
舛添知事定例記者会見
平成27年1月30日(金曜)
14時00分~14時33分
知事冒頭発言
1 「東京文化ビジョンの素案」の策定について
【知事】私の方から、まず第一点ですけれども、「東京文化ビジョンの素案」策定についてお知らせ申し上げます。
成熟都市として迎えます2020年のオリンピック・パラリンピック東京大会は、スポーツだけではなくて、文化の面でも同時に史上最高の大会としたい。それで、五輪を通じてどのようなレガシーを創出していくかが非常に重要であります。
この東京文化ビジョンの性格ですけれども、東京都の芸術文化振興における基本指針であるということ。それから同時に2020年大会に向けた文化プログラムの先導的役割を果たすということ。さらに国際的に発信する東京の文化政策の世界戦略ともなる。こういうことであります。
ビジョンの理念ですけれど、5点を掲げております。一点目の「東京の芸術文化のオリジナリティ溢れる多様性を発信する」について説明をしたいと思います。他の4点は、またご覧いただけばと思いますけれど、東京は伝統と現代、東洋と西洋が交錯する都市でありまして、世界のどこにもない多彩で奥の深い文化都市であります。こうした独自性と多様性が秘められている東京が持つ文化価値を東京ブランドという形で内外に強く打ち出していこうという理念であります。
次に、「東京文化ビジョンの8つの文化戦略」についてご説明します。どういう文化戦略かというと、伝統と現代が共存・融合する東京の独立性と多様性を追求するなど、8つの文化戦略を掲げております。例えば、先端技術と芸術文化との連携によりクリエイティブな産業を支えるイノベーションを推進する。こういうような8点があります。
その8つの文化戦略の下で、世界クラスの都市型の総合芸術フェスティバル「東京芸術祭(仮称)」を構築する。それから、リオ大会以降に展開されます文化プログラムを先導するリーディングプロジェクトを国内外で展開するなど、主要なプロジェクトが掲げてあります。
早速来年度から二つのリーディングプロジェクトを実施したいと思っています。
一つは、評議員で参加していただいている野田秀樹さんから提案がありました「東京キャラバン」。これは、様々な街をアーティストが訪れて、多彩なパフォーマンスをライブで上演していく。こういうプロジェクトであります。
それからもう一つは、同じく評議員であります日比野克彦さんが提案なさった「障害者のアートプログラム」。これは、アーティストと福祉関係者がともに協力しながら共同創作などを展開するものです。こうしたイベントを早期に展開することで、2020年に向けた気運醸成を図っていきたいと思っております。
今後はこの東京文化ビジョンの実現に向けて全員参加による取組が必要でありますので、芸術文化を多くの都民と共につくり上げるための仕組みを検討したい。
まず、都の執行体制でありますけれども、これを整備するため、アーツカウンシル東京の体制・機能強化をはじめ、財政的な裏付けとなる芸術文化振興基金の活用を図ってまいります。この基金は、先般、予算の時に7つの基金の一つとしてご紹介したものであります。さらには、芸術文化の力を東京のブランド価値として活用して国内外へと発信していきたいと思っております。
こういう文化ビジョンというものを策定しましたので、本日からパブリックコメントを実施いたします。いただいた意見や第一回定例会における都議会での議論も踏まえまして、今年度中にこれを完成させ、英語版も作成して世界に発信していきたいと思っております。詳細は生活文化局に聞いていただきたいと思っております。
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)
2 中央自動車道「府中スマートインターチェンジ」の開通について
【知事】次のテーマですけれども、中央自動車道「府中スマートインターチェンジ」の開通日を今年の3月7日に決定いたしましたので、お知らせをいたします。
ご承知のように、スマートインターチェンジはETC専用であること。さらにサービスエリアやバス停などの既存施設を活用するということで、非常にコンパクトで、かつ低コストで設置することができます。
