
舛添知事定例記者会見
平成26年3月20日(木曜)
15時00分~15時45分
知事冒頭発言
1 第48回八丈島フリージアまつり及び第59回伊豆大島椿まつりについて
【知事】まず最初にですね、明日の21日から4月6日まで、八丈島フリージアまつりが開催されます。今ここに、相当香りもいいんですけども、先ほどフリージアまつりのキャラバン隊の皆様が来られまして、これ、いただいたところであります。今、八丈島で35万本の花が咲き誇っておりますし、フリージアの摘み取り体験、それからスタンプラリーなどのイベントがございますので、是非お出かけいただきたいと思います。
また、今月の23日まで椿まつりが開催されている伊豆大島では、これから春の観光シーズンを迎えますので、三原山をはじめさまざまな観光スポットを楽しむことができます。是非、復興を助けるという意味でも、大島のほうにも足を運んでいただきたいと思います。細かい点は産業労働局のほうに聞いていただければと思います。
私のほうからは以上でございます。何か質問があればお受けしたいと思います。
質疑応答
【記者】東京新聞永山です。昨日の外国特派員協会の会見で、知事は24時間バスの、猪瀬知事の政策をですね、ちょっと批判されてまして、多摩地区のほうではバスの減便があるというようなことをおっしゃってましたけども、26年度の4月から、確かに青梅市のほうで都営バスが減便になると聞いております。その方針について、見直しの考えとかあったら教えてください。
【知事】まず、昨日は先方のご依頼で、全部英語で最初から最後まで通してくれということだったので、そうしたので、ちょっと聞き取りにくかった点もあるかと思いますけれども、最初にどういう質問が質問者から出たかというと、地下鉄の一元化の話でした。私は、だからその個々の問題より前に、東京都の交通体系全体を見直して、大きなグランドデザインを描き直さないといけないということを申し上げているので、それから見れば、地下鉄一元化の問題も、木を見て森を見ないというか、まず森を見てから1本1本の木を見ていきたいというのが私の政治の方針ですから、その方針から見たら、先に木を見て全体を見ないというのはおかしいという意味で、これは失敗だという表現を使ったのであってですね、そこは明確にしておきたいんですけれども。しかしながら、皆さんご紹介してくださったように、青梅バス路線、都バス、カットされます。そうすると、選挙期間中に各地を回って、いろんな声を聞いたけれども、24時間バスを六本木と渋谷に走らせるぐらいの余裕があるのならば、なぜ昼間の、東京都民ですから、青梅の皆さんも、市民の足をカットするんだと、とても納得いかないという声を地元の方々に、青梅の方々に聞いたので、例えばそういうことも、声もあります。
だから、バスの、都バス1つ考えても、今言った三多摩のそういう状況も見る、都心の必要な状況も見る、そして総合的に判断する必要があると。いずれにしても、私は現場を見て決めたいと、こういうスタンスですから、もうはっきり言って、グランドデザインを描いて、森を見てから個々の木を見ると、そういうことを申し上げたわけです。
したがって、これは要するに収益のことも考えないといけません。金曜日の24時間バスだって完全な赤字ですから、だからそういうことも含めて、現場を見て、市民の意見も聞き、区民の意見も聞き、そして最終的に判断するというのが今の状況です。ご承知のように、3月いっぱい議会対応に追われてますので、4月から動きたいと思ってます。
【記者】東京MXテレビの風戸と申します。今、交通体系の話が出ました。離島の交通体系について伺いたいと思うんですが、4月の2日から三宅島の飛行機が1日3便に増便されます。それが増便される一方ですね、小笠原は飛行機というものがないんですね。離島の交通体系について、知事の所見を伺えればと思います。
【知事】今おっしゃらなかったですけど、もう1つの問題は、この前参りました伊豆大島、両陛下もお見舞いに来てくださった。この全日空便が、やがて羽田-大島間が廃止されるという方針が全日空のほうでおっしゃられたので、私のほうからは、都としてはこれを継続してほしいというお願いは先般いたしました。
小笠原の諸島についても、要するに船だとものすごく時間かかりますけども、どこにどういう形で飛行場をつくるのかねと、こういうような問題もありますし、自然遺産との関係もあると。だから、例えば大島について言うと、調布の飛行場から飛んで帰ってくるわけですね。それから船もあります。そういう総合的な中で見て、どうするのか。もちろん、船にしろ飛行機にしろ、それぞれやっている会社も営業努力をやってもらわないといけないので、都もできるだけのサポートはするけどもおのずから限界はあるだろうということで、島しょ部の振興、発展ということに交通体系は大きく関わってますので、これも今、全力を挙げていろんな検討をするとともにですね、島民の皆さん方の意見も聞く、自然環境との両立とかいうようなこともあると思いますので、今、検討中というのが今の具体的な状況です。
