ここから本文です。

舛添前知事「知事の部屋」

ごあいさつプロフィール施政方針記者会見活動の紹介知事と語ろう知事の海外出張交際費

記者会見

平成27年2月3日更新

舛添知事定例記者会見
平成27年2月3日(火曜)
14時00分~14時18分

知事冒頭発言

1 「東京都知事・ソウル特別市長 共同コミュニケ」について

【知事】まず第一点ですけれども、午前中、朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル特別市長と「東京都知事・ソウル特別市長 共同コミュニケ」を発表いたしましたので、お知らせいたします。
 この「共同コミュニケ」は、ソウル市との間で「東京都とソウル特別市の交流・協力に関する合意書」を締結しました昨年7月以降の取組の成果を評価し、2015年に相互に協力していく内容について確認したものであります。
 また、朴市長とは、両都市に共通する課題、特に都市の安心・安全対策の分野等における課題解決につきまして、有意義な意見交換ができました。本日のコミュニケの発表を受けまして、今後は、道路陥没に関する技術協力等を通じまして、両都市の実務的な交流がさらに加速することになると期待しております。
 2020年オリンピック・パラリンピック大会の成功、大都市に共通する課題の解決。グローバル都市東京の実現に向けて、今後とも都市外交を積極的に展開したいと思います。詳細につきましては、政策企画局に聞いていただきたいと思います。
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)

2 都立神代植物公園とチリ国立ビーニャ・デル・マル植物園との技術協力について

【知事】次の点ですが、もう一つ、これも都市外交の具体的な取組についてお知らせいたします。この度、都立の神代植物公園と南米チリの国立ビーニャ・デル・マル植物園との間において、技術協力に関する協定を締結いたしました。このチリ国立植物園は、チリ共和国の首都サンティアゴから北西約100キロメートルの沿岸都市ビーニャ・デル・マルに位置するチリ国内唯一の国立植物園であります。この植物園は1951年の開園でありまして、約393ヘクタールの広大な敷地に1367種の植物を保有しております。私もまだ行ったことがありませんので、いずれ機会があればこういう所に行ってみたいと思っています。一方、我々の都立神代植物公園は、皆さんもいらっしゃったことがあると思いますけれど、調布市内に昭和36年に開園しました。約4800種、10万本の植物を保有する日本を代表する植物公園であります。
 今回、現地へ東京都技監を派遣しまして、日本時間の1月30日にビーニャ・デル・マル植物園と調印式をとり行いました。協定の内容は、チリ国立植物園が日本庭園を造営する際に、都から技術支援を行うことと、両方の植物園の植物交換などの技術協力に関するものであります。
 現在、神代植物公園の大温室は改築中でありますけれども、リニューアル後に、100種程度のチリ産の植物を入れまして、展示をさらに充実させて都民の皆様にご覧いただく予定であります。こういう立派なハウスをつくるということで、アストロメディアという、こういうチリの花は100種類ばかりいただくということであります。
 また、東京から提供する植物につきましては、引き続きチリの植物園との間で話を進めております。この協定に基づく技術協力によりまして、二つの植物園の魅力がさらに向上し、東京とチリ共和国との友好関係の礎となることを祈念しております。
 この点の詳細は、建設局に聞いていただきたいと思います。
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)

質疑応答

【記者】2月幹事の共同通信の馬場と申します。まず、幹事から幾つか質問させていただきます。ソウルとの関係なんですけれども、交流・協力にかかわる項目の中で、具体的にちょっと聞かせていただきますが、観光面なんですが、ソウルへの、韓国への観光客というのは減少を続けています、日本からの。為替の問題等もあると思うんですけれども、今後、観光支援について、知事のお考えがあればお聞かせくださいということと、あと、オリンピック・パラリンピックの交流について、ソウル大会の経験の共有ということが謳ってますけれども、具体的に何か、知事のアイデアというか、今後の取り組みの方法みたいなのを、お考えがありましたらお願いします。

