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舛添前知事「知事の部屋」

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記者会見

平成26年4月4日更新

舛添知事定例記者会見
平成26年4月4日(金曜)
15時00分~15時45分


知事冒頭発言

1 IOCプロジェクトレビューについて

【知事】それでは、会見を始めます。私のほうから3点申し上げます。
 最初は、IOCプロジェクトレビューについてであります。昨日、4月3日ですが、吉野都議会議長とともに、IOCのプロジェクトレビューに出席いたしました。ジョン・コーツIOC副会長、これは調整委員長です。つまり、東京大会の担当です。それから、IOC副委員長のアレックス・ギラディ氏、ジルベール・フェリ氏など、IOCの関係者と面会をいたしました。取材に来られた方もおられると思います。
 今回は、組織委員会を発足してから、初めてのIOCとの本格的なセッションとなりました。私のほうからは、コーツさんをはじめ、IOCの関係者に、東京大会を史上最高、世界一のオリンピック・パラリンピック大会とすると、そういうことを改めて申し上げました。
 その後、組織委員会から、準備作業は、オールジャパンで着実に進んでいるということを説明していただいて、IOCの関係者から、さまざまな項目について、多角的なアドバイスをいただいたということを報告を受けております。
 午後、あいにくの雨でありましたけれども、室伏広治、ハンマー投げですね、理事とともに、それから、コーツさんがヨット(冒頭発言の最後にボートに訂正)のオリンピック選手でありましたんで、ヨットの若いアスリートたちに集まっていただいて、選手村予定地を視察するということで、昨日、委員長一行を迎えまして、大変悪天候でございましたけども、いろんな意見の交換を行うことができました。
 夜は、組織委員会主催の夕食会に私も参りまして、直接コーツさんをはじめ、皆さん方と親しく会談することができました。今回がIOCとの本格的な協議のキックオフということになると思いますんで、これから頻繁にIOCの方々も来られると思いますんで、そのご指導をいただきながら、万全の準備を整えたいと思っております。
 それが、まず第1点目の、IOCプロジェクトレビューについてであります。

2 現場視察について

【知事】2点目は、既に事務レベルでは、ご説明があったと思いますが、都議会も終わりました。そこで、現場を視察したいということについて申し上げます。4月になりまして、今、申し上げましたように、議会も終わり、予算案も了承されましたので、現場視察を始めたいと思います。
 まずは、来週9日の水曜日に、1日かけまして、多摩地区の視察を行いたいと思っております。具体的な中身につきましては、東京消防庁の立川防災館、都立府中療育センター、都立多摩総合医療センターなど、防災、福祉・医療といった現場に加えまして、野菜生産農家も視察したいと思っております。
 立川は、ウドの産地だということで、ウドを食べてきたいと思いますんで、ぜひ、記者の皆さん方も、お時間許す方は、一緒に、ウドを食べるためだけではなくて、一緒に現場を視察していただいて、やっぱり情報を共有して、こういうところに問題点があるんだと。それから、私は、どうしても厚生労働大臣でしたから、そういう目で見ちゃうんで、例えば医療とか、福祉関係、皆さん方の、記者さんたちの目で見て、いや、こういう視点から見たほうがいいよというのは、そういうアドバイスもいただけるとありがたいんで、この東京を良くするというのは、オールジャパン、オール東京でやらないといけないんで、ぜひ、お時間ある方は、取材を兼ねてご一緒できればと思っております。 

