
舛添知事定例記者会見
平成27年1月9日(金曜)
14時00分~14時28分
知事冒頭発言
1 「外国人おもてなし語学ボランティア」トライアル講座の実施について
【知事】私の方から、冒頭、四点ございます。まず第1点目です。これは、おもてなし関係ですが、「外国人おもてなし語学ボランティア」のトライアル講座の実施についてお知らせいたします。
2020年東京大会、オリンピック・パラリンピックの開催に向けまして、外国人観光客が安心して滞在できる環境を整えるために、「外国人おもてなし語学ボランティア」を3万5千人育成いたします。このボランティアが街中で外国人観光客に気軽に声をかけて、道案内や切符の買い方など、英語での簡単なコミュニケーションを行うことで、東京のおもてなし精神を世界に発信してまいります。
ボランティアの本格的な育成は来年度からとなりますが、来月、その手始めとしまして、八王子市、小金井市、港区の協力を得まして、都内3カ所でトライアル講座を実施いたします。60名程度を募集しまして、外国人とのコミュニケーションに関する基礎知識や道案内などに必要な英語の表現を学んでいただきます。講座修了者はボランティアとして登録いたします。
昨年10月に小金井市で開催しました「知事と語ろう!」では、英語の寸劇で道案内の事例を紹介しますと、会を始めた時に英語でご案内できますかと言ったら、ほとんど自信がないと言っていたのですけれども、それが終わった後、会の終わりに同じアンケートをとったら、私でもできますよという、ほとんど皆が手を挙げてくださったので、意識が大きく変化した。ほんの小さなきっかけとやる気で、おもてなしの心を十分伝えることができると思っております。
オリンピックに向けまして、活動したいと思っている都民の皆様に是非トライアル講座にご参加いただきまして、外国人おもてなし語学ボランティア第1号としてご活躍いただきたいと思います。
この件の詳細につきましては、生活文化局にお尋ねいただきたいと思います。
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)
2 「東京都女性活躍推進大賞」受賞団体の決定について
【知事】今年度、新たに東京都知事賞として創設しました「女性活躍推進大賞」について、受賞団体を決定いたしましたので、お知らせいたします。
この賞は、女性が意欲と能力に応じて、多様な生き方が選択できる社会の実現に向けた機運の醸成を図るために、今回、新しく創ったものであります。
受賞団体は、理研計器株式会社、医療法人社団KNI、国立大学法人東京学芸大学、社会福祉法人新生寿会であります。受賞対象となった取組は、多くの団体にとって、女性が働きやすい職場環境を整備する上で、大変参考になります。
例えば、理研計器株式会社では、社長のリーダーシップの下、人事部署が男女500名を超える社員全員に面談を実施しまして、個別事情に応じた勤務体制を導入しました結果、育児休業取得者のほぼ100%が元の職場に復帰いたしました。また、他の受賞団体も、第一子出産後の継続就業率が全国で大体今38%なのですね。だから、赤ちゃんができて、3人に1人ぐらいしか戻ってきてないということなのですが、そういう現状で、38%という数字なのですけれども、他の受賞団体もですね、いろいろ仕事と育児の工夫を凝らした結果、両立支援ということをやったものですから、90%以上の職場復帰率というか、継続就業率を実現した。そういうことでお手本になるということであります。
贈呈式につきましては、2月4日に、表参道にあります東京ウィメンズプラザに於きまして開催し、私から大賞を表彰したいと思っております。当日は、更に、「女性活躍が進めば社会が変わる!」、こういうことをテーマに、NPO法人ファザーリング・ジャパン代表理事で、この前、我々の会議にも出てもらいました安藤哲也さんと、公益財団法人21世紀職業財団会長の岩田喜美枝さんの特別対談も実施したいと思っております。
この点につきましても、詳細は生活文化局に聞いていただきたいと思います。
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)
3 新番組「残念な夫。」とのタイアップについて
【知事】それから三番目です。来週から放送予定のフジテレビの新番組「残念な夫。」というタイトルですけれど、それとタイアップしまして、東京都の子育て支援策のPRを実施することとしましたのでお知らせいたします。
