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舛添前知事「知事の部屋」

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記者会見

平成26年5月23日更新

舛添知事定例記者会見
平成26年5月23日(金曜)
15時00分~15時39分

知事冒頭発言

1 「東京の総合的な交通政策のあり方検討会」などの設置について

【知事】まず、第1点ですけれども、新たな検討会とタスクフォースを立ち上げることといたしましたので、お知らせいたします。3つほどあります。
 まず第1が、5月30日に「東京の総合的な交通政策のあり方検討会」を立ち上げます。東京では世界に類を見ない高密度で安全な鉄道ネットワークが形成されておりますけれども、バスなど他の交通機関と有機的に関連するという発想は不足していると思います。また、駅のバリアフリー化や外国人旅行者に向けた多言語表記なども不十分であります。環境に優しい交通手段である自転車もまだ十分に活用されておりません。検討会では、2020年のオリンピック・パラリンピックを契機としつつ、その先も見据えながら、誰もが使いやすい交通体系のあり方を取りまとめていきたいと思っております。
 2番目の検討会ですが、6月3日に「東京都再生可能エネルギー拡大検討会」を立ち上げます。東京は電力の大消費地として一層の省エネ、節電を進めるとともに、再生可能エネルギーの拡大に努めていることが重要であります。このため、再生可能エネルギーの電力に占める利用割合を20%程度まで高めることを目指し、都内外での導入拡大に向けた具体策のほか、植物ですね、藻の活用のような新技術の開発促進など、多角的な取り組みについて検討をいたします。
 午前中は下水道局の作業服に着がえまして、下水道に入ってみたり、水の再生処理センターを見てきましたけれども、例えば、下水の処理の過程で発生するメタンガス、それから放水するときの水の段差を使った発電、小規模な発電、こういうのでかなりの規模のエネルギーを生み出しております。まさに東京都民が自ら生み出すエネルギーであるんで、これを2割まで、全体の2割まで高めるっていうのが私の政策でありますし、先般、東北地方で官民のファンドをつくるというのも、その一環でありますんで、今日の視察などとともにですね、その取り組みを進めていくということでやりたいと思ってます。
 そして、今申し上げました交通と再生エネルギーのこの2つの検討会におきましては、専門家である委員に加えまして、民間事業者や学識経験者などからも幅広く意見を伺いたいと思っております。第1回目の会議には私自身も出席し、議論に参加したいと思います。会議の検討結果は、年末にまとめます「東京都長期ビジョン」に反映していく予定であります。
 3番目の検討会ですが、「東京国際金融センター」の実現を目指して、その検討に当たるタスクフォースの会議を、第1回会議をこの29日に開催します。「東京国際金融センター」のタスクフォースです。金融業界の優秀な人材の能力が生かされていないと、また革新的な金融商品の開発も進まない中で、国際的な金融機関は、東京からシンガポールや香港といったアジア諸都市に移動してしまっております。その拠点を移してしまっているんで、これを東京に取り戻したいという狙いであります。東京をニューヨークのウォール街や、ロンドンのザ・シティーと並ぶ国際的な金融拠点として復活させるためには、金融業界を取り巻く課題を浮き彫りにして、東京都が先頭に立って改革の声を上げる必要があると。
 先週、日本橋地域を視察しましたけども、例えばここは伝統的に金融業界が集まってるところですから、ここでそういう取り組みをしたいと思っております。
 このため、タスクフォースでは、私も出席して、銀行、証券、保険など、金融関連業界からヒアリングを行いまして現場の声を取りまとめたいと思っております。「東京国際金融センター」実現に向けた国への提言や、東京都が取り組むべき課題などを明確にしていきたいと思います。詳細につきましては、この後、担当各局から説明をさせます。