3 森田千葉県知事との会談について

【知事】第3点は、森田千葉県知事との会談についてでございますけども、4月1日に、千葉県の森田知事とお会いをいたしました。そのことに関連しまして、昨日、あるテレビ局のお昼のニュースで、私と森田知事が会談した際に、国内は羽田、国際は成田というルールを見直して、千葉県側から了承されたという報道がございましたけれども、これは、事実ではございませんので、知事本局を通じまして、抗議をして、文書で訂正を申し入れました。
 申し入れを受けて、既に訂正した内容の放送がなされておりますんで、これ以上は追及しませんということでありますけれども、どういうことを話したんだというと、例えば、直下型地震、東京といっても、千葉、神奈川、埼玉、関東大震災というときには、横浜の被害が非常に多かったんですね。関東という名前で呼ばれてますが、例えば、そういうことがあります。それから、オリンピック・パラリンピックも、いろんな点で協力しないといけないということで、そういう大きな協力する中の1つのテーマとして、空港の問題もございまして、それは、皆さん、予算特別委員会をずっとお聞きいただいていると思いますけども、3月25日の予算特別委員会で、自民党の大田区選出の鈴木章浩理事のほうから羽田空港問題のご質問がございました。そのときの議事録を精査していただければわかりますけれども、簡単にその時のさわりを読みますとですね、「今、鈴木理事がおっしゃったように、両方というのは羽田と成田。容量を上げて、両方の機能強化と国際化をやることが、一番いい方法であって、羽田を強化して、成田がだめになる。成田はあれだけ苦労して、(失礼。ちょっとそこは飛ばしますね。)だから、羽田を強化して、成田がだめになるという、そういうことじゃなくて、成田も良くなりますよ、羽田も良くなりますよと、そして、今、こういう状況なんで、今まで、成田か羽田かという、そっちを立てればこっちが立たないという、そういうジレンマのような問題を解決するという、大変絶好な機会が来ていると思いますし、私は、千葉県の森田知事とも、非常に親しい間柄でありますから、この問題についても積極的に議論し、また、都全体を挙げまして、今理事がご指摘のというのは、羽田の問題ですけど、前向きに取り組んでまいりたいと思います」というようなことを申し上げたことを、そのまま森田知事のほうにご説明をしたということでありまして、両方とも、成田も良くなる、羽田も良くなるということであります。
 それから、もう一つ忘れてならないのは、東京は羽田で、千葉が成田ということじゃないんです。例えば、東京の北区に住んでいる人。北部に住んでいる、23区でも、それは港区とか、そこは羽田のほうが近いと思います。品川にしてもですね。ところが、日暮里から36分で成田に行く交通手段がある地域に住んでいる東京都民は、圧倒的に成田空港のほうが、羽田空港よりも便利なんです。
 成田は千葉県、羽田は東京都民のものだって、そんな感じでは全然、東京都民も成田を非常に使い勝手がいいものにしてもらわないと困るし、もちろん、羽田もそうだと。そういう形で、両方ウィン・ウィンでやりましょうと、そういう背景がありますということでありますんで、例えば、直下型地震が起こったときに、東京都民が千葉のほうに避難したい。千葉県民が東京のほうに避難したい。そういうケースがあったときに、県境をまたがる道路や橋梁、橋がきちんと整備しなかったら大変ですねという共通認識はあるわけです。道路交通網、空の話だけではありません。そういう形、そういうことをしっかり森田知事とはお話しして、両方の知事がそういう意向であるから、事務方で、今後、積み重ねていって、さまざまな協力をいたしましょうと、そういうことであります。
 同じような協力関係は、当然、神奈川県の黒岩知事、それから、埼玉県の上田知事ともやらないといけませんので、今後、隣接県の知事さん、政令指定都市の市長さん、緊密な協議を続けていきたいと、そういうふうに思っております。
 私のほうから、今申し上げましたIOCのプロジェクトレビュー、千葉県の森田知事との会談、これは最後でしたけど、それから現場視察についてです。
 それから、先ほどちょっと失礼しました。コーツさんはボートの選手で、ヨットじゃありません。ボートの選手だということで、ボートの若いアスリートに集まっていただきました。
私のほうからその3点ですので、そのことも含めまして、ご質問ありましたら、お受けしたいと思います。

質疑応答

【記者】フランステンの及川と申します。3万6681カ所のコミューンで、フランスのエレクシオン・ミュニシパル、フランス市町村議会選挙が3月30日、投票されました。その結果についてのご意見。結果はですね、極右のフロン・ナシオナルが大体7%ぐらい票をとって、舛添さんが研究者としてフランス滞在されてた折は、まさにパパルペンのジャン=マリー・ル・ペンさんが勢力を伸ばしていた状況ですが、フランスにおいて極右が伸びてることについて、国際政治学者のお立場からのコメントをいただければと思います。

