
舛添知事定例記者会見
平成26年7月18日(金曜)
15時00分~15時35分
知事冒頭発言
1 「平成26年度全国高等学校総合体育大会(インターハイ)」の開催について
【知事】まず、この8月1日から、高校生スポーツの全国一を決める高校総体、いわゆるインターハイを東京、千葉、神奈川、山梨の南関東1都3県で合同開催いたしますので、お知らせいたします。この度、このインターハイの東京都開催を広く皆様方に知っていただくために、本会見場のバックパネルに、インターハイの愛称やシンボルマークをつけ加えました。この大会愛称やシンボルマークは、南関東1都3県の中学生と高校生から作品募集を行い、選定したものであります。
総合開会式は味の素スタジアムにおきまして8月1日にとり行います。式典の後には、公開演技として、都内の高校生約1800人が和太鼓やダンスなどの演技を披露いたします。都内では、駒沢オリンピック公園総合運動場を始めとする各競技場で、体操、バレーボール、サッカー女子、テニス、なぎなた、相撲、弓道の7競技が8月2日から行われます。インターハイに出場します選手の中から、2020年のオリンピックに出場し、活躍する選手が出てくることを期待しております。
インターハイにつきましては、私は非常に思い出が多くありまして、私も高校生のときに福岡県の陸上競技の選手として出場しました。その時は、お隣の大分県で大会がありました。多くの方々に各競技会場に足を運んでいただいて、熱い戦いを繰り広げる高校生アスリートに声援を送っていただきたいと思います。
この件につきましての詳細は、教育庁にお尋ねいただきたいと思います。
2 「東京都地域防災計画」の修正について
【知事】それからもう1点ですが、先ほど東京都防災会議を開催いたしまして、東京都地域防災計画を修正しましたので、お知らせいたします。東京都地域防災計画は、災害対策基本法に基づく法定計画でありまして、防災対策の幹となる計画であります。そのうち「震災編」及び「風水害編」につきまして、修正素案を5月29日に公表し、パブリックコメントにより広く都民の声を聞いた上で、今回修正を行いました。
まず、「震災編」では、東京の島しょ部に大きな被害を及ぼす南海トラフ巨大地震に備えるため、津波による人的被害ゼロを目指した迅速な避難対策と、孤立化する可能性がある島しょ部の地域特性を踏まえた対策の2点について強化しました。
続きまして、「風水害編」では、昨年度の大島の土砂災害での教訓や、近年増加しております集中豪雨等による大規模災害、水害などを踏まえ、情報連絡体制の整備など、災害対応力の充実強化策や、広域避難対策について取り組むこととしました。先週も大きな台風が発生しましたが、そうした災害から都民の生命・財産を守るために、計画に盛り込まれた予防対策を着実に実現するとともに、発災時の対応を万全に行うことが重要であります。
本日の会議におきましては、自衛隊、警察などの防災機関をはじめ、JR東日本などの交通事業者、東京電力、NTT東日本といったライフライン事業者など、多数の関係機関が密接に連携して防災対策強化を推進していくことを改めて確認しました。
東京を世界一安全・安心な都市とするために、引き続き防災対策に全力で取り組んでまいります。
この点の詳細につきましては、総務局にお尋ねいただきたいと思います。
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)
質疑応答
【記者】東京MXテレビの朝倉です。オスプレイの飛来の件についてお伺いします。この件については、安全保障については国の専管事項ということで、知事もかねがねおっしゃってますけれども、先日のコメントの中で、国に対してさらなる情報提供と説明責任を果たすよう求められています。あす飛来するというふうに言われていますけれども、この説明責任を果たされたのかどうかというところ、知事、どういうふうにお考えか伺います。
【知事】まず、冒頭おっしゃっていただいたように、基本的に安全保障は国の専管事項ですから、そのことについて、今の政府にとやかく言うことはありませんけれども、やはり地元で、オスプレイについては特に音がうるさいということを含めて、それから、今、随分改善されましたけれども、大変事故の多い、昔は未亡人製造機と呼ばれていたのですよね。つまり、あれにパイロットが乗ると、落ちて亡くなる方が多いもので、未亡人を製造する飛行機と日本語に訳すと、そういう言い方をアメリカでされていたことがあるので、その点については相当改善されてると思いますけれど、なかなか、やっぱり音は相当うるさいと私も思います、現物を見た限りでは。