2 「政策企画局」の設置について

【知事】 続きまして、次のテーマですけれども、これは都庁改革についてお話を申し上げます。都庁改革の第二弾としまして、知事本局を廃止します。そして、新たに「政策企画局」を設置することにいたします。その考え方でありますけれども、既に私のトップマネジメントを支える体制として補佐官を設置いたしました。一方で、知事本局はトップマネジメント組織であるはずでありますけども、私が見るところ、歴代の知事の関心事項が寄せ集まり、単なる作業部隊になってしまっております。また複数局にまたがるというだけで、知事本局の所管になっている業務も多いわけであります。今のままでは参謀本部としての体をなしていない。そこで、知事本局を廃止して「政策企画局」を新たに設置いたします。新しい組織は、先日導入した補佐官とともに私の仕事のスピードについて来られるように、頭脳集団に機能を純化させようと思っております。
 東京のさまざまな課題を各局が責任を持って所管してもらうのが私の基本的な考えでありまして、各局はそれぞれの現場を司り、しっかりと業務を遂行してもらいたいと思います。機能純化に伴い、知事本局から受け継ぐ業務について各局はそれぞれ頑張ってほしいと思っております。
 「政策企画局」の新設を単なる組織改正に止めることなく、新しい組織風土を根付かしていく試みとしたいと思ってます。これからは補佐官をいわば連絡将校係にして、知事と現場を抱える各局とが直接つながって徹底的に議論をして政策を練り上げていきたいと、各局にはどんどんアイデアを出して結果を出してもらいたいと思っております。自らの所管事項は当然のこと、これまで担当しないから自分には関係ないと、そういう態度であったことは改めないといけないと。自発的・主体的な、関係局と協力を主体的にですね、関連の局と協力して、今までにない新たな政策を生み出す、守りの姿勢から攻めの姿勢に転じてもらいたいというふうに思っております。都民のために新しい仕事に積極的にチャレンジする都庁に変えていきたいと思っております。
 補佐官の発令と合わせまして、「政策企画局」の設置によりまして、とりあえず先般から申し上げてますように、都内をゆっくり運転するんじゃなくて高速道路に出ますから、高速運転できる体制を整えたいと思ってます。で、やってみて、やっぱりどうもこの車はアクセル踏んでもまだ加速の能力がないっていうなら、またそこで変えないといけない。横ぶれして振動が多過ぎるというなら、それも整えないといけない。走りながら見直していきたいというふうに思っております。
 このために必要な東京都組織条例の改正を第二回定例会で議会にお願いしたいと思ってます。条例改正の議決をいただければ、来る7月人事に合わせて「政策企画局」を発足させたいと思っております。詳細につきましては総務局に聞いていただきたいと思います。

3 ショートショートフィルムフェスティバル&アジア2014について

【知事】3点目のテーマであります。これは「ショートショートフィルムフェスティバル&アジア2014」についてであります。先ほど「ショートショートフィルムフェスティバル&アジア2014」実行委員会代表で俳優であります別所哲也氏の訪問を受けました。このフェスティバルは、東京都が平成16年から共催する短編映画の映画祭でありまして、5月29日から原宿・表参道等において開催されます。
 今年は東京の魅力を発信するため、東京ショートフィルムプロジェクトとして、過去にこの映画祭で優秀賞を受賞した世界各国の監督に、東京を舞台とした15分程度の短編映画、3つありますけど、「Tokyo Symphony」、「Transit Visuals」、「A Soccer Story」を作っていただきました。それぞれ東京の魅力を美しい映像とストーリーで描いた作品に仕上がっております。私、見ましたけど、大変いい出来になっていると思います。
 今後、これら3つの短編映画を、他の映画祭での上映や観光プロモーションなどで活用していきたいと思っています。詳しくは産業労働局に聞いていただきたいと思います。ぜひとも多くの皆さんにご来場いただきまして、映画祭を盛り上げていただきたいと思います。
(プレス発表資料は、こちらをご覧ください。)

質疑応答

【記者】読売新聞の木下です。2点、まず1点目は政策企画局なんですけれども、これ、今イメージとしては、特定のテーマを扱っている部をほかの担当局に移してですね、スリム化するというようなイメージでよろしいんですかね。もしそうであれば、例えば人数的なボリュームはどう変わるですとか、それがもしおわかりになればというのと、あとタスクフォースの関係で、東京国際金融センターの関係なんですけども、これは戦略特区の追加提案に向けたものというふうに理解してよろしいんだと思うんですけども、いつぐらいまでにこのタスクフォースの中で意見をまとめていくのかという、そのスケジュール観を教えてください。