具体的には、都の子育て事業を掲載しました番組宣伝用チラシの配布や、番組ホームページなど、各種媒体を活用して、日頃、都の政策にあまり接することのない方にも、様々な支援策を身近に感じてもらえればと思っております。
ディスプレイをちょっと出してください。(ポスターをディスプレイ表示)これがフジテレビとタイアップしたポスターでありまして、これを子育て関連施設、約1,900カ所に配布・掲出いたします。「残念な夫。」というタイトルで、ドラマはこの残念な夫がですね、様々な失敗を繰り返しながら、"最高のパパ"になるまでの成長を描く物語と聞いておりまして、私、これを見た時に、「子育ては"妻の話を聴く"ところから」というのは、これは耳に痛いというか、今でもしょっちゅう妻の話を聞けと言われているので。皆さんも経験があると思いますので。こういうことで、テレビドラマとのタイアップによりまして、子育て世代を始めまして、これから子供を産み育てたいと望む方々に、都の子育て支援策についていろいろと知っていただきたいと思っていますので、活用していただきたいと思っております。詳細は、福祉保健局に聞いていただきたいと思います。
こういう類いのタイアップというのは、以前には、TBSで「ママとパパが生きる理由。」と、実話に基づく家族の愛の物語というのをやったことがあったり、NHKで「瞳」という連続テレビ小説をやったというようなことがありますので、NHK、TBS、今度はフジテレビとタイアップをするということであります。
それから、私自身は、読売新聞の「新おとな総研」というサイトで、子育ての記憶を呼び起こしながら、苦労して物を書いて、連載で書いておりますので、ついでに、いろいろなメディアの皆さんに協力いただきながら、こういう女性が仕事と両立できる、そして女性が活躍できる、こういうことをやっていきたいと思います。
それから、あと、父親ハンドブックというのも80円で売っている。それで、これは記者の皆さん、80円ですから、100円でお釣りが来ますので、是非、特にパパは買っていただきたいと思いますので、何か隠れたベストセラーだそうで、これ、見ておくと参考になる。なかなか人に聞けないものですから、これは非常に参考になると思います。80円です。
4 「延遼館」の復元について
【知事】最後、先日、「延遼館」の復元についてお話ししましたけど、若干補足したいと思います。
まず、ちょっと映してくれますか。(延遼館と鹿鳴館模型の写真をディスプレイ表示)一応、当時の明治の世で、外国の方をお招きするというので洋風建築ということでもあるのですけれども、慶応2年に着工した建築物で、石張りの外観なので洋風ということも書いてある資料もあるのですが、これが鹿鳴館なのですね。だけど、よく見ると、この延遼館がですね、この辺のところなんか見ると、これは慶応二年に着工したのですけれど、江戸時代の城郭・神社などに用いられている日本の伝統的な建築様式であります、唐破風なのですね。そこで、こういう鹿鳴館とは違うということで、例えばこういう洋風ではなくて、外郭を見たらお寺や神社と変わらないなという、そういう中身でもあるということであります。
それから、工事費についてあまりに高額だとか、数百億円とかいろいろな報道がなされていますが、これはよく調査してやっていただかないといけないと思っています。実は、これまでいろいろな復元をしてきたのですけれど、文化財。それをもとにして積算しますと、大体30億から40億円と見積もられております。ということは、昨年末に渋谷区松濤にある知事公舎をうまく売れました。公開入札で43億6800万円。その費用で捻出できるだろうということなので、今後、皆さん新しい年になりましたので、記事をお書きになる時は分かる数字は出しますので、できるだけ正確にお書きいただければありがたいと思います。
質疑応答
【記者】幹事社、朝日新聞歌野と申します。幹事社から二点。一点目ですね、まずトライアル講座なんですけども、ボランティア3万5000人という、結構膨大な数を今これから目指すということなんですけれども、そのまず、まずは60人ということでですね、その数からすると、結構3万5000まで気の遠くなるような数字なんですけども、どうやって道筋をですね、つけていくかということをですね、まずお尋ねいたします。
