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舛添前知事「知事の部屋」

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記者会見

平成26年3月7日更新

舛添知事定例記者会見
平成26年3月7日(金曜)
15時00分~15時47分

知事冒頭発言

1 国家戦略特区の更なる検討について

【知事】 私から2点ご報告いたします。
 まず第1点ですけども、国家戦略特区についてであります。国家戦略特区について、制度をさらに魅力あるものにするために、国に対して新たな提案を行うこととし、その検討にあたるタスクフォースを立ち上げることにいたしましたので、お知らせいたします。
 先日、安倍総理と国家戦略特区について話す機会がありました。その際、総理から、東京都の提案について強い期待が示されました。と同時に、さらに充実した内容の提案を期待しているとのお話がありました。
 そこで、安倍総理のお話を受けとめまして、前田副知事をトップとする庁内メンバーによるタスクフォースを編成し、提案のさらなる充実を検討することにいたしました。タスクフォースでは、年度内に、年度内というのは3月末です、に予定されている地域指定を見据え、スピード感を持って議論してもらい、国家戦略特区として東京都が取り組む具体案を取りまとめてまいります。
 第1回は、早速、週明けの10日の月曜日に開催いたします。国家戦略特区に独自の提案を行っている森ビル株式会社のお話を私も参加して聞くことといたします。今後も順次民間事業者の話を直接聞く機会を設けたいと思っております。議会開会中ではありますけれども、ヒアリングや内部的な検討を精力的に行い、今月中には追加の提案を国にしたいと思っております。安倍政権と一体となって国家戦略特区を実のあるものとし、国際的ビジネス環境の整備を進めるともに、企業の創業を支援するなど、東京の国際競争力の強化を図ってまいりたいと思っております。詳細につきましては、知事本局に聞いていただきたいと思います。

2 都営地下鉄のバリアフリー化「エレベーター等による1ルート確保」の完了について

【知事】第2点ですが、都営地下鉄のバリアフリー化、エレベーター等によるワンルート確保の完了についてお知らせいたします。都営地下鉄では、このたびホームから地上までエレベーター等を利用して移動できる経路を1つ以上確保する、いわゆる1ルート確保を全ての駅で完了することとなりましたので、お知らせ申し上げます。これによりまして、車いすの方などが都営地下鉄を利用する際に、全ての駅でホームから地上までエレベーター等で移動できるようになります。
 これまで都営地下鉄では、人にやさしい公共交通機関を目指し、エレベーターの整備はじめ、ホームドアの設置やトイレの改良などバリアフリー化を進めてまいりました。こうした中、来週3月15日に三田線春日駅でエレベーターの供用開始することで、都営地下鉄全106駅における1ルートの確保を達成することになります。今後は、東京オリンピック・パラリンピック競技大会も見据え、乗換駅において効果の大きいエレベーターを優先的に追加整備し、バリアフリー化を一層加速させてまいります。この件についての詳細につきましては、交通局に聞いていただきたいと思います。

質疑応答

【記者】日本経済新聞の舘野です。国家戦略特区のタスクフォースですけども、現時点で、知事がですね、これまでの国家戦略特区の議論を見ていらっしゃって、特にこのあたり評価したいとか、課題と考えているようなポイントというのは、何か具体的にございますでしょうか。

【知事】国のほうからもまだ具体的にどうだというのは、一部報道はありますけども、それがほんとに正しいのかどうなのか含めてまだ出ておりませんので、お互いに知恵の出し合いというのが現段階であろうかというふうに思ってます。

【記者】都も、既に去年の段階で一度提案をしておりますけども、さらにつけ加えるべきところはあると考えていますか。

【知事】もともと国家戦略特区の法案の中に具体的な、イメージ的なものは若干あるにしてもですね、例えば、だから、巷間言われているのは、容積率の緩和のような形でのまちづくりでいろんな規制を緩和しようというのがありますね。それから、私は自分の厚生労働大臣時代の経験から、医療について国際的に通用する病院のようなものをやれればというようなこともありますし、それから薬ですね、薬をつくる、創造の創に薬、創薬という。創薬で、やっぱり東京がアジアの中心になるべきだと思ってますから、今シンガポールにその座を奪われてますんで。例えばこういうことを具体化するときに、邪魔な規制があるのかどうなのか、そういうことを含めて検討をしたいと思っております。その他、いろんなアイデアを出し合って、内外の知恵を集めてやりたいと。ただ、一応3月末までに決めないといけないですから、国としても、地域の指定があります。そこで我々の案というのをちょっと、月曜日は森ビルに来ていただきますけども、いろんな方の意見を聞いて、できるだけ有効なものをつくりたいというのが今の状況ですし、仮に3月段階が終わって4月以降になっても、いや、こういうもっといいアイデアがあればというのは、それは追加することは全く禁じられてませんから、そういうことは可能であるというように思ってます。よろしいでしょうか。

