オオアジサシは真昼の炎天下であっても飛翔している個体が見られた(写真7)。しかし、多くは隆起サンゴ礁の上部や岩礁上で集団を形成して休んでいる個体が多かった(写真8、写真9)。幼鳥も混じっているところからまだ親に給餌を受けている個体もいるのではないかと考えられた。親鳥と考えられる個体が嘴に魚を咥えて運んでいる場面が3例観察できた。礫質砂岩や隆起サンゴ礁上で集団を形成して休んでいるオオアジサシの群れの外縁には少数のクロアジサシのいる場合が見られた。一方、クロアジサシの休んでいる集団の場合には、その中にオオアジサシの混じっている場合も見られた。この場合にはオオアジサシはクロアジサシの集団の任意の場所に位置していた。両者の種間関係では、オオアジサシの方が優位になっているのであろう。オオアジサシの場合は単独個体で休んでいる例は見出せなかった。 南小島の周航調査 調査結果は表3に示した。この島は地質学的にはイソナノ瀬戸に面した西側には礫質砂岩の最高地点が148mに達する岩山がある。島の中ほどは隆起サンゴ礁の平地あるいは台地状を呈し、東端には新田立石(ニッタタテイシ)と呼ばれる安山岩と礫質砂岩の突岩(標高89m)が見事である。なお表3には伊沢泊(イサワドマリ)にある2つの小岩礁も含めた。 カツオドリは海崖の頂上に小さな群れで休んでいる場合が多かったが(写真9)、多くの崖が海に直接面していないので、小型船よりの発見数は思ったより少なかった。また、海岸の低い岩礁上でも休んでいた(写真10)。 -26-
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