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舛添前知事「知事の部屋」

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記者会見

平成27年1月27日更新

舛添知事定例記者会見
平成27年1月27日(火曜)
14時00分~14時22分

知事冒頭発言

1 「観光ボランティア」のチーム名の募集について

【知事】私の方から二点。まず第一点ですけれども、この度、「観光ボランティア」のチーム名を募集いたしますので、お知らせいたします。観光ボランティアは、これまで、東京を訪れる外国人旅行者に対しまして、都庁や観光スポット等において観光案内のサービスを提供するなど、東京の魅力を伝える案内役を担ってまいりました。これに加えまして、来年度から新たにボランティアの方々が、街の中で外国人旅行者に積極的に声を掛け、外国語で観光案内等を行う「街なか観光案内」を実施するための準備を進めております。これは、ご承知のように、ロンドンの場合はオリンピック・パラリンピックを機会として、「ロンドン・アンバサダーズ」というロンドン・チームで、ピンクの制服を着て案内をした。オリンピック・パラリンピックが終わった後も、レガシーとして、夏休みの時とか、クリスマス期間に空港とか主要観光地を案内しております。それから、昨年ソウルに行きましたけれど、ソウルでは、「アイ・ソウル」ということで、赤い帽子と赤いTシャツを着た2人組のチームがやはりいろいろ観光案内をして、動く観光案内として活動している。こういうチーム・ロンドン、チーム・ソウルのようなことをイメージしております。
 今後、この「街なか観光案内」をはじめとした「観光ボランティア」を、2020年までに3千人ほど育成する予定であります。そこで、この度、ボランティアに参加する皆さんが、チームとして一体感を感じられるように、チーム名を募集したいと思います。ロンドン・チームは、「ロンドン・アンバサダーズ」という、それからソウルのチームは、Iは私というIですね。「i-seoul」というのが正式な名前だそうなので、「おもてなし東京」とか、「チーム東京」とか、いろいろ皆さんもお考えいただいて、応募していただきたいと思います。また、ボランティアが着用するユニフォームも新たに製作する予定であります。都が販路開拓等ビジネス支援をしている有望な若手デザイナーの方々にデザインを考えてもらっております。チーム名につきましては、皆さんに応募いただいた中から選定しまして、新しいユニフォームと合わせて4月中に発表したいと考えております。チーム名の応募はどなたでも可能ですので、多くの皆様にチーム名を考えていただきたいと思っております。そして2020年大会に向けて、一緒に「観光ボランティア」を盛り上げてほしいと思います。この点、詳細につきましては産業労働局にお尋ねいただきたいと思っています。
 チーム名の募集期間は、1月27日から2月13日までです。
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)

2 ソウル特別市長の来庁について

【知事】二点目です。今、ソウルの話が出ましたが、2月3日にパク・ウォンスン・ソウル特別市長とお会いいたしますので、お知らせいたします。昨年7月に、私はパク市長のご招待でソウルに参りました。それ以来、約半年ぶりにお目にかかります。前回、ソウルにおきまして、パク市長との間で「東京都とソウル特別市の交流・協力に関わる合意書」を締結して以降、両都市間で様々な分野で実務的な交流・協力を積み重ねてまいりました。今回のパク市長との面会では、これまでの取組の成果を確認するとともに、今後の一層の関係強化の方途について意見交換をしたいと思っております。この点、詳細は政策企画局に聞いていただきたいと思います。

質疑応答

【記者】幹事社からお伺いします。ソウル市長との面会についてですね、二点ほどお尋ねいたします。まず、昨年7月にソウルを訪問された際に朴大統領と面会されてですね、韓国人学校を増設してほしいといった要望を受けられていたかと思うんですけども、その進捗状況がどうなってるかということがまず一点と、その、ソウル市長との会談では、人事交流ということで復活するということで、そんなお話があったんですけども、何か、今回、具体的な動きとしてですね、ソウル市と人事交流をするとかですね、そういったことが成果としてあるかどうかということ、その二点をお尋ねいたします。

【知事】はい。第一点目については、どういう形で協力はあり得るか、どういう所に土地があるか、そういうことを含めて今、まだ検討中ということであります。
 それから、二点目につきましては、お互い大都市ですから、交通渋滞の問題、水の問題、それからいろいろな都市計画の問題、山ほどあって、それはもう細かい協力の合意書で、職員も相当行ったり来たりをしております。だから、今回パク・ウォンスン市長が来られるから、特別それに合わせて何か、それに加えて特別なことをやるということではありません。今後とも、その協定書に基づいて協力関係を進めていこうということで、何か特記してやるということはないというのが今の状況です。

【記者】東京MXテレビの風戸と申します。先週金曜日にですね、オリンピックの大会基本計画の概要が発表になりました。大会後も国内外にレガシーを残すということを意識した行動計画となっているんですけれども、それについての受けとめをまず聞かせてください。

【知事】行動計画、これはずっと我々が言ってきたように、ポジティブなプラスのレガシーを残していこうということなので、私たちの基本的な考え方がそこに盛り込まれたということで、大変良かったと思っております。

