
舛添知事記者会見
平成26年4月15日(火曜)
15時00分~15時20分
知事冒頭発言
1 北京への出張について
【知事】4月24日から4月26日まで、中国・北京へ出張いたしますので、お知らせいたします。今回の訪問は、北京市から招待を受けたものでありまして、王安順北京市長にお会いする予定であります。北京市長からの招待で東京都知事が北京市を訪問するのは、1996年の青島知事以来、18年ぶりとなります。市長と直接意見交換を行うことで、北京市との関係強化に向けた第一歩としたいと考えております。特にPM2.5など大気汚染対策や医療分野の改革、介護保険制度など、社会保障制度などに対する協力について意見交換をしたいと考えております。
また、2020年にオリンピック・パラリンピックを開催する東京都としても、2008年の北京オリンピックについて、開催都市としての経験を聞かせてもらいたいと思っております。このほか、北京市民に向けての講演なども行いたいと考えております。
具体的な日程につきましては、現在、北京市と詰めているところであります。詳細につきましては、決まり次第、報道官から説明をいたします。
質疑応答
【記者】日経新聞の高岡です。この期間にお会いになられる方、他に決まってらっしゃる方がいらっしゃれば、教えていただきたいんですが。
【知事】今のところ、まだ決まっておりません。北京市長は当然、北京市長がご招待してくださっているんで、王安順市長とはお会いしますけど、そのほかは今から詳細を詰めるということで、まだ具体的な名前は出ておりません。
【記者】北京市長とお会いされる日時というか、それは具体的に決まってらっしゃる。
【知事】それも今、細かい詰めを行っているとこです。決まり次第、報道官から知らせます。
【記者】東京MXの朝倉です。2008年北京オリンピックの開催都市としての経験を聞きたいということなんですけれども、具体的に、どういうところに問題意識を持っていらっしゃるのかということをお伺いしたいと思います。
【知事】テロ対策、こういう問題ですね。それから、やっぱり東京都としても、さまざまな競技施設や選手村を建設しないといけないですから、そういうことについてもお伺いしたい。先般ソチに行って、ボランティアの通訳どうだったかというようなことも見てきましたんで、行って、できれば現実に市長さんから細かい点、こういう苦労があったとか、オリンピックを2008年担当した担当の方から、こういうところは難しかったとか、同じアジアの国として、その経験からいろいろ学びたいと思ってますので、こちらは虚心坦懐に向こうの経験を聞きたいと、そんな感じです。
【記者】読売新聞の木下です。まだ詰めていない話かもしれませんけれども、以前、知事、アジネットの関係で、会見の中で、一遍北京のほうは出たのに、そう簡単に帰れるかと。どういう条件なら帰れるんですか。また、ほかの都市でも、どういう条件なら帰ってくるのを許していいのかというようなお話を事務的に詰めていかなきゃいけないとおっしゃっていたんですけども、その辺、今の段階で何か進んでいるものはあるんでしょうか。
【知事】まだ、細かい詰めは行っていませんけども、当然そういうことも俎上に上ることはあり得ると思っております。
【記者】朝日新聞後藤です。北京市からの招待状は、いつ、どのような形で届いたんでしょうか。あと、そのやりとり、どういったやりとりがあったのか教えてください。
【知事】先ほど、届きました。つい何時間か前です。とにかく北京を訪問するようにお招きしますということなんで、あとは細かく事務方と詰めましょうと、そういう内容です。
【記者】知事はもともと、中国に旧知の方いっぱいいらっしゃるとおっしゃっていましたが、そういうルートから交渉を進めていたんでしょうか。
【知事】そういうことについては、明確にしないほうがいいと思っております。
【記者】確認で、今日の午前中に届いたということでよろしいですか。
【知事】そうです、そうです。お昼前と言っていいと思います。
【記者】今回の知事の訪問について、定例の会見とかではなくて、このように緊急で会見を開かれて発表されたことの意図を教えてください。
【知事】定例の18日まで待っていいですよ、あなたが待てって言うんだったら。早いほうがいいでしょ。
【記者】もちろん早いほうがいいんですけれども、知事なりにどういった意図があったのか、改めて教えていただきたいと思います。
【知事】重大な決定を行ったときには、私は皆さん方の便宜のためにも、直ちに会見をいたします。それに尽きる。そりゃ、明日視察しますね。明日視察して、そのときのぶら下がりで言ってもいいし、定例でしか言うなっていうんだったら、定例まで待っていいんだけれども、一番困るのは記者の皆さんですよ。随行してくるのに、ビザ取らないといけないでしょ。社内の手続きやらないといけないでしょ。一日も早いほうがいいでしょ。ということを考えて、それが私の意図です。