【知事】3万6000拠点、これは私のほうが解説すると、フランスの地方選挙があって、その結果についてどう思いますかということで、あんまり都知事が答えることではないと思いますけれども、毎日ル・モンド読んでますから、中身は知っております。特にマルセイユ、リヨン。これは都市部も含めてフロン・ナシオナルというのは、国民戦線ということで、極右政党で、これが非常に伸びたと。それは移民政策やその他の問題とか、経済不況とか、そういうところに不満があると思いますけど、パリについて言うと、パリの中心部よりパリは郊外なので、あとはそういうことについては、それはフランス国民が決定することでありますので、私がとやかく言う問題ではありませんし、ヨーロッパで移民問題を含めた経済情勢、特に若者の失業、こういうところが反映されているんだろうというふうな解釈はいたしております。
 ついでに今おっしゃいましたから申し上げますと、今、オランドさんという社会党の政権、大統領ですけれども、今回、パリ市長、これは東京都知事のカウンターパートに都市外交ではなるんですけど、2人の女性が戦われましたけれども、社会党系のほうの女性のほうが、今回、非常に社会党、政権党は、今おっしゃったように、極右含めて野党が伸びたんですけれども、パリについて言うと社会党系の、この前まで副知事をやられていた女性が当選しました。したがって、選挙も終わって、この方が今からパリの市政を担われますんで、都市外交という立場からはパリに、パリとの間でいろんな、特に今、東京シャンゼリゼ計画のような話をいたしておりますので、そういうことを含めてパリのまちづくりなんかについてご参考になる意見が聞けるとすれば、新しい市長とやれるなと、そんな感じです。

【記者】もう1点よろしいですか。

【知事】はい。

【記者】2001年春から、ドラノエさんの社会党市政、これはパリコミューン以来なんで、130年ぶりの政権交代だったんですが、2001年から5年間で託児所を3212カ所つくられました。私自身、昨年視察したときに、市庁舎の1階を200平方メートル託児所をつくった、2階に150平方メートルつくった、そして各大学にも託児所をつくった。今後、このパリの託児所政策を模範にして、例えば首都大学東京に託児所をつくるとか、東京都庁舎に託児所をつくるというお考えはあるか、それについて伺います。

【知事】具体的にどういうふうになっているかは、現場見てみないと、パリについてはわかりませんけれども、どの町の経験であれ、参考にできるものは参考にしたいというふうに思ってますけど、ポイントは、職場につくるっていうのも1つだけれども、東京の場合、満員電車に揺られながら子供を抱えて、あの満員電車の中で職場まで一緒に子供と通うのがいいのか、それとも、自分が住んでる町の駅前の託児所がいいかというと、それは働き方のパターンによると思いますんで、それを両方模索するべきだと思いますんで、パリに行くような機会があれば、今おっしゃったようなこともいいサジェスチョンとしてこれを見ていきたいと思います。

【記者】MXテレビの風戸です。伊豆大島について伺いたいと思います。昨日、降り続いた雨で危険の程度が高まったとしてですね、気象庁と都が昨日の午後6時15分にですね、土砂災害警戒情報を出しました。町はその後、1時間15分後に避難指示と避難勧告を出したわけですが、前回、半年前の災害のときに比べて非常に早い対応だったという島の声もあるんですけれども、半年前の教訓を生かしたというふうに言えると思いますでしょうか。

【知事】私も、実はこの雨の報告を適時受けておりまして、IOCの委員の方々と一緒でしたけど、常にその情報がとれる体制でおりましたんで、結果的にですね、この明け方の4時25分に避難指示および避難勧告が解除したということで、人的、物的な被害がなかったんで、大変よかったと思いますけれど、やはり、あれだけの大災害を経験してますから、町のほうもみんな、総動員で態勢をとり、都のほうも全面的にバックアップする立場で体制を整えておりましたんで、この前の教訓は生きたというふうに思ってます。

【記者】東京新聞永山です。羽田空港の話をちょっと伺いたいんですけれども、知事がですね、予算特別委員会で、成田もよくなりますよと、羽田もよくなりますよというような関係を構築していかなきゃいけないということをおっしゃっていると。今、その関係でウィン・ウィンの関係だったとおっしゃったと思うんですけども、一方ですね、やっぱり、ウィン・ウィンの関係が成り立ってこなかった歴史というかですね、事実もあるということで、具体的にですね、そのウィン・ウィンの関係をどのように構築していくかと。知事の言葉では、低運賃の飛行機が成田から出るというようなすみ分けもやり始めているというようなこともおっしゃっていますけれども、もう少しですね、ウィン・ウィンの関係の、ちょっと具体的イメージを教えていただけたらと思うんですけども。