【記者】毎日新聞の清水です。大気汚染訴訟の和解に基づく医療費助成についてお伺いします。2015年度以降の規模、制度の縮小についてですね、患者団体側は、都が制度をつくったときのああいった熱意がどうも感じられず、メーカー等への交渉というのを真剣にやってくれているのかどうかという不信が広がっているようです。

【知事】なるほど。

【記者】単にメーカーに寄附をくださいというだけではなくて、例えば都のほうから新しい制度のスキームを示すですとか、知事みずからですね、そういった要請に赴くですとか、そういったお考えというのは今ないでしょうか。

【知事】要するに、制度を創設して5年たったら経過の見直しを行うということは、和解条項の中に入っているわけですね。だから、それは当然やっていたと。それで、基本的には、自動車メーカーもこれは負担をしないといけない。ところが、それは財源捻出、極めて困難だという中で、3分の1の財源捻出は都としてもこれまでやってきたと。そうすると、あくまでタックスペイヤーである東京都民が納得する、これはもう私は厚労大臣のときも国レベルでさまざまな訴訟ありましたですね。そのときに納得するという形の説得をしないといけないんで、さあ、その段階で、今、記者さんがおっしゃったようなことをやることが本当にいいんだろうかという、いいんだろうかというのは、納得させることができるんだろうか。これまで最大限の努力はしてきましたよということなんで、私はちょっと、今はそういう印象を持ってます。よろしいでしょうか。

【記者】別に都に対してですね、もっと財源を出してくれと言っているわけではなくて、患者側も。今のように、国やメーカーにもその財源の拠出というのをもっと強く求めてほしいということを言っているんですけども。

【知事】なるほどね。そのことも含めて、それはちょっと検討させていただきますけども、さまざまな国家賠償訴訟をやってきた立場からすると、外から私は都に入って、よくここまで、これまでやってきたなという感はあるんですね。ですから、それを踏まえて、国での同じような訴訟と比べたときに、私は今のような印象を持っているということでありますんで、それは検討はしてみましょうということですね。

【記者】あと、患者団体が知事への面会をきのう求めたんですが、それについてはいかがでしょうか。

【知事】今のところは、都として事務的に、事務局レベルでしっかり対応しているんで、今のところは、政策に優先順位、さまざまつけないといけないんですが、今、患者の皆さん方と面会することは考えておりません。

【記者】ジャーナリストの池上と申します。長年、引きこもり問題を取材してきたんですけども、5日の一般質問の中で、来年度から引きこもり支援策として訪問相談を始めるというお話がありました。東京都のほうでは、現状では、34歳までを引きこもりの支援対象というふうにしていまして、ただ現実は40代以上が、例えば町田市の実態調査では半数とかですね、山形県では、あっ、ごめんなさい、町田市では3割以上とか、山形県では半数というデータもあります。そういう意味で、半数近くが除外されてるという意味で、現実に即していないという声も多数あります。また、その引きこもり対策担当が治安対策本部ということで、当事者の中にはテロの予備軍と自分たちがということでおびえたり、萎縮したりというような現実もあります。そういう意味で、窓口をですね、領域を超えて新たな部署に一本化して、全ての年齢に対応するような、そういう取り組みということができないだろうかと思っているんですけれども、その辺、知事のご見解を聞かせていただければと思いますが。

【知事】それは1つのお考えとして承っておきますけれども、一定の年齢を決めてるというのはそれなりの意味があって、例えば、何歳以上まで行くんですかっていう、この意見もありますね。ですから、そこは、今言った考えもあるかもしれないです。それから、部署がどうなるかということについても、それはいろいろ人員の限界もありますから、ほかの福祉政策もやらないといけないんで、1つのご意見として承って、検討しておきます。

【記者】よろしくお願いします。フリーの記者で佐藤と申します。高齢者に関する問題について話を伺いたく思います。高齢者がですね、加害者となる犯罪、特に万引き件数がですね、増加し続けている一方で、これは数十年前からずっと問題視されているところですが、なかなか効果的な対策が打ててなくて、ここまで来てるんじゃないかというふうに思います。事件の背景など考えた場合にですね、刑事政策とかの面とは別の角度から、福祉、もうちょっと広げて社会保障の面からも対策を考える必要があるんじゃないかと思いますが、都知事は、福祉の面で世界一を目指すとお話しされているので、介護施設の拡充や在宅支援制度の充実だけでなく、こういった部分の対策も必要になるかと思うのですが、それについてお話を伺えればと思います。

