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2019年05月30日
生活文化局
本日、東京都消費者被害救済委員会(会長 村千鶴子 弁護士・東京経済大学現代法学部教授)から「USBメモリを媒体とする投資関連学習教材の販売に係る紛争」(平成30年9月19日付託)について、相手方事業者が調停案を受諾したことから解決した、と知事に報告がありましたので、お知らせします。
20歳代前半の申立人らは、友人から、勧誘目的を告げられないまま呼び出されて、相手方事業者を紹介され、投資学習教材が入ったUSBメモリ58万円の購入を勧められました。教材どおりに投資すればみんながお金持ちになる、損は出ないなどと説明を受け、「すぐに返せる」などと消費者金融から購入資金を借り入れるよう強く勧められたため、借金をして契約しました。契約時には、第三者にUSBメモリを紹介し、その人が購入すれば、一人につき5万円を支払う旨説明されました。その後、消費者金融からの借入れの返済の負担等から解約を希望しましたが、相手方が応じなかったため紛争になりました。
委員会は、本件が、特定商取引法に規定する連鎖販売取引(いわゆるマルチ商法)に該当するため、同法に基づく中途解約を求めました。その結果、相手方事業者は、申立人らが支払った58万円のうち1割を除いた金額を申立人らに返還し、申立人らは相手方事業者にUSBメモリを返還するとの合意が成立しました。
報告書を送付し、施策や業務運営等の参考としていただくよう依頼します。
本件紛争解決にあたっての委員会の考え方を消費生活相談の現場などで活用してもらえるよう、情報提供していきます。
東京くらしWEBで消費者に情報提供を行うとともに、SNSや紙媒体なども活用して、注意喚起を行っていきます。
東京都消費者被害救済委員会とは、都民の消費生活に著しく影響を及ぼし、又は及ぼすおそれのある紛争について、公正かつ速やかな解決を図るため、あっせん、調停等を行う知事の附属機関です。
以前のアルバイト先の先輩であったCに、Cが所属する販売組織である相手方から本件USBメモリを購入するよう勧誘を受けた。USBメモリ内の教材を学ぶことによって、著名なトレーダーの手法による日経225先物取引が誰でも可能になり、この手法に基づく投資をすればみんながお金持ちになると説明され、Cから「一緒に稼いで楽しいことをしよう。早く一緒に勉強しよう。」などと強く勧められたため、その気になり、その場で提示された契約の概要を説明する書面に署名した。当初、購入代金58万円は貯金をして用意するつもりだったが、Cから「お金を借り入れた上で投資を行いながら返済した方が効率的だ。」と強く勧められたので、消費者金融から借り入れ、その金で平成29年10月に代金を支払い、契約をした。なお、契約をする際に、相手方から他の第三者にUSBメモリを紹介し、その者が実際に購入すれば、一人につき5万円支払う旨説明された。
その後、消費者金融への返済の不安や、友人のアドバイスもあり、解約を希望したが、相手方が応じなかったため紛争になった。
高校時代の仲の良い友人Dから紹介したい人がいると平成30年3月に呼び出されたところ、相手方の販売組織の上位者を紹介され、本件USBメモリの購入の勧誘を受けた。USBメモリに記録された日経225先物取引の手法に従って取引をすれば90%の確率で投資利益を上げることができる、損は出ないとの説明だった。勧誘が4、5時間にも及び、また信頼していた友人Dから「稼げるのだから一緒に稼ごう。」と強く勧められたので、提示された契約の概要を説明する書面に署名、押印した。購入代金の58万円については、Dと相手方から消費者金融から借り入れて用意することを提案され、「借入をしてもすぐに返せる。借りた分以上の利益を出せる。」と言われたため、すぐに返済できるのであればと消費者金融3社から借り入れ、支払った。なお、第三者にUSBメモリを紹介し、その者が実際に購入すれば、一人につき5万円支払うと言われていたが、紹介することはできなかった。
消費者金融からの借金が家族に知られ、毎月の返済の問題もあり、解約を希望したが、相手方が応じなかったため紛争になった。
当初相手方はあっせん案を受諾しなかったが、その後、同じ内容の調停案を受諾し解決
特定商取引法に定める連鎖販売取引であることから同法に基づく中途解約を認め、相手方は58万円のうち52万2千円を申立人らに一括して返還する。申立人らは、相手方から受け取ったUSBメモリを、相手方に返還する。
≪参考≫投資関連学習教材USBメモリの連鎖販売取引に関する相談件数の推移(東京都内)
※:平成30年度は、速報値
※困ったときにはまず相談を!!
おかしいなと思ったら、最寄りの消費生活センターにご相談ください。
※別添 USBメモリを媒体とする投資関連学習教材の販売に係る紛争解決案件(PDF:1,501KB)
詳しくは東京くらしWEBをご覧ください。
問い合わせ先 東京都消費生活総合センター活動推進課 電話 03-3235-4155 |
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