
舛添知事定例記者会見
平成26年9月12日(金曜)
14時00分~14時33分
知事冒頭発言
1 「東京都長期ビジョン」の中間報告について
【知事】まず、第1点目です。「東京都長期ビジョン」の中間報告を取りまとめましたので発表いたします。
ビジョンでは、目指すべき将来像を「世界一の都市・東京」の実現といたしまして、これに向けて、「史上最高のオリンピック・パラリンピックの実現」と「課題を解決し、将来にわたる東京の持続的発展の実現」の2つの基本目標を定めました。史上最高のオリンピック・パラリンピックに向け、東京の持てる力を結集し、万全な準備を進めるとともに、大会開催を起爆剤として成熟都市の更なる発展を成し遂げてまいります。また、大会の成功は、東京にとりまして一里塚に過ぎず、少子高齢・人口減少社会を迎える中であっても持続的発展が遂げられるよう、課題解決に向けた道筋を描いてまいります。
次に、今回のビジョンの特色として、可能な限り数値化した目標を掲げることとしまして、中間報告では約230の目標を示しております。政策目標は、例えば、「2020年までに観光ボランティア3000人を育成する」というような、都が推進する施策の到達状況だけでなく、「ボランティア文化を定着させ、2024年までにボランティア行動者率40%を達成する」というような、社会や都民生活に及ぶ効果・状況についても積極的に示しております。こうした東京全体の状況を表す目標として、開業率を米国・英国並みの10%台に引き上げる。今、4.6%ですから。それから、女性の活躍を促進するためにM字カーブの解消を目指し、25歳から44歳の女性の有業率を現在の71.3%から75%に引き上げるといった指標を新たに掲げております。
続きまして、主な目標や政策の方向性についてご説明いたします。
まず、福祉先進都市の実現に向けて、少子高齢社会に対応した新たな都市モデルを構築いたします。公約に掲げております2017年度末までの待機児童の解消に向けては、保育サービス利用児童数を約4万人分増やします。また、学童クラブにおいても、「いわゆる待機児童の解消」に向けて登録児童数を増やすとともに、放課後子供教室の設置数を拡大し、小学生が放課後を安全・安心に過ごすことが出来る居場所づくりを推進いたします。一方、超高齢社会への対応として、高齢者が地域で安心して生活できるよう、多様なニーズに応じた施設やすまいを確保いたします。具体的には、特別養護老人ホーム、認知症高齢者グループホーム、サービス付き高齢者向け住宅等について、2025年度末までの目標を示し、整備を加速いたします。特別養護老人ホームの定員については、現在4万1000人分ですが、これを5万5000人更には6万人にするとの目標を示しております。これら福祉サービス基盤の整備にあたりましては、先日発表いたしました都有地貸付料の更なる減額などの土地活用策に加えまして、公営企業用地や公園についても新たに活用してまいります。
続きまして、ハード・ソフトの防災対策を推進し、世界一安全・安心な都市を実現いたします。建物等の耐震化や不燃化、豪雨対策などにつきましても、目標の達成に向けて整備を着実に進めるとともに、今回、自助・共助の取組につきましても、新たな政策目標を設定し、都民・事業所の防災力を向上させます。具体的には、2020年度までに、家庭・事業所の備蓄率100%を達成するとともに、行き場のない帰宅困難者の受入先を官民ともに拡大し、全92万人分の安全を確保したいと思っております。
続きまして、都心等の機能強化により、東京の都市力の更なる向上を図ります。まず、有楽町地区につきましては、民間開発との連携によりまして、旧都庁舎跡地を活用したまちづくりによりまして、有楽町駅周辺の機能更新を進め、公共空間の整備やMICE機能の充実等を図り、国際的なビジネス・都市観光拠点をつくります。東京、渋谷、新宿では、交通結節機能の強化や、周辺市街地の再編等を一体的に実施し、都市の再生を進めてまいります。品川では、国内外への広域アクセスに優れた立地を活かし、国際交流拠点の形成を推進します。