そういうことにつきまして、どういう目的でどれぐらいの期間滞在し、例えば飛行訓練を行うのであったらどういうことなのでご迷惑はかからないでしょうというようなことを、きちんと説明をしてもらいたいと思いますので。基本的な説明はあったと思いますけども、もう一歩踏み込んだ形で丁寧にやってもらうと、なお地元の住民の皆さんも安心すると思っていますので、引き続き、重ね重ね丁寧にやっていただきたいということは、最低限なことはおっしゃっていると思いますので。しかし、さらなる情報提供をお願いしたいということです。
【記者】地元からはですね、せめて、例えば飛行ルートであるとか、もうちょっと具体的な時間というのがわからないのかという声というのはあるようなんですけれども、知事ご自身はどう。
【知事】それがまさに安全保障上の配慮で、それを言うと安全保障にならないという意見があるわけです。だから、そこはどうしても国の専管事項であるということの限界があると思いますけど、もし可能であれば、そういうことも言ってもらうと、より安心するだろうと思います。
【記者】NHK金城です。薬物乱用、脱法ドラッグに関する件でお伺いします。ちょうど今日ですね、都立高校の多くで終業式が行われていまして、明日から夏休みに入ります。都内の大学では、幾つかもう夏休みに入ってるところもあります。
脱法ドラッグめぐっては、若者への乱用をですね、いかに防ぐかということに対して強い懸念を示している専門家もいます。東京都として、その若者へのですね、脱法ドラッグの乱用を防ぐために何ができるか、今何か呼びかけたいことはあるかということをお伺いします。
【知事】例の薬事法の適用を含めて、厳しく規制する点は、これは相当進んだと思います。今おっしゃった点は非常に重要なので、一般的な形で、もうこういうものには絶対手を出さないでくださいという、都民全体に対して広くですね、申し上げておりますけれども、今の、まさにこの夏場に向かう、そして夏休みで気が緩んでしまう、そして好奇心からそういうものに手を出してしまうというようなことは、十分危険性がありますから。今おっしゃったことは大変重要だと思いますので、教育庁を含めて何ができるかを検討したいと思います。学校が、終業式が終わって休みになっても、きちんと教育庁のほうから都内の学校に対して、そういうことを重々注意するようにと言うことはできると思いますので、早速、戻りましたら教育庁のほうに指示をしたいと思います。
【記者】フジテレビです。ソウル視察についてお伺いさせてください。先日、安倍総理と面会して視察の件をお話ししたと思います。その中で、韓国の要人と会う可能性についても言及されていましたが、具体的にどの方と会うなど決まっていましたら、教えていただいてもよろしいでしょうか。
【知事】今まだ調整中ですけれど、まずですね、当然、ソウルの市長、朴市長とお会いします。これは朴市長の招請であるわけですから。それからですね、ソウルをめぐる、ソウルがあったら、それを囲む形である道で、日本語読みすると"けいきどう"、キョンギド、京畿道というのがございます。京畿道は、そこに檀園高等学校、修学旅行でたくさんお亡くなりになった高等学校があります。それは皆さん方も行かれたと思いますが、水原っていうところで、ミンソクチョン、民俗村がそこにあるところですけど、その近くの安山という所に、実は高等学校があるものですから、そういう京畿道の皆さん方に対しても弔意を表したいと思っております。
それから、私自身が京畿道の方々と昔から非常に色々なつき合いがあるものですから、何代か前の知事、林知事にもご招待いただいたことが、まだ知事になる前ですけど、あるものですから、京畿道に行きまして京畿道の知事のナムさん、南と書きますけど、南知事にも弔意を表すとともに、色々な意味で向こうも首都圏の京畿道ですから、我々の東京都に地理的にも非常に近いので、そういうことがありますから南知事ともお会いする予定がほぼ確定しております。
