
舛添知事定例記者会見
平成26年10月10日(金曜)
14時00分~14時25分
知事冒頭発言
1 「東京味わいフェスタ2014」について
【知事】私の方から、まず3点申し上げたいと思います。
第1点ですけれども、以前からお知らせしておりました「東京味わいフェスタ2014」が本日から始まりまして、先ほどオープニングセレモニーに参加してまいりました。記者の皆さんにたくさん取材にいらしていただいて、ありがとうございました。丸の内の企業や店舗、働く人々の協力を得まして、このような盛大なイベントが開催できましたことを感謝しております。将来的には、国際的なイベントとして育てていきたいと考えております。各国の大使をお招きしたところ、大勢の大使や公使にも参加していただきまして、改めてお礼を申し上げたいと思います。
丸の内仲通りでは、キッチンカーが並びまして、丸の内シェフズクラブの10名がこのイベント用に創作した料理を提供してくれております。私も幾つかの料理を実際に味わってまいりましたけれども、全て東京の食材を使って、素晴らしいシェフたちが美味しいメニューを作ってくれました。三國シェフと私が考えたコラボレーションメニューもあります。また、行幸通りのマルシェでも、野菜や花、牛乳など、様々な東京産の農作物や、匠の熟練した技術による伝統工芸品も販売されておりまして、改めて東京の多彩な魅力を実感した次第であります。今日を含めまして、土曜、日曜の三日間開催しておりますので、多くの都民や海外の方々にもお越しいただきまして、是非東京のこの味と、そしてまた伝統工芸というものを味わっていただきたいと思っております。
2 1964年東京オリンピック開会式から50年
【知事】2点目でございます。今日はちょうど10月10日、1964年東京五輪の開会式から50周年になります。(東京消防庁の演奏映像をディスプレイ表示)この映像は、先ほど日比谷公会堂で行われました東京消防庁音楽隊の演奏であります。(1964年東京大会の写真をディスプレイ表示)これが、その当時の写真でありまして、50年前の今日、今のファンファーレが澄み渡る東京に鳴り響いたわけであります。ここにおられるほとんどの方は、まだ生まれていないかもしれませんが、素晴らしい式典でありました。(開会式で実際に使われたトランペットを示して)これが、この開会式で実際に使われたトランペットであります。これは、先ほどの東京消防庁の音楽隊の演奏の時に使っていて、すぐに持ってきていただきましたけれど、50年の歳月の重みがあるトランペットですね。50年前のオリンピック・パラリンピック大会が、我々に多くのレガシーを残しましたので、改めてその意義を考えるとともに、2020年大会が将来に向かって何ができるかということを考えていきたいと思っております。
また、先日申し上げました、今日の夕方に開催する50周年祝賀会には、IOCのクレイグ・リーディ副会長はじめ、海外から多くのスポーツ関係者をお招きしております。この機会に改めて2020年大会へのご協力をお願いし、連携を強めていきたいと思っております。明日からの3連休には、区市町村などとも連携した形で、多くのスポーツイベントや展示会を都内各所で開催いたしますので、是非皆さんにも足を運んでいただきたいと思います。そして、オリンピック・パラリンピックを身近に感じながら、スポーツに親しんでもらいたいと思っております。
3 「自分でできる認知症の気づきチェックリスト」について
【知事】それから、もう1つあります。「自分でできる認知症の気付きチェックリスト」についてお知らせをいたします。これは、5月の会見で紹介しましたパンフレットでありまして、「知って安心 認知症」。実はこれが大変好評でありまして、これまで6万5千部印刷して、区市町村など多くの関係機関で認知症に対する正しい理解の促進のためにご活用いただいております。なるべく早期に気付き、早期に対応するということが大切であります。そして、皆さん方のご要望が多いので、来週の15日に都内の新聞六紙にリーフレット約375万部を折り込んで、都内全域で配布をしたいと思っております。
皆さんは若いから問題ないかもしれないですけれど、チェックリストがありますので、こういうことでご自分でも判断できますので、今回の新聞折り込みを皮切りにしまして、映像広告やポスターを作成して、公共交通機関やメディア等を活用して認知症に対する啓発を行っていきたいと思います。都民の皆様には、是非このリーフレットを積極的に活用していただきたいと思います。この点に関する詳細は福祉保健局に聞いていただきたいと思っております。
質疑応答
【記者】冒頭、まず幹事から質問させていただきます。共同通信の馬場です。10月10日ということで、東京五輪50周年という記念の日です。何度も聞かれているかもしれませんけれども、知事の個人的な思い出というのがありましたら、何かお願いしたいんですが。それと、その個人的な思い出に基づいて、20年、東京五輪はどのようにしたいかというようなこと、お考えがありましたらお願いします。