また、年間1800万人の外国人旅行者で賑わう世界有数の観光都市・東京を実現します。オリンピック・パラリンピック開催決定を契機として、東京を訪れる外国人旅行者を2013年の681万人から、2020年には1500万人、更に2024年にはこの3倍の1800万人まで増加させます。この実現に向けまして、旅行地としての「東京ブランド」を確立し、東京の魅力を世界に広く発信・浸透させるとともに、多言語案内の充実など、世界的な観光都市としての環境づくりや、魅力的な観光資源の開発などを進めてまいります。
この他、産業、教育、環境、インフラ整備、多摩・島しょ振興など、都政の様々な分野におきまして、政策目標や方向性を示しております。
中間報告に寄せられたご意見を踏まえながら、目標等の実現に向けた工程表をつくりますが、工程表につきましては、具体的な政策展開と3カ年の実施計画を盛り込んだ最終報告を12月に策定・公表いたします。このビジョンを都政運営の新たな指針として、全ての都民に「東京で生まれ、生活し、老後を過ごすことが出来てよかったな」と、そう思っていただけるような、夢と希望と幸せを感じられる「世界一の都市・東京」を実現したいと思っております。
長期ビジョンの詳細につきましては、政策企画局に尋ねていただきたいと思います。
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)
2 「東京の防災プラン(骨子)」について
【知事】次に「東京の防災プラン」の策定についてお知らせいたします。先ほどの長期ビジョンをもとに、今後、様々な分野において新たな取組を展開し、2020年のオリンピック・パラリンピック開催を見据え、東京を世界一の都市にしていきます。そのためには、都民をはじめ国内外からの来訪者の皆様の安全・安心が確保されていることが大前提でありまして、これまで以上に全力で防災対策に取り組まなければなりません。
そこで、今回、2020年を見据えまして、我々行政と都民・企業が共通の目標のもとに、一体となって防災に取り組むための「東京の防災プラン」を策定いたしました。行政が全力を尽くすことはもちろんのことですが、自分の命は自分で守る、皆で仲間を助けるという都民・企業の皆様による自助・共助の取組は非常に大切です。この防災プランでは、都民や企業の皆様にも分かりやすく読んでいただけるよう、刻々と変わる災害の状況をシナリオで示しながら、その時々に必要な取組をまとめてあります。
本日からパブリックコメントを実施いたしますので、是非皆様に読んでいただき、積極的に意見を出していただきたいと思います。いただいた意見や都議会での議論も踏まえて、12月には完成させてまいりたいと思っています。詳細につきましては、総務局にお尋ねいただきたいと思います。
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)
3 拉致被害者の救出に向けた都庁舎のライトアップについて
【知事】拉致被害者の救出に向けました都庁舎のライトアップについてお知らせいたします。本日から来週19日の金曜日まで、北朝鮮拉致問題解決を願って、都庁舎のライトアップを行います。本年5月の日朝合意後、初めてとなる再調査結果の報告を間近に控えた今こそ、解決に向けた機運の醸成が求められます。そこで、すべての拉致被害者の一刻も早い救出を願い、都庁舎をブルーリボンカラーに染め上げます。都民の皆様にも、是非この機会に、拉致問題の解決に向けまして、関心を持っていただきたいと思います。
4 仁川市長との面会について
【知事】9月19日から第17回アジア競技大会の開会式に出席するため、大韓民国の仁川(インチョン)市に出張いたしますが、その際、劉正福(ユ・ジョンボク)仁川広域市長とお会いすることになりましたのでお知らせいたします。
劉市長とは、仁川アジア大会の経験につきまして意見交換し、2020年東京オリンピック・パラリンピック大会の成功に役立てたいと思っております。また、この機会にお互いの都市に共通する課題についても幅広く意見交換をしたいと思います。具体的な日時につきましては、政策企画局にお尋ねいただきたいと思います。
質疑応答