府中スマートインターチェンジは都内初のスマートインターチェンジであります。地方では既にこの例があります。このスマートインターチェンジは、(中央自動車道)府中バス停のスペースを活用して設置をいたしました。
事業主体ですけれども、東京都と府中市が国交省の許可を受けて、インターチェンジ本体を中日本高速道路株式会社・ネクスコ中日本が整備する。そして、接続する一般道路を東京都と府中市が整備する。こういう役割分担をやったということであります。
何が良くなるかというと、府中スマートインターチェンジは、八王子方面のみの出入りなのですけれども、これに隣接して稲城インターチェンジがあります。これが新宿方面への出入り口でありますから、二つで上り下りの両方向のインターチェンジとして機能することになります。そうすると、これまでは国立府中からでないと入れなかったこの辺の人たちは、こちら入れるということになりますので、府中市周辺、南多摩地域などからの中央道へのアクセスが非常に強化される。また、利便性も向上するし、地域の活性化に役立つことができると思っています。また、周辺道路の交通の分散にも資するということであります。
詳細については建設局に聞いていただきたいと思います。
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)
3 東京都・豊島区合同帰宅困難者対策訓練の実施について
【知事】続きまして三点目ですが、2月5日に池袋駅周辺で「帰宅困難者対策訓練」を行いますので、お知らせいたします。
防災訓練につきましては、これまで年に一度でありました大規模訓練を春夏秋冬の年4回に増やしましたけども、これで様々な季節により多くの人が取り組むことができるということで、防災ということに役に立つと思います。今回は池袋駅。すごい数の鉄道乗降者数があるのですけれども、池袋駅を中心にして豊島区と東京都で共同実施するものでありまして、50社の企業や事業者団体など多くの方にご協力いただきまして、総勢で6,000人以上が参加する。主な訓練内容は、鉄道事業者や集客施設における利用者保護、ホテルや大学等における一時滞在施設の開設・受け入れ、また従業員とその家族の安否確認などであります。特に今回の訓練では、昨年5月に「防災力向上のための連携協定」を締結しました東京商工会議所に、その企画段階から全面的に参加していただいております。池袋ですから、埼玉方面に家のある方は沢山おられるので、埼玉県、さいたま市とも協力しまして、高齢者、妊婦など、要配慮者のバスによる埼玉県への搬送訓練。これを初めて実施したいと思っております。帰宅困難者対策訓練としては、ここまで大規模に実施しますのは、平成24年2月以来でありまして、都のこれまでの取組を検証する最大の機会になると考えております。この訓練で得られました課題を踏まえまして、昼間に都内にいる昼間都民は1,500万いますから、この安全安心に関わる帰宅困難者対策を着実に推進していきたいと思っております。
詳細は、総務局に聞いていただきたいと思います。
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)
質疑応答
【記者】幹事社朝日新聞歌野より文化ビジョンに関してお尋ねいたします。最終的にですね、極めて、結構理念的なことが多いかと思うんですけども、最終的に具体的な策として、知事としてはどういうことをですね、やっていきたいというふうにお考えかということをお尋ねいたします。
【知事】一つの具体的なイメージはロンドンのオリンピック・パラリンピック2012年を見ていただければわかるのですけれども、街中がアートフェスティバルみたいな形になりました。それで、8つの文化戦略にあるような基本的な戦略は、抽象的な形で書いてあります。だから先ほど言った、先端技術と芸術文化の連携でどういうことができるのだろうかというと、これは様々な形のイノベーションができる。クールジャパンもこういう所に入ってくるのだろうと思います。それから例えばコンテンポラリーアーツでも非常に新進の若手の方々がおられるので、アーティスト・イン・レジデンスみたいなもので、世界中から素晴らしい才能を持った若い人を東京に集めて、暫く寝泊まりする施設を提供して、そこで現実にやってもらうということも考えているわけです。