【知事】まず、個人的な思い出について言いますと、私は高等学校の1年生で、その時は陸上競技部の短距離の選手でした。短距離やっていて残念だなと思ったのは、中長距離の選手が聖火ランナーになったので、中長距離をやっていれば自分も聖火を持って走れたなというのが最大の、今でも絶対に忘れない思い出であります。それで一念発起して、翌年のインターハイには出場することができた。
それから、一般的、個人的なのですけれど、その時、高等学校の1年生ということで、私は西暦で言うと1948年の生まれで、戦後すぐの生まれなので、ずっと戦後とともに歩いてきた中で、やはり50年前の64年のオリンピックが終わって、本当に豊かな日本に変わったなと。それまでは、やはり食料不足とか、いろいろな貧しい日本というのを経験してきた。この東京オリンピックで一気に先進国の仲間入りをする。だから、新幹線だって世銀からお金を借りてやりました。それと、やはり一気にモータリゼーションが進んでいったと思っていますので、そういう思い出を持ちながら、今度の6年後について言うと、やはり違った角度から見ないといけない。
ですから、1つ典型的なことを言うと、首都高速ができ一気にモータリゼーションで、あの頃3Cと言ったのかな、カーとクーラーとカラーテレビ、この三種の神器ではないけれど、こういうものを皆さん持つことが豊かさの象徴だと。ただ、今、むしろモータライゼーションから、ディモータライゼーションという言い方を私はしている。今日の味わいフェスタ2014、丸の内仲通りを完全に歩行者天国にしたので、車を排除したので、できたのですね。だから、例えば、次回の2020年の大会について言うと、そういうベクトルの変換が必要だろうと思っています。
【記者】もう1問お願いします。昨日なんですけれども、世界都市総合力ランキングというのが発表されまして、東京はまた、7年連続で4位ということでした。もちろん一朝一夕に上がるということではないと思いますけれども、この4位だったということに対する評価と、総合ランキングですからいろんな部門がありまして、それぞれ総合的にやっぱり上げていかなくちゃいけないと思うんです。そうするとですね、やっぱり都だけでは解決できない課題というのもあると思うんですが、それについて国とかと連携して、どのようにしてそれを上げていくかという、どんなお考えをお持ちでしょうか。
【知事】最後の答えから言うとですね、これは都市間競争であって、ある意味で国は関係ない。だから国の間の競争ではない都市の間の競争であって、しかしながら、例えば様々な規制緩和をやろうとする時に、国が邪魔してできないというのは止めてもらわないといけないので、そのために国家戦略特区を使う、そういう発想だろうと思っております。そして、国際金融センターのような話は国に先駆けてやるということだと思います。
昨日のランキング発表で、経済はトップなのですけれども、やはりいろいろな分野で経済が1位、研究開発が2位、それでやはり居住が20位なのですけれど、住むところはニューヨークもロンドンもみんな低いのですね。パリが一番高かった。それから、文化交流が少し上がっているので、これは良かったなと。環境がかなり落ちてます。だから、この点をどうするのかと。
それから、交通アクセスも、これももっと良くしないといけないので、そういうことを総合的にやりながら、今回のランキングの最大のポイントは、1位のロンドンが2位以下をまた引き離したということなので、つまりオリンピックが終わって終わりではない。オリンピックを一里塚として先に伸びていっているのだと。もっと差を広げている。そこに注目すべきで、我々がロンドンをまねるとすると、同じような方法で、オリンピックが終わった後も伸び続けるということが必要だと思います。
それから、パリにかなり肉薄していますから、できれば来年ぐらいに抜きたいなと思っています。ただ、5位のシンガポール、6位のソウル、これが後ろからどんどん差を縮めてきているのです。この点についても負けないようにやりたいと思っております。
皆さんお気づきになったと思いますけれど、都庁、玄関入ってすぐデジタルサイネージがありますね。昨日フランス大使が来た時に初めて使いましたけれど、ソウルに負けないように、ああいうデジタルサイネージは、まず隗より始めよでやったと、そういう形で努力したいと思っています。
【記者】共同通信の船木です。宮島外務長の就任から大体ほぼ3カ月が経過しているんですけども、この間、ソウル、トムスク、仁川とそれぞれ訪問されて、ポスト新設の効果と、あと外務長個人への評価、その辺のところをちょっとお伺いしたいんですけども。
【知事】要するに、都市外交であっても、諸外国の方々と交流をするわけですから、やはり外交のプロフェッショナルというのはそういうことが良くわかっているので、大変成果が上がっていると思っております。