【知事】第1点の政策企画局ですけど、現在270人ばかりスタッフがおりますけども、約200人にスリム化します。例えば尖閣の問題であるとか横田基地の問題とか、さまざまな、これまで歴代の知事が知事本局に抱えてきた問題、それぞれ現場で社会保障は社会保障をやるところがある。交通は交通やるところがありますからそこでしっかりやって、これは政策をつくる頭脳集団に変えると、そういうイメージであります。
 国際金融センターはですね、特区の新たな提案と見ても構いませんし、もうそういうことより、東京を世界一にするために、これまで社会保障でも防災でも、いろんな分野、芸術でも言ってまいりましたけれども、経済もやっぱり世界一にしたいと。その中で、経済の1つの大きな柱である金融についても世界一にしたいと、そういう流れの中でやると。
 そして、おそらく現場の人の意見を聞いて、これとこれをやりたいという。規制が邪魔しているということであれば、それは国家の法律であれば国会で法律を変えてもらうと。しかし、それに2年も3年も、なかなか、今回の国会にしても、厚生労働省は法案間違ったものを出したりして1日ずれたりすると、もう会期延長しないなら、もう1つ他の法案が通らなくなるという。こういうようなことがありますから、国会で全て全部通ると限らないので、時間かかって、せっかくこっちが要求したことが国会で2年も3年もかかるならば、その間は、特区として東京に先行的にやらせていただきたいと、そういう方向でいきたいというふうに思ってます。

【記者】日本経済新聞の舘野です。政策企画局について伺います。補佐官を先日設置されまして、そのときにこの制度を動かしてみて、足りなければ何かあればさらに次の手をということでしたけども、補佐官制度を始めてみてそれでもまだ足りないと感じてこういうことに至ったのか、あるいは、もともと問題意識があってこのタイミングだったのか、その辺の経緯を。

【知事】先ほど申し上げましたように、十全に本来の機能を果たしていないということを、つまり、私が一番接する機会が多いのは知事本局なわけですよ。当たり前のことですけど、私を支える部隊ですから。そうすると、3カ月も仕事をしてみると何が足らないかわかる。何が足らないかわかるから、その政策企画局ということの発表を今日いたしましたけども、そこに至るファーストステップとして補佐官を入れたということで、補佐官を入れたくて入れたわけじゃなくて、要するに、知事がやりたい仕事を都庁の職員全体でしっかり把握して、そして各部局と知事との間の風通しをよくすると、そういうこと。そして、各部局が現場で何とか局、何とか局という、それぞれ、交通局がやる、都市整備局がやる仕事まで頭脳集団であるところが抱える必要はありませんで、こちらは政策立案と指示を与える組織なわけですから。そういうことで、余分にぜい肉がついたものをもとに戻すということですから、最終的には政策企画局にするプロセスにおいて補佐官を入れているということです。
 しかし、先ほど言ったように、これはやってみていろいろ問題があればまた走りながら考えるということです。

【記者】フランスジスの及川と申します。5月30日、31日に、パリ市の筆頭助役、副市長が来日されます。クリストフ・ジラールさんという方なんですが、日本に3年間留学なさっていて、大変日本語も堪能でいらっしゃって、私がアテンド役を依頼されて。それで、舛添さんのことを、フランス語もお出来になると伝えたら、ぜひ表敬訪問したいということで、知事本局に問い合わせたらどこがその調整役なのかわからないということなので、舛添さんにご指示をいただければと思います。

【知事】どこが調整役かわからないというのは、質問したあなたが悪いか、答えたほうの知事本局の担当が悪いかのどちらかで。それはきちんと、そういう予定を調整したりするのはあると思いますから、少なくともそういう場合には、できれば文書できちんと私宛てに何の何べえさんが、何月何日どういう目的で来るという正式の依頼書を出していただくと。それによって正式にお答えをすると、その手続きをとっていただければ対応したいと思います。

【記者】時事通信の増渕です。政府税制調査会などが法人実効税率引き下げに関連しまして、地方法人課税における外形標準課税の拡大というものを検討しています。
 この外形課税というのは、行政サービスの受益に応じて薄く広く課税するということができる一方で、赤字企業ですとか中小企業ですとか、そういったところの負担が増えるというような場合もあります。知事は、この外形課税の拡大についてどのようなお考えをお持ちでしょうか。