【記者】時事通信の増渕です。中国との関係をめぐりましては、今、尖閣諸島などの問題に関連して、国と国同士では関係が難しい状態にあると思うんですけれども、今回の知事の訪問をきっかけにそういったものを改善する意欲、おつもりはあるでしょうか。
【知事】外交や安全保障は国の専管事項であって、私の権能の及ぶところではございません。自分の権能のないことまでやるほど傲慢ではございません。その上で、しかし、北京市と東京都の間で、いろいろ、2つの、このまちが改善、関係を友好にしていくということは悪いことではないし、PM2.5の問題、社会保障の問題、いろいろ協力できると思いますんで、そういうことを積み重ねていくということは意義あることであって、そのことが結果的に日中関係を少しでもよくするために役に立つならばこれは幸いであると、そういうことです。
【記者】今回の件をめぐりまして、安倍総理はじめ首相官邸と連絡をとりながらやっていますでしょうか。
【知事】そのことについては、私のほうからは答えをしないことにいたします。
【記者】共同通信の小柳と申します。まだお会いする方、決まってないということなんですけれども、例えば、中国の政府の要人の方ですとか、党の幹部の方にお会いしたいというようなご意向は持ってらっしゃるんでしょうか。
【知事】たくさん古い友人がおりますから、例えば、日中友好協会の会長の前の外務大臣の唐家センさん。これは古い友人ですから、おそらく行けば、旧交を温めるということになると思います。それから、前の駐日大使をやられた王毅さん。今、外務大臣、外交部長ですけども、この方は立場がおありですね。外交ですから国の外交を取り仕切っている方ですから、いろいろ、それは政治的なご配慮があると思いますから、私はおそらく外交部長は2つのまちの話し合いに政府が入るべきではないというお考えでしょうから、残念ですけど。おそらく友人としては会いたいんだけれども、そういう立場がおありになるというふうに思います。
それから、李小林さん。李先念さんのお嬢さんですけども、今、中国全体の対外友好協会の会長で、これも非常に古い友人ですから、そういう方で問題、つまり、今申し上げたような、それぞれの役職について、当然、会っていいとか、会っていけないという常識的な判断ができると思いますから。しかし、そういう判断の上で、古い友人がたくさんおられますから、そういう方とお会いすると。それから、また、新しい友人もつくっていきたいと思ってますんで、これは北京市長が、こういう友人がいて、これは政府の高官で、これは今後、東京都のためにも親しくしといてくださいというような方があれば、こちらからはお断りすることではなくて、それは喜んでお会いしますと、そんな感じです。
【記者】日本経済新聞の舘野です。事前の折衝なりもいろいろあったと思うんですけど、今日の午前中に正式に招待状が届いて、即断即決ということにもなろうかと思いますけども、最初のソチを除けば、都知事に就任されて、本格的に訪問する最初の都市が北京ということになろうかと思いますけども、東京都にとっての北京、都知事にとっての北京市長というものを最初に選んだところの理由、その思いというのを改めてお聞かせいただけますでしょうか。
【知事】いろんなところから、都知事就任のお祝いいただいて、北京市の王安順市長からもいただいていて、今回も改めて都知事就任おめでとうって再度来たわけであります。それから、正直言って、友好姉妹都市関係を進めていこうというような内容はたくさん、いろんなところからありますけども、具体的に直接、いらしてくださいという詳細な日程まで含めて申し出てくれたところは北京市だということで、それは友好都市として、そういうお招きに応じるのは当然ですから、私は参りますと、そういうことで一番最初に招待状をくださったところだということです。
【記者】東京新聞の松村です。北京のほうは日程を指定してきたということですけども、何か向こうで、これに出てくれとか、これを見てほしいとか、何かこれを話したいと向こうが意図されているところがあるんでしょうか。
【知事】まだ、それは具体的に何も決まってません。今から詰めます。
【記者】知事が行かれたときに、こちらに逆に来てくださいってお招きはする予定はあるんですか。
【知事】それは会談次第だと思います。行ってからのことです。先方の予定もあるでしょうし、それは今後の検討課題です。今から決められるわけではありません。
【記者】毎日新聞の竹内です。日中関係が緊迫する中で、都知事を中国側が招いたというですね、何かメッセージのようなものは感じられている部分はありますか。
【知事】1つは、私が建国の父である孫文をずっと研究して、孫文に関する伝記は中国語にもなっておりますんで、そういう意味では非常に中国の歴史に精通しているし、建国の父について伝記を書いた人であると。従って、市民に広く、そういう中国の歴史についても語ってもらいたいというようなことがありますんで、おそらく私も、知事であるとともに、当然政治家ですから、いろんな政治家を向こうが招くに当たって、いわば世界一の都市・東京を目指して、その中で文化とか芸術についてもトップにしようと言ってる、そういう点についてじっとご覧になってて、いろんな政治家の中でも、今言ったような理由で舛添要一を呼ぶことは決して問題になることではないというふうにご判断なさったんだろうというふうに思っております。
