2022年03月22日
財務局
令和4年 地価公示価格(東京都分)の概要
調査基準日:令和4年1月1日
地価公示は、地価公示法に基づき、国土交通省の土地鑑定委員会が標準地を選定し、毎年1月1日時点の調査を行い、価格を判定して、一般の土地の取引価格の指標等として公表するもので、昭和45年以降毎年実施している。令和4年の東京都分の地点数は2,602地点で、令和3年と同数である。用途区分ごとの地点数は、住宅地1,702地点、商業地852地点、工業地40地点、林地8地点となっている。
1 令和4年地価公示価格(東京都分)の動向
東京都全域でみた場合、住宅地、商業地及び全用途(住宅地、商業地及び工業地の計)で対前年平均変動率(以下、「変動率」という。)がプラスに転じ、工業地は9年連続でプラスを維持した。
令和3年地価公示では、区部55地点、多摩地区61地点の計116地点で価格が上昇し、区部1,243地点、多摩地区720地点、島部10地点の計1,973地点で価格が下落したが、令和4年公示では、前年との比較が可能な継続地点2,564地点のうち1,814地点で価格が上昇し、304地点で価格が下落した。
上昇した1,814地点の地区別内訳は、区部が継続地点1,568地点中1,290地点、多摩地区が同978地点中524地点、島部が同18地点中0地点で、用途別の内訳は、住宅地が同1,681点中1,282地点、商業地が同837地点中498地点、工業地が同38地点中34地点、林地が同8地点中0地点である。
下落した304地点の地区別内訳は、区部が169地点、多摩地区が130地点、島部が5地点で、用途別の内訳は、住宅地が109地点、商業地が188地点、工業地が0地点、林地が7地点である。
また、価格横ばい(前年から価格変動がない)の地点は446地点で、地区別内訳は、区部が109地点、多摩地区が324地点、島部が13地点となっている。用途別の内訳は、住宅地が290地点、商業地が151地点、工業地が4地点、林地が1地点である。
(1)住宅地
区部
- 区部全域の変動率は1.5%となり、令和3年の-0.5%からプラスに転じ、全23区で変動率がプラスとなった。
- 上昇率が最も高かったのは2.9%の中央区(前年-0.8%)で、2.6%の豊島区(同-0.6%)、2.5%の文京区(同-0.7%)がこれに続いている。
- 地区別の変動率は、都心5区が2.2%(前年-0.3%)、その他区が1.4%(同-0.5%)となった。
多摩地区
- 多摩地区全域の変動率は0.5%となり、令和3年の-0.7%からプラスに転じた。17市で変動率がプラス、4市1町で0.0%、5市1町でマイナスとなった。
- 上昇率が最も高かったのは2.3%の稲城市(前年0.7%)で、1.7%の武蔵野市(同0.0%)、1.5%の調布市(同0.0%)がこれに続いている。
- 下落率が最も大きかったのは-0.3%の日の出町(前年-2.7%)で、-0.2%のあきる野市(同-2.8%)がこれに続いている。
(2)商業地
区部
- 区部全域の変動率は0.7%となり、令和3年の-2.1%からプラスに転じた。20区で変動率がプラス、3区でマイナスとなった。
- 上昇率が最も高かったのは2.3%の中野区(前年-0.5%)で、2.1%の杉並区(同-1.7%)、2.0%の荒川区(同-2.0%)がこれに続いている。
- 下落率が最も大きかったのは-1.3%の中央区(前年-3.9%)で、-1.2%の千代田区(同-2.9%)、-0.3%の港区(同-1.1%)がこれに続いている。
多摩地区
- 多摩地区全域の変動率は0.5%となり、令和3年の-1.1%からプラスに転じた。15市1町で変動率がプラス、7市でマイナスとなった。
- 上昇率が最も高かったのは1.8%の武蔵野市(前年-0.9%)で、1.4%の稲城市(同-0.8%)がこれに続いている。