【記者】冒頭、幹事社から数点伺います。東京新聞の石川です。長期ビジョンについて伺います。今回の長期ビジョンでは、かなりできるだけその数値、目標を数値化しまして、わかりやすく工夫をしているようにお見受けしますが、中にかなりチャレンジングな目標も含まれているように感じています。そうした計画倒れにさせないために、実現可能性について知事はどのように認識をされているのか伺います。それとあわせまして、長期ビジョンの中でですね、知事のいわゆる肝いり、あるいはこだわりの何か目標みたいなものがございましたら、あわせて教えてください。
【知事】例えばですね、女性の活躍促進について女性の有業率を目標として示しておりますが、今でもかなりいっているのですけれども、これを75%にするというのは、奇想天外な数字を言っているのではないということはわかると思います。それから、例えば、ボランティアの人数を目標として示しておりますが、今、2020年に向けてボランティアをやりたいという方が、いろいろな団体を含めて、諸外国を含めてかなりおられるので、観光ボランティアとか都市ボランティアというのはもっと増えるのではないかと思っております。ただ、例えば、(起業・創業の促進について)開業率を目標として示しておりますが、国全体の規制の問題があり、それは特区を上手に使えば良いのですけれども、一生懸命やっても、様々な規制や何かでここにいかないという可能性もあるかもしれない。しかし、やはり、せめて英米並みにしないと世界一になりませんということで、無理な目標ではなくて、かなり現実的な考慮のもとに行ったということであります。保育サービスについても、やはり女性の社会的進出、それから、これからの経済を考えても、保育サービスを拡大しないといけない。だから、今、約8600人の待機者がおりますが、やはりこれは4万人増ぐらいしないと追いつかないということで、こういう問題については、私がやるべきだということをしっかりと申し上げました。それから、高齢者について。ここもですね、特養、なかなかやはり難しいのですけれども、都有地、国有地、民有地の賃貸料を安くするというようなこと。それから、都営住宅を建てか替える時に、5階建てを30階にしてスペースを空けるというようなことで、せめてこれぐらい、これでも実は足りないと思うのです。どんどん、どんどん高齢化は進んでいく。そしてやはり、お年を召されれば健康を損なう方も増えていきます。それで、サービス付き高齢者向け住宅もニーズが非常にありますので、これも(目標として)2万戸以上ということで、その他の点についてもたくさんございますけれども、やはり自分たちの日々の生活に最も直結し、しかも、それが経済もよくする、そして生活も豊かにするという意味では、まさに福祉ということで重点的に書きたいし、政策を実行したい、そのように思っています。
【記者】もう1点伺います。韓国出張につきまして2点伺います。まず1点目が、韓国出張中に政府の要人の方々と会談をされるご検討はされているのか、伺います。それともう1点が、7月に韓国の大統領と会談をされた時にですね、都内での韓国人学校の整備について協力される意向を示されました。ただ、ほかの都市の課題との絡みの中でですね、都有地の活用というのはかなり難しい課題もあるというふうに伺っているんですけれども、現在、協力に向けてのですね、進捗状況について教えてください。
【知事】1番目は、前回のソウルとは違いまして、今回、あくまで週末を活用してアジア大会にお招きいただいたので、開会式を見て、2020年に役立てるということです。仁川でやりますから、知事が来られるなら主催都市の仁川の市長、わずかな時間ですけど表敬にという、その程度で、特別に要人、政府要人との日程はありません。
それから、韓国人学校、これは我々が海外で生活するときも、各地に日本人学校をつくっていただいて、韓国でも中国でもどこでもそうなので、逆の立場で考えれば、当然これに協力して良いという観点からやっています。
それで、特養をつくったり、先ほどの保育所をつくるということ、また学校をつくるというのは、ニーズも違いますので、今、どういう所が可能なのか、それから、これはあくまで韓国人のお子様方の数が増えたというので、どれぐらいのスペースあれば良いのだろうかと。そういうことを念頭に置きながら検討中ということで、まだ具体的な、どこがどうかというようなことはまだ決まっていません。以上が今の状況です。
