石原知事定例記者会見録
平成20(2008)年8月15日(金)
15:01~15:12
知事冒頭発言
北京での日本オリンピック委員会主催レセプションへの出席の取り止めについて
【知事】冒頭、これは報告じゃありませんが、ちょっとお断りしますけど、8月17日、明後日の北京のレセプションですが、私ちょっと体調を壊しましてね、夏風邪をこじらせて、今、免疫力をつけるために断食療養してますから、ちょっと3時間で日帰りするのはつらいので勘弁させていただきますけども、よろしくどうぞ。
今日は、私から行政について申し上げることはありません。質問があったらどうぞ。
質疑応答
【記者】北京オリンピックも前半戦が終わりまして、知事もテレビでご覧になっていらっしゃると思うんですが、特に印象に残ったものがあれば教えていただければと思います。
【知事】それはやっぱりね、我々の代表だからね、金メダルをとってくれた選手には本当に絶大な拍手を送りたいけどね。
私、開会式に行って非常に心外だったのはね、元首クラスの各国の最高指導者が揃ってる中で、自国の選手が来て、立って手を振らなかったのは、うちの総理大臣と北朝鮮の代表だけだったね。これはどういうことなのかね。奥さんは立って手を振ってたけどね。
日本へ帰ってきて、私、新聞で読みましたがね、何か、「頑張ってください。せいぜい頑張ってください。せいぜいね」って言ったそうだな。「せいぜい」って言葉というのはどういうことなのかね。何か、あなた、限界があるから、まあ、という感じにしかとれないし、僕は、総理大臣が日本の選手にかける言葉としては違うと思うね。そのせいか何か、日本勢、振るいませんな、あんまり。せいぜい頑張ってるけども。残念だね。
【記者】特に印象に残った試合はございますか。
【知事】それはやっぱりね、だれが勝っても負けても、選りすぐられたトップアスリートたちの戦いですからね。やっぱり迫力は格段のものだし、あのオリンピックというのはまさに民族の祭典という感じがしますな。
その最中に、ロシアの辺境でああいう、どこかな、新しい火種が噴いたりね。世界ってなかなか厄介だなと思うけども。
【記者】先ほどの質問の関連なんですけれども、知事との親交も深い北島選手(北島康介 北京オリンピック競泳日本代表選手)の活躍はどのように…。
【知事】親交は深くない。1回、アテネで優勝したときにわざわざ来てくださったので、頑張れと言ったんですが。
やっぱりタフだよね。肉体だけじゃなしに、精神もタフだ。あんな男が100メートルで勝ったときにね、畳み掛けてくだらん質問するアナウンサーもだめなんだな。その前でさ、男の涙見せたくないからタオルで顔ふくふりして。ああいうシーンというのは、美しいというか感動的というか。つまり、ロゴスじゃなしに、まさにエロスの世界だから。肉体の美しさのね。そういう感動というのは、やっぱり、スポーツならではだと思いましたね。
【記者】これで引退も示唆しているというようなことなんですが、それについてはどのように。
【知事】それは残念だけど、しようがないでしょう。肉体の限界というのはあるしね。やっぱり一流の選手になるほど、自分の限界をわかってるだろうからね。残念だけど。ああいう選手、次から次に出てもらいたいですな。
【記者】日本選手がこれまで振るわないというようなお話が今ありましたけれども、東京五輪招致の機運盛り上げのためには、もうちょっと頑張ってもらいたいと。
【知事】そうですね。これからまだありますからね。大いに頑張ってもらいたいね。せいぜいじゃなしに、大いに頑張ってもらいたいな。何だい、せいぜいってのは。
【記者】靖国参拝について伺いたいんですが。
【知事】またかね。
【記者】ええ。
【知事】当たり前じゃないか、行くの。おれは日本人だ。
【記者】来年の東京五輪の招致を控えて、中国を初めとした東アジアの国々の理解を得るというのが必要だと思うんですけれども、そういった状況の中で今年参拝に踏み切ったというのは、何か今後の招致への影響というのはどのように考えていらっしゃるんでしょうか。