- 下落率が最も大きかったのは-0.7%の武蔵村山市(前年-2.4%)で、-0.5%のあきる野市(同-2.7%)、-0.3%の青梅市(同-2.3%)がこれに続いている。
(単位:%)
|
住宅地 |
商業地 |
工業地 |
全用途【注】 |
令和4年 |
令和3年 |
令和4年 |
令和3年 |
令和4年 |
令和3年 |
令和4年 |
令和3年 |
区部 |
1.5 |
-0.5 |
0.7 |
-2.1 |
2.4 |
1.8 |
1.2 |
-1.1 |
多摩地区 |
0.5 |
-0.7 |
0.5 |
-1.1 |
1.4 |
0.0 |
0.5 |
-0.8 |
島部 |
-0.3 |
-1.0 |
-1.1 |
-1.7 |
- |
- |
-0.6 |
-1.2 |
東京都全域 |
1.0 |
-0.6 |
0.6 |
-1.9 |
1.9 |
0.9 |
0.9 |
-1.0 |
【注】林地を除く |
(3)地価の半年単位の動向
- 東京都地価調査の基準地と同一地点である標準地(以下、「共通地点」という。)209地点について、前半期(令和3年1月1日~令和3年7月1日)・後半期(令和3年7月1日~令和4年1月1日)の平均変動率をみた場合、いずれの区分においてもプラスとなり、前半期より後半期の平均変動率が高くなった。
- 共通地点の令和2年1月1日から令和4年1月1日における半年単位及び年間の平均変動率は、下表のとおりである(2年間を通じて比較可能な203地点より算出)。
(単位:%)
|
令和2年 |
令和3年 |
前半期
(令和2年1月1日~令和2年7月1日) |
後半期
(令和2年7月1日~令和3年1月1日) |
年間 |
前半期
(令和3年1月1日~令和3年7月1日) |
後半期
(令和3年7月1日~令和4年1月1日) |
年間 |
区部 |
住宅地 |
-0.6 |
0.0 |
-0.6 |
0.5 |
0.9 |
1.5 |
商業地 |
-2.1 |
-0.6 |
-2.7 |
0.0 |
0.7 |
0.7 |
全用途 |
-1.3 |
-0.3 |
-1.6 |
0.3 |
0.8 |
1.1 |
多摩地区 |
住宅地 |
-0.9 |
0.0 |
-0.9 |
0.2 |
0.5 |
0.7 |
商業地 |
-1.9 |
0.1 |
-1.8 |
0.1 |
0.6 |
0.7 |
全用途 |
-1.2 |
0.0 |
-1.2 |
0.1 |
0.6 |
0.7 |
東京都全域 |
住宅地 |
-0.8 |
0.0 |
-0.7 |
0.4 |
0.7 |
1.1 |
商業地 |
-2.0 |
-0.4 |
-2.4 |
0.0 |
0.7 |
0.7 |
全用途 |
-1.3 |
-0.2 |
-1.5 |
0.2 |
0.7 |
1.0 |
|
2 地価動向の背景
住宅地
- 新型コロナウイルス感染症による影響は低減し、テレワークの浸透等生活様式の変化に伴う住宅環境の見直しや富裕層を中心とした需要の拡大等から、上昇傾向へ転じている。
- 交通利便性が高い地域等で根強い需要が見られるものの、交通利便性に劣る地域、斜面造成地や河川沿いの低地、人口減・高齢化が進む地域等では、需要の減退が続いている。
商業地
- 繁華街やオフィス街の多い都心3区では新型コロナウイルス感染症の影響が続いているが、その他の区や多摩地区で利便性の高い地域では、地元商業拠点での消費が進んでいること等から、上昇傾向へ転じている。
工業地
- インターネット通販の拡大に伴い、物流施設適地を中心に変動率がプラスを維持している。
発表した地価公示価格(東京都分)はホームページでご覧いただけます。

問い合わせ先
財務局財産運用部管理課
電話 03-5388-2736 |