【記者】日本テレビの鈴木です。国家戦略特区について、地域指定が近く行われる見通しです。改めて、国家戦略特区制度の知事の評価をお聞かせください。
また、国家戦略特区制度は、指定後に政府や自治体や民間事業者らで構成する区域会議を立ち上げて、追加の規制緩和などを検討する制度となっていて、今日もタスクフォース会議があると思うんですけれども、都市間競争を勝ち抜いて、東京のブランド力を高めるために、今後どのような規制緩和が必要だとお考えになっているか、知事のご所見をお聞かせください。
【知事】はい。基本的には、まず東京を特区に指定していただくと、そういう方向で国とも調整を進めております。国側は国側で、例えばどういうふうなことを東京にやってもらいたいかという要望事項のリストアップがあると思いますし、私どものほうもチームをつくってやってますし、今日も民間のディベロッパーの方々、5社ぐらいですかね、お呼びして、私もその場に出て、先般、森ビルさんに来ていただいたのと同じような聞き取りをやって、本当に自由な意見交換をやると。
だから、国も都も区も民間業者も一緒になってやらないといけないんですが、今、いろんな知恵を出し合ってます。もう、あと10日ぐらいで決めないといけないので、最終段階で、なおもヒアリングをやりながらというのが状況です。
例えば容積率の緩和というような形での規制緩和と、これはもう普通、皆さん考えることですけれども、それ以上に今ちょっと考えてるのは、厚生労働大臣をやりましたから、医療の特区が何かできないかと。非常に外国の方も自由に診療を受けられるとかですね、それから、やっぱり国際的に、ドクター、先生方は非常に技術含めて世界的な方がおられるんだけども、病院っていうシステム全体については、ほんとに国際的だろうかということで、例えばそういうこと。
それから、薬ですね、今、薬をつくる、新しい、これは人類を救うためにも必要なので、その薬をつくるところの、まあ、空港で言うとハブ空港が、今、成田から韓国の仁川に移っているように、薬をつくるメッカがシンガポールに移っちゃってるんです。ですから、これを何とか東京に持ってきたい。
それからもう1つは、私が厚労大臣だったときに新薬の検査、治験をやって、それを認めるのに平均4年半かかっていました。ドラッグラグって言います。アメリカだと1年半でできると。何で日本人はこんなに新薬、こんなに特効薬のように待たないといけないか。難病の人たち含めていろんなご苦労があったので、これ、相当早める努力をしたので、今、4年半かからないで、3年ぐらいまで縮まったんです。例えばこれをスピードアップ、もっとさせて、早くいい新薬をやるために、東京都が国を助ける形で、国より一歩先んじたことができないかとかですね、いろいろそういうことを考えてます。
ただ、私の立場で申し上げたいことは、国と協力して、民間業者とも協力する、それから区や市町村とも協力してやるんだけれども、私たちは一歩先んじて、国全体のためになることを都としてやりたいというスタンスを守りたい。
そのときに、例えばですね、なぜ外国の企業が日本に来ないか。国際競争から見たときに、経済で東京の地位が下がっていると。そのときによく言われる、東京都で日本の地位が下がってると言われるときに、法人税高過ぎますと、大体日本が4割、よその国が2割。それは当然、企業は安いとこに行くでしょうと。そうすると、国全体の施策としても、法人税、実効税率を下げるというのは今からどんどん出てくると思います。
例えば東京都で何か工夫できないかといったときに、財務省との闘いになりますね。細かい点は、もう専門的になりますから言いませんけれども。じゃ、東京都知事に財務省と闘う権限があるんですかと、その権限を持ってるのは総理大臣じゃありませんかということがありますんで、規制があって困るのは何かっていうのは、はっきり言って霞が関の縄張り争い。
だから、私が大臣キャビネをつくったっていうのも、それの霞が関の省庁の縄張り争いを克服するためにやった面があるわけですよ。だから、それは国全体が、内閣総理大臣以下がきちんとやるべきことであって、私どもがそのために使い走りのようなことをやるべきではないと思ってますんで、きちんと国全体のためになることで東京から先にやれることはやると。
そのときに、ある省庁が邪魔するんであれば、それは直接話することもあるけど、それは国家戦略特区を進めている今の安倍政権であり、与党の国会議員たちであり、その人たちもしっかり努力してもらわないといけませんよということはついでながら言っておきたいと思ってます。