この主要なプロジェクトを、先ほど申し上げましたけれども、総合的な東京芸術祭、東京フィルムフェスティバルとか、東京何とかといっぱいあるのだけれども、世界中がこれで動くというのは、例えばベネチアの国際音楽祭とか、カンヌとかあります。そこまでのものがないので、例えばこういうものをつくってはどうかなと。それから、もう来年に迫りましたけれども、リオ・オリンピックの閉会式で、次期開催都市である東京のことについてプレゼンテーションしないといけません。それをどうするかというのはもう既に始めて、そこから生み出されたものが一つ出てくるのではないかなと思っております。
要するにキャラバンで、いろいろな内外を問わず、動き回って、トラックにでも乗って、それで、現場で、例えばアーティストが大道芸人みたいなことでも良いのですけれどもやってみる。この前のエクスプローラー東京を江戸東京博物館でやった時に、三味線とヴァイオリンだったか、コンビネーションでやったのは非常に面白かったので、例えばそういうことをやってみるということはあり得ると思います。それからアールブリュットですね。これを、取り敢えずは来年やっていく。しかし、まだあと5年ありますから、今のような理念で芸術のあらゆる分野において先に進めてみる。具体的に、これで動かしてみてと思っています。皆さん方も、いろいろ良いアイデアがあれば、また出していただきたいと思います。
【記者】日本経済新聞の館野です。文化ビジョンについてお伺いします。20年に向けたリーディング的な位置付けということですけども、知事が重視しているレガシーとの関係ですね、その辺がどうかというのをお伺いしたいのと、もう一つ、執行体制の強化でアーツカウンシルの拡充ということですけど、海外に比べて貧弱というようなことも語っていますけど、どれぐらいの規模にまで強化したいのか、もしイメージがあれば、教えてください。
【知事】まず、レガシーとして、例えば文化都市ということを考えた時に、我々が今競争しているロンドンでもニューヨークでもパリでも良いのですけれども、やはりパリに行った時に、ルーブルを含めて素晴らしい美術館があります。あれは長い長い蓄積であって、東京にも既にありますけれども、例えば、コンテンポラリーアーツで世界一の美術館ができるということになれば、それはメッカになるわけですから、一つのレガシーになり得る。
内外の若いタレントのある芸術家を呼ぶ。そうすると、東京に行って2カ月でも3カ月でも、それこそ選手村の一部を使うこともあり得るかもしれないけれど、そういう所で創作活動をやるということは非常に刺激になる。ニューヨークやパリやロンドンにもない、やはり東京に来たら、絵画の世界では、こんなにたくさん浮世絵文化というものの名残があります。そういうことの日本の伝統文化の蓄積を身につけて、また世界中に羽ばたいていった、その若いタレントが伸びていく。そうすると、若い芸術家の登竜門として、東京で一月でも二月でも滞在するということが一つのレガシーになり得る。それは先ほど言った、何かの機会に、フィルムフェスティバルでも良いですし、アートフェスティバルでもミュージックフェスティバルでも良いのだけれども、やはり、それぞれ各分野で皆さん頑張っておられるのだけれども、カンヌ映画祭にまだまだ、ベネチアにもまだ匹敵しないかもしれないですね。何かそういうものが東京に残せればと思っております。
体制の強化の話ですけども、一つはやはりお金がないとどうしようもないので、この前の基金を積んだというのはそういう意味が、景気、不景気にかかわらず財政的な裏づけがあるということが必要だと思います。芸術や文化における行政の役割というのは、基本的なスタートラインというか、土壌をしっかり整備することであって、そこに才能のある人が種を蒔き、それが芽を出して羽ばたいていく。その羽ばたいていき方まで行政が云々することではないと思うのですね。まかれた種、植えられた苗、それがすくすくと育つための基盤の整備をやれば良いので、後はどういう方向で育とうが自由にやってくださいという、そういう民間の自由闊達な活動。そしてその中にはですね。