【知事】トライアル講座なので、そこでやってみて、いろいろなご希望があったり、こういう教え方をやった方が良いな、これはやめた方が良いなということも正にトライアルでやっていく。それで、要するに、先ほど申し上げましたように、多摩地域二カ所、八王子、小金井、それから都心の港区、ここでやります。
今回のトライアルの結果を見てですね、町内会でやる時には、あらゆるところでそれをお手伝いする。それから、職場でやりたいよ、それを何らかの形でお手伝いをしていくということで、今、皆さんやりたいという方が、自分もやりたいという方が、非常にものすごく増えてきていますので、一気にそれは広げていきたいと思っています。それから、5年後ですから、例えば今の高等学校の子供たちは大学生になっていますね。そうしたら、夏休みの時期ですから、もうそのことを念頭に置いたら、中学、高等学校の頃から一生懸命英語をじゃあ頑張ってやろうということになって、そして大学が夏休みの時に、では自分たちも戦力として加わろうという、そういう若者はどんどん増えると思います。
それから、逆に、例えば今60前後の方で、オリンピックの頃は定年退職しているな。では、何かお役に立ちたいな。たまたま自分はちょっと商社で英語使う仕事していたのでもったいないからという、そういう方が非常に増えると思います。その一つの呼び水として、今、これをトライアルをやりますので、皆さん方もこういうふうな団体でもやった方が良いのではないかとか、町内会含めて、またアイデアがあればいろいろいただいて、拡大していきたいと思っています。
【記者】もう一点、「残念な夫。」でお尋ねしたいんですけれども、これタイアップによってですね、都としてどういう効果をですね、期待してタイアップをされるのかと。その効果面とか、あるいはそのポスターとかですね、それは都費から出すのか、あるいはフジテレビさんから出すのかといったあたりをですね、お尋ねできればと思います。
【知事】いろいろなメディアを活用するということで、なかなか長期ビジョンを皆さんが買いに来て、都庁まで買いに来て、それを家に帰って毎日見るということでもないでしょうし、今のこの会見も、この時間帯ということもあって、皆さん見るということでもないから、そうすると、ただお家に帰ってちょっとくつろぎながらドラマを見るという中で、あ、こういう政策をやっているのだなとか、子育てしている時に、ああ、困ったなと、そうしたらテレビを観ていて、同じように困ったな、あいつどうするのだろうと観ていたら、例えば、どういう展開するのか私も知らないのだけれども、都の窓口どこか行ってみたら、いや、こういう政策ありますよ、これはこういう補助が出ますよ。わからないなら、お父さん、こういう所に相談行けば良いですよというのがあったら、そのようなのがあるのだったら行こう。知らなかったということになるので、そういうふうに使ってもらえればありがたいなと思っていますので、視聴率が上がることを期待しています。
【記者】あとお金については、ちょっと今はわからないという、確認ですけど。
【知事】それは細かいのは聞いてください。はい。
【記者】フジテレビの相澤と申します。冒頭、今ありました、発表のあったドラマとのタイアップの関連で質問なんですが、タイトルは「残念な夫。」ということなんですが、現在、子育てをしている父親や、これから父親になろうとしている男性に対してですね、いわゆる残念な夫にならないために何が必要だと思われるでしょうか。そういったことに関して、知事のお考えを教えていただいてもよろしいでしょうか。
【知事】自分も残念な夫かもしれないと思って、このタイトル見た時に、もうちょっと他のタイトルを付けてくれないかなと若干思ったぐらいなのです。例えば、赤ん坊をお風呂に入れて、乳飲み子、生まれたばかりの子をどうやって体洗うか、やはり練習しないと、首が据わっていないから大変なのです。私は、その練習するために、今でも腰が悪いのだけれども、腰が痛くなる思いでその練習をした。それから頭が痛いのは、この「妻の話を聞くところから」というところ。例えば、お母さんは出産直後に仕事を休んで、一生懸命赤ん坊を育てている訳で、男は外で仕事をして帰って来た時に、なかなか会話をする時間がないのですね。そうすると、病気になった時にどうするかとか、いろいろな問題があって、特に私の経験だと男の子の方が遥かに女の子より弱いのです。病気に罹りがちなのです。そういう時にケアなんて、男は慌てふためくだけでなかなかできないので、やはり母親とよく相談をして、一緒に悩みを解決するという姿勢が一番大事かなと思っております。それと、やはりこういうテレビのドラマをやるというのは、自分だけではないのだという、皆が同じ悩みを持っているのだということがわかるだけでも随分気が楽になる。それは介護も同じで、自分だけが介護ではなくて、皆が同じように親の介護で苦しんでいるという。そこで、お互いに情報交換することがあれば良いので、そういう思いでおります。是非良い番組をつくっていただきたいと思っています。