【知事】あのですね、今までは、空港を運営する方々の目で、飛行機会社を運営する経営者の目でしか見てこなかったという感じがするんです。ですから、あれだけ苦労して成田をつくったわけで、それはもう大変なことでしたね。警備含めて、デモがありっていうことで、開港だって遅れたわけですから、ああいう暴徒が中に入ったりして。だけど、やっぱりこれからは、私たち、飛行機を利用する者の立場で動かさないと、2020年に東京のオリンピック・パラリンピック大会があって、たくさんの方がお見えになるときに、飛行機会社の立場とか、空港会社の立場でやるんでは話にならないと。そうすると、例えば、低運賃というのはある意味で経営側の立場ですね。低運賃であったら羽田に近い人も成田まで、わざわざでも行きますよということから、経営的な観点からやってる。皆さん方もそうですけど、今、何区に住んでらっしゃいますかと。皆さんの会社がどこにありますかと。今、私は新宿にいて、出張命令が出て、行けと言ったときに、成田に行く、羽田に行く、この前ソチに行きましたけど、これは成田を使いました。だけど、選択肢が多様であるということが非常にいいんで、例えば、私の自宅からは少し羽田のほうが便利がいいです。しかし、羽田から週に2便しか飛んでない。ところが、成田なら毎日飛んでるっていったら、成田を使うケースのほうがはるかに多いかもしれない。それから、同じ行き先でも、羽田から出る飛行機を使ったら、現地につくのが真夜中で不便だとか、現地で1日損しちゃう。ところが、成田から出れば1日もうかるというような形を計算したときに、我々にとっては成田も羽田も自由に、自分の目的と、いろいろな事情によって使い分けができるということが非常に大切なんで、ということなんです。だから、そういうことが可能にするために、すみ分けというのが、今、1つそういう形で、経営側から見たときはそうだけども、利用者から見たときは、それは羽田から低運賃で飛ばしてもらえませんかという声があってもいいわけですね。
 しかし、そうすると全部、羽田に集中するじゃないかという声もあって、もともとは長い長い、そういう、要するにゼロサムゲーム的な、こっち立てればあっち立たずのような関係があったから、それを改める絶好の機会が2020年だと思うのは、ものすごい航空輸送の需要がきますから、羽田と成田なんて言ってたんじゃとてもじゃないけど対応できないから、両方でやりましょうと、それが森田知事と私の考えが一致しているところであります。そのためには、実を言うと2つの空港のシャトル、これをもっと、何とか便利にできないか。ヘリコプターという手もあるかもしれない。それから、道路を引くっていうのは非常にいろんな困難とかお金と時間かかりますから、2020年に間に合うかどうかわかんないっていうのはありますけれども、両方の空港の移動は非常に大変ですね、今。これを短時間で、昔はたしか、あそこ、リニアか何かでつなぐというようなアイデアもあったと思うんですけども、6年後に間に合わない可能性は十分ありますよ。間に合わない、鉄道なんかだと。だけども、ちょっとシャトルをもう少し便利にすると。両空港間の。こういうことをやって、これからは私たち日本人も外国語のお客さんも非常に使い勝手のいい2つの空港という関係ができればというふうに思っていますので、これは今からまた細かく検討しながらみんなで考えていきたいと思っています。

【記者】霞ヶ関通信の稲村です。今の空港問題なんですけれども、つい2週間前に全日空さんが羽田の拡張工事が完了したということで、また、ファイブ・スターの航空会社に初めての受賞をしたということで社長も出られた披露の宴がありました。その席で外国のファイブ・スターを差し上げた方が、空港についてですね、いつ羽田が旅客専用になるんですかという質問をされておりました。それは、いわゆる千葉の場合ですね、成田の場合、東京まで来ましても、地方にほとんど行く便がないので、やはり皆さん、東京に1回来るんですね。現に東北の支援で来る各国は、皆、成田まで来て右往左往して、また地方に、新幹線に乗りかえると、こんな不便な空港はないんですね。だから、あそこは成田は貨物にすべきだというのがその人たちの意見でした。私もそう思いました。私どもでつくっている国際航空政策研究会というのでも、やはり羽田は絶対に旅客にすべきだと、それも24時間空港なんですよね。深夜も飛べるんです。今まで成田は深夜も飛べない、24時間もだめ、2つ目も滑走路をつくらせないと、今まで嫌がらせをしてきたんですね。だから、あそこは貨物に専用すべきだというのが、その外人の方の意見でもあったし、私どもの進めている会でもあります。舛添知事、東京の知事ですのに、なぜ千葉に肩入れするのか、ちょっとそのあたり不審に思いますけれども、いかがですか。