【記者】今回、会場計画についての具体的な計画内容は、まだ盛り込まれていないんですけれども、このタイミングで盛り込まなかったことについては、どのようにお考えでしょうか。

【知事】それはですね、当初、盛り込めればと思っていたのですけれども、結局、最終的な決定権がIOCにあるということで、会場計画の正式な変更をするためには、IOCの理事会の議決がないと駄目だということなので、まだ議決いただいていませんから、今回の大会開催計画には盛り込まないということであります。ただ、これまで議会に対してご説明してきたとおり、IOCとも協議をしたし、インターナショナル・フェデレーション、IFとも協議をしているので、繰り返しになりますけれども、夢の島ユースプラザ・アリーナA・B、それから、若洲のオリンピックマリーナ、この3つの施設は、新設を中止する。それで、既存施設を活用しましょう。残る7つの施設については、今の計画に沿って整備を進める。そのうち、アクアティックセンター、それから、海の森水上競技場、それから有明アリーナ。これはもう、既に設計に着手しております。組織委員会と連携しながら、IF、IOCと調整をしながら、この予定は書いていなくても変わりはありません。とにかく組織委員会と緊密に協力して、最後はIOCのお墨つきをいただいて、それが大会開催基本計画の中に盛り込まれるということですし、2月4日、5日、IOCとの会議がありますので、ここでかなり詰まってくることも考えられると思っています。

【記者】すみません、今のその会場計画なんですけれども、結局、そうしますといつまでぐらいに文章として落としたいなという目途というのはありますか。

【知事】これはあくまでもIOC理事会の議決が必要だということで、IOCの動き待ちなのですけれども、今申し上げたように、もう変わりません。先ほど申し上げた3施設の中止と、それから7施設は予定どおり。そのうちの3つぐらい、アクアティックセンターは、もう既に設計に着手していますから、これは変わらないので、書いてないのだけれども、そこは実情変わりません。それは確信していただいて結構だと思います。

【記者】毎日新聞の武本です。またちょっと都政と離れて恐縮ですが、先週も会見で出ましたですけども、イスラム国と見られるグループに日本人が拉致されて、一人が殺害され、あと、人質と交換条件で釈放という、解放ということになってて、国際政治学者でもいらした知事、今、改めてどうのようにご覧になっているか、改めて伺いたいんですが。

【知事】100%の確証ではないのですけれど、一人が殺害されたというのは極めて許し難い蛮行だと思いますので、こういうことは許されるべきではないということで、国際社会がこぞって批判・非難をしていると思います。我々もきちんとそれに対しては、こういうことは許すべきでないということを声を上げて言うべきだと思っています。
 それから、後藤さんの身の安全ということも、どこまで情報が正しいのか。映像の解析を政府も行っているようですけれども、イスラム国がラジオ放送やインターネットを通じてああいう形で表明をしているということで、日本政府もかなり信憑性が高いということなので、身代金から人質の交換へということになったのでしょうが、ヨルダンという国の決定がありますし、ヨルダン政府も非常に厳しい選択を迫られていると思っております。おそらくいろいろなルートを使って、政府も全力を挙げてやっていると思いますので、とにかく一刻も早い解放を願っております。
 実は私は、サダム・フセインが完全に失脚する前にイラクに入ったのですけれども、その時もまずはヨルダンに行きました。そして、ヨルダンからずっと車を運転して、車に乗ってバグダッドまで入っていきました。非常に親日的な国であるし、日本政府の対策本部もヨルダンを拠点にしてそこにある訳なので、ヨルダン政府との関係は非常に大事にしていきたいと思っていますし、自国民であるパイロットの解放が優先だということも良くわかりますし、二人ずつの人質の交換という話も出てきています。これは今、政府が一生懸命おやりになっているので、日本政府の努力、それからヨルダン政府の努力、さらに国際社会の協力ということを仰がざるを得ないと思っております。
 イスラム国はメディア戦略に非常に長けている。逆に言うと、外から発信される情報はきちんとキャッチをしておりますので、そういう情報を判断しながら彼らは行動すると思うので、必要な情報については、つまり我々の主張については、正しい事をしっかりと述べ続けるべきだと思っていますが、いつどういう風に展開するか全く予想はつきません。長期戦になるかもしれません。
 昨日から国会も始まりましたので、国会での議論もあると思いますけれども、我々東京都の立場からすれば、2020年を控えて東京も決して万全ではない。少なくとも私共は中東の国々と戦火を交えたことはないし、人道的な援助しかしていないというつもりではありますけれども、イスラム国の発想だと、反イスラム国の陣営に一緒に参加しているというイメージができてくれば。イスラム国に賛成するテロリストないしテロリスト予備軍という連中から見れば、日本も東京も敵であるということになった時に、我々のテロ対策も非常に真剣に、細かくやらないといけなくなる。できればああいうテロリスト集団というのは、一日も早くいなくなってほしいのですけれども、2020年ということを考えたときに、非常に重い責任というか、非常に用意周到な準備をしないといけないと思っていますので、そういう観点から、できるだけ私も情報を入れ、万が一の場合に備えての対策というのは、警察、消防を含めて関係機関としっかりとやっていきたいと思っています。
 決してこれは我々に無縁の話ではないので、東京都民、それから日本国民も、そういう意味で日頃から危機管理をしっかりやるべきだと思っていますので、危機管理に今後とも全力を挙げていきたいと思っております。

