。
 レガシーの話は、これは長期的には東京都のグランドデザインをどういう形で描くかということにつながっていくと思います。後藤新平がやったように、関東大震災で瓦礫の所、つまり白紙の中からつくるのではなくて、今ある土地をどう改造するかという時に、非常に大きな都市づくりの難しさが出てくる。全部壊してやる訳にはいきません。だから、そういう中で地域を選びながらローテーションでやるということも含めて、今後大きなビジョンをつくることをそろそろ始めたいというのが今の状況であります。
 そういう中で、特にオリンピック・パラリンピックを控えて、世界中の都市、世界中の200ある国々から協力を得なければ、この成功はおぼつきません。成功を得るために、足しげく主催都市の知事としては、外交をやるのは当然のこと。しかしながら、皆さん方の姉妹、兄弟がいて、お隣に住んでいて18年間会っていませんというのは異常と思いませんか。異常ですね。18年間行ってないのですよ。それで姉妹友好都市と言うことができるかどうか。それは、やるのが当たり前であって、隣で18年間も兄弟なのに会いもしていないという、それが異常だという感覚を持っていただきたいということが、私が言いたいことであって、しかも、誰が知事であっても、私ではない人が知事になってもソチに行かないといけません。トムスクは、アジネットで誰であっても行かないといけないのです。そういうことを客観的にきちんと見て、評価をしていただきたいと思っております。

【記者】テレビ朝日の北本と申します。今日の東京都の雇用対策協定の件でお伺いしたいんですけれども、知事がですね、これまでおっしゃられてた雇用に対する考え方、非正規を減らしていこうとか、あるいは、ここでも述べられていることもありますし、あるいは、テレビの番組なんかでもいろいろ述べられている内容というのは、必ずしも今、安倍政権が考えて、行われている政策とですね、全く同じとは言えない。どちらかといえば、雇用というものを大切に考えていこうというようなスタンスと受けとめているんですけれども、その点、国と協定を結ぶということで、どういうふうな整合性をですね、保っていくのかなと。当然、労働局も非正規なんかに対するですね、いろんな行政をやっている組織ですので、その辺、ちょっとそごが生じてこないのかなというのも考えるんですけれども、どうやってここはやるんでしょうか。

【知事】それは、マスコミの報道の仕方にもよりけりだと思うのは、全体の国の政策を見てください。政治家ですから、私が国政の場に残っていて、自民党に残っていても、今の自民党もそうですけれど、いろいろな考えの方がおられるので、ニュアンスの違いとか、重点の違いということは当然あります。
 しかし安倍総理が非正規をほったらかしにしていて、勝手にやれと思われているのかというのは、全くそれは違います。そうではなくて、きっちり非正規問題や、格差の問題は対応しないといけないということをおっしゃっていて、この次の施政方針演説の中にもそのことはきちんと言うということを、昨日、おっしゃったというふうに思います。そうでなければ、厚生労働省というのは、安倍内閣のもと、塩崎さんという厚生労働大臣がトップにいて、安倍政府の一員なわけです。厚生労働政策も、その中で労働に関することは、全く私がやっている方向と違うのだったら協定も何もありません。だから、非正規に対することに対して予算ゼロで、予算をどんどんカットする。これは方向が違います。けれども、そういうことをやっている訳ではなくて、国は国でしっかりやっている。しかし安倍さんとしては、政策の重点の置き方で、ホワイトカラーエグゼンプションとかいうのは、結局、効率の悪い働き方をするようなことは日本の企業の競争力を落としている。ここに対してメスを入れるべきで、そちらに重点を置いていて、メディアとしてはそちらをやる。それは全部間違っている訳ではありません。しかし私の観点からしたら、そちらもあるのだけれども、3分の1も非正規だというのは、むしろそちらの方が社会の活力を削ぐ。これは政治家それぞれ考えがあって良いので、そこの違いがあると思います。
 恐らく実際にやってみて、正しい答えというのは、安倍さん的なこともある程度やり、私的なこともきちんとやって、結果的には、うまい具合のバランスでやれば良いのだろうと思います。ただ、私の信念としては、やはり雇用の安定と生活の安定というのが、社会全体の活力の源だと思っております。
 この私の立場と厚生労働省が違うならば、こういう協定を結びません。そこは変わっていないと思います。だから、私と安倍総理が議論しても、別に安倍総理がそんな協定はけしからん。私の意に反するから、そんなことをやってはいけないということを指示したということは一度も聞いておりません。そして安倍総理が任命した塩崎さんという閣僚の下で、今から協定にサインする訳です。おっしゃることの意味はわかりますけど、敢えて申し上げたのは、今言った全体の政府の構造というのも考えた時に、私は100%齟齬を来しているとは思っていないということです。

【記者】それは要するに都として国のうまく使える部分は使おうという、そういうことによって都の政策を効率的に実施していこうという。

【知事】いえ、そういうことではありません。内閣がどれだけ変わろうと都知事がどれだけ変わろうと、行政機構というのは、組織として動いていかないといけないものがあると思います。それは、スポイルズシステムではないけれど、総理大臣が変わったら全部ひっくり返ったと、都知事が変わったら全部ひっくり返った。これでは行政の継続性の担保はできません。
 だから、要するに調味料の話であって、基本的な食事が変わらないで、どういう味付をするかということですから、利用するとか利用しないとかいうことではなくて、そこは協力しながら、お互いの強いところを活用していこうと、そういう観点です。表現の方法なので、お互いの強い所を活用するというのを利用するとおっしゃっても良いと思いますけれど。