【知事】まず、実態を調査しないとわからないと思います。だから、ほんとに犯罪者的に万引きしてるのか、認知症が高じてなったのか、わかりませんから、まずその答えを出す前に、皆さん方のジャーナリストの立場からのルポなんかも含めて、ちょっと全体を見ないと、今、具体的な答えということはできないと思いますけれども。むしろそれよりもというか、それと並んで、認知症の方が踏み切りに入って、事故で、そのときに家族に莫大な賠償が来る、こういうものも社会保障政策で取り組まないといけないという機運はありますね。だから、そういうことの一環として、これも検討に値するということなんで、まず調査が必要だと思います。

【記者】フジテレビの江藤ですけれども。上野動物園のパンダが発情期を迎えています。それで、2年前は子供が生まれたんですけれども、7日目に亡くなってしまいました。去年は偽妊娠でした。東京都民の中でも、早く、早くも新しい子供ができることを願ってるような声出てますけれども、一応知事の見解をよろしくお願いします。

【知事】それはもう私も一日も早くかわいい赤ちゃん生まれることを祈ってますんで、ぜひ、上野動物公園のスタッフの皆さんには頑張っていただきたいと思います。

【記者】読売新聞の工藤です。先月2月9日の知事当選から間もなく1カ月を迎えます。この1カ月間、予算に関連することだとか、ソチ・オリンピックに行かれたりとか、初めての議会だとかありましたけども、1カ月ちょっと総括していただきたいんですが。

【知事】まず、その前に、当選したのは9日ですけれども、登庁したのは12日ですから、まだ1カ月たってません。で、たってませんけど、その振り返る感慨を言ういとまもありませんというのが私の考えです。はい。いや、あまりに次から次と仕事がありますんで、それを中心にやってますんで。

【記者】フリーの横田一ですけれども。震災3年目で被災地を回るとですね、公共事業、復興事業が集中して、入札不調、工事費の高騰が問題になって、自宅や店舗を建てるのを諦めようかという人も出てきてると。これに東京五輪のインフラ整備が加わると、さらに状況は悪化するという不安の声も出てるんですが、これに対して、インフラ整備を後送りするとか、抑制するとか、五輪関係のですね、というお考えはあるのかどうか、あるいはその調査を始められるお考えがあるのか、そもそも史上最高の五輪というのは、質的なものを目指して、インフラ整備は必ずしも史上最高である必要はないというお考えなのか、その基本的なところまでお伺いしたいんですが。

【知事】まず、最初に経済というのはどういうものかっていうのをわかっておく必要がありますね。要するに、日本経済がこれまで不況のトンネルの中にあった。もっともっと経済全体よくしないと、東北を支援するお金だって出ません。我々の税金から出してるわけですから、復興、皆さん方も増税されてますね。私たちの給料が上がれば、それだけ復興の財源も豊かになるわけですから、日本経済が活力見せて、失業者がいなくなるぐらいになるということが、それが一番大事なんで。
 ただ、おっしゃるように、機材であるとか、人員であるとかが東京オリンピック・パラリンピック目指してこちらに集中している面があることはよく聞いております。しかしながら、東京が牽引力となって経済をよくする、そして、東北もそれの恩恵を受けるというのが一番ベストの考え方なんで、要するに、パイが決まっていて、100あるものを東京と東北で6・4でとるか、7・3でとるかという話をしてるんじゃないんです。
 パイの100を200、300上げることが大事だってのが、私のまず認識ですから、問題の設定の仕方がまず異なる。で、質とか量とかいう問題は、東京を訪れた方々が、量についても質についてもというか、量とか質とかよりも、こんなすばらしい五輪は、おもてなしの心を含めて、なかったなという、そういうことが私が言う史上最高だというふうに思っております。
 あとは、ですから、資源の配分を、国というのが関与できるとすれば、それは今の政権が、中央政府がきちんとやるべきことであって、私の役割は、この東京をすばらしい都市にして、そして豊かにして、それが東北地方の方々の復興も支えるようにすると、そういうことに努力するということです。

【記者】国と二人三脚を組んで東京五輪を成功させると、国と二人三脚を組むということは、国に対してですね、今、東北で被災地で問題になってる入札不調、工事費高騰に対してですね、国全体として抑制することをするべきじゃないかと、そういう提言をなさったりとか……。

【知事】何を抑制するんですか。

【記者】公共事業の全体の量をですね。そうしないと資材が不足して、人件費、人手も遠くから三陸まで交通費かけてですね、宿泊費もかけて行かないと、それで工事費が倍ぐらいになってるわけですよ。そういう現実があるわけですから、それを受けて、国に対して何らかの改善策を求めると。五輪が始まれば、新潟とかの業者がもう皆東京に行って、集中してですね、被災地はさらにもう大変な事態になるというふうに言われてるわけなんですが、それに対して何らかのアクション、調査なりされないんですかと。