【記者】日本テレビの久野村です。ボランティアについてお伺いするんですけれども、今度募集するチーム名が適用される範囲といいますか、いろんなボランティアがいると思うんですけど、歩く観光案内の人だけに適用されるチーム名なのか、全体としてボランティアにつけられる名前なのかというのが一つと、歩く観光案内所について、ソウルではミョンドンとか繁華街だったと思うんですけども、日本での、あ、東京での配置のイメージといいますか、オリンピック会場周辺というのはあるかもしれないんですけれども、レガシー利用としても、どういったところにそういう配置すればより良いかなというお考えがあれば、お願いします。

【知事】それは今後、都民の皆さんの意見も聞いて決定したいと思いますけれど、基本的には歩く観光案内的な方々は、同じユニフォームを着る。鶏と卵ではないのですけれども、そのユニフォームを着た人たちがまさにそのチームなのであって、そのチームに入った人はそのユニフォームを着る。だけど、例えば困った人を助けようということでいろいろなボランティアがあって、それはそれでやっていただければ良いと思うのです。だから、いろいろな各種のボランティアがあるけれども、ロンドンとかソウルでやっているように目立つ形で、その人たちに尋ねればとにかく面倒を見てもらえますというのをやるということなので、場所はやはり東京駅周辺とか、新宿、渋谷、銀座などいろいろな盛り場的な所や観光客がたくさん来る所が中心だし。それから例えばターミナル駅。こういう所でも必要になってくると思います。まだ5年ありますから、試行錯誤をして、取り敢えず今年、チーム名を決めて発足できれば、その人たちがやっていく。それで、その経験でもっと増やした方が良いとか、むしろあまり増やし過ぎないで限定してやった方が良いということで、オリンピック・パラリンピックの時には完璧なものにしたいと思っています。それが今のところで、まだまだいろいろな改変をする可能性はあるということです。

【記者】霞が関通信社の稲村と申します。「イスラム国」の名称、呼び方ですけれども、現地ではISIL、Islamic State of……。

【知事】Iraq and the Levant。

【記者】Levantと。それから、ISIL、Islamic State、シリアとか英語での表記で呼んでおりますけれども、何でイスラム国っていう形にしますと、何かこの宗教的な形でイスラム共和国、イランっていうのもありまして、ここあたりは全く民主的な国ですけど、何かこうイスラム教と何かそれでない教との宗教的な感覚、対立のようなものを感じる人もたくさんあるんじゃないかと思うんですが、イスラム国というのは改められないものでしょう、日本では。呼び名ですね。トルコ風呂というのがかつてありました。トルコ、迷惑して、一生懸命やった結果、トルコ風呂は今、サウナ風呂になりましたけれども、そんな感じで受け取る日本の国民の人は多いんじゃないかと思うんですけど、イスラム国というのは日本だけの呼び名のような気がしますが、改めていくようなリードはできないもんでしょうか。

【知事】まず、少し間違いを訂正しますと、イスラム国というのは日本だけの言い方ではありません。例えばフランス語の新聞もEI、l'Etat Islamiqueとなっています。l'Etatはフランス語でステートです。英語でもIslamic Stateとなっています。つまり、何が問題かというのは、確か昨日自民党の中で、国というのはおかしいからISILということを使おうと言うけれど、ISILだってIslamic State of Iraq and the Levantですから、ステートという言葉を使っているのです。だから、国際政治の授業ではないけれど、国際政治においてステート、国家というは何ですかというのは、ネーションステートからずっと流れがあって、ああいうものをステートと認める、国家と承認するということがおかしいではないかという感情が背景にあって、私もそう思います。国家というのは領土があって、国民がいて、きちんとした政府があってということなので、彼らはそうだと言っているけれども、シリアといいイラクといい、あの周辺でばらばらになって実効的な支配をしているだけですから、あれはきちんとした国際法上のステート、l'Etat、国家とは言えないと思います。他の国の新聞を見てもそうなっているので、通常の呼び方は通称であって、あまりそこは目くじらを立てる必要はなくて、我が国はあれを国と認めていませんから、それで良いのだと思います。むしろ、そういうことを気にしていると、世界中のメディアが全部書き替えないと。
 イスラム国と言わないで、ISILと言えば良いというのはおかしな話です。Islamic Stateではないですか。日本人にわかりにくい横文字で言うというのでは何の意味もないので、言うべきことは、そういう風に彼らが呼んでいるけれど、我々はあれを国家としては認めないということを自民党もしっかりと言うべきであって、そちらが先です。だから、そういうことをしっかり言うことも、政府としての一つの立場だと思いますので、与党もそこはしっかりと説明しないと、今のようなご質問が出てくることになると思います。
 では、今日は終わります。ありがとうございました。

(テキスト版文責 政策企画局調整部政策課)


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