【記者】日本テレビの久野村です。長期ビジョンの中に日比谷線の新駅の話もあるかと思うんですけれども、改めて虎ノ門地区というのを交通の便ですとかビジネスの面ですとか、どういった面として発展させていきたいと思っていらっしゃるかお伺いします。
【知事】国際フォーラムがある有楽町の近くですけど、例えばですね、銀座ありますね。日比谷ありますね。それから丸の内。丸の内とか日本橋は、これは皆様方も一緒にいらしていただいて視察をしてきましたけれども、都心、虎ノ門もそうですが、やはり仕事もできる、ショッピングもできる、お食事に行くこともできる非常に賑わいの空間にしたいと思っております。
例えば、丸の内ですと、ビジネスマンの仕事場だったので、例えば週末閑散としているし、昼もサラリーマンが弁当買いに出るだけの街みたいになっていました。今、素晴らしいレストランができたり、ショッピングができるお店ができたり、三菱一号館という美術館ができたりしていますので、絵を見に来られる方もおられる。おいしい食事をなさる。それからブランド物を買いに来られる。だから、あの界隈で働いてるサラリーマンだけではなくて、家族連れも老若男女もやって来て、本当に街として活き活きしてきましたね。
それから、日本橋というのは、映画館のない街だったのが、コレドができて、映画館ができた。できることによって、映画が終わった後ご飯を食べたい人がいれば、そこにレストラン街ができる。全く人の流れが、日本橋というのは金融の街で、本当に素っ気ないという感じでしたけれど、そういうふうに変わってきている。
ですから、おそらく虎ノ門も、霞が関に近いし、やはりビジネス、それから霞が関の役人がいっぱい闊歩する街だったという感じですけれども、ああいうヒルズのようなものができることによって、そして今、シャンゼリゼプロジェクトをやっていますので、オープンカフェもやると。だから、ちょうど日本橋や丸の内が再開発によって変貌を遂げたような形にしたいと思っていますので、これからの街はどこがビジネス街、どこがご飯食べる所ということよりも、やはり街全体が、今言ったように、あらゆる観点から見て賑わいがあるというような形にするのが理想だと思って、それは進めたいと思っています。
【記者】日経新聞の高岡です。年間1800万人の外国人旅行者というところの目標についてなんですけれども、1つはかなり多い人数かなと印象もあるんですけれども、そこについてのどのくらいの達成実現性というかですね、お考えなのか、特にその中で言うと、やっぱり観光客を増やすという意味では、魅力的な観光資源の開発というところが重要かなと思うんですけれども、そこについて何か具体的なイメージがおありであれば教えてください。
【知事】今、日本全体で1000万人のお客さんが来ています。やはりオリンピック・パラリンピックは非常に大きくて、2020年までには倍の2000万人が来る。その時にですね、ほぼ圧倒的多数の人はまず東京に降り立って、成田でも羽田でも良いのですけれども、それから動かれると思います。ですから、2000万人の4分の3で、この数字1500万人になるわけですね。さらに2020年に向けて東京の魅力をもっと大きくすれば、ここまでいけるのではないかなと。いかなければいけないと思ってます。そのために様々な、Wi-Fiの無料化、自由につなげるようにするとか、そういうことも含めて、今、強力に観光都市としての街づくりをやっていますので、これは夢物語ではなくて、そういう意味で具体的にできるし、これぐらいの目標を掲げて多言語対応ということも必要だと思っています。
その他もいろいろな競争条件が都市の間であると思いますけれど、それをクリアする。その大きなきっかけがやはり2020年の大会だと思っています。
【記者】文化放送の高橋民夫です。危機管理について2つお話をお伺いしたいと思います。まず、デング熱、蚊の問題についてなんですが、前回の記者会見で、厚生省の発表のいわゆるタイミングを合わせてということで、5時間ほど発表が遅れたというのがありました。これは話し合わなければいけないというお話が1つございました。これについて、その後の進捗状況、あるいはこういうふうになったよ、あるいはこういうふうにしていきたいんだということを私は考えている、何かございましたらお願いしたいということ、これが1つです。