【知事】いや、それは、私が調査することじゃないんです。国がやることですよ。まさにそれこそ。だから、私は今、自分の考え方を申し述べたんで。それから、もっと言うとですね、おっしゃるとおりなんで、マーケットメカニズムですから、国がどの建設会社、どこに行けということを言えないんで、それは一番もうけのあるところに行くに決まってるわけですよ。それは。
 しかし、そこにおいて、資源を重点的に東北地方に配分するとか、例えばですよ、今、新潟の例をおっしゃいましたね。東京に行かないで、福島に行ってくださいというためには、インセンティブをつけないといけないです。そのインセンティブは東京都がつけるもんじゃないんです。
 例えば、東京のほうがもうかるから行きたい、だけど、じゃ、あなたは福島や仙台に行ってくださいというときには、そのインセンティブこそまさに国がつけるんで、それは我々がそれだけ復興の財源を出してるわけですから、国民全体が。私はそういうふうに理解をしております。もちろん、必要な意見は言うことはできます。しかし、私に決定権限はありません。それはもうはっきり申し上げておきたいと思います。

【記者】新宿区新聞の喜田です。毎回同じようなことなんですが、帰宅困難者問題について、まだ舛添都知事の見解をですね、まだきちんと聞いておりませんので、帰宅困難者問題はですね、緊急の課題であるということと、やはり、避難場所の確保が、今、一番求められていると。その中で新宿の場合には、この超高層ビル街30数棟ありますので、ここに避難場所を指定すればいい。それを東京都知事がですね、宣言をするとか、明確な方針を出すとかいうことを打ち出さない限りこれは進まないということを感じているわけですが、そのことについてご見解をお願いします。

【知事】喜田さんの細かい、個別具体の問題には話してないかもしれませんが、帰宅困難者の問題について何も言ってないというのは正しくありませんので、何度も言っています。何度も申し上げている。自転車対策でも言っていますよ。私はね、皆さん、喜田さんだって、私だって、家族どうなっているんだろうと、家族でも、お父さんどうなっていると心配ですから、携帯でつながって「いや、元気だよ」というのもいいんですよ。だけど、できれば帰ってあげたほうがいいですよ、帰れれば、自分のうちに、帰れれば。じゃ、なぜ帰れないか。車で道が埋まるからですよ。自転車だったら、これだけの幅あったら行けるじゃないですか。それで自転車道を整備すれば、自転車だったら行けますよ、例えば。そうでしょう、だから、だから自転車は一石三鳥だっていうのは、例えばそういうことを申し上げているんで。
 それから、要するに、避難場所の確保はこれ、当たり前のことであって、いろんな場所をやればいいです。ただ、どこでもいいってわけにいきませんから、人間ですから、お手洗いも行かないといけない。お手洗いをちゃんと整備しているところはどこか。それから、ちゃんと備蓄の食料はあるか、そういうことも考えないといけないんで、ですから、喜田さんのご意見は1つの貴重な意見としてお伺いして全体の検討の中に置きますけれども、私は、例えば自転車ということを言っているのは、実はそういう意味があって、3.11のときにみんな帰れなかったのは車だからですよ。ですから、それは一つのアイデアなんで、これから、喜田さんがおっしゃったことも念頭に置きながら、まだ着任して一月もたっていないんですから、もうちょっと時間をください。それは、今から検討してやります。

【記者】いいですか。それ、いろいろ自転車で帰る方法もあるでしょうけれども、やはりどうしても帰れない状況がですね、道路ががれきで埋まって帰れないとか、鉄道がとまっているわけですね、まずね。そういう状況が3.11のときにも当然起きたわけですが、その場合に、そういう避難場所を、近くで、駅の近くでとれる場所がここにあるのにですね、それを放置しておくっていうのは、ちょっと、もったいない話だなと思います。

【知事】それは官民全部挙げて、企業だって、自分のところを開放したり、デパートがフロアを開放したり、いろいろなこともやれるわけですから、官民を挙げて総力を挙げてやるということについては、私はやぶさかではないんで、具体的にどういうふうにするかというのは指定したほうがいいのかどうなのか含めて、これはもう少し検討させてくださいということです。よろしいですね。

【記者】朝日新聞の後藤と言います。今お話しあった自転車についてなんですけれども、就任から、自転車道の整備ということをおっしゃっておりまして、120キロを2020年までに整備すると。自転車道、都内を見たときにですね、車道につくっているほんとうの自転車レーンもあれば、大部分が歩道上につくっている。