企業の社会的責任として、いろいろな寄付をいただくこともあり得るので、自分たちの企業が儲かかった分というのは、芸術活動に寄付しましょう。それから芸術に、例えば先ほどIT技術と芸術の統合みたいな話をしましたけれども、IT技術を持っている方々が、そういう、例えばLEDだってそうなのです。LEDを使って東京駅の照明、ライトアップ、すごくきれいなものができます。これは一つのアートですから、LEDで儲けた会社は、一部分、そういう芸術に寄付したらどうですかと、そういう企業を我々は尊敬しますと都民が思えば良いので、そういう寄付文化みたいな芸術に対する寄付というのは非常に高貴なものであるというような、そういう一つの、しっかりした考え方が東京都民の間ないし日本国民の間に根づくならば、これも一つのレガシーとして、ハードではないですけれど、ソフトの面であると思います。そういうことを考えております。
【記者】そうすると、芸術祭のほうは、一度限りとかそういうことじゃなくて、ある程度定期的に、永続的に残していくようなものをつくりたいと。
【知事】ええ。やはり、せっかく2020年があるのですから、それで終わりではなくて、定期的にやっていくということが必要だと思っています。
【記者】フジテレビの相澤です。文化ビジョンの関連でお伺いします。組織委員会がまだ、2020年東京五輪での芸術、文化のビジョンについて具体的な戦略というのは打ち出していないと思うんですけれども、この時期に文化ビジョンの素案を出したことで、都は文化の面ではオリンピックの戦略面でリードしていこうというようなお考えもあるのでしょうか。
【知事】当然それは、オリンピック・パラリンピックにおける文化活動をどうするかというのは、組織委員会が一つの大きな方針を示さないといけないのですけれども、我々は、あくまで申し上げているように、2020年は通過点にすぎない。だから、世界一の東京を目指すという中で、文化の面でも世界一になりたいという、そういう大きな流れの中であって、これが別に2020年の文化戦略と矛盾するものでも何でもないと思います。今、組織委員会のほうは、競技場の見直しとか、競技施設の見直しとか、いろいろな財政的な面もあって、寄り合い所帯でもあるので、なかなか、全て同時に走れないと思っていますけれど、組織委員会は組織委員会で一生懸命、この文化の面でおやりになっているので、協力してやっていきたいと思っています。
【記者】東京MXテレビの風戸と申します。すいません。小笠原出張について伺いたいと思います。現地に行って、住民からの意見を聞きたいということですけども、サンゴの密漁船が少なくなった今ですね、行って、どういうことを中心に聞いていきたいか。例えば、漁業のみならず観光の面ですとか、そういったことがあったら教えてください。
【知事】あらゆるご意見は聴取したいと思っております。今、密漁船は減っているけれど、いつ、また来るかわからないし、相当な被害がこれまで出てきていて、漁場がちゃんと回復できるのだろうかというような問題もあると思いますから、これからの監視体制、それから、今おっしゃったように、素晴らしい自然遺産があるわけですから、これをどう守っていくのか。それを観光とどう結びつけていくのかということもあると思います。忌憚のない形で、時間の許す限り、小笠原の方々と話をしたい。何でもお聞きしますと、そういうことで行ってまいりたいと思います。
【記者】島の課題ですと、航空路の建設がいろいろ議論されてまして、去年は村議会がオスプレイをですね、緊急搬送、利用を求める決議を村議会でしたわけですけれども、この決議を踏まえてですね、航空路の問題なども見ていきたいというお考えはありますか。
【知事】それについての議論があれば、それは議論をしっかりやりたいと思っていますけれど、それは賛否両論あって、素晴らしい自然と航空路というのは、必ずしも両立するわけではないので、どう調整するのですか。素晴らしい自然を破壊したり、素晴らしい眺望がなくなることは確かなので、しかし、利便性も考えないといけない。そういう中で、何らかの新しい技術進歩によって打開できる道はないかということもあるわけです。これまでも過去、もうずっとこの問題は議論をされてきたので、こういう点についても、それぞれ賛成、反対、両論の方がおられると思いますから、そういうお話も聞いてみたいと思っています。