【記者】東京新聞の松村です。4月から都立高校の授業料が所得制限がつくと思うんですけども、その辺に関して知事はどう思いますかということと、もう1つは、今、ベビーシッターの関係で事件になってますが、東京都としてもあまり把握できてないということなんですけども、都として何かできることを考えてないでしょうか。
【知事】授業料の問題はですね、高校の授業料の無料化含めて、ずっとこれは国政のレベルでも議論になってきたんで、そこを、ですから、今、所得制限ってお話がありましたけれど、本当に困っている人は、授業料が1つのバリアになって勉強できないっていう、そういう状況は避けるべきだと、一般的にはそういうふうに思います。で、具体的にどうするかは、これはまた検討していくべきだと。
ベビーシッターの問題は、実は厚労省自身も昨日ぐらいから動いてます。いろいろ私も情報を、前の私の古巣ですから聞いてますけども、実態はつかめてません。つまり、届け出も何もない、勝手でインターネットでやってて、勝手にそこに依頼してて、この前不幸な、2歳の男の子亡くなっちゃったような事件が起こったときに、本当にどこまでキャッチできるかなと。
保育士とか介護士とか、それから今、保育だと、保育ママさんの制度がありますね。こういうのはきちんと国も関与してやってるんで、そろそろベビーシッターについても国の関与がどこかであっていいんじゃないかなという、認定するようなこと。
というのはですね、今の、さっきの鈴木さんのおっしゃった特区との絡みで言うと、こういう話がどの新聞かに出てて、20万人ぐらい移民を入れようっていって、昨日、特派員協会でもそれを質問した方がおられましたですね。その心は何かっていうと、昨日の議論聞いてた方はわかると思いますけども、女性の社会進出が非常に少ないと。女性の記者の方おられますけど、それはなぜかっていったら、自分が外出て働いてるときに子供見てくれるベビーシッターなり保育ママさんなり、ないしはもっと言うと、家事手伝ってくれるお手伝いさんなんかが足りないと。そうすると、安い値段で来てくれるお手伝いさんがいれば自分は外に出れるんだなっていう、そういう発想で来てるんで、私はちょっと違うんじゃないかと。別にフィリピンのお手伝いさん入れなくても、日本のお手伝いさんで十分やっていけるんじゃないですかと。ご年配の方で何もしないで時間ある方をむしろ使ったほうがいいんじゃないかっていうのが私の立場なんですけども、その点から言うと、例えばアメリカなんかに比べてベビーシッターの活用っていうのは、アメリカなんかだと学生がアルバイトでベビーシッターを結構やってて、それでもいろんな虐待の事故や事件なんかがありますけど、だからそろそろあの不幸な事件を経験して、ベビーシッターというものはどうするのかっていうのを、私は厚労省にも、それはやらんといかんのじゃないかっていうことを申し上げてるし、東京都としても、国と連携する形でやりたい。ただ、もういかんせん、実態把握が全くできないんですね、やろうと思っても。
そういう状況なので、ネット社会の怖さみたいなものを若干感じてますけど、今のご指摘の点は、できれば何らかの認定システムみたいなのをつくれればと思ってます。
【記者】フリーの横田一ですけれども、前回の会見で、東京五輪が入札不調問題を深刻化させて、被災地に悪影響を与えるか、じゃないかという質問に対して、基本的に国が決めることだとおっしゃいましたが、東京都としてもできることがあるんではないかと。例えば新国立競技場の規模を大幅に縮小するとか、3環状についても自転車道を整備すれば全線開通する必要性が乏しくなるんじゃないかということで、公共事業の総量を抑えるような施策を進める、あるいは調査をすることについてどうお考えになってるんでしょうか。
しかも、世田谷区で保育所が入札不調で開園が遅れるという、都内にも悪影響を及ぼしていますので、入札不調問題に対するお考え、取り組み内容などをお伺いしたいと思ってるんですが。
【知事】1つの、この前申し上げましたけど、経済全体で考えないといけないので、本当にその公共事業が多いからいろんなところで問題が出てきてるのかどうなのか、それがまず1つ問題ですね。
そして、入札の不調の問題というのは、よくお分かりになってるように、これだけ資材が上がる、もうそんなものを公がやる入札なんかに参加しなくたって、もっと儲かるところは山ほどあるからどんどん行っちゃえという。これ、経済、市場、マーケットメカニズムだから、それを止めることはできないですね。だからさっきの移民のような話もある意味で出てくるので。