それから、ソウルに行く。北京に行く。どの町に行っても、その国と関係ないということはありませんから、例えば在ソウルの日本大使館、それから在モスクワの日本大使館と、こういうところでどうしてもお世話になったり、情報交換をしないといけないので、そういう情報の共有ということでも非常に助かっておりますし、今回、10月末はベルリンとロンドンに参ります。それで、宮島外務長は、この前までロンドンのナンバー2、ロンドン日本大使館の公使をやっていたので、そういう意味で、私のロンドン出張の準備ということは、極めて適任だと思っているので、非常に優秀な人材を東京都に送ってくださった政府に大変感謝をしております。
【記者】テレビ東京の石井です。東京オリンピックから50年に関連してなんですけれども、6年後のオリンピック・パラリンピックに向けて、どのような東京にしていきたいのか、改めて今日の日に知事の決意のほどをお伺いしたいと思います。
【知事】先ほども申し上げましたけれども、発展途上国から先進国への第一歩という位置付けではもはやなくて、十分に豊かな国になった。豊かな国になったけれど、何が足りないのかと言った時に、本当に皆さんゆとりはありますかと、お金はあるけど時間がないと、こういう所でもゆとりのある生活をする。その時に、遠くまで通わないとスポーツ施設がない、滅茶苦茶に使用料が高い、こういうことではできませんから、例えば、身近な所でスポーツが楽しめるように。そういう点も2020年を目指してやりたいと思っていますし、それからやはり福祉の面で、それは先に進めないと日々の生活が非常に大切なわけで、子育てにしろ、高齢者の介護にしろ、医療にしろですね、雇用の問題にしろ、こういうことをしっかりやりたい。
全ての基礎は、やはり活力があって、経済が順調にいっている社会であるべきでありまして、そういうことを目指していく。
そして、今から科学技術の進歩というものを取り入れていくことによって、いろいろな問題を克服していく。環境問題は、先ほどランキングが落ちたと言いましたね。だけど、水素社会の実現を目指していくことによって、少なくとも排気ガスの問題は相当減るだろう。それから、3環状道路、をつくることによって都心の交通渋滞が減っていきますから、生活環境全てについて向上させていきながら、最終的に、本当に成熟した社会。成熟した社会というのは、朝から晩まで働いているというよりも、趣味であるとか文化であるとか、そういうものを楽しむことができる。だから、今日のTaste of Tokyoにしても、あそこを、ただサラリーマンが仕事に来て、昼、弁当を買いに行くだけの町ではなくて、ああいうふうに、同じ弁当を食べるでも楽しみながら、そぞろ歩きしながら、ブランド物をウインドーショッピングをしながらできる、こういう町であってほしいと思ってます。
【記者】すいません、世界一の東京になるために、今、何が一番足りていないとお考えですか。あと、東京はPR力が少し足りないのかなというふうにも思うんですが、そのためにどんな施策を打っていくべきだと思いますか。
【知事】後者のPR力については、この前、外国人の特派員も入れた形で会議をやって、皆さん方にもフルオープンでご紹介したとおりでありますので、これはもっともっとやっていきたいと思っています。
それで、昨日発表のランキングで見ても、居住は、例えば頑張って古い都営住宅を建て直して、この前の多摩ニュータウンのような新しいものへ変えていくということはあるのですけれども、なかなか大都会では土地の値段が高くて、そういうこともできかねる。
ただ、最大は交通アクセスなのですね。だから、やはり羽田、成田、この充実、拡充をするということと、ランキングが落ちている、落ちているというか伸びないことの一つの理由は、観光客の数なのです。ですから、デジタルサイネージをやるとか、多言語対応をやっていくということで。先ほどのTaste of Tokyoでも、東京の食材だけではなくて、あの場でお話ししたように、外国の大使がおられたわけですから、諸外国の食材を持ってくると、インターナショナルフードフェスティバルのようなことができるので、あらゆる資源を動員してそういう方向で目指したいと思っています。
【記者】フジテレビの相澤です。2点あるんですけれども、味わいフェスタではいろんな東京の食材を使われていたと思います、三鷹市のキウイですとか。改めて東京の食材を国内外にどのようにアピールしていく戦略を打ち立てていくか、お聞かせいただきたいのと、もう1つ、今回の味わいフェスタで小笠原諸島の魚とかも使われていると思いますが、先般、小笠原のサンゴを狙った中国船の密猟などが確認されております。東京都としてそのことについてどのような対策、そしてどのようなお考えかをお聞かせください。
【知事】食材のアピール、今日のような試みを今後ともやっていきますし、それからこの前IOCの方々が来られた時に、東京食材でお料理を出したというようなことで、国際会議が今からたくさん開かれますから、たくさん発信の場はあると思っています。
先ほど小笠原のアワビも食べました。あそこで使っていました。サンゴの問題、これは中国の漁船が我々の排他的経済水域に入ってきているということで、この取り締まりが東京都に権限がないものですから、水産庁、海上保安庁、国のほうにお願いするということで、それは強力にお願いしておりますし、そういう対応をしていきたいと思っています。