【知事】先ほどきちんと説明したように、東京都民にとっても、住んでいるところによってははるかに成田のほうが便利がいい方々がたくさんいるわけですよ。だから、日暮里の駅のそばに住んでいる人、ぱっと乗って36分間で成田に行けるわけですよ、1本で。じゃあ、日暮里の駅から羽田空港に来るのに、何回乗りかえてモノレール乗って、どれだけ時間かかりますかと言ったら、私は成田に行きたいなと思う。成田がカーゴばっかりで乗客乗らなかったらどうするかということなんで、その外国の方は、申しわけないけど、この広大な東京という町のことをよくご理解できていないというふうに思うしかないので、1つのご意見としていただきますけれども、問題はそんなに簡単ではないし、私が今まで申し上げた中で、千葉県の肩を持って言ったことは全くないと思います。

【記者】日本経済新聞の舘野です。政務担当の特別秘書をまた1人増やされましたけれども、今、このタイミングでということの狙い、理由というのを改めてお聞かせいただけますでしょうか。

【知事】現場を歩きますので、皆さん方とともに、現場を見て物を考えるときに、メディアの皆さん方の立場から見てきちんと対応できる、そういう秘書が必要だということで、現場に出るからということで、このタイミングです。

【記者】共同通信の中井と申します。お世話になります。政務に関するお尋ねなんですが、今月下旬に練馬区長選ございまして、13日告示なんですが、知事が告示に自民党の推薦候補の応援に入られるというお話を伺いました。その応援に入られるご真意といいますか、区長選へのスタンスというのを、もし教えていただければ伺えますか。

【知事】私は私の政治家としての知事選挙のときも、東京世界一という公約を掲げております。それで、その公約に反対の方を応援することはできないけれども、その東京世界一という公約を含めて、私の政策に賛成していただける方、これは政治家として政治のレベルで応援するのは全く問題ないし、むしろ政治家としての当たり前の行動であろうというふうに思いますから、これからも、さまざまな選挙があれば、必要に応じて、特にこれは各区の区長さんであれば、当然一緒に今から仕事をしていかないといけないですから、そういう意味で応援をするということです。

【記者】つまり、自民党の推薦候補だから応援をするということではなくて、人物本位で選ばれたということですか。

【知事】私の政策に賛同するかどうかということで、候補にもお会いして、賛同すると、知事の世界一を目指している公約に全面的に賛同するし、区長になれば一緒に協力してやると、そういうことでありますので、これを応援するということです。

【記者】そうすると、前川さんとお会いになられてお話をされて、政策を、舛添知事と一致するんだということが確認できたということでよろしいですか。

【知事】そうです。きちんとそういうことは確認しております。

【記者】フリーの記者で佐藤と申します。よろしくお願いします。先月末、横田基地に配置されているC-130からですね、パネルが落ちる、アンテナが落ちると、続けて連日起きる事故がありました。この事故をどのように受けとめているかということとですね、あと、落下事故については、昨年バッテリーパネルが落ちるなどですね、ほぼ毎年アンテナ落下事故もですね、過去に平成20年にも起きておりまして、そういう意味では米軍の立てている再発防止策が効いていないということになるんじゃないかと思いますが、それに対して、今回ですね、横田基地に関する東京都と周辺市町連絡協議会からは、これまでと同じような内容の抗議文が送られただけになっているようですが、対象が米軍ということで難しい対応の仕方になるかとは思うんですが、横田基地周辺の住民が安全に生活するというところでですね、都がどのようにかかわっていくかということをお伺したいと思います。

【知事】今おっしゃったように、こういう事故はあってはならないことであって、それはきちんと抗議をすると。これまでも厳しく抗議を周辺の皆様方とやってきたので、今回も同じようなことをやっていくということで、それは今後とも厳しい態度は維持して、厳正に対処してもらいたいということはつなぎたいと思っています。

【記者】東京MXテレビの朝倉と申します。水曜日の視察のことでお伺いしたいんですが、警視庁、それからレスキュー部隊と、自衛隊等々を視察されるということなんですが、それに加えて立川のウド農家に行かれると。ウドを食べられるということなんですけれども、この中でどういうものを見てきたいか、それから都市農業、立川をはじめ東京都内いろいろな農業があると思うんですが、都市農業に対して、知事自身どういうふうな問題意識を持っていらっしゃるか、教えてください。