だけど、例えば仮にね、今おっしゃったことで、じゃ、あなたの言うように、東京五輪の規模をめちゃくちゃ小ちゃくして、公共事業を半減したとしますね、仮にですよ。そしたら、一気に今言った世田谷の問題も片づくんだろうかというようなことがあるので、私はそうだとは思わないんです。私はやっぱり、全体の経済を良くして、そしてみんな豊かになるような方向づけをやるべきだというふうに思って、それと細かいのは、先ほど言ったように、4月以降、現場を見てから決めたいと思ってますので、若干そこは時間いただきたいと思ってます。はい。
【記者】経済の基本的な考えから言えば、需要と供給のバランスが崩れてると専門家も言ってるんですが、ということは、マーケットメカニズムに任せると、国は今、単価を上げて公共事業費増額で乗り切ろうとしてますけども、そうではなくて、総量、需要のほうを抑えるという考え方も成り立つんではないかと。それができるのは国とか都であったり、行政機関じゃないと、民間企業ではできないんではないかと、その辺について政策提言、あるいは調査なりをされるお考えはないんでしょうか。
【知事】私は総量規制やってもほとんど意味がないと思ってます。私の経済学から言うと、そういう立場です。
【記者】読売新聞の木下です。知事選の選挙資金のことについて、少々細かいんですが、質問します。知事がかつて、著書の中でですね、選挙にかかる金は多くても2000万円で済んでいると。あと厚生労働大臣時代から、医師会など関連業界からは一銭ももらっていないと、業界との癒着を避けているといった記載があるんですけれども、今回の知事選の、知事の選挙運動費用収支報告書というのを見るとですね、支出は2580万円で、2000万はちょっとオーバーしておりまして、あとはですね、収入の大部分は個人からの献金ではあるんですが、日本薬剤師連盟ですとか、東京都薬剤師連盟ですとか、あと東京都トラック運送事業政治連盟ですとか、1件1件は多くても50万円程度なんですけれども、足していくと20団体から300万円以上献金を受けていると。これまでの著書等でのお話と、あと今回の選挙の結果についてですね、整合性というか、その辺の見解をお聞かせください。
【知事】まず、今回はある意味で組織選挙をやりましたね。自民党、公明党、連合。ですから、今までは空中戦である意味で、陸上戦がなくて空中戦でやってましたから、15年ぐらいまでの、前の最初の都知事選挙は、額面は1200万円なんですね。だけど、それはボランティアなんかを全部計算して入れて、例えば変な話なんだけども、誰かがお水、1ケース持ってきたと。そしたらお金計算できますね。それを寄付として全部、今回もそうです。今回も全部、それを入れてるんです。だから、おまんじゅうの差し入れ来ますとか、いっぱい皆さん、頑張れって、ジュースが来たりしますね。それ、1個1個記載して、それを金額の中に入ってるので、もしそれを抜けばもっと減りますということなのと、やっぱり組織を動かしますから、それはお金かかります。ただ、今おっしゃらなかったんですけれども、一番いっぱいお金出したのは私であって、私が500万円、まず金がないとできませんから、自分の500万で出して、それ以上出した方はおりません。まずそれ、おっしゃっていただきたいというふうに思っております。
それで、組織選挙でいろんな諸団体、労働組合も含めていろんな方が支持して、労働組合の連合の方々はビラ張りとか一生懸命やっていただいたんですね。ビラ配りとかですね。それから、今申し上げたことは、組織選挙であれば、例えば今幾つかの団体おっしゃいましたけど、これが支援してくれる、それがだから、そこにもらったから癒着して、都知事の権能を使ってどうだということは、私はやりません。
それで、おっしゃったように、30万とか50万で、それはですね、今回、組織選挙って今までやったことないし、初めてやってみてわかったのは、例えばほんとに皆さん、浄財くださるんですね、3000円とか5000円とか。そうすると、さっきのトラックの運転手さんたち含めて、みんなやってあげたいよというときに、一人一人5000円出して、一回一回領収書というのはちょっとかなわないと。その代わり自分が5000円ずつ団体に天引きされ、取られてると、そこから渡してくれという感じなんですね。だから、私の認識としては、お医者さんにしても薬剤師さんにしても、不動産屋さんにしても、トラックの方にしても、自分のところで政治団体をつくって、それは自分たちが支援する候補を応援すると。そのための政治団体で、そこにもともと自分たちが出しているんで、クッションを置くけれども、直接舛添さんにあげるんじゃなくて、そこからもらってくださいと来てるんだなという感じで、今まで1回もそういうことやったことないですから。
私はやっぱり何千万もらったみたいな話で癒着するというのは、これは許すべきではないと思ってますから一般的にそう言ってたけど、初めてやったんですね、組織選挙で。まさに一枚一枚領収書なんてそんなものはやめてくれと言われて、じゃあ、皆さんのご厚意をお受けしますと。しかし、だからといって、政策を曲げることはありませんと。それははっきり申し上げておきたいと思います。