もう1つは都市防災ですが、集中的な豪雨、これに対する東京都の問題、対策もですね、急を要すると思いますが、1時間に50ミリ程度の雨で想定していたものをですね、1時間に75ミリにするという動きがあるということは存じてるんですが、こうした動きについても1つお話を伺わせていただければと思います。
【知事】デング熱についてはですね、私はちょうど海外出張をしていた時ですけれども、要するに、例えばこれがエボラとか、私がかつて担当して中身がよくわからなかった新型インフルという致死率が非常に高い、これはもう即座にやる必要がある。ただ、今のところ、デング熱はそういうものでもないし、むしろどういう対策を立てることができるかということをしっかりと踏まえた上でやったほうが混乱が少ないだろうと。そういう判断で担当の者たちが協議をしてやったということであります。ですから、私はそれはそれで1つの判断で間違っていないと思っております。
それから、昨日、塩崎厚生労働大臣と会談しまして、この問題についても国と都が協力してやると。都が早急に検討会議を開きますので、国から担当も来ていただくという話ができましたので、発表の仕方も含めて、今後詰めていけると思います。
それから、今、北海道、胆振、空知、後志、こういう所で大変な雨が降って被害が出ております。ですから、集中豪雨、要するにですね、何年に一度の大雨が1日に12回出るというのは、何年に一度ではなくて毎日だというぐらいに異常な気象になってきたということなので、これは危機管理監を含めて防災担当で今検討をしていまして、それこそ蚊が飛ぶ範囲ではないですけれども、若干多目の推定をした方が、備えあれば憂いなしになると思っていますので、そういう形でさらに検討を進めていきたいと思っています。
具体的に数値が出たり、皆さん方にお伝えするものが出れば、またお知らせしたいと思います。
【記者】まさにそんな時も、近所同士のやはり助け合いとか、原点になることだと思うんです。自助、共助、公助だけじゃなくて、近所もね、本当に考えておいたほうが良いかなというふうには思っておりますが。
【知事】はい。ありがとうございます。
【記者】テレビ朝日の北本でございますが、オリンピック・パラリンピックについてお伺いしたいんですが、先日の都議会のオリンピック・パラリンピック委員会で、委員会のほうから資料要求がありました整備費についてなんですけれども、理事者側はこの資料については現段階では提出できないという姿勢で臨まれたようですけれども、少なくとも基本設計に入った3つの施設については示すべきじゃないかという意見もございました。都議会はおおむね舛添知事の整備を見直すという方針について、各会派ともおおむね好意を示してますが、そうした中で、この整備費について、いつどの段階で示すのか、その辺、知事の見解をお願いします。
【知事】今いろいろな検討を進める中で、今おっしゃったように、既定路線でいこうということでやっていますが、今の段階でですね、なぜちょっと遅れているかというと、人件費、機材の高騰、それから入札不調のようなことがあって、なかなかこの数字が確定できない。それともう1つの問題はですね、全体を見ています。その時に、仮にある施設を既存の施設を使う。例えば予定されていた所よりももっと安くできるようなものに変えていくというような時のトータルのバランスをある意味で考えていかないといけない。そうすると、わかりやすい例で言いますと、仮の数字ですよ。私が今、ここに100億円以内でやりたいとします。そして、既存の施設3つで10億ずつで30億だと言ったら、70億残るわけです。その中で他のものをいじっていかないといけない。そうしたら、他のもの全部見直しをした上でなのでしょうけれど、70億ではすまないと、これが例えば80億、どうしてもこちらに割かないといけないということになったら、10億、10億、10億で3つやる予定だって、ちょっと申し訳ないけれども、それぞれ2億ずつぐらい減らしてくれませんかと。そうしないと、とてもではないけれどパンクしてしまいますよと。実を言うと、私が全体を見ている時にその観点があるのです。だから、できれば早いほうが良いというのはおっしゃるとおりなのですけれど、隠して言っているのではなくて、先にもうこれ10億、10億、10億と言った時に、もう少し質素なものにできませんかということができなくなることを恐れてなので。あまり記者会見で本音の話は言わないのですけれども、本音を言うと、細かいことだけど、そういうことも実は私の頭の中にはあって、それで若干。