【記者】NHKの江頭です。子育て関連でもう1個ちょっとお尋ねしたいんですけれども、昨日ですね、都庁クラブのほうで会見がありまして、自治体が運営する公立保育園の実態に関する調査結果が出たんですけれども、その結果の概略を申し上げさせていただきますと、自治体、平均してですね、平均して公立保育園で働く職員の4割余りがですね、非正規の職員の方で、中には、やっぱり親の家庭環境とかですね、あと子供さんの特質とか、そういう仕事上に必要な情報が十分非正規にまで伝わってきてないというふうに考えている人が多いことですとか、あと時間とか、仕事の内容とか、正規職員と同じような感じで、ほぼ同じような感じで働いているにもかかわらず、やっぱり非正規なので待遇が低いと、そういったことをやっぱり感じてる人も少なからずいらっしゃると。そういう実態がまとまったわけなんですけれども、こういう現状について、知事のお考えと、あと公立保育園を運営するのはもちろん市区町村なんですけれども、都として何か打つ手があるというふうにお考えか、それをちょっとお尋ねしたいんですが。
【知事】ご承知のように、非正規を正規化するというのを大きな政策目標に掲げていまして、年間5000人、3年間で1万5000人、これは主として会社ですね。民間会社に対してやるということ。しかし、今、ご指摘のように公立の保育園でもそういうことを同じ方向で努力をしたいので、これは現場の市区町村と良く話をしながら、現場の働いている人たちの意見も聞きながら、改善できるところは協力してやっていきたいと思います。何らかの財政的なことを含めて施策が必要なら、今、予算の策定中なので、そういうことも含めて考えたいと思います。
【記者】東京MXテレビの朝倉です。延遼館の復元について、改めてお伺いしたいんですが、先ほど文化財の復元、一般論として30億円から40億円というお話があったんですが、知事、以前視察をされた京都の迎賓館、私もご一緒をしたんですが、これが大体200数十億という公費がかけられていると。これは日本中の一流の職人が集まってつくられたもので、我々の認識として、あれほどのものができるという訳ではないということなんでしょうか。
【知事】まず、広さが全然違います、狭いです。それから、あれはもう日本の国宝級の人たちがつくっていて、見たらわかりますけれど、素材もものすごいですね。だから、そこまで贅を尽くさなくても、この東京でつくる訳ですから、東京にも匠がたくさんいるので、この方々たちの協力も得て。そういう人はやはり江戸っ子ですから、それぐらいならお金の額は幾らではなくて、俺が絶対やってやるよというのは出てこられると、私は思う。そういう工夫をしてやれば、今までの過去の実績からいったら、大体そういうことだろうと思います。だから、素材も良いものを使えば、それはピンからキリまでありますけれど、しかしそうではなくて、やはり知恵で相当良いものができると思っていますので、そういう努力をしたいと思っています。
【記者】日本テレビの久野村です。同じくなんですけれども、京都の視察の時に、京都の迎賓館は維持費が年間5億円ぐらいかかるというふうに言っていて、参考にして考えていきたいと知事、おっしゃっていたんですけど、現段階でその維持費とかそういうものがどれぐらいかかるかっていう見通しというのがあるのかということと、大会後のレガシー利用というのを改めてお伺いしたいんですけれども。
【知事】維持費は、建物をどうするかも決まっていないので、率直に言ってまだわかりません。ただ、例えば渋谷にあった知事公舎は、私の記憶が間違っていなければ、年間、何もしないで使っていても200万ぐらいかかっていたのではないかなと、そのような記憶があります。ただ、あそこに食堂があったり、厨房があったりする訳ではないですから、その点は、そういう意味での維持費はかからない。
それから、レガシーということは、VIPの迎賓ということだけではなくて、都民が活用できるように何らかの形にしたいし、大体、皆あそこに入れる訳ですから、一般の方にオープンにしているので、そういうことも考えながらやっていきたいと思っています。