【記者】東京MXテレビの朝倉です。昨日会見で、アジネット21に北京を再加盟するように要請をしたいというようなお話がありましたが、改めてこの意図と、どういった形で要請をしようというふうに考えてらっしゃるのか教えていただけますでしょうか。
【知事】アジアの大都市のネットワーク、台北もジャカルタもハノイもバンコクもマニラもいっぱい入ってる中で、やっぱり北京が、アジアで一番大きな国ですから、北京が入ってないというのはおかしくありませんかと。私はどう考えても、中国が好きとか嫌いとかそういうレベルの話じゃなくて、客観的に考えて北京がいないというのはノーマルじゃないと、普通じゃない、尋常じゃないと思ってますから、これは帰ってきてもらいたい。しかし、嫌だって出ていったわけですから、出ていった人に帰ってこいというときには、もう一度再加入したいという申請をしてもらわないといけません、まず第一。それを中国、北京市がやってくれるかどうかということですね。
それからもう一つは、何で勝手に出ていったの、もう二度と帰ってこなくていいという都市もあるやに聞いておりますから、そういうほかの都市が、いや、帰ってくださいって、私のように言うかどうか、だからそれは、事務的なことを含めて根回しをして、そう簡単じゃないと思いますよ。中国、北京だってメンツがあって、一遍出たのにそう簡単に帰れるかと。じゃ、どういう条件なら帰れるんですかと。ほかの都市はですね、いや、どういう条件なら帰ってくるのを許していいかと、その詰めを事務的にやりながら。
しかし、私は北京が入っていないアジアの大都市ネットワークというのは、やはりこれは正常じゃないと思ってるんで、ぜひそれをやりたいということで、もう中国側の方が来られればそういう話をしている。それから、この前の台湾の代表が来られたら、台湾の大使にも、事実上大使ですが、大使にもそういうことをお話ししてるんで、ぜひ実現したいと思いますんで、北京に行く機会があれば、当然北京の市長に対してそういうことをお考えくださいということは言っていこうと思ってます。
【記者】その件で、アジネットの大気汚染のプロジェクトというのが今、現在あると思うんですが。
【知事】そうですね、はい。
【記者】これについて、幹事は東京だと。北京側の要請があれば、これ、プロジェクトとしてスタートできるという状況でもあると思うんですけれども、その辺、何か大気汚染の解決に向けてそういうアプローチというのはされるんでしょうか。
【知事】大気汚染は、これは当然やらないといけないし、社会保障も昨日申し上げたようにやらないといけないんで、そういうところが糸口になるかなと。ただ、日本と違って政治体制が違いますから、北京市云々というよりも中国共産党が支配権を握ってますから、中国共産党自身が政治的にどう判断するのかということは大きいと思いますから、相当の政治力も要るんだろうと思ってますけど、幸い中国との関係は、要人との交流含めてありますんで、今のPM2.5を含めて、助けられるところは助けていくと。それは中国の大気がきれいになれば、日本にとっても韓国にとってもいいことなので、それはやっていきたいと思ってます。
【記者】その点、訪中の、昨日もできるだけ早く訪中したいというお話がありましたけれども、何らかの調整というのを行おうとする動きはあるんでしょうか。
【知事】いやいや、実はこの前は中日友好協会の副会長さんが来られたんですけれども、非公開にしてくれというんでこちらは非公開にしたら、向こうのホームページに先に出ちゃったんで、向こうも公開するならということで、そのときも今のアジネットの話もそうですし、環境汚染、お手伝いできればという話もしておりますんで、そういうことで少しずつパイプがつながっていけばということですけど、まだ具体的に、正式に何月何日目指してどうだという話はまだありません。
【記者】フジテレビニュースJAPANの奥寺と申します。防災に関して2つお尋ねしたいと思います。都心部で大地震が起きた場合に必要な救護所、これが非常に足りないという現実があります。例えば特に、丸の内地区なんていうのは空白地帯なんていうふうにも言われてまして、ここは都が先頭に立って対策をですね、お進めになる、そういったビジョンがおありかどうか、これが1つ目です。
もう一つはですね、例えば東京都内はターミナルも多いということを考えると、住民を救うことはもちろん大事なんだけれども、たまたま居合わせた人を守るという観点が非常に必要なんじゃないかということなんですが、そのあたり知事はどうお考えでしょうか。