【知事】この前、おいしい豚のTOKYO Xというのを、これは大変すばらしいなと思いまして、昨日実はIOCの皆さん方と食事したときも、次回はぜひTOKYO Xをご賞味いただきたいということを申し上げております。例えばIOCの皆さん方が来られて、東京に山があるって知らないんですね。まさに東京で農業をやっているというのを知らない。いや、実を言うと東京は雪崩もありますよと。この前そうでした。だから、まあ、広く東京の魅力を知らせるために、島しょ部も多摩も、私が重視してやって、副知事も担当を置いたというのは、こういうことを含めて、23区だけが東京ではありませんよと。そして、緑をきちんと守っていくと。新鮮な、今言ったウドを含めて名産があるわけですから、こういうものを皆さんに食していただくというのは大変結構なことのなので、空気もよくなりますし、私はだからそういう意味ではいいものは残していきたいと思っています。ぜひ、今度はウドをちゃんと食べて、おいしければ、豚のTOKYO Xとウドとどういうミックスにしたら一番おいしく食べれるのか、ちょっと研究をしてみますけれども、やっぱり、おそらくロンドンオリンピックでも、どこのオリンピックでも、大都会でやるオリンピックで今ここでつくったものを食べさせますよというのはあまりないと思うので、そういうことからも東京の魅力の発信ということで、現実に賞味してみたいというふうに思っていますから、都市農業についても、きちんと残せるものは残していきたいと思っています。

【記者】新宿区新聞の喜田です。先ほど、先日ですが、政府のエネルギー基本計画というものが発表されました。その中で、特に再生エネルギーにつきましてですね、活用については、明確な数値が出てきませんでした。以前はですね、30年に20%という案もあったようです。それから考えますとですね、舛添都知事が立候補なさったときにお話しなさっていたのは、20%に高めたい、こういうお話があったんですが、これはどういうふうに整合性がとれているんでしょうか。

【知事】それは、日本国政府がおやりになることはおやりになることであって、私どもがみんなの力で、再生ファンドをつくったり、それから、オリンピックのときもいろんな東京都民がつくったエネルギーだけで選手村やってみようじゃないかと、そういう話をいろいろやっているのは、それは東京都民の努力でできることはやろうということですから、政府とけんかしようとか、政府との関係どうであると、これは全く関係ありません。私どもは私たちができることをやって、それがほかの地域に先駆けて、我が東京都がやることが日本全体を良くすることにつながればいいというふうに思っておりますし、政府の基本計画をつくるに当たって、私が呼ばれて聞かれたわけでもありませんし、それは政府が専管事項でおやりになることで、東京都は東京都で自分たちのやれることをしっかりやっていくと、そういうことに尽きると思います。

【記者】エネルギー計画の中ではですね、火力と再生エネルギーと原子力とですね、大きく3つに分けられるんですけれども、今、原発の再稼働も言われている時代ですけれども、これはどういうふうなミックス状態が最適なんだろうかという観点から、その20%まで高めなければいけないと、こういうふうな判断というのはないんでしょうか。

【知事】いや、それよりもですね、今、5、6%というのは、ほかの自治体に比べても多くないと。そして、東京は、日本で最大の電力の消費地であって、消費者としてやれることがまずあるじゃないかという原点のほうが、私は優先しているというふうに思いますので、まず、省エネをやっていく、無駄な電力を使わない。その上で、太陽光であれ、風力であれ、それから、清掃工場から出る熱を利用した発電であれ、いろんなことが、バイオマスであれ、できるんであって、もう忘れてはならないことは最大の電力消費地であると。
 その観点から、私たちは自覚を持って取り組もうということでありますんで、全体の国のどういう、いろんなエネルギー源を組み合わせて、最高のパッケージに持っていくかというのは、それは国がお決めになることですけども、我々は我々でやっていって、それが何らかの影響を国全体に与えればいいんじゃないかと、そういうふうに思っています。

【記者】NHK中島です。予算特別委員会のときの自民党議員に対する質問の中でですね、浜離宮に迎賓館をという部分でのお話があったと思うんですが、今現在、どのようなお考えを持っていらっしゃいますか。