【記者】フジテレビの相澤です。ウィリアム王子の訪問について質問なんですけれども、今月末に来日されるということですが、知事が力入れてらっしゃる、都市外交という面ではですね、お会いして、どういった点についてアピールして、今後展開していきたいというふうにお考えでしょうか。

【知事】先ほど申し上げましたように、ロンドンで大変お世話になりました。皆さんにいろいろなことを教えていただいた。やはり2020年大会の成功というのは、イギリス及びロンドンの力も借りないといけない。そういう意味で、都議会とともに東京都がおもてなしをきちんとやるということは、ウィリアム王子にとって、東京は素晴らしい街であるという印象をお持ちになっていただいて、それでイギリス王室としての、これまで積み上げられた大きな遺産があると思いますから、そういうもので東京へのご支援を賜ればと思っています。本当に良い方向に行けばと思っています。

【記者】MXテレビの風戸です。すいません。小笠原村民との現地の懇談会なんですけれども、漁業以外にですね、何か村民からの内容というか、申し出というのはあったんでしょうか。

【知事】風評被害、これで観光にマイナスがあるということがございました。それから、一つはやはり子供を持ったお母さん方が、中国人が上陸してきて安全を脅かされるのではないか、それから、もう一つは、たまたま来られた方の旦那さん、お二方とも漁業でしたので、漁に出て中国船に囲まれて無事に帰ってこられるのだろうか、そういう不安がありました。そういうお話が主でした。ですからこれは漁業の問題も含めて、住民のそういう不安をなくすということは、非常に重要だと思っています。

【記者】密漁船以外で、関連以外で、何か小笠原の島としての、何か課題としての意見っていうのは出たんでしょうか。

【知事】今回は、密漁船絡みでの議論に集中いたしました。

【記者】NHKの椿と申します。就任1年に関連してで、重ねての質問で恐縮です。先ほどレガシーでグランドデザインをこれからどう描くかだとおっしゃってましたけれども、知事はオリンピック終わった後の東京というのをどんな街にしたいかと。今の段階でのお考えを聞かせていただきたいんですけれども、あえての言い方をしますと、オリンピックは、もともと就任前から決まってましたが、開かれなければ、ある意味、福祉や雇用にもっと予算つぎ込めたんじゃないかっていう考え方も一方ではあると思うんですよね。でも、開く以上どういうふうに連動させて東京の街を、大会をつくっていくのかと、そのあたりを聞かせていただければ。

【知事】福祉の予算というのは、お金が天から降ってくる訳ではありませんので、我々が稼ぎ出さないといけない。ということは、一番大事なのは経済なのです。だから東京国際金融センターとか、水素社会と言っているのは、とにかく富を生み出さないといけない。富を生み出すための絶好のチャンスがこの2020年であって、それで例えば、世界に先駆けて水素自動車ができました。これで世界を制覇できれば富を生み出すことができます。国際金融のハブ的な拠点をニューヨーク、ロンドンと並んで東京が確保できれば、ここでもできます。それから、薬、日本橋にライフサイエンスのセンターをつくるということ。2020年がないと、腰をなかなか上げなかったものが、皆、やろうということで、例えばライフサイエンスのセンターにアメリカの一番強いのがやってくるということがもう生じてきています。
 したがって、それでグッと経済を上げていく、そしてその富が福祉に行く。先ほど雇用の問題で申し上げましたように、雇用の問題でも、きちんとやっていますというためには、ゆとりのある雇用ができるというのは、やはり経済が良くないとできない。だから私は、経済を活性化するということが非常に大事だと思います。しかし、そのことによって、かつての高度経済成長時代のように、排気ガスはすごく。煤煙はすごい。とにかく公害で苦しむというような形で環境に負荷をかけてマイナスの要因が出てきてはいけませんから、やはり水素社会というのは環境的にも非常に良い街にする。ワーク・ライフ・バランスとか女性の進出ということを申し上げたのは、例えばスポーツ一つとっても、良い所に行くとお金がかかり過ぎて普通の都民がアクセスできない。しかし良いレガシーが残って、毎日散歩がてらほとんど無料でいろいろなスポーツ施設が使えるということになると、これはやって良かったと思うと思います。
 そういう中で、先ほどのご質問にあったのは、都市づくりのグランドデザインということがありましたから、福祉とか何とかよりもハードの面の都市づくりについて言うと、例えば、今度品川駅周辺が再開発されます。しかしこれは20年、30年経つとまた古くなってくる。そうしたらやはり30年後にこれをもう一遍見直すということが必要になってくる。そうすると、今既にある所も、要は20年後に見直さないといけない。ローテーションというのはそういう意味で、そういう形で、技術進歩、新しい交通手段が出てくるかもしれない。そういうのと合わせながらやっていきたいと思っていますので、最初のご懸念のことは、2020年大会を梃にして経済を再活性化して、富を生み出して、十分それで福祉も担える都市にする。それを答えにしておきたいと思います。

(テキスト版文責 政策企画局調整部政策課)


東京都庁〒163-8001 東京都新宿区西新宿2-8-1 電話:03-5321-1111(代表)法人番号:8000020130001

Copyright (C) 2016 Tokyo Metropolitan Government. All Rights Reserved.