それから、東京都民を代表して、韓国国民全体に対しての弔意も表したいと思っておりますので、韓国政府の然るべきハイランキングの方にお会いできればと思って、これはただいま調整中です。ですから、まだ調整ができていない段階なので、調整ができれば先方からそういう返事が来ると思います。そうしますと、ソウル市、京畿道、そして韓国国民全体に対して東京都民が非常に悲しい思いであるというお悔やみの言葉を述べることができると思ってます。
【記者】日本テレビの久野村です。先日ですね、都営の霞ヶ丘アパートの方から要望書の提出があったと思うんですけれども、それを受けて取り壊しの移転の検討の見直しですとか、都と住民の方との話し合いの場を設けるですとか、具体的に何かあったら教えていただけますでしょうか。
【知事】全ての都市計画の時は、もう懇切丁寧に1軒1軒回って、こういう計画で新しい建物にしますとか道路ができますというようなことをやる。虎ノ門ヒルズができましたけど、その時も同じようなことをやって、地元の皆さんにも大変ご協力をいただいた。それで、国立競技場の建て替えということがありますから、もう既に移転が決まった2年前に全居住者に説明を行っておりますし、それ以降その町会の役員の方とかと、丁寧な対応をずっと行ってきているわけですし、それから、この都市計画でもそうですけれども、なるべく皆さん方、住みなれた地域のところに移れれば良いわけですから、そういうところの都営アパートを斡旋するとか、色々なことも既にやってきているので、非常に丁寧にきめ細かくこれまでもやってきてると思いますので、今後ともそういう対応を関係の部署の担当にやらせたいと思っています。
【記者】MXテレビの風戸です。またソウル訪問について伺いたいと思います。集団的自衛権の話ですとか、あと歴史問題で冷え込む中ですね、北京に続いて第2弾の外交を韓国でやられるということで、改めて都が果たせる役割というのを教えていただければ。
【知事】あくまで都市外交です。ですから、それが主眼になりますけど、今回ああいう悲しい事件がありますので、都民を代表して弔意を表すということがあると思います。
中国とは尖閣の問題を含めて様々な難しい問題ありました。しかし、自治体レベルの交流でやれるところからやっていこうということで、ある意味で政経分離で、その後ずっと進んできています。
韓国の皆様方も、昨日、私が官邸に総理との話し合いで行った直後に、韓国メディアの方々が安倍総理に表敬に来られてます。ですから、韓国の方々もこのままの日韓関係で良いとは決して思っておられないので、双方にそういう声があると思います。そういう声をきちんと伝えて、できるところからやるしかありません。今、韓国社会はセウォル号の沈没事件を受けて、安心とか安全とかいうことに最大の関心事が行っているので、そうすると我々も直下型地震に対する備え、先ほどの防災会議の修正案をお話ししましたけれども、そういう経験を積んでますので、こういうことをソウルという大都会と東京という大都会で話をすることによって人的交流、対話することにもつながっていく、それが結果的にですね、少しでも良くなればと思っていますので、是非そういう成果が上がるように頑張ってやりたいと思っています。
それから、もう1つですね、ソウル大学での講演が決まりました。先般、習近平中国国家主席がソウル大学に行って、あの場では韓国と中国は手を握って日本を少し批判するというような色彩がありましたけれど、北京の時もそうですけど、訪れる都市や国で、ほとんど毎回できれば、そこにある大学に行って少し授業とか講義をさせてもらって、それで先生たちや学生の皆さんと議論をすると。北京の場合も首都大学、北京の首都の師範大学でやりましたので、今回は韓国きっての名門であるソウル大学でそれをやることに決まりましたので、ここで率直な意見交換をやっていきたいと思っています。それも日程に1つつけ加えたいと思います。
【記者】新宿区新聞の喜田です。鹿児島のいわゆる川内原発がですね、再稼働を認められそうな状況になってきました。秋口ということですね。それについて、舛添さんはたしか公約の中で脱原発東京を目指すというふうな公約をなさってたんじゃないかと思います。どういうふうにこれを評価なさいますでしょうか。
【知事】まずですね、この原発再開云々というのは国の基本的なエネルギー政策であります。安全保障政策と全く同じレベルであって、国の専管事項であると共に、きちんと原子力規制委員会を始めとして、中立的な第三者による基準をきちんと決めて、それが決定を下して動いていくということですから、私のほうからコメントする立場にありません。