【記者】毎日新聞の武本です。ちょっと都政と離れて恐縮ですが、フランスに留学されていて、かつ、日ごろ報道、表現の自由について大事にしなきゃいけないということをおっしゃっている知事にお伺いしたいんですけど、フランスのメディアがテロリストによって襲撃された事件、ありましたですけれども、知事、あれについて、どのように受けとめていらっしゃるか……。
【知事】やはり断じて許すことはできないし、フランスというのは本当に自由というか、基本的人権をしっかり守る。これはお話ししたかもしれないですが、フランス人の誇り、フランスの誇りというのは、自分たちは不幸な人たちのパラダイスであると。つまり、諸外国から迫害された人たちを亡命者として受け入れる。だから、例えばイランでパーレビ王朝が倒れました。倒したほうと倒された側の革命、反革命、両方がパリに逃げてくるという。それはやはり、それだけの国際都市、世界の都市としての魅力というのは、例えば世界都市ランキングではそういうものは書いていないかもしれないけれど、私は底流に、自分の町が世界に誇るべき町という時に、そういう困った人を懐を大きく開けて、宗教はどうであれ、信条がどうであれ、意見がどうであれ受け入れるということにパリの深いところがあったので、だから、一番大事なところをやられてしまった訳ですよ。そして、フランスというのは非常に風刺がうまい人がたくさんいて、私もああいうのを読むのが非常に好きなのは、ただの記事を見るより遥かに辛辣に権力の批判をやる訳です。ああいうことを絶対に許してはいけないし、これは国際的な連帯で抑えていかないといけない。それは、格差の存在とかいろいろ経済が今、悪くなって、ああいう排外主義、対外主義、ショービニズムとかナショナリズム、そういうのが起こってきているけれども。しかし、そういうことが背景にあるからやって良いということではない。そういう指摘が必要であると、あれは確実にテロリストで弾劾すべきであって、それから、私も専門ではないですけれども、ずっとイスラム研究もやってきていたので、イスラムの教えというのは本当にヒューマニズムと平和なのです。だから、ああいうことをやって良いのかなというのは、私は率直に思っていますので、これは、日本で、特に東京でああいうことを絶対に起こしてはいけないという思いでしっかりと都政をやっていきたいと思っています。
【記者】テレビ朝日、ニュース担当の鹿山と申します。東京湾の中央防波堤埋め立て地についてお伺いしたいと思います。2020年、東京オリンピックまで5年なんですけれども、海の森水上競技場の予定地でもあるこの東京湾中央防波堤埋め立て地なんですが、私ども取材しておりますここ、で、現在江東区、大田区の区長さんが帰属を主張しています、お互い。それで、大会後のレクリエーション施設も検討されていることもあって、この予定地の帰属を急ぐ必要があるのではないかと思うんですけれども、知事はどうお考えでしょうか。
【知事】この問題、良く私も知っていますが、土地の帰属というのは、今だと江東区と大田区、それぞれが協議して、例えば半分ずつにしましょうとか、こう決めるのが一番良いので、それを見守っているという状況でありまして、今、協議しているところであり、話がまだ纏まっていないのだと思います。
もし、纏まらない時に、どういう法的な手続きがとれるかと言えば、これは、自治紛争処理委員というのを決めることができます。これは知事の権限で、調停委員となってください。その方が調停するという手があります。それともう一つは、いや、それでは駄目だということになった時には、知事自身が、例えば、これは大田区だ。江東区だ。半分分けするというようなことを決めるということで、知事による裁定という手もあります。それに不服があったらまたこれを訴えるという形ができるのですけれども、そういう意味で、是非、私が乗り出さないで良い段階で、二つの区でお話を纏めていただきたいと思います。
それから、仮に、どちらの区かという帰属決まらなくても2020年の大会開催には全く支障はありませんので、その点は心配ないと思っております。
【記者】もう一ついいですか。仮に、知事のほうに両区の区長が意見を求められたら、知事は何とお答えしますか。
【知事】求めてこないことを期待していますから、どうぞ、お二方でお纏めめくださいというスタンスなので、そうなった時はまた考えます。そうならないことを希望しています。
(テキスト版文責 政策企画局調整部政策課)