【記者】知事ご自身は、このオスプレイの搬送については、どのようなご意見を持たれますか。
【知事】それもですね、どういう視点に立つかということであって、あなたがそこに住んでいて、一刻も早く自分の家族を救出してもらわないと命が助からないという時に、それは、あらゆる手段を使うというのは当たり前なので、その中にオスプレイが含まれていて、それが有効であれば、それは使うというのは別におかしくはないでしょうと思います。
片一方で、安全性の問題とか騒音の問題とか、そういうような問題もたくさんありますけれども、そこは当然、話をすれば議論は決着できると思っていますので、しっかりと議論をしたいと思います。
【記者】日本テレビの久野村です。帰宅困難者の訓練についてなんですけども、平成24年の訓練を受けて、この数年の間に改善してきたところですとか、今回の訓練で試したいことというのがあったら教えていただきたい。
【知事】いろいろな問題があるのですけれども、要するに、まだ完璧でないことは確かなので、最大のネックは、大きなビルを持っている会社にしてもオーナーにしても、そこに帰宅困難者を受け入れるのは良いのだけれども、余震があって、いつも言うように、壁がはがれ落ちた。そうしたら、それで怪我をした。それは、持っている人の責任になるのです。これを免責するべきだということを、大臣が代わりましたけれど、防災担当大臣と話をして、そういう法整備も急げということをやっているのですけれども、そういう問題が一番残っているので、今、大体19万人ぐらい受け入れられる体制を整えているのですけれども、全体の数を数えれば、92万人ぐらいの帰宅困難者が生まれるだろう。そうすると、まだ2割ぐらいしか整備されていないので、これは今言ったような法律の整備も含めて、国ときちんと議論をしながら、できるだけ早い法整備をしたいというのが今の状況です。
【記者】日刊工業新聞尾内と申します。よろしくお願いします。航空路関係で関連なんですけども、来週ですね、多摩地域の商工会議所が横田基地の民間利用のですね、協議会を発足させるんですけど、それについて、都もですね、前知事時代、検討を進めていったと思うんですが、知事としてですね、この実現、2020年までに実現させたいみたいな話なんですけども、知事はその点、どうお考えでしょうか。
【知事】横田基地の問題は、日米安全保障条約下で日米間の政府間の安全保障の問題ですから、我々にある意味で権限がありません。私たちは、例えば、横田を離着陸する航空機からいろいろな部品が落ちたり、ないし騒音の問題があったり、それは1回1回きちんと抗議をしていますけれども、基本的には国の大きな安全保障戦略ですから、これは私たちに権限がない話なので、いろいろな所で議論をする。その前の段階で、官民共用ができないかという話は既にいろいろ議論をしていますので、一朝一夕に変わる話ではありません。国の動きを見つめたい、そのような感じです。
【記者】新宿区新聞の喜田です。帰宅困難者問題で、また質問させていただきます。今度の訓練はですね、逃げ場所っていいますか、避難場所がどのぐらい想定されたような形での、この避難訓練というふうに考えられるんでしょうか。
【知事】これは、そこまで細かい点は総務局に聞いていただきたいと思っています。どれだけそうだというのを、私は今、把握をしておりません。ただ、総勢で6000人以上が参加するということはわかっております。それで、関連の企業、団体が50社というようなことでありますし、具体的な、さっきの久野村さんとも関係するのですけれども、72時間は、すぐ家に帰らないでくれということを言うわけですね。それで、ツイッターであったり、フェイスブックあったり、Wi-Fiがあったりしますので、情報提供をきちんとやるということで、今のところ、池袋近辺だと一時滞在施設への誘導をやる対象になっているのは、メトロポリタンホテル、東京信用金庫、帝京平成大学、東京芸術劇場などで、それ以下の細かいことは聞いていただきたいと思います。