【知事】外形標準課税は今、増渕さん説明されたような目的はあるわけですから、そういう方向に、その方向については私は賛成なので、基本的にですね。外形標準課税は拡大する方向に行くべきであるというのは、1つは、まさに例えば東京都のサービスを受益しているわけですから。要するに、利益が上がったかどうかと黒字か赤字かということだけで見ると、赤字だとそういうものは払わないでいいということになればですね、法人住民税、法人事業税、こういうことを含めて都の大きな財源になっているので、これに欠陥が生ずると、そういうことですから、少なくとも会社を構えて従業員を何人か持って、設備を持ってやっているということについては、それは当然、東京都のサービスを使ってるわけですから、外形標準でやっていただきたいなと。
 それから、もう1つはですね、企業の効率性を高める改革にも実は資するわけですよ。つまり、20人も従業員がいますよと、そして全くもうけが出てない、何やってるんですかと。ただ、もう1つの会社は10人しか従業員いない、同じような業種で何千万も稼いでいる。どこが違うんですかと。それはやっぱり、経営者として、同じようなことをやっていてそれだけ差ができるなら、やっぱり失敗だと思いますよ。
 そうするとですね、せめて20人をそのままにしておけば、外形標準課税で従業員何人いますからと。あんなだだっ広い敷地持って向こうの会社は半分の敷地で同じことをやって利益が上がっているじゃないですかというと、経営者に対して外圧になって、経営者が会社をガバナンスをよくするインセンティブになるんで、私はそういう方向の解決策はあり得ていいと思っております。
 特に、今言ったような問題についても確かにですね、いろいろ特に中小企業についてはきつい面がありますから、それを今から詳細に救わないといけないところは救うような形での解決策は必要だと思いますけれども、資本金が1億円以上のところについてはどんどんやっていいじゃないかなというふうに思ってます。だから、私が言っている受益に対して払うということと、会社自身をよみがえらせると、そういう2つの目的でもって正しく運用されるのならば、外形標準課税の拡大は私は賛成ですと。

【記者】東京MXテレビの朝倉です。昨日、韓国の大使にお会いになりまして、統一選後のできるだけ早い時期のソウル訪問をお約束されたと思うんですが、今回のソウルとの都市外交の問題意識というのはどこにあるのか、できるだけ早く訪問すべきと考えるその理由をお聞かせください。

【知事】友好姉妹都市というのは、パリもそうだし、ニューヨークもそうだし、世界中にたくさんあります。しかし、何といってもやっぱり、近隣での外交というのは非常に重要であって、そのためにこの前も北京に行ってきました。ソウルというのは姉妹都市であるのみならず、アジネットのメンバーでもあると、両方兼ねているわけです。そこと、北京ほど疎遠ではないけれども、あまり国と国の関係がぎくしゃくしているがために、都市と都市の関係まで影響を及ぼされて、あまり活発じゃないというのは非常によろしくないというふうに思っております。
 ただ、6月に選挙がありますから、今、地方選挙で韓国非常に大変な時期になっているんで、これが終わってから先方が落ちついて、どなたが首相になろうともというふうに思ってますが。やはり、中国、韓国、隣の国ですから、この国と、つまり東京、ソウル、北京、これが親しくしてやっていくというのは非常に重要でありますし、ソウルに対しても北京のアジネットへの復帰をお願いしたいと、そういうこともあります。
 そして、大変残念なああいうフェリーの事故があって多くの人命が亡くなられてて、私も弔問に参りましたけれども、韓国の皆さん方も日本の報道なんかよく見られてて、同じ事故が日本で起こったら、船長さんが先に逃げるっていうのはなくて、助かったんじゃないかっていう、そういう思いがあるんですね。
 それで、ソウルの消防の方々は東京に来て一緒に防災訓練をやってますから、今度、海洋警察も朴槿恵大統領は改組をするというようなことをおっしゃってるんで。そういう中で先般、立川に行って警視庁、自衛隊、それから消防庁、これの訓練を見てきましたけど、極めてすばらしい能力を皆様、ご覧いただいたように持ってますから、ぜひですね、こういうものも、我々が協力できることはやっていくと。
 そして、もちろん私たちが韓国、ソウルから学ぶこともたくさんあると思います。そういう意味で、やっぱり近くて、これだけぎくしゃくするというのはいかがなものかと思いますので、私はできるだけ早く北京に続いてソウルに行って、そして関係をよくしたいんで、選挙結果後、また李丙琪(イ・ビョンギ)大使にはご相談しますんで、そのときにはよろしくと、そういうことを言っときました。よろしいでしょうか。