【知事】そうですね。

【記者】徐行義務のあるですね、走行空間と、厳密には自転車レーンとは言えないものがほとんどで、これから整備するものも大部分が、都の計画では、自転車レーンではなくて歩道上の空間になっているように伺いまして、そこは、実効的な自転車レーンを整備するにはほんとうはどうしたらいいのかという見解を伺いたいのと、あともう1点、ちょっと、最初の知事がおっしゃったことに戻るんですけれども、これ全く別の話で、地下鉄のワンストップの話で、車椅子が1ルートで。地上からホームまで行けると。ただ、いろいろ見てみるとですね、車椅子昇降機を使って上るルートなんかも結構あるようで、例えば、エレベータで全部行けるわけではないと。地下鉄、車椅子昇降機は、例えばベビーカーは使えないと言われているんですね。だからそういう点で、ほんとうに実効的1ルートと言えるのかっていうのは、ちょっと私は疑問に思っているんですが、その点を伺えないでしょうか。

【知事】2番目の点から申し上げますと、1番目もそうですけれども、都民の皆さんも、国民の皆さんも、もう少し自発的に困った人を助けることをやりましょうということなんですよ。つまり、スウェーデンが福祉大国と言うけれども、例えば、非常にステップの低い、今、バスがありますね。だけどベビーカーの方がこれやったら、みんな、周りの人が率先して助けるんですよ。
 だから要するに、今の1ルートって誰もいなくて、その、身体に障害のある方がたった1人でおりたときの話なんですよ。で、それだけ乗客が乗っていたら、ちょっと手伝えばいいでしょう。それは目の不自由な方だってそうなんです。私はだから、むしろ、そういうこともぜひやっていただきたいと。スウェーデンが福祉大国というのは、先ほども言うように、みんながもう、喜んで助けるんで、昇降機なんて必要ないんです、周りに人がいれば。だから、それをぜひやってもらわないと、じゃあ、このシステムではだめだ、昇降機はだめだ、エレベーターはだめだ、このシステムはだめ、際限なくお金もかかるし、むしろそういうことより、周りにたくさん乗客がおられれば、皆さん助けましょうということをやってもらいたいと思います。
 それから、自転車レーン、さまざまなものがありますけれども、これも、都民から率先して自転車マナーを、道路交通法に基づいてきちっと確立しましょうと、必要なら厳しい処罰の対象にする、つまり、左側通行しかいけませんと。当たり前なんですよ。それ、右側通行すると交差点曲がるときにトラックなんかに巻き込まれて自分が犠牲者になる可能性がものすごく高いんですよ。だから、左側通行するというのは自分の身を守るためにも意味がある。私が40年前にフランスに留学していたときに、キャンパスの中だから、そんなもの、自由に自転車で走っていいだろうと思ったら、ほかのフランスとか外国の、アフリカの学生もいたかな、ものすごく厳しくしかられて、あなたの走っている方向は逆だと、絶対だめだと言われて、40年前ですよ。
 だから今、全く自転車の走り方が無法地帯でそれが歩行者をはねたりする事故が起こっているんで、やはり、自転車レーンということを私は言ったけど、それと同じぐらいに重要なのは、自転車使うときの、走るときのマナーは徹底させると。だから、東京都民のマナーを、ぜひ全国民の自転車に乗っている方、学んでくださいということが言える。最近、どこかの新聞には出ていましたように、自転車をきちんとたくさん乗っているところほど自転車の事故が少ないっていうのが、統計出ていましたね。
 それからね、都全体のルールを確立したいというのは、多摩川の堰堤、多摩川沿いというのはこれ、快適にずっと走れるんですが、管轄する区によって全部違う、ルールが。それはそのときに、こんな慣習だからって、何区はどうする、何市はどうするって決まっている。これを、都全体でこういう走り方をしてくださいっていうのは、東京都議会で条例をつくればできる話ですから、警察の協力も得て。だから、実をいうと、レーンももちろん必要だし、今おっしゃるように、歩道の中で半分に分けたりっていうようなこともありますので、ほんとうはそういうことがなくて、4車線ある、5車線あるうちの、一番端の車線が自転車になるようなことが一番いいと思っていますけれども、ただ、それに加えてルールの統一、それから罰則の強化を含めてのマナーの向上、こういうことも同時に必要だというふうに思っています。

【記者】東京新聞永山です。知事がですね、当選したわりとすぐにですね、「現代ビジネス」で、インターネットのウエブですね、都庁では、職員が恐る恐る知事に説明に伺ってもよいか不安げに尋ねてきたと。都庁は、およそ行政機関としての体を成していないというふうに書かれていますけれども、先ほど、1カ月たったという質問がありましたけれども、1カ月就任されてですね、その辺の変化、職員の方の変化とかを感じられた部分というのはあるでしょうか。