【知事】別に影響ないと思いますね。当たり前のことですしね、日本人として。私の家内の父親もあそこにおりますし、私の親しかったまたいとこが2人、海軍士官で戦死しておりますしね。その心情として、私が行くことがだれがどう妨げることなんですか。つまらん質問しないほうがいいよ、お宅だって。新聞の沽券にかかわるぞ、ほんとに。だれがやっているか知らんけども。バカな質問しないほうがいいよ。恥ずかしくないか、ほんとに。聞いてるほうも恥ずかしいよ。
【記者】北京五輪に関連してなんですけど、開会式をご覧になって、開会式の演出で口パクがあったということで…。
【知事】ああ、それとね、それからね、何かテレビに映った映像は全部あれ、コンピューター・グラフィックなんだってね。うーん、まあ情けないというか、何というのか、あの国ならではか何か知りませんがね。まさにうれしい、楽しい、おめでたいということはわかるけども、向こうのぶら下がりでの質問でも言ったがね、同じ中華料理を3人前食わされると、やっぱりうんざりするよな。長過ぎた。みんなそう言っていた。
それから、ああいうなんていうのかな、人口を誇る国ならではのマスゲームってのは、見ていて迫力はあっても、これか、これかと同じことを繰り返されると、いささかうんざりですな。まさにあの口パク、それから花火の上空から撮ったあのシーンも、後で聞いてみたらコンピューター・グラフィックだったんでしょう。サッカレー(ウィリアム・メイクピース・サッカレー 英国の小説家)の有名な小説の題名と同じだね。
【記者】とおっしゃいますのは。
【知事】あなたが自分で調べなさいよ。
【記者】東京オリンピックに向けて、アイデアとして何かひらめいたところはありますでしょうか。
【知事】ないね。全く違うことをやります、可能ならば。
【記者】庁内での会議の公開と非公開のあり方について、少し知事に伺いたいと思いまして。
【知事】庁内の?
【記者】庁内。都庁内。先日、下水道で5人が亡くなる事故がありまして、今週、総合防災部(総務局)の緊急会議が開かれたんですけれども、結局あいさつだけが公開されて、あとは非公開だったということで、ああいう話は、都庁だけでゲリラ豪雨に対応していくのは非常に難しいことだと重々わかっているんですけれども、だからこそ、都がどう考え、どう対応して、何を悩んでいるのかというのは見せていただきたかったなと思いました。
【知事】それは人のとり方じゃないですかね。あれは何か聞きましたらね、あなたのような意見もあったそうだけども、気象庁とか、ああいうことに慣れないスタッフもそれなりの専門性を踏まえて参加したようで、そこで活発な議論が誘発されるためにも非公開にしたと聞いてますけども。もちろんそこで出た具体案というものは、私は公開されるべきだと思いますよ。
【記者】非公開にする理由が、マスコミがいると、どうしても自由な意見交換ができないということなんですけど…。
【知事】そりゃそうだろうが。
【記者】でも、その後で話を聞くと、結局その会議では意見は出なかったということなんですけど。
【知事】それは知りません。内容は私、そこまで。
【記者】であれば、やっぱり気象庁のゲリラ豪雨、近年の東京におけるゲリラ豪雨がどうなっているのかとかいう対策などは、実際に我々の目にも見せていただけたほうがよかったんじゃないかなと思いますし、自由な意見交換ができないという理由であれば、今後すべての会議が非公開にされかねないということなんですよね。
【知事】しかし、今まで公開されていた会議ってどうなんですか。庁議というものはやっぱり庁内でするものでね、いちいち、それを公開していたら、いろんな議論が出てこないと思うよ、僕は。
【記者】もちろんそう思います。ただ、前回の…。
【知事】そこで出た結果を公表すりゃいいことでね。内容はどうだって私、聞いておりませんがね。
【記者】わかりました。
【知事】はい、それじゃ。
(テキスト版文責 知事本局政策部政策課)