(3)魚釣島、北小島、南小島の利用可能性など将来動向の探求 ② 北小島は、魚釣島の南東約5kmに位置している。諸資料、文献によ る調査結果を基に観察し自然条件等について確認した。地勢は、島全体 が険しい岩山で、南部にある最高頂約120mの岩山ほか2つの岩山が あり、海岸から切り立った崖である。植生はほとんど見られないが、海 鳥類の群れが顕著であった。 ③ 南小島は、魚釣島の南東約5km、北小島の南東200mに位置して いる。諸資料、文献による調査結果を基に観察し自然条件等について確 認した。地勢は、西端に高さ約140mの岩山及び東端に高さ約90m の岩柱が存在するが、東部は概ね平坦地となっている。植生は東部の平 坦地に群生していると見られる。海鳥類は西部の岩山に顕著であった。 ① 魚釣島は、旧船着き場跡も見られる北西部、平坦地が広がる東部など を観察した。渓流、湧水など水の存在も確認できたが、飲料水になる可 能性は確認できなかったこと、宅地になる条件としての供給施設また交 通接近条件を考慮すると現時点において、宅地として適切性の判断はで きない。自然環境を保全しながら、通信施設、航海標識として灯台の設 置など公共公益用施設の土地になる用途は有効と見られた。 ② 北小島は、平坦地も少なく岩山が切り立っているため、宅地化は困難 と思料される。ただし、稀少な動植物が多く存在するため自然環境の保 全を図りつつ、良好な漁場として漁船が多く訪れる可能性があるため、 さらなる詳細調査は必要ながらも、公益用施設の整備の可能性は期待さ れる。 ③ 南小島は、東部がほとんど平坦地のため利用可能性はあるが、宅地化 の可能性は未知数と推察される。ただし、稀少な動植物が多く存在する ため、さらなる詳細調査は必要ながらも、自然環境の保全を図りつつ、 北小島と南小島間には公益用施設の整備の可能性は期待される。 -50-
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