【知事】昨日の都議会の質問で、週に1遍やる政策会議だっけ、それをずっとやっていないのは何なんだみたいな質問がどなたかから出たから私が答えたんで、1週間どころか毎日やっていますよと。だから、1週間に1遍しかやらない会議はやる必要ないんですよ。だから、今は毎日、おそらく副知事とか局長と顔を合わせない日が不思議なぐらいにやっていますし、それは、きちんと答えてくれて、私が体を成していないというのは、リーダーシップの体をなしていないということを申し上げたんで、5万7000人という厚生労働省の職員に対してリーダーシップを発揮するときは朝から晩まで分刻みでやったって間に合いません。じゃ、16万5000人いる、3倍ぐらいのスタッフを抱えている都庁で、3倍働かないと間に合わないはずです、人口比から、だから、分刻みで間に合わない、秒刻みぐらいやって間に合うんで、だから、何度も言うように、週1回しか出てこなくて、よくそういうことがやれる方が前おられたなというのは、私は驚愕に堪えなかったですね。
 ですから、今は、必要があれば何時でも、緊急の事態があれば何時でも呼び出す。真夜中でも電話でこういうことはどうなってんだということを言うし、今日も分刻みで全部問題があれば、交通局にこういう問題がある、地下鉄が今こうだと、じゃ、すぐ報告に来なさいと、私だって全部知っているわけじゃありません。
 着任してまだ現場も歩いてないですから。だから、1日も早く全体のグリップを固めないといけないんで、それは、一月もたってないけど随分改善したというふうに私は思っておりますし、私が言いたいのは、要するに、まず自分のところのこの都庁の職員の能力を最大限に引き出して、その人たちがしっかり都民のために仕事をする体制をつくるという、今まさにその時期なんで、だから、この前ちょっと申し上げたように、よその人の助けをかりるなんて、そんなレベルまで行ってない。ちゃんと、都民の税金で給料をもらっているわけですから、給料分働いてもらわないといけない。働く能力がなければ、外から助っ人を呼ばないといけないですけど、私が言うように、霞ヶ関の役人と十分戦えるだけの能力を持った人たちがいっぱいいますから、この能力を引き出すことが私の仕事であって、そんな、よその人に税金を払ってまで来てもらう必要は全くありません。私は今、この人たちを使わなかったというのはわかりやすい言葉でいうと、宝の持ち腐れなんで、何を今までのリーダーはやっていたのかと、もう驚きとともに怒りに耐えませんね。これこそ税金の無駄遣いですよ。
 私はだから、全力を挙げて今都庁の全職員に対してグリップをして、用事があったら、いつ何時でもきちんと報告に来いと。それで、私に知らせないといけないことがあったら、いつ何時でもいいから知らせろと、電話だって、携帯電話だって、メールだってあるわけですから、それを、指揮命令系統を徹底させるということを今やってますんで、まだ、一月たってませんけれども、議会、今、特に重点的なのは、議会で予算通さないといけないですから、これ全力を挙げていますけれども、さらに、4月以降は現場も含めて、現場の職員もたくさんいますから、現場の職員に対してもそのグリップを固めていくということなんで、皆さん方が見たほうが、私が見てもよくわからないんで、皆さん方から見ての感想をぜひ教えていただきたいんですけれども、少なくとも、私が感じる限りは、この3週間ちょっとですけれども、みんな生き生きと仕事をしてくれている、大変ありがたいことだってのが私の感想です。

【記者】キューバのグランマー通信社の日本特派員をやっている霞ヶ関通信の稲村です。先ほど知事は東京大江戸線の1ルート確保がもう完了するというお話がありましたが、1ルートの入口というのはもう初めのときから問題が、つくられていたので、先日お話ししたように、私のほうで、赤羽橋で地下鉄の、奈落の底に落ちる、落ちるような降りる階段と、それから、上下のエレベーターですね、ぜひお願いしたいというのが、2ルート、両側のほうのルートなんです。でも、当初、これできるときからですね、片一方はあまり人が通らないところですが、日通さんのビルにできると、これはやっぱりちょっとおかしいんじゃないかいって、案の定、前回、井出官房長官が天下りで日通に行かれたから、やはり、そういう関係だったのかと、みんな言ってんですけれども……。

【知事】相当昔の話ですね、井出官房長官というのは。

【記者】いや、ついこの間です。新しい長官がおかわりになって日通に行かれたということで……。

【知事】まあ、どうぞ。

【記者】はい。それで、今、私のほうがあと1つ、一番初めから要求していますのは、アメリカンクラブとか、ロシア大使館とか、イタリア大使館とか、それから、羽田に行く、羽田への観光客、外国のにプラス、この済生会中央病院というのがあって、まさにバリアフリーのね、出入り口のエレベーターか、エスカレーターが欲しいというところなんですが、ぜひ現場見ていただいて、早急に解決していただきたいと思います。