【知事】まず両国の観光面ですけれども、残念なことに政府間の間で様々な問題があります。そういう中で特に日本から韓国へ行かれる観光客が減っている。韓国から日本に来られる方はそうでもないのですけれども、お互いの関係を良くして、できるだけこれをさらに活発にしたいと思っています。
 とりわけ、今年は国交樹立50周年に当たりますので、戦争が終わって70年。それから、今言った日韓の国交から50年ということなので、そういう年ですから、前向きに未来志向で良い方向になるようにやっていきたいと思います。東京都、ソウル特別市で、この技術協力を含めての交流というようなものが積み重ねていくと、次第にそういう流れが出てくると思っております。
 それから、二番目のご質問のソウル大会の経験の共有ということは、デジタルサイネージをやるとか、チームソウルとかチーム東京ということで、今、我々もボランティアの公募をしていますし、ユニフォームをどうするかということを考えていますので、そういう歩く観光案内のような、こういうことも協力の成果としてやっていきたいと思っていますし、それから何よりもやはり多言語対応や、Wi-Fiのフリーのアクセス。これはソウルの方が遥かに進んでいますので、今、一生懸命Wi-Fiについては、アクセスも、それから無料ということも改善の努力を続けておりますので、そういう点でソウルの経験から学ぶことも多々あると思っております。

【記者】続いてですが、植物園なんですけれども、知事、都市外交の一つだというふうにおっしゃるんですが、今後のそのチリとの関係について、お考えがありましたらお願いしたいということと、公営企業局では国際展開、水道局とか下水道局が国際展開していますが、これはこういう一種の国際展開の一つというふうに捉えてもよろしいでしょうか。

【知事】よその国と協力するというのは、まさに国際展開でありますから、下水道や上水道のみならず、こういう植物とか動物ということも、まさに昔のパンダ外交ではないですけれども、こういう面があると思っています。
 チリは魚の鮭ですね。こういうものを輸入する。それからウニ、この前、築地に行った時に国産のウニというのは滅茶苦茶高くて、皆さん方がスーパーマーケットに行くと、メキシコから来たり、海外から来ているのですけれど。私はスーパーに買いに行く時にメキシコ産も買ったことがありますが、チリのウニも結構来ていますね。だから、チリのワインとチリのウニでおもてなしができるので、1杯飲もうとチリの大使がおっしゃっていたことがありますので、こういう貿易関係を通じて南米、特に、来年はリオでオリンピック・パラリンピックが行われますから、南米との協力関係というのは非常に大事になってくると思います。この植物についての交流というのは、そういうことにもつながってくる可能性があると思います。

【記者】東京MXテレビの朝倉です。ソウル市との協力強化について、もう一点お伺いします。道路陥没等についての技術交流をしていくというお話だったんですが、一方で、相互協力ということですので、やっぱり安全、安心の部分で、我々のこの東京もソウルに学ぶべきところがあるのかどうか。何かそういうところでお考えがあれば教えてください。

【知事】私は技術者ではないので、専門家ではないのですけれども、道路陥没について言うと、東京は復旧のノウハウが非常に進んでいるということなのですけれども、ソウルは逆に道路が陥没した時に、ここが陥没したという情報がリアルタイムで伝達できるシステムを開発しているというので、我々はそういうシステムを持っていないので、やはりお互いに強いところがあると思います。だからそういうことをやっていけばと思っていますので、いろいろな分野での技術協力を行っています。この前は、東京消防庁の出初め式にソウルの消防も来ていましたけれども、おそらく消防の中でも彼らは得意な分野があると思うので、お互いに得意なところを教え合うということであれば良いと思っています。

【記者】読売新聞の吉良と申します。重ねてになるんですが、観光面なんですけれど、日本から韓国に行く観光客が、かなりもう三分の二ぐらいに2年前から減ってしまってですね、先ほど知事は活発化させたいと、それがやっぱりソウル市との交流を続けていくということがその礎になるのではないかと、そういうお話だったんですけど、もう少し具体的に活発化させるというときに、こういう手があるんじゃないかとか、何かそういう前向きなことがあればお願いします。