我々は、東京は脱原発の方向で再生可能エネルギーを6%から20%に引き上げると、そのために全力を挙げるということに尽きるのであって、そのことを我々が努力することによって、それまでは福島の原発から電気を貰う、新潟の原発から電気を貰うというようなことをやってきたわけですから、我々が省エネに全力を挙げる。そして、東京発の自前のエネルギーを開発していく。そして、例えば今、水素社会ということを一生懸命やっていますけれども、こういうところで先端的な技術革新を東京がリードしてやれば、よその地域の原発に依存することもなくなるわけです。今、依存しておりません。ですから、そういう方向を東京都としてはしっかりと進んでいくと、それに尽きると思います。
【記者】朝日新聞の後藤です。ヘイトスピーチについて、ちょっとお伺いしたいんですけれども、先般スイスのジュネーブのですね、国連の国連規約の人権委員会があった中で、日本におけるヘイトスピーチについて質問が相次いだというふうに聞いております。先だって8日にはですね、京都の朝鮮人学校に対するヘイトスピーチに関して、人権侵害だということで高額の賠償も命じられましたし、それを受けて大阪の橋下市長がですね、これはやり過ぎで問題だと、表現の自由を超えていると、何かしら大阪市内ではさせないというようなことをしなければいけないというような趣旨のことをおっしゃっています。
表現の自由に関しては必ず規制は慎重であるべきで、対抗言論によるものが、よるべきであるというものが通説だというのはわかっておるんですけれども、昨今の事情を見ると、そういう状況を超えてきてるところもあるのかどうなのか、そこら辺、東京では何かできるのかどうなのかと、2020年東京オリンピックでかなり世界から視線が注がれる中で何かできることがあるのかということをちょっと伺えればと思います。
【知事】私は、もうヘイトスピーチというのは好ましくないと思っております。多様な価値観を認めるというのが民主主義の基本ですから、それを否定するようなことは止めるべきであると思っておりますし、特にこの人種とか国境の壁を超えて、スポーツを通じてしっかりと世界平和を目指そうというのがIOCの精神でありますから、そこで人種差別的な言動をどうするということは、それはオリンピック精神にも反する。
サッカーの試合でジャパニーズオンリーと書いて、ものすごい批判を受けましたね。そういうことはもう二度とやってはいけないので。しかし、ヘイトスピーチの中身は実質的にそういうことになっている。しかし、あの関西の判決も、要するに言論の自由云々というよりも、威力業務妨害的な外形で刑法に抵触するようなところに持ってきているものですね。だから、それは私は、まさに憲法の基本的人権について、このヘイトスピーチの問題は、皆さん方のメディアも是非頑張っていただいてですね、国民的議論を起こすべきだと思っています。
例えばそれは言論の自由があると。それは言論の自由は大事なのですけども、ある特定の民族とか、ある特定の人に対して罵詈雑言浴びさせて、おまえ死ねみたいなことを言って、それが果たして言論の自由なのだろうかと思いますので、私は、そういうことの憲法議論こそ、国会を含め、もっと一生懸命にやるべきだと思っているので。我々がやれることはですね、人権週間があります。これは人権に対しては、根本的に人権に対する挑戦ですから、東京都の人権週間、日本国でも人権週間がある。それは人権啓発キャンペーンのようなところで徹底的にこれは、そういうことは止めるべきであるということを言いたいと思います。
そして、これは、言論の自由として認められる限度がどこまであるのかということを憲法学者の皆さんももう少ししっかりやっていただくとともに、例えば、完全に脅迫罪に当たると。どう見てもおまえを殺すぞといって脅迫しているのであったら、脅迫罪ということが適用できないか。外形で、それは罪刑法定主義であるし、きちんと事実と証拠に基づいてやらないといけないけれど、きちっと監視をして、警察がですよ、完全にこれは脅迫に当たるという時は、それはどんどん摘発すべきだと思いますね。