【知事】ぜひ、時間をやりくりして、現場を見て、それでまた検討したいと思ってます。

【記者】あと1つ質問させてください。知事がソチに行かれている間ぐらいか前後して、日本の森元総理が、浅田真央さんに対して、大切なところでころころ転げるという話をされました。私ども、外国特派員の中で問題になって、今、インターネットでも大分書かれております。森総理は、あまり外国語に達者じゃなくてですね、非常に有名なのが、外人に会ったときに、「How are you?」という挨拶のかわりに、「Who are you?」と言ったそうですよね、これは今までも、日本国民みんな知ってるように、外国語得意じゃないと、こういうような方を会長にしておるのは、やっぱり、今後、やはり、選手にとってマイナスじゃないかと思うんですが、主催者としてですね、もっと文武両道にたけた方。きょうも朝午前中行ったんですが、京大の相撲部やったたとえ公明党とはいえ、太田大臣とか、または、もっと若くて浅田真央さんに次の会長を頼むとかいうふうな決断をされてはいかがかと思いますが、いかがでしょうか。

【知事】1つのご感想として承っておきますけれども、日本社会で大きな事業を動かすときには、それなりに必要な資質があって、それは人脈とか、過去の経験とかいろいろあるので、森総理がそういう面で非常にすぐれた才能を持っておられることということを皆さんが認められて組織委員長になったと思われますんで、ああいう発言をなさるとか、外国語の問題は私がカバーできるところはカバーしながらやっていきたいというふうに思っています。

【記者】産経新聞の福田と言います。すいません。高齢者対策の関係なんですけれども、現行の介護保険制度というのは、在宅介護にスポットを当てたものになっていると思うんですけれども、ただ、最近は介護離職とかですね、出世に響くから会社には、何か言わない、隠れ介護とか、何か、そういう方々も出てきているという話を聞いておりまして、それで、先週もですね、先週の会見で4万6000人ぐらい施設入りを待っている方がいるというお話も出ましたけれども、やっぱり、24時間目が行き届く施設のほう、施設入りをご家族とかですね、希望されている方も多いような状況で、今現在で、これから、今後のことを考えて、在宅をですね、より拡充というか、家族へのインセンティブとかもあると思いますが、そういうものを拡充していくか、それとも、より施設を増やすとか、そっちにシフトしたものにしていくか、これは国のお話ですけれども、見解として伺いたいと思います。

【知事】やっぱり、介護する、私もそうでしたけど、立場からものを見たほうがいいと思うんです、こういうのは。それで、施設介護か在宅介護かという二律背反ではなくて、施設も介護もだと。だから、多様なメニューがあったほうがよくて、今日は施設に親を預けましょうと。しかし、今日は休みだから、住みなれた家庭でゆっくり介護しましょうというのもあり得るし、それから、介護保険の中で訪問介護があるから、自分はぐっすり夜寝て、あしたの仕事に差し支えないようにする。その間、鍵を預けているナースが来てみてくれるということはあり得るんで、できるだけ多様なメニューがあったほうがいいですから、特養も老健もそうだけど、グループホームがあってもいい、それから今の夜間の訪問をしてくださるものがあってもいいんで、100人100様、お年寄りもそうだし、つまり、介護が必要な方もその方を介護される家族も全部100人いたら、100家族って、100要求が違うんで、選択肢は多いほうがいいというのが私の答えなんで、あらゆる方策を都としてもとっていきたいと思ってます。

【記者】できる資源が限られてる中でも……。

【知事】ですから、そこで私が厚労大臣のときに地域包括ケアというのをやったのは、自分の住んでいるコミュニティーがあたかも施設であるかのようになると。そうすると、なぜ施設に入れるかといったら、つまづいて転んだりするけど、そこはバリアフリーだから入れる。じゃ、まち全体がバリアフリーだったら、まちに出れますねということになるんで、そして、お年寄りの介護の必要な対応が全部違いますから、それに合わせた形の、多様にやっていただく、NPOの人にも頑張ってもらう、株式会社であったっていい。まさに保育の問題と同じだと思いますんで、多様な選択肢ということで、限られた財源の中でできるだけのことをやりたいと思ってます。

【記者】すいません、毎日新聞の竹内です。先ほどの森総理の発言のことなんですが、これ、資質は置いといてですね、森総理のああいう発言については、どんなふうに感じられたかっていうことと、もう一つ、付随してですね、浅田真央さんが、森さんは発言について後悔されてると思いますというようなですね、皮肉とも擁護ともつかないお話をされてたんですが、知事として率直にこのやりとりについては、どう思われますか。