【記者】TBSテレビの高橋と申します。国立競技場についてお伺いしたいのですが、先日ですね、建築家の伊東さんが、現競技場を維持改修する代替案というのを出されたんですけれども、現在で再考の余地はあるとお考えになるか。
 あと、もう1点は、五輪後の利用を見据えた際に現行案をどのように考えてらっしゃるか、ちょっとお伺いしたい。

【知事】私自身はかなりの数の競技施設は自ら検討しました。この前はFC東京のサッカーに行きましたけども、そういう、施設としてどう検討するかという観点から、きちんと新国立競技場乃至その周辺の地域についてはまだ完全に視察をしておりません。まず、それをやりたいと思っています。
 その上で、しかしながら、8万人収容するということが招致の条件ですから、そこをどう守っていくのかと。一案は5万人ぐらいをパーマネントにして、8万人は取り外し可能なというような案もありますけど、それでコスト的にいいのかどうなのか。この点は、先般、北京に行ったときも、あそこは9万人、日本より人口が10倍ありますから、集めるのはもっと簡単でしょうけども、どういうイベントをやるのか。そういうことを含めて、のんびり時間かけてやれる問題ではありませんけれども、いろんな案も含めて検討してみて。しかし、これは基本的には組織委員会、森さんが会長の組織委員会と、IOCとの間できちんと決めて、誘致のときの条件でもありますから、そう簡単に変えられるという代物でもないと思います。
 しかし、何らかのことができるかどうか、周辺の開発とか、周辺の競技施設とともに見てみたいというふうに思ってますんで、早急にこれはやらんといかんと思いつつ、まだまだそこまで行き着かないというのが今の状況です。

【記者】朝日新聞の別宮です。鉄道、交通体系を考える部会、タスクフォースをつくられるというお話でしたが、これ、例えば、地下鉄8号線とかですね、蒲蒲線とか、つくるかつくらないかという大きな課題を抱えている部分もあります。そういう中で、知事、先ほど、バスとの有機的な連携というお話されましたが、この検討会はですね、そういうバスとの連携の話とか、複雑な交通体系のあり方を考えるものになるのか、それとも、どの鉄道、どういうラインをつくるとかつくらないとか、そういうところまで踏み込んで議論することになるのか、どういう方向性になるんでしょうか。

【知事】両方入っていいと思ってます。だから、例えば蒲蒲線の問題にしても、あれ、早くつないだほうがいいよという意見と、いや、十分バスで代替できますよという意見がありますね。そうすると、今のバスの話も入るし、延伸というか、新しい建設の話もあります。
 たまたまバスということをさっき申し上げたけれども、空路、羽田空港や成田との関係をどうするかとか、そういうこともあるんで。鉄路というのは、モノレールを含めてありますね。ゆりかもめなんかも含めてあるんで、もちろん地下鉄もあります。それから、バスもあるし、道路交通、普通のマイカーというか、車もあります。トラックもあります。そして自転車もあるんで、こういうものをどういうふうにやるか。
 個々人の立場に立っても、私のような今の立場だったら、ぶらっと勝手に自転車で行ったら、行くような自由がないですけども。そうじゃなければ、ここまでだったら自転車に乗って行って買い物まで行きましょう。ここからはバスに乗りましょう。しかし、今日は家族みんなで行くから、自分のところのマイカーで行って、スーパーマーケットの駐車場にとめましょうとか。つまり、個人にとって、ものすごい使い勝手のいい選択肢がいっぱいあるというのが非常にいいわけで。例えば、今から羽田にみんなで行きましょうといったときに、どういうルートを通りますかと。
 車とかバスというのはあり得るけども、鉄路だけで行きなさいといったときに、仮にモノレールがストップしたらどうしますかと。品川まで出て、鉄道使いましょうかというのは、いろいろありますね。そういうときの、当たり前のことなんですけど、個人で考えたときに、何分かかって、運賃が幾らかかって、どれが一番効率よくて、荷物持ってるときはバスのほうが楽だとかあるんで。そういうのをパッケージ的に考える発想がなくて、モノレールをつくる人はつくる人、バスつくる人はつくる人、だけど、利用者の立場に立ったら、もっと有機的に連携してくれないかなという思いがあるものですから、そういう思いでやりますけども、今、具体的な、どの路線を延伸するとかいうようなことも当然検討課題に入ると思います。