【記者】何か、両国関係のですね、改善に向けた糸口みたいなものを中国側が抱いているとか、そういうような思いってありますかね。
【知事】いや、そういうような具体的な政治的なメッセージは何もありません。本当にPM2.5なんて行かれるとすごいですから、これは健康被害で、どなたかの新聞に書いてあったように、もう出張する日本人の子供さんたちは、もうとてもじゃないけど北京に住めないということで学童の数がどんどん減っているって、どなたか記事を書いておられましたけど、ああいう状況を見たときにやはり改善するために、東京都の空気はもっといいですから、それをお手伝いすれば、それは必然的に北京・東京関係だけではなくて、日中関係全体に裨益することですから、こういう外交の問題や姉妹友好都市間の問題、国と国との関係は、1つ1つ具体的なプラスの面を積み重ねていくということが、最終的にマイナスの面を減らして全体を友好の方向に持っていくということにつながるというふうに思ってますから、私は、そういう方向で努力をしたいと思いますし、おそらく北京市の王安順市長も同じ考えだろうというふうに思っております。
【記者】朝日新聞の別宮と申します。すいません。先ほど、お話をしないということだったんですけれども、先日、総理と官房長官と3者で会われたときに、可能な範囲で結構なんですけれども、中国に関するお話を知事のほうからされていたのか、されていなかったのか。
【知事】官房長官や総理とは、いろんな機会にお会いしたり、お話をしたりする機会がありますが、全て会談の内容を皆さん方にお知らせするわけにはいきません。ただ、少なくとも、私が今申し上げられることは、日本国政府としても、東京都知事が北京市を訪れることに反対するものではないというふうに思っておられると考えています。
【記者】あと、もう1点、すいません。都議会の自民党の中にはですね、中国に対する、いろんな感情を持っている人たちがいるわけですけれども、議会側、都議会側への説明というのは、これはもう既にされているのか、あるいは今後されるのか。
【知事】都議会の先生方とは、常に、特に自民党、公明党、与党の皆さん方とは一緒に食事をしたり、しょっちゅうお会いする機会がありますから、中国との関係が非常によくない、特に、北京市と東京はもっと関係をよくしないといけないというふうに私は考えてますよということで、そういうお話はしてあります。当然、今回の北京への出張についてもご理解いただけるものと思っております。とりたてて絶対行くなというような声は、これまでのところ聞いておりません。
【記者】NHKです。これまでですね、知事、北京のメーンスタジアムの跡地利用について言及されてますけども、実際に訪問するとか、そういう意向はおありでしょうか。
【知事】時間がわずか2日半ですから、実質2日しかありませんですから、どれだけ見れるかわかりませんですけれども、できるだけのものは見たいと思ってます。しかし、基本的にこっちがリクエスト出しても、最終的に北京市のほうでさまざまな日程を最終的にはお組みになりますから、それまでの時間があるかどうかわかりません。ただ、オリンピック関連のものをいろいろ視察したり、意見を聞かせてくれということは申し上げてはおります。
【記者】読売新聞の吉良と申します。先ほど、知事がPM2.5のことをお話しになられたんですけれども、東京は大気汚染を克服してきた歴史があってですね、東京として北京市に対して、どういうふうなご協力ができるとお考えでしょうか。
【知事】最近の交流事業の中でもですね、昨年の10月に、東京都・北京市大気保全ワークショップというのを東京で開催してます。そのときに、北京市の環境保護局から6名ぐらい参加してますし、自動車の排ガス対策などの説明もしているし、それから、東京都環境科学研究所の視察もいただいております。そういうことをさらに積み重ねていってやるということですので、それは、例えばもっと範囲を広げれば、もともと東京都の知事本局長と北京市の人民政府外事弁公室主任との間で合意書がございまして、その中でいろいろ技術交流、技術協力をやるということで、例えば、下水道、上水道、廃棄物処理、大気汚染、大気環境と、こういうものが対象になってますから、既にこれまで東京都は、さまざまな協力関係を北京市と結んできてますんで、そういうことを踏まえた上で市長と都知事が直接お会いして、さらに進めようという政治的決断をそこにすることによって、今までの協力関係をさらに進めて両方がウィン・ウィンの関係になる。両方得るところがあると、そういう関係を一層進めることができる。そういう方向で努力をしたいというように思ってます。
以上
(テキスト版文責 知事本局政策部政策課)