【知事】おっしゃる指摘は、もうこれは丸の内だけじゃなくて各地に必要だと思いますんで、例えばお台場のフジテレビの中に、皆さん方、フジテレビさんにも協力していただいて、そういう救護・救難センター的なものをつくるスペースを提供していただくかと、だから、官民挙げてやらないといけないんで、ぜひビルの中にそういうのを提供していただければと。
それから、心臓マッサージの機械は今どこでも置いてますね。ああいうのも含めてですね、いろいろ整備していかないといけないんだけれども、やっぱり最終的には、救護が可能なお医者さんとか、それから看護師さんですね、こういう方がそこにいなければ、それはもうちょっとの傷ぐらいは我々でもできるけれども、専門的な医療体制はできないから、やっぱり要するに、救急車的機能をどう確保するかということに尽きると思います。要するに、パーマネントに例えば、あるビルの中にそれをじっと置いて、そこにお医者さんが常駐して、看護師さん常駐するというのは不可能ですから、一朝有事のときに、例えば直下型地震が起きましたと。そのときにこのスペースをお使いくださいというのをぜひ皆さん方に協力してつくってもらうと。丸の内にはたくさんビルがあるわけですから、そういうところを前もってそれは協力して、指定しておく。
それからあとは、どういう手段で緊急にお医者さんを派遣するか、ヘリコプターという手段もあるし、そういう緊急に移動する医療チームも国のレベルでも持ってますし、そういう方が円滑に動くのにどうするか、そうするとこれ、交通渋滞の問題が起こってくる。だから、むしろ今おっしゃる問題は、ただ救護所をつくった。大きな企業の中に医務室が必ずあるはずで、おたくにもあったと思います。そこには、医務室には大体看護師さんかお医者さんかいるはずなんですね。これを活用することはできますけれども、とてもじゃないけれども、そこまで間に合わないときに、実をいうと、パーマネントなそういう介護スポットをつくるよりも、緊急にどこでもいい、野戦病院でいいわけです。テント張ってそこでいいんで、お医者の派遣システムのほうが、私はむしろ先だというふうに思ってるんで、それでいかに交通渋滞を下げさせるか。そして特に、72時間動かないでくださいと、もう動かないでくださいっていうのは、完全に余震までおさまって、うちに帰れる状況までは、今いる、フジテレビならフジテレビの職場にとどまって、そこでサバイブするために、企業も3日分の食料を備蓄してくださいよと、家庭にも今から備蓄してもらうように、ユニットを4月以降、これだけ備蓄してくださいというのを現物つくってやろうと思ってます。そういうことをやっていく。
ただ、今のお話を聞いてて、私はむしろ、医師の派遣システムをしっかりやることがなければ、今おっしゃったアイデアは完全に宝の持ち腐れになって、とてもじゃないけど、維持できないと思ってますんで、今のご提案を受けて、救急医療体制、特に医師、看護師を派遣する体制を滞りなくやるのを、それは東京消防庁含めて、そしてまた民間の企業の方々のご協力もいただいて、早急にやっていきたいと思ってます。
【記者】まさに自治体と、それから民間ですよね。もちろん、そこの中では動き出していて、ただ千代田区なんかに関して言うと、もう住んでいらっしゃる方が4万人という単位で、4万人という単位で、昼間の人口が、それの桁が上がっちゃうと。そうすると、これはもうとてもね、民間のマインドだけではカバーできない部分があると。当然、自治体は、まずは住民を守らなきゃいけないという哲学ありますから、これはやっぱり、そこに頼っただけではですね、なかなか越えられないハードルがあるというふうに思いますし、もう1つは、お医者さんを派遣するとおっしゃいますけれども、例えばそのときに、応急処置に必要ないろんな、こう、薬品であるとか、そういうものの管理についても1つ1つ法律が決まっていて、結局、それをクリアしなきゃいけないということもあるので、先ほど、規制緩和のこともおっしゃいましたけれども、そういった部分もおそらく絡めながらですね、やはり都が出るべきところは出るというようなことが、これ、必要になってくるんじゃないかと思うんですが、どうですか。
【知事】それはそれで結構なんですけど、ただやっぱりね、こういうのはほんとに救急医療に当たってる人たち、そういう方たちの話をきちんと聞いて、それでそういう体制をつくっていこうと思ってます。
規制緩和にしても、ただ緩和すればいいんではなくて、実効性がないとできませんから、まさに机上の空論であってはだめなんですね。
だから、3・11の体験があって、あのとき私も東北に行って、どういう現状かと、お医者さんたちと一緒に現場見て、どうするかというのを考えてきたんで、いろいろ反省点があります。何が欠けてたのか。で、その点も含めて、これは検証して、早急にですね、4月以降、現場見ながらやっていきたいと思ってます。