【記者】知事自身はですね、地下鉄8号線と、蒲蒲線に対する、建設の是非については今どのようにお考え……。

【知事】さまざま、既に聞いてますけどもまだ現場を歩いてません。今日、下水管の中に潜ったように、現場を歩いて、しっかり自分の目と足で見て決めたいと思っています。

【記者】キューバの国営グランマー通信社の日本特派員をやっている稲村と申します。尖閣諸島調整などというのが、他の局に所管が移動するということですが、どの局に移動するのでしょうか。
 それから尖閣ですが、今や日中双方が領有権を主張して、日本にとっては国難の1つになっていますが、どんな問題がまだ、東京都には調整すべき問題が残っているんでしょうか。

【知事】今のところ、細かい点は、これは後ほど担当のほうに、総務局のほうに聞いてもらいたいと思いますけれども、どこにということは。それは今からの作業で移していきたいというふうに思っております。
 そして、尖閣、日中どうするかというのは、これはあくまで国の外交安全保障政策であって、私たちにとっての課題は、寄付金としていただいた14億円の基金をどう処理するかという問題のみであります。
 それを今、社会保障から交通体系からオリンピックからパラリンピックから、山ほど課題があるときに、知事の直属のもとでそのことをやることにいかばかりの意味があるのかということで、そういうことをスリムにしていくということです。

【記者】新宿区新聞の喜田です。先ほど、再生エネルギー20%ということが言われましたけれども、これは例えば原発の再稼働が開始された場合には、この20%、必要ないんじゃないかというふうな考え方も当然出てくるわけですが、これの前提、なぜ20%になるのか、30%になぜしないのか、その辺の考え方をちょっとお聞きしたいなと思って。

【知事】できればぜひ喜田さんにも私の視察に一緒についてきていただければ大変ありがたいと思います。まさに今日はそういうことのご説明を申し上げたんですけれどもつまり、6%なんです、今、全体の東京のエネルギーで再生可能エネルギー使ってるのは。これはあまりに少な過ぎると。だから、脱原発ということを言うのならば、自らやらないといけない。福島で原発再開してもらって、そこからもらえばいいじゃないかというような話ではないだろうと。じゃ、東京のど真ん中で原発やるんですかと。そしたらやっぱり省エネとともに東京都民も努力しなきゃだめでしょうと。その努力してるところはすぐ思いつかないかもしれないけども、下水道局のそれをまさにやってる現場を見てきたわけです。下水道局の森ヶ崎の水の再生センターはメタンガスが出ますから、東京都民の流した家庭排水なんかから出てくるわけです。それ使って、2000万キロワットというすごい電力を1年間に生み出して、それは水再生センターの2割をそれだけで負担して、それだけで占めてるわけです。
 それから、滝のように水が落ちると水力発電できますね。これで80万キロワットができてる。太陽光発電で100万キロワットができてる。そうすると、20%プラス0.8%プラス1%ですから、21.8%を自分のところの汚水や太陽光を使って、あのセンターは既に実現してるんで。あそこの水再生センターのようなことを東京全体がやれば、原発があろうがなかろうが、再生されようがどうしようが、そんなことではなくて、むしろそういう努力をするべきであると。そして東京オリンピック・パラリンピックまでにはそこまで大胆にやりましょうと。
 ですから一見、何、水道局が電気を生み出すの? というふうに思われるかもしれないけど、ほかの局も、それは産業労働局が電気というのはすぐ思うかもしれないけども、まさに下水道局が電気を生み出してるんですよというようなことで、2020年までには何とか20%までいきたいんで、省エネ、節電やるとともに今言ったようなことをやってもらいたいということであります。
 ですから、原発が、それは要するに、もう福島含めてですよ、私はあり得ないと思いますけど、福島を含めて2020年まで日本全国でどんどん原発が稼働して動いてると、そういうことを前提にすれば、それは比率は変わってくるでしょう。しかし、原発があったときから、それぐらいの比率で、原発が今ないわけですから、その電力を使わなければなおさらもっとこの比率を高めていいんじゃないですかという問題意識ですから、数字は細かく変わりますけど、努力目標としてそれをやっていきたいと、そういうことです。