そういうことをやるより前に、これから2020年の東京オリンピック・パラリンピックを迎える東京都民が、そういうことを言って、歴史に名の残る世界一の祭典、2020年の大会にできるのですかと。そのようなことをやっていて、東京は世界一の街と言えるのですかと。恥ずかしいと思ってもらわないといけないですね。私は、だから断固そういう方針で人権を守ると。人権も守れないような東京で、他の国の人、他の民族に対して、それだけ汚い言葉をかけるような東京で、それはオリンピック・パラリンピックなんて胸張ってやれませんよ。ですから、こういうのは東京都民が私と同じ気持ちになっていただいて、そういうことは許さないのだと、そういう思いを持っていただきたいと思います。我々もそういうキャンペーンはやっていきたいと。
これからの日本国民の課題として、言論の自由との絡みで、これはどうなのだと。私が知っている限り、集団的自衛権についてはものすごい皆さん方のメディア含めて、賛否両論の憲法学者の議論もありますけど、この点について、基本的人権について研究なさっている憲法学者が、例えばよく皆さん方の新聞でやられるように3人ぐらい出てきて、丁々発止の議論をやるって、私が見落としてるかもしれないけど、見ていないですよ。だから、是非そういうことをやっていただいて、私は今の公的な立場だと憲法論争に入れないですけども、是非こういうことをしっかりやりたいと。
ソウルに行きますけれども、おそらく韓国の皆さん方も決してこれは快いと思っていないと思いますから、そういう問題が提起された時は、今、私がお答えしたような内容について、我々は、しっかりと東京は人権を守っていくと、ヘイトスピーチは許さないと、そういうメッセージでお答えしたいと思っています。
【記者】その姿勢を打ち出すということは大事だと思うんですが、あくまでやっぱり法規制に関してはちょっと慎重であるべきだというところなんでしょうか。
【知事】やはりね、その憲法というのは重いんですよね。だから、東京都知事が勝手に憲法解釈で決めるというようなことは、とてもじゃないけど、やるべきではないと。ですから、やはり、まずは憲法学者がしっかりと議論をしてもらって、過去の判例の積み重ねはあって、今回の判例も非常に外形を見てかなり厳しいこと言ったので、1つの例になると思いますから、判例を積み重ねることによって、憲法についてのきちんとした解釈は、三権分立ですから、司法でやってもらうのが非常に良いと思います。
ただ、なかなか、例えばその刑法の中にですよ、それは刑法の審議会の皆さん方はどう考えるかであるけど、今言ったヘイトスピーチ的なものを特別な犯罪として明記することができるかどうなのか。それから、例えば条例としてヘイトスピーチ禁止条例みたいなことを例えば条例で出したって、法律で出したって、違憲であれば、違憲立法審査権じゃないですけれど、憲法に背反していれば法律として成り立たないですから。だから、これは早急にメディアの皆さんも頑張っていただいて、私は議論をしたいなと思っています。
そして、大体の国民のコンセンサスが生まれれば、これはむしろ、東京都が条例ということよりも国権の最高機関である国会できちんと法律をつくるなり、刑法を改正するなりやっていただくと良いと思います。ただ、やはり言論の自由はめちゃくちゃ重いのですね。それでもなおという論理構成をしないといけないので、是非憲法学者の皆さんにも頑張ってもらいたいと思っています。
【記者】日本経済新聞の舘野です。国家戦略特区についてお伺いします。区域会議の開催が首都圏、早ければ7月にもというふうに以前は伺っていたんですけども、少し遅れているように聞いています。今どういう状況で、都としてはどういうスタンスで国と調整を続けているのか教えていただけますでしょうか。
【知事】東京都はいつでもやりましょうと。ただ、問題はですね、9つの区がありますけど、どの区長さんが出てくるのだと。そこで引っ掛かっているのです。だがら、その調整は私どもがやるべきことではなくて、国が旗を振っているので、国がしっかりおやりくださいということなので。だから、8区、9区でもこうなのだから、東京全域を指定しないと動かないと言って、もっと動かないじゃないかということを最初から申し上げていたらそうなったので。しかし、そのようなこと言っている場合ではありませんので、都の方も、これは政府の方に対して早急におやりくださいと。そして、私は、9区があれば、全員出てきて別に困らないのではないかなと思うのですけどね。だから、おっしゃってることと矛盾してるのではないですか。全東京地域やれと言っていて、9区でも多過ぎるというのは。だから、そういう点はちょっと反省して前に進めてもらわないと、こっちは国際金融センターとか色々なものを先駆けてやろうとしているので。まあ、しかし、国とそういう細かい点で諍いをやっていてもしようがないので、先に進むことは良いことなので、これは是非少し急いでくださいということは申し上げようと思っています。