【記者】それからもう1つ、お医者さんも、ただ診療するのではなくて、例えばトリアージをしなければいけないと。で、実際に伺ってみると、やっぱりふだんは助けられる方から助けていくんだけれども、トリアージっていうのはまた別の観点でやっていかなければいけないので、ふだんの経験というのが意外と生きない、非常に、こう、難しいっていう声もありました。
ですから、それは救護所のスペースだとか場所っていう物理的な問題のほかに、別のソフトウエア的な部分の準備というものも必要じゃないかと思うんですが。
【知事】そのトリアージをどうするか、今はほとんどの大きな病院はトリアージをやることを前提に患者の選別をやってますから。
トリアージは救急隊員にできるんですよ。今救急車乗ってみればわかりますけど、救急車の中だけでものすごい機能があります。だから、これはぜひ、番組としても、東京消防庁を取材して、実際に救急車にお乗りになって、どういう感じなのかっていう、ぜひそういうルポをまたつくっていただいて、そういう中から足りないところをまた一緒に考えながら前に進めたいと思ってます。
【記者】時事通信の増渕です。東京メトロの株式についてお尋ねしたいんですけれども、政府は東日本大震災の復興財源を確保するために、国が保有する東京メトロの株式を売却することを決めてます。
それで先月、2月の国会答弁でも、太田国土交通大臣は、早期の売却は非常に重要であるというような答弁もしていますけれども、知事は国による売却、早期の売却についてどのようなお考えをお持ちでしょうか。
【知事】今のところ、東京都の持ち分を売却する意向はありません。その前に、私が言ったように、全部グランドデザインを描き切ってからなんで、そういうところに目つけて復興財源と言うけど、私たち、国民全員に復興増税やってるわけですから、復興増税やってて、そしてそれが十分に満足に使われてなくて、余ってて、沖縄の国道まで修繕するのを復興の財源でやってて何言ってるんですかというのが私のまず答えです。
【記者】朝日新聞の後藤です。都がですね、河川敷の規制を緩和して、本日から「かわてらす」というのを実験で始めたというふうに聞いていまして、その河川敷のそういう有効利用についてどういうふうにお考えなのかということと、川絡みなんですが、オリンピックの立候補ファイルでも、水上交通について触れている部分がありまして、水上交通も1つの手段としては考えていくべきだと。知事がおっしゃる交通体系の中に、水上交通というものの構想は含まれているんでしょうか。
【知事】要するにいろんな規制緩和の中で、今度は環状2号線の旧マッカーサー道路と言われてるところが3月末に開通しますけども、その両方の道を、シャンゼリゼみたいなオープンカフェにしたいというふうに思ってますし、それからセーヌ川を歩かれるとわかりますけども、ずっと堤防のところをほんとに散策できるようになってるんで、そういう意味で、川の有効利用で、要するにウオーターボディーがあるっていうことが大きな都市の1つの魅力なんで、それは十分使っていきたいなというふうに思っています。
例えばセーヌ川見てもそうだし、日本でも隅田川でも、お台場のところでも屋形船があって、こういうもので観光ということもありますね。だから、それは観光を含めての、十分、水上交通をやればいいのと、それから、江東区、あの辺を見ればわかりますけれども、集合住宅がたくさんあるんです。あそこを選挙運動で何度も入るときに、陸地からやるんじゃないんですよ。和船に乗って海のほうから手を振るんです。それのほうがはるかに選挙として効率がよくて、だから、和船の交通網というのはあの辺にあるんで、こういうのも十分活用するということがあっていい。
セーヌ川とか、ヨーロッパの大河川というのは、ほんとにヨーロッパ大陸の大動脈になってるから、物流の大きなパイプになってるんですね。あそこで石炭を運んだりとか、いろんなものを運んで、平船が行ってますから。今の隅田川、荒川はそういう状況ではないと思いますので、そこまではいかないけど、少なくとも観光とか釣りとかいうようなことを含めて、和船の活用を含めてそれをやっていくというのは大きいけど、ヨーロッパの河川交通ほどの規模にはならないと思ってます。
【記者】日本経済新聞の舘野です。2点お伺いします。1つは国家戦略特区で、東京が指定されるのがほぼ確実ということかと思いますけれども、具体的にそのエリアですね、現行のアジアヘッドクォーター特区の場合、都心の8地区ということですけれども、地域、エリアについては、何か検討をされているのか、検討の余地があるとお考えかというのが1点です。
それともう一つ、知事、4月以降、現場を積極的に見たいとおっしゃってますけれども、現場といっても無数にというか、数限りなくあると思いますけれども、どういったところをまず優先的に見て回りたいとお考えでしょうか。