【記者】毎日新聞の武本です。先般ですね、横浜地裁で厚木基地の騒音訴訟でですね、自衛隊機の夜間飛行差しとめの判決が言い渡されましたが、東京にも横田基地があることを踏まえてですね、先般の判決、知事、どう受けとめてらっしゃるか伺いたいんですが。

【知事】三権分立ですから、司法がどういうというのは、私も行政の一員として、それをとやかく良い悪いということが言える立場ではありません。三権分立はしっかり守っていきたいと思っております。
 その上で、基本的には基地や日米安全保障条約の問題を含めて、国のやっぱり専管事項でありますから、国家が国の外交政策、安全保障政策を司ると。ですからそれは既に官房長官を含めておっしゃってるように、国としての政策をどう遂行するかということであります。
 東京都民の生命と財産を守る立場にある東京都知事としては、毎回それは厳重に抗議しておりますけど。例えば東京都の上空を飛ぶ米軍機や自衛隊機が部品を落としたと、これでけがをする人が出たり、おうちの瓦が壊れたりと、そういうことがあったら絶対いけませんので、そういうことがあったときは、もう必ず厳重に都知事名で抗議を繰り返しておりますんで、それは今後とも続けていきたいというふうに思ってます。私のほうから言えることはそういうことです。

【記者】時事通信と申します。よろしくお願いします。先ほどの再生可能エネルギーの検討委についてなんですが、先日立ち上げたばかりの水素社会実現の検討委との関係はどういう感じになるのか教えてください。

【知事】水素社会は水素社会でやります。これは要するに、例えばFCVという自動車をどうするかと、水素ステーションをどうするかと、もう具体的に2020年、30年を目指して実用化していく話であるわけです。
 しかし、再生エネルギーは、例えば東北のこの前の官民ファンドのようにですね、どういうファンドをつくってやっていくんだろうかということもあるんで、全体の再生エネルギーという大きなスキームをつくっていく。しかし特出しして、もうその水素というものは、もうこれは1個だけ特別に扱ってもいいぐらいの大きなテーマなのでそういうことをやっている。しかも専門家が、もうその分野の専門家と業者というか、民間業者も集積していますから、これはもう既に動けると思います。そういう違いです。オーバーラップするとこも当然、部分的には出てくると思います。

【記者】文化放送の高橋民夫です。毎日、東奔西走、ほんとにご苦労さまです。最後にちょっと角度変えますが、今、大相撲が東京場所、行われておりまして、東京都知事として初めて、千秋楽を迎えるわけなんですが、東京都知事杯を渡す役割もあると思うんですが、ご出席をされますか。それで自分で渡すことを考えていますか。

【知事】はい、今のところ出席をして、私の手で優勝力士に渡すつもりでおります。先般、満員御礼が出たんで、十何年ぶりでしょうか、大変うれしく思っています。景気もよくなったんだろうというふうに思うし、私も相撲も大好きなんで、新しいそういう時代の中で、相撲はね、もっともっと盛んになってもらいたいと思います。
 モンゴル出身の方が多い中で、日本人も頑張ってますんで、喜んで千秋楽には知事賞授与のために行きたいと思っています。これは参ります。

【記者】かなり腰に来ると思いますけども。

【知事】そのときは、相撲取りさん周りにいっぱいいますから、重ければ誰か支えてくれると思いますんで、それは大丈夫だと思います。

以上
(テキスト版文責 知事本局政策部政策課)


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