【記者】東京新聞の北爪です。先日ですね、アーチェリーの五輪メダリストの山本博さんが未成年者に対して飲酒をさせたという事案がありましたけれども、山本さんは4月に東京都の体育協会の会長に就任されました。知事はその名誉会長を務めてらっしゃいますけれども、今回の件に関してどのように受けとめられて、さらに体育協会のほうでの影響というのをどんなふうに見ていらっしゃるかというのをちょっと教えていただければと思います。
【知事】その件はよく報道がありましたので存じ上げております。未成年に飲酒を勧めるというのは決してよろしくないことなので、それはきちんと反省していただきたいと思います。
その上で、あれだけしっかりと、中年の星として頑張ってこられた方なので、そのことだけで全ての役職を解いてということでもないと思いますので、今検討していますけれども、きちんと反省をしていただいて、今後とも日本の、そしてまた東京のスポーツの振興のために頑張ってもらいたいというのが今の私の心境です。
【記者】朝日新聞の別宮です。すいません、訪韓の関係で、ソウルの訪問の関係なんですけれども、前回、北京に行かれたときはですね、政府、共産党の政府、共産党の要人と会った時に、知事はですね、安倍首相の想いというのを伝えたというふうにおっしゃってたと思うんですが、今回も官邸に2回行かれてますよね、少なくとも。
首相とは、安倍首相とはこの訪韓の関係に関してお話をされていると思うんですが、先ほどおっしゃられたハイクラスの韓国政府の要人と会った場合は、安倍首相の想いをですね、何がしか伝える用意というのは、知事にはございますでしょうか。
【知事】それは当然お伝えします。そして、そういうふうに総理からもお願いされております。細かい内容は別として、大まかなことを言えば、それは総理も日韓関係を改善したいと、そういう思いであるということをしっかりとお伝えしていただきたいということなので、それは承りましたと。
ですから、韓国政府の高官の方が私に会うということであれば、その総理の思いはきちんとお伝えする。そしてまた、戻ってきましたら、その報告もきちんと官邸に対してはやりたいと思っています。
【記者】ちなみに、訪中されたことで、先ほどもおっしゃられた、前の会見でもおっしゃられてましたが、地方間の、地方間の交流というのが始まったと、盛んになり始めたというお話をされてますけれども、日韓関係もですね、舛添都知事が行かれてそういうお話をすることでですね、地方都市間の交流というのがですね、盛んになるというふうに期待されてたり思われたりするんでしょうか。
【知事】まず、北京のほうについて言うと、私が行ったから云々というより、結果的にそうだったのですけども、あの時に、副総理の汪洋さんと話をしました。その背後はもちろん習近平主席の指示であるわけですけれども、少なくとも自治体間の交流は是非再開したいのであると。そしてもっとわかりやすい言葉で言うと政経分離、政治はなかなか難しい、しかし、経済であるとか、民間であるとか、文化であるとか、こういうことはやりたいと。
それに際しては、都知事が来られたので、これを機に一気に水門を開けると、そういうようなことをおっしゃってたので、それが今、実現をしていると思います。
韓国訪問、ソウル訪問については、そういうメッセージが韓国から来てるわけではありません。ですから、お会いしてみて、お話をしないと、例えば私のソウルへの訪問がどういう成果になるか、これはやってみないとわかりませんので、そこは過剰に期待したりとかいうことも慎まないといけないと思いますけども、少なくとも私が感じている限りにおいては、このままの状態の日韓関係で良いとは、決して韓国側も思っていないと思いますので。そうでなければ、あれほど批判をしている安倍総理の所に、私の後すぐ、韓国メディアが表敬に来るはずがないですね。ですから、それから政府レベルでも、日韓の局長級の会議が、私の滞在中にたまたま軌を一にして行われます。ですから、幾つかの良い兆しは見えていると思いますから、そういうのが総合的に良い方向に向かえば良い思っていますので、そのためにできるだけのことはやりたいと思っています。
以上
(テキスト版文責 政策企画局調整部政策課)