それで、先ほど言ったように、妊婦さんとか、早くお家に帰ってもらったほうが良いという方は、都バスを使いまして、例えば、その方々が埼玉だったら、埼玉に搬送するということ。それから、帰宅支援のステーションというのをコンビニで設ける。大まかですけど、そういうプランを立てております。
【記者】全体としましてね、これは今、豊島区の話なんですが、そういう問題は新宿も渋谷も抱えてる問題だと思うんですね。それで、これをですね、先ほどおっしゃってましたように、免責問題がネックになっているというふうにおっしゃってました。この免責問題は、いつごろ解決するんでしょうか。東京オリンピックということも前提にありますので、見通しはどういうふうに考えてらっしゃいますか。
【知事】それは、一刻も早くやってもらいたいと思います。法律をつくるのは、国権の最高機関である国会ですから、国会議員にしっかりやってもらわないといけないのです。ですから、喜田さんも、ぜひ国会議員に働きかけていただきたいと思いますし、それとですね、ただ、さはありながら、すぐ簡単にできないというのは、免責するけれども、先ほど言ったように、壁がはがれて落ちて怪我をした。誰が治療費を出すのですか。都が出しますか。国が出しますか。豊島区が出しますか。こういうことから、まず積み上げていかないといけないので、独裁国家ではないですから、そこの積み上げをやっていかないといけないので、防災担当大臣がしっかり指揮をして、そして、国会で一日も早い成立を望むということが私の今の答えです。
【記者】オリンピックということを前提にしますと、やはり都知事もオリンピックまでには、この安全性を確保したいと、こういうふうに念願してやっていきたいと思っておるんでしょうか。
【知事】いや、安全性の確保ではなくて、免責条項をきちっとやるということで、免責条項が入っていたって、余震で壁が落ちて怪我をすることはあり得る。そうすると、絶対に怪我をしないという状況でないと、自分の持っているビルを貸さないよと言ったら、私有財産ですから、強制権がないのです。だから、先ほど、独裁国家ではないというのは、強制的に私有財産についてどうしろというのは、それはオーナーの自由ですから。しかし、そのオーナーが良いと言うための条件は、もし中に収容した帰宅困難者が怪我をした時には自分の責任ではないというのを少なくともなければ、貸す前提にならない。そこまで全部整っても嫌だと言う人がいた時に、強制することはできません。その問題があるから、そう簡単ではないということなので、備蓄の問題だったら9割まで都が払いますから備蓄してくださいと言うのは企業に言えますけれど、この問題は、私有財産、日本国憲法で勝手にしてはいけないことになっていますから、公権力が云々するというのは極めて厳しい条件、そこをお考えいただければと思います。
【記者】日経新聞の高岡です。文化ビジョンに戻ってしまうんですが、来年度のリーディングプロジェクトのご提案者として、野田秀樹さんと日比野克彦さんのお名前が挙げられましたが、実際に、このお二人とかですね、著名なアーティストの方が、こういったプロジェクトに実際に参画するご予定というか、プロデュースされたりとかっていうのは、そういうイメージはおありでしょうか。
【知事】それは提案したのは彼らですから、我々の芸術評議会において、評議員として、こういうことをやれということをおっしゃったので、自分が提案したのだから、当然彼らは参加します。ですから、お二方ともクリエイティブな方々なので、良い成果が上がると期待をしております。
【記者】その話と、今朝、秋元康さんとか、委員の方がいらっしゃったと思いますけれども、今こちらに掲げられている中で、秋元さんがこれをほかに提案されているとか、そういったものっていうのは。
【知事】詳細は、議事録ないし生活文化局に聞いていただければと思います。私も、できるだけ出て議論をしていますので。ただ、こういうふうにしろというコンクリートの形で出す方も出されない方もおられるので、取り敢えず一気に何十個も始められないですから、取り敢えず二つから始めてみて、今の秋元さんをはじめ、いろいろな良いアイデアがあると思いますので。次々とできる限りやりながら、良い形に仕上げていきたいと思っています。
(テキスト版文責 政策企画局調整部政策課)