【知事】まず、国のレベルで言うと、赤坂にある東京の迎賓館があります。これは西洋式です。悪く言えばベルサイユ宮殿のまがいもの、まねごと。しかし、京都迎賓館は、桂離宮を思っていただければいいので、非常に日本の伝統が生きています。
 やはり、おもてなしと言う以上は、その国の伝統的な建物でおもてなしできればいいんではないかなと思っておりますけれども、残念ながら、東京都自身にそういう迎賓館が今ありません。それで、普通は各国大使館だと、大使公邸がレセプションの会場になります。渋谷にあります知事公舎がそういう役割を本来は一部持つことができることができると思いますけど、今ご承知のように使われていない状況です。
 それで、今、これは庁内で検討させていますけど、どういう案が一番いいか。例えば、東京都が持っている公園を含めて施設、そういう中に何らかのものを設置する。それから、そういうことをやるよりも、例えば、昨日は非常に和風の場所で、IOCの皆さん方と会食をしたんで、非常に喜ばれましたね。そういうのは、要するにレストラン的なものでも、和風なところは幾らでもあるんで、そういうほうがコスト的にいいのかどうなのか。
しかし、やはり、2020年を控えて、非常に伝統的な日本のおもてなしをするときに、その場所のしつらえというのもあると思います。今おっしゃいました浜離宮についていいますと、新たなものをつくるということは、文化財という観点からこれは不可能です。
 しかしながら、あそこに、まさに自民党の質問なさった委員がおっしゃったように、かつて、迎賓館的機能を持った建物がありました。これを復元するということは、文化財保護上も何の問題もないし、むしろ進められていて、たしか7つぐらい茶屋があるんですけど、今、4つか5つぐらい復元中で、復元したのもあります。
 前回お話ししたと思いますけど、かつて明治時代にあった迎賓館は、鹿鳴館ができたために、向こうにその機能が移ったので、もう壊したと。その前に迎賓館が存在しているときに、アメリカのグラント大統領がひと月そこに滞在して、その茶屋で、明治天皇が謁見なさったという記録があるそうです。
 だから、そういうことも含めて、それを復元したほうがいいのかどうなのか。それはよく図面も今から探してみないといけないんで、できれば、2020年の東京大会までに、何らかの形で、東京都民が外国の方々をおもてなしできるような伝統的な日本的な迎賓館があることが望ましいと、今、考えております。今、検討中です。

【記者】フリーの横田一ですけれども、知事が書かれた憲法改正の裏表の本の中にはですね、立憲主義を教わったことがない自民党国会議員ができの悪い新憲法第2次素案をつくってですね、審議不十分な特定秘密保護法案の中心的メンバーでもあったと。その自民党が今、憲法解釈による集団的自衛権の行使容認の議論を進めててですね、砂川事件の最高裁判例をもとに、解釈改憲を始めようとして、議論をしているんですが、それに対する知事のお考えをお伺いしたいんですが。

【知事】あの本をお読みいただければわかると思いますが、それ、憲法9条の問題です。9条について、どういう改正案にしたか、例えば自衛軍という言葉を使ってやって、それで、あのときの私の立場、今も変わりませんですけども、集団的自衛権について言うと、国連憲章に遡ると、国連憲章上は、個別的、集団的、両方の自衛権をそれぞれの国が持ちますと書いてある。個人にしろ、国家にしろ、自衛というのは、成文憲法がなくても、ある意味で自然法のレベルで当然持っている権利であると、まずそこまで。
 しからば、集団的自衛権についてどうするのかということについて言うと、私は、あの憲法の条文には一切書いていませんということは、憲法条文を改正しなければできませんという立場ではなくて、新たに改正ができたとして、第1次素案のほうですね、その憲法9条のもとで、1つは、安全保障基本法、第2番目は国際協力基本法。安全保障基本法の中で、自衛隊から自衛軍に名称が変わった今の組織をどう運用するかを考える。国際協力基本法で、どういう形で海外での武力の行使をやるのかやらないのか、武器の輸出はどうするのか、集団的自衛権どうするんだ。その法律の体系のもとできちんと決めますということは、国会で、国権の最高機関である国会できちんと国会議員が議論をして、そして、私の案ですよ、その国際協力基本法を法律として制定してもらいます。その中で、さまざまな意見があって、それで最後は、採決で決めて、決まると、そういうプロセスを考えております。ですから、私はそれがベストな方法だというふうに思っておりますので、そういう観点から、都知事という立場というよりも、むしろ憲法を勉強してきた者として、今の国政での動きをじっと眺めているということです。