【知事】観光客の方の首に紐をつけて、行けと言う訳にいかないので、やはり皆が行きたくなるということでないと駄目だと思います。かつて韓流ドラマが盛んだった時は、行くなと言ってもおばさまたち含めて皆沢山行っていた訳なので、何がきっかけになるかわかりませんけれども、両国の間の雰囲気が非常に良くないということが一番の原因だと思うので、これは日本側だけではなくて、韓国側にも努力をしてもらわないといけない。だから、いろいろなレベルでの話し合いを通じて、本来はやはり首脳会談という形で両方のトップが胸襟を開いて話し合うことから開くことができる。我々は少なくとも姉妹友好都市でありますから、ソウルと東京都の間ではそういうことをやろうということで、今回もお見えになったのでお話をしている。それから、いろいろな他の地方自治体であるとか民間の方々とか、いろいろとあると思います。
 それから、お互いを良く知るということなので、日韓の間でいろいろなフェスティバルをやったり、交流の催しをやっていて、韓国でも日本の方を招いて相当やったりしているので、こういうことを積み重ねていくしかない。しかし、一番効くのはやはりトップの間できちんと話ができることなので、幸い中国について言うと、曲がりなりにもAPECでそれが実現しました。しかし、韓国との間ではまだ実現していません。だから、我々も努力をいたしますけれども、両国の政府の方で政治的なリーダーシップを発揮して、是非そういう雰囲気づくりとか環境づくりをしていただきたい。今のような日韓関係で良いとは誰も思ってないと思っております。両国の指導者にとっても。ですから、それはやはり政治のリーダーシップが最終的には必要だと思っておりますので、私は知事としてやれることは全力を挙げてやりたいし、いろいろな催し物も積極的に協力していきたいと思っています。

【記者】毎日新聞の武本です。またちょっと都政と離れて恐縮ですが、日本人殺害がまた報じられたイスラム国の関連でなんですけれども、今ああいう事件があって、邦人の、日本人の海外渡航について制限すべきではないかというような議論が一部で出てるようですけれどもですね、知事ご自身、これまでも紛争エリアとかにも行かれたというお話でしたけれども、邦人の渡航制限についての議論について、知事はどのように受けとめていらっしゃるかお聞かせください。

【知事】日本人二人目の人質であった後藤さんが殺害されるというのは、極めて許しがたい暴行であると思いますので、全世界で弾劾の声を上げたいと思っております。たまたまフランスの大学で一緒に勉強した、トルコの外交官の大使も経験したような方からもメールが来まして、非常に残念であるということで、家族ないし日本国民にお見舞い申し上げるというような、各国から届いておりますので、世界中がこれを弾劾していると思います。
 その中で、自分の身は自分で守るということを考えた時に、外務省がきちんと海外情報を流して危険度のランキングをやりますから、そこはやはり相当注意して、不要不急、観光というようなことでは行かない方が良いのではないか。ただ、多くの企業は中東に拠点を持って活動をしていて、例えば石油にしてもそういう所で頑張っておられる方々の努力によって我々のエネルギーがきちんと供給されている訳ですから、その人たちの安全の確保というのも考えないといけないと思いますので、まずは外務省に必要な渡航情報について出してもらうということが必要だということは申し上げておきたいと思います。
 私から申し上げられるのはそういうことですけれど、今回の件については今国会で検証なさっていると思いますけれども、今後こういうことが起こらないためにもしっかりと検証する必要があると思っております。水面下の交渉を政府がおやりになって頑張られたと思いますので、なかなか全ての情報を開示できる訳ではないですけれど、やはりせっかく国会でやっているので、出せるところは出してもらって、何故こういう事態に至ったのかということはやる必要があると思っています。不要不急の方は、君子危うきに近寄らずということが良いのではないか。お答えになったかどうかわからないですけれど、そう思っております

【記者】東京新聞の松村です。危険ドラッグについてなんですけど、都の職員で所持していたのではないかということで、警察から捜査を受ける対象に挙げられていた方いらっしゃいますが、知事はかねがね危険ドラッグはなくしたいということを言われてますが、どういうふうに、自分の足元から出たということを捉えてらっしゃいますか。

【知事】この件についての報告は受けておりますし、その職員が自殺したというのも報告は受けております。ただ、今、警察で捜査が進んでおりますので、実態がどうであったかというのはまだ何とも判断が…。コメントもできないので、警察の捜査を待って、実態が明らかになった段階で、きちんとコメントをしたいと思っております。残念ながら今のところ、本人も亡くなっていますので、真相がわからないというか、真相の解明をまず待ちたいというのが今の私の立場です。
 よろしいでしょうか。今日はこれで終わります。ありがとうございました。

(テキスト版文責 政策企画局調整部政策課)


東京都庁〒163-8001 東京都新宿区西新宿2-8-1 電話:03-5321-1111(代表)法人番号:8000020130001

Copyright (C) 2016 Tokyo Metropolitan Government. All Rights Reserved.