というのは、各競技連盟は立派なものをつくりたいというのはわかるのですけれど、全体を束ねる立場から見ると、もう少し我慢できないのかなというのも実は言いたい気持ちもあるので、またこれを言うといろいろお叱り受けるかもしれませんけれども、そこをご理解いただければと思います。はっきりできるようになったら、なるべく早く出したいと思っています。申し訳ありません。
【記者】東京MXテレビの風戸と申します。都立高校の採点ミスの問題について伺います。今週ですね、都の教育委員会は300人を超える関係者に懲戒処分を行ったと発表したんですが、まず、その処分についてのご見解を教えてください。
【知事】これだけの不祥事ですから、これはこれまでにない厳しい処分をすべきだということで私も指示をして相当厳しい処分をしました。これでしっかりと立て直してもらわないと、子供たちの将来に関わるのですから、合格していた子が合格していないということなので。それで、新しい方式でマークシートのようなことをトライしながら、様々な対応策を考えてやりたいと思っています。
【記者】マークシートなんですけれども、以前、知事はマークシートにはいろいろ考え方があるというふうにおっしゃってましたけれども、一部で筆記を残した形でやるような形を考えているということなんですが、この対策についてはどのようにお考えですか。
【知事】これだけのミスがあって、やはり人間のやることですから、ミスを考えればマークシートの方がミスがないのは当たり前なのですね。それから、採点の時間も長くとって、二重ではなくて三重でチェックするということをやっていますので、もう二度とこういうことが起こらないようにということで、さんざんその対策を検討させた上でこういう形でやっていきたいと思っています。是非全力を挙げてやりますので、都民の皆さんの信頼を回復したいと思っております。
【記者】時事通信の中平と申します。よろしくお願いします。2点お願いします。まず、デング熱に関してなんですが、昨日も大臣と会ったときおっしゃいましたが、都の対策会議はいつごろ設置して、メンバーとしては都と厚労省以外、どこが考えられるでしょうかというのがまず1つと、あと、全然違うんですが、クラブの規制に関してお伺いしたいんですが、10日に有識者の検討会がクラブの深夜営業を一部解禁するというような報告書を警察署に提出しまして、クラブは外貨稼いだりとか、観光資源になったり、文化を生み出したりする一方で、犯罪ですとか住民の苦情というような問題も抱えております。知事としては、クラブの深夜営業の解禁についてどうお考えでしょうか。
【知事】デング熱につきましては、まずメンバーは都・国以外も感染症研究所であるとか、この問題に深く知見を有してるお医者さんとか、そういう方々を含めて対応したいと思っております。日程については調整中です。
それから、クラブについて、これは風俗営業法を含めて難しい問題があるのは、日本の都市の中で東京の一つのマイナスと言われているのは、アフターディナー、夕食後のエンターテインメントがない。だから、大抵海外に皆さんが行った時に、晩御飯食べて、例えば映画館だって非常に遅くまでやっていたりして、こういうクラブのようなものがあって、ダンスしたりとか、飲みに行ったりとかいうことはいろいろできるのですけれど、そのエンターテインメントが少ないということが一つの東京のマイナスになっているので。そういう意味で、健全であればクラブというのもそういう位置付けをして良いかなと、おっしゃるように様々な問題点がありますから。要するに、これは国の政策全体との関わりでありますけれど、こういう2020年という機会がありますので、風俗営業での縛りというのは何なのだろうかということをですね、時々、私の仕事が風俗営業法の対象なのというようなことをおっしゃる方もあったりして、これは国全体でも、国民全体で議論すべきことだと思いますので、そういう議論のきっかけになって良い方向に向かえばと思っています。
(テキスト版文責 政策企画局調整部政策課)