【記者】ということは、白熱した党内議論もなしに、広い国民的議論もコンセンサスもないまま、閣議決定だけで集団的自衛権を、行使容認を認めると。今、砂川事件に基づいてその解釈改憲が可能だという論議が始まってますが、それはちょっとおかしいんじゃないかというお考えでしょうか。

【知事】個々の判決、判例の解釈はいろいろとあると思いますけど、今申し上げましたように、私は国際協力基本法を法律として国会の場できちんと成立する、国民の代表がいる国権の最高機関で決めることですから、法律として決める、その中に集団的自衛権は、かくかくしかじかで、こういうふうに行使しますと。例えば地球の裏側までは行きませんとか、わかりやすく言うとですよ。だから、法律の形でやってくださいということで、全て、今のご質問には答えが出ていると思います。

【記者】たびたびすみません、空港の問題でございます。この間、知事が特派員協会まで来て講演されました。あの外国特派員協会を、千葉県のほうは、ぜひ向こうにも支所をつくってくれという呼びかけをしてますが……。

【知事】何の支所?

【記者】外国特派員協会。

【知事】ああ、そうですか、はい。それ、知りませんでした。

【記者】いまだに誰も向こうへ行く兆しがありません。今、港区は10人に1人外国人です。また、大使館が100軒あります。どこ行きましても、いつ、自分のとこの航空会社が羽田に入るんだと、24時間空港で外国の国際線である以上は、やっぱり羽田というのが、皆さん、外国の人が一番望んでるという現実を、ひとつ、いま一度考えていただいて、先ほど私が言いましたような羽田の国際、羽田はもう旅客にと、国内、お客さんの大半は乗りかえで皆散らばって地方に乗るのに、やはり羽田しかないんですね。ということで、知事、いずれそのほうもご勘案いただければと思います。

【知事】はい、ありがとうございました。今おっしゃったように、大使館関係とか企業の関係が港区にたくさんいることは確かなんですけれども、企業といっても、例えば浜松にスズキ含めての会社がありますね。こういうところに外国人ってたくさん働きに来られたり、それから、関東の中でも日系のブラジル人なんかがたくさん働いてるところもあります。
 ですから、外国人が集積してる場所っていうのは港区だけではなくて、結構各地に、関東地域だけでも広がってるんで、太田市から、今申し上げた飛行機乗ってブラジル帰りたいなと、浜松から帰りたいなというときに、どの空港が一番便利がいいんだろうというのは、その住所でかなり違うというふうに思いますので、私なんか、外国人特派員協会で聞いててですね、思うのは、きちんと日本語ができる方々だけではありません。そして、結局は日本の記者の皆さん方が書いたのを、例えばジャパンタイムズが英語に直してる、それだけをもとにして質問なさったり、自分で取材するっていう基本は、あなた方、ないんですかと。そして、そこでもTOKYO Xの話をしたのは、23区だけじゃありませんよと。だから、三多摩島しょ地域を重視したんですよってことを申し上げたんで、もっと自分の足で現場を歩いて取材するっていうことがないと、外国人特派員の質が、実は問われるんじゃないかなと。
 その点、明治時代に来た外国の方々は、それは東北地方を自分の足で歩いてみたりとかね、言葉だって相当苦労して習ったと思うんで、だから、まさに東京五輪のときに、東京だけじゃなくて、多言語対応で周辺の地域含めて、この前会議やりましたですね。あれをやったのは、例えば、東京来たけどどうしても世界的に有名な富士山、世界遺産の富士山に行きたい、じゃあ、どういうルートで行って、東京ではおもてなしできるけど、山梨、静岡に行ったんじゃおもてなしできないとか、じゃあ、自分はちょっと仙台まで行ってみたいと、こういう方たちにも対応できるように、多言語対応を広域的にやってるんで、私は、2020年は東京のためだけじゃなくて、各地域のためだというふうに思ってますので、これはぜひ、先ほどフランスのテレビっておっしゃいましたけど、日本人ですけれども、外国のコレスポンデント(特派員)の方にもいろいろ頑張っていただきたいということを申し上げまして、ちょっと次の予定がありますので終わります。

以上
(テキスト版文責 知事本局政策部政策課)


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