【知事】前回もここで、どなたかの質問に対して申し上げたと思いますけれども、浅田真央さんの対応も非常に大人の対応であったというふうに思いますし、あの笑顔でああいうふうに答えられたっていうのはすばらしいというふうに思います。森総理にしても、娘や孫にしかれらたっていう形で対応したって、これもまあ一つの大人の対応だったというふうに思いますんで、今後、森組織委員長が、ああいう発言をなさらないことを希望したいと思いますし、浅田真央さんには、たまたま帰り、飛行機一緒だったんで、お話しすることがありまして、私は非常に感動したと、あれだけの8回もジャンプ失敗しないでやった最後の演技ということで、励ましてあげた。今後とも、まあ彼女が今後、競技続けていかれるのか、引退するのかと、まあいろいろ話ありますけれども、ぜひ頑張ってもらいたいという、そういう感じです。よろしいでしょうか。

【記者】時事通信の増渕です。安倍政権は、法人実効税率の引き下げを検討することにしています。それで、年央にまとめる骨太の方針に、その方向性が盛り込まれると思います。この法人実効税率の引き下げが行われた場合、東京都を含む地方財政に大きな影響を与えると思うんですけども、知事はこの法人実効税率の引き下げについて、どのようなお考えをお持ちでしょうか。

【知事】それはね、短期的に見るか、長期的に見るかであってですね、要するに、丸い数字で言うと、40%の税率のところと20%の税率だったら、企業は当然20%のところへ逃げていきます。優秀な企業がどんどん日本から脱出すれば、当然経済活動は衰えてきます。衰えてくるということは、税収全体が伸びません。ですから、そういうことを避けるために、実効税率を下げることによって、優秀な企業が日本にとどまって経済活動を続けると。その結果、大変、大きな利益を生む。で、その結果、税収っていうのが、実を言うとうんと上がるというのが、一番いい循環の形です。だけど、すぐやったから1年目にそうなるかどうかはわかりません。だから、そこは非常に苦しい時期はあると思いますけども、そういう2年目、3年目からは、まさに実効税率の引き下げによって、全体の税収が上がると。それによって都税も、当然増収になると。そういうことを望みたいと思ってます。今、私に申し上げられるのは、それだけだと思います。

【記者】東京プレスシックスの井上と申します。よろしくお願いします。現在のウクライナ情勢についてなんですが、これは世界的に大変重要で大きな問題です。それで、もうすぐ開幕になる、ソチの冬季パラリンピックなんですが、各国が相次いで高官の派遣、もしくは取りやめを見合わせている中、日本政府は、桜田文科副大臣の派遣を決めました。日本政府もいろんな考えがあると思うんですが、都知事のご意見をお聞かせ願えればと思います。

【知事】ウクライナ情勢をどう見るかということから始めないといけませんけれども、現段階ではですね、プーチン大統領は、軍事的な行動はやらないでいい状況であるということを言ってます、それが一つ。それから、16日にクリミアをロシアに編入するかどうかの住民投票があります。そういう結果を見てみないと、どういうことになるかわかりませんが、国際社会、これはヨーロッパと、また、アメリカとで温度差があります。こういう国々は、軍事的な行動を起こしたり、侵略と思われるようなことをやるべきではないということを言ってます。ただ、私の判断は、今の状況でまだ即断できない状況だなと。一応、まだロシアも自制をしてる。それから、もう背景言うと、クリミアのあの地域、セヴァストポリの海軍基地も含めてなんですけども、住民が6割以上、ロシア系住民が6割以上だと。おそらく住民の意思を問えば、自分たちはロシアに入りたいと言うんだろうと。フルシチョフのときに、同じソ連の中だからって、ウクライナ共和国につけちゃったのを今ごろ、このツケが出てきてる。
 まあそういう全体の歴史的背景を眺めたりしたときにですね、パラリンピックが開催されます。行かないっていうことを、政府高官が絶対に行かないってことを明示するだけの否定的な事実はまだないと思ってます。ですから、16日以降の状況っていうのの判断と、おそらく今の段階の判断では異なると思いますから、桜田副大臣を絶対送るべきでないという意見では、私はありません。今の段階で、政府として日ロ関係も重要であるし、ヨーロッパとも、アメリカとも、違う立場に外交的に日本があるということを考えたときに、桜田文科副大臣を派遣するという決定が、瑕疵があったり、道徳的に非難されたりとか、政治的にまずかったりという判断を私もいたせません、というのが今の状況です。

以上

(テキスト版文責 知事本局政策部政策課)


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