【記者】テレビ朝日の北本でございますが、すいません。今まさに東京は世界都市で、都市として伍していこうという時なんですけれども、ちょっとそれとはあれなんですが、知事、徳島県という県がございまして、非常に、中村修二さんとか輩出している県なんですが、一般には地味な県なんですけど、そこがですね、最近ちょっとプロモーションビデオをつくったり、ポスターをつくって物議を醸していまして、それ、「VS東京」という、これ、徳島は宣言する「VS東京」というので、それを見ますと、首都の座に安寧としていて、地域課題に対して鈍感で動きの鈍い東京を、徳島が変えること。「東京という巨人に対して「徳島」という主人公が、知恵を絞って、どんな秘密兵器を使って倒すのかとか、そういうことがいろいろうたわれているんですね。番組で知事に徳島の飯泉知事に取材しますと、東京と切磋琢磨していきたいんだという趣旨だというふうにおっしゃられているんですけども、このような今回の徳島県の、こういうPRについて、どのように受けとめられますか。
【知事】LEDで東京を照らすのかね。中村ノーベル物理学賞受賞者について言うと。それぞれの県がどういうプロモーションをするか、それはご自由ですから、飯泉さんも昔の友人ですから私はよく知っていますし、この前の知事会でもお会いもしています。だから、それは自由におやりになれば良いのではないですか。我々は我々でしっかりやっていくので。飯泉知事がおっしゃったように、切磋琢磨するということであれば、それは大変結構なので、まあ、別に目くじらを立てることでもないので、横綱はしっかりとしていれば良いのです。
【記者】飯泉知事は、是非舛添知事に会って、是非ともこの、VS東京について知ってもらいたいというふうにおっしゃられてるのですけれども。
【知事】今、あなたからお知らせをいただいたので、よくわかりますので、いつでも、知事同士ですから、どの知事が来られても喜んでお会いしたいと思いますので。まあ、徳島発の阿波踊りも東京でも盛んになっていますから、阿波踊りの切磋琢磨も大変結構だと思います。
【記者】週刊文春の徳山と申します。まずですね、週刊文春の10月16日号で、学校給食に中国食材という記事を掲載させていただいているんですけども。
【知事】10月16って今週? 先週?
【記者】今週です。そこで、東京と神奈川の68地区にですね、学校給食に使われている中国産の食材に関するアンケートを調査して掲載させていただいているんですけれども、そちらのほうって、知事ごらんになられてますか。
【知事】残念ながら時間なくて、読む暇がありませんでした。
【記者】今、こちらにちょっとあるんですけど、少し目を通しながら話を聞いてもよろしいですか。
【知事】はい、どうぞ。簡潔にお願いします。
【記者】こちらの杉並区の話で。
【知事】はいどうぞ。続けてください。
【記者】10月8日に杉並区が当面中国産の食材を学校給食に使用しないという発表をされたんですけども、知事はこの杉並区の対応についてどう思われるのかなというのを、まずお聞きしたいんですが。それで、ほかにも、東京都は23区26市、多くの中国産食材が学校で、学校給食で使われているんですけども、この現状というのは知事、ご存じだったのかなというところ。知事も世田谷区民でいらっしゃると思うんですけども、世田谷区も結構多く使われているんですね。お子さんをお持ちの知事のご感想というのを、ちょっとお聞きしたいかと。
【知事】公立の小中学校の給食の権限というのは、誰が決めるかというのは、それぞれの区市町村、学校を設置する区市町村が決めるので、それぞれの区が適切に判断してやるだろうということです。それから、中国の食材ということになると、私が厚労大臣だった時に、例の毒入り餃子の話が出てきて、その対応をやったわけですけれど。あの時に厚生労働省の職員を中国にある日本大使館に常駐させて、それで常に点検をするということをやって、それから大分改善はしたと思います。したがって、最終判断は区市町村がしっかりやってもらわないといけないと思いますけれども、逆に、中国から入ってくるものは、全て毒にまみれているというのも、それも、わかりやすい言葉で言うとですよ、極端に。それもまた、どうかなと思うので、適切にそれぞれの区市町村で検査をして対応してもらいたいと思っています。
【記者】ということは、今後も学校給食に中国産食材が使い続けていかれる可能性はあるという、知事のほうから使用の制限とかそういう指示をされるご予定というのはないですか。
【知事】いや、それは基本的に、今の話題に出た世田谷区立何とか小学校なので、世田谷区の権限で、世田谷区がやる。例えば、全ての都内の小中学校で食中毒が生じたり、食害が生じたということになれば、それはまた問題でしょうけれど、そこはきちんと食の安全という観点から、それぞれの区市町村がしっかりおやりになっていると思いますので、取り敢えずはその対応を信頼してやっていきたいと思っています。
(テキスト版文責 政策企画局調整部政策課)