【知事】はい。まずですね、エリアについては、それは今おっしゃったように、8地区というのはあるんだけれども、全体を見て特区の性格で、例えば私がさっき言った医療特区とか、薬のメッカつくるというときに増やしたほうがはるかに意味があるなら、それは増やすことは十分可能性としてはあり得ると。それは今、最終的な詰めをやってます。
それから、例えば東京を越えて隣接してる川崎、横浜、これと一緒にやったって別に悪いことではないんですよね。例えば羽田空港から見たときに、大田区と川崎市というのを区別する必要があるんだろうかという考えがあってもいいわけでしょう。あのあたり、再開発するとすれば。だから、東京だけで、川崎とか横浜とか、よその人を入れないなんて、そういう狭い了見じゃありませんから、そういう他県の都市との、要するに同時並行というのも、それは十分あり得ていいと思ってます。
それから、視察の優先順位は、これは先方の事情があったり、オリンピック絡みがあったりでなかなか難しいですけれども、やっぱり優先順位はつけて、例えば防災ということですから、であれば、木造密集地域はなるべく早く、もうちょっと、相当見ましたけどね、選挙期間、見ていく。それから三多摩の中で見といたほうがいいところは見ていくと。それはもう、できれば政策の優先順位どおりいきたいと思ってますけど、これは今から具体的に詰めていきたいというふうに思ってます。
【記者】新宿区新聞の喜田です。先ほど救護施設の問題が出ましたけれども、私はむしろその前に避難場所ですね、避難施設を確保することがまず第一だと思っております。それで、前にもお話ししました帰宅困難者問題の一環としてですね、避難場所を今、現在足りているというふうに思っているのか、まだまだ足りないというふうに知事は認識しておるんでしょうか。そこらあたりから少し検討をですね、早くしてもらいたいなと思ってるんですが。
【知事】要するに、この前の3・11みたいなことが起こると、それは足りませんね。ですから今、増やすような努力は今やってるというのが今の状況です。
【記者】増やす努力をしているということですね。
【知事】そうです。ええ。
【記者】増やす場合にですね、私も前から言ってますが、この超高層ビル街のビルの中に避難場所をつくると、こういう考えについてはどうお考えになりますか。
【知事】そういうことも含めて、相手がある話ですから、都知事がやれと言って、独裁者じゃないわけですから、そういうことを言うわけにいかないんで、相手があるんで、相手の話もよく聞きながら前に進めていくと。同意いただければそれは大変ありがたいということです。そういうための努力を今、続けているというのが現状です。
【記者】それがですね、なかなか進まない現状もあるんですね。ご存じだと思いますが、今、新宿区と協定を結んでいるビルというのがあるんですが、名前を公表しないんですね、そういうところは。協定を結んだならば、当然名前ぐらいは公表するのが当たり前ではないかと、こういうふうに
考えますけれども、知事の認識はどうでしょう。
【知事】いや、それは相手がある話ですから、私が無理強いするわけにいかないんじゃないですか。ですから、そこは勝手に私、都知事が何でもできる話じゃないんで、相手が嫌ですというのは、別にその協定以外だって名前出さないでくださいというのは幾らでもあるわけですから。そんなの出すなら嫌だよと言われたら、あなたのアイデアも進まないじゃないですか。問題は先に進めることであれば、そういうことにこだわるんじゃなくて、1人でも多くの人が収容できる場所をこつこつと努力しながら増やしていくと、これに尽きると思ってます。
【記者】こつこつとというのがですね、間に合わないという問題が1つありますね。いつ起きるかわからない。緊急性があると思うんですよ。それともう一つは、名前を公表しなかったら、じゃあ、そこが実際に地震のときに開放される場所なのかどうかということが誰もわからない。どこへ逃げたらいいのかということがわからないですよね。だから、そういう指針をですね、やはり早くやるということが今、大事であって、それができない理由があるならば、きちんとですね、明確にして、できない理由を明らかにしながら、それを1つずつですね、逆に解決していく。1つの全体的な方向をですね、きちっと前出さないとだめなんですね、と思うんですよ。
【知事】いや、だからもう防災対策として全体の中でそれはやっていきますんで、今おっしゃったご意見を毎回聞いてますんで、毎回これは貴重なご意見として頭の中にインプットして、常にあなたの顔を思い浮かべながら、新宿高層ビルを見ながら政策をつくっていきますんで、是非ご協力をお願いします。
以上
(テキスト版文責 知事本局政策部政策課)