東京都尖閣諸島現地調査 調査報告書
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石垣市役所 尖閣諸島における東京都の現地調査に参加しての所感 東京都が尖閣諸島を購入し、その後の活用策を検討するにあたり基礎的調査を行うことを目的に平成24年9月2日、東京都主催で尖閣諸島の現地調査が実施されました。その現地調査において、本市行政区域である尖閣諸島の視察を目的に本市職員も同行しました。 平成24年9月1日22時頃、総トン数約2,400トンのサルヴェージ船(以下「本船」という。)にて尖閣諸島に向けて石垣港を出港しました。天候・波ともに非常に穏やかで、翌日の夜明け前に大過なく魚釣島の周辺海域に到着しました。上陸に関しては、国からの許可が下りなかったため海上からの現地調査となりました。朝食を船内で済ませ、日の出後に調査が開始されました。東京都は、本船、ラバーボート、小型船の3班に分かれ調査を開始しました。本船は購入に向けた外観観測調査と活用に向けた気象・海象調査、外洋水質調査、外観観測調査を行い、ラバーボートは活用に向けた避難港適地調査、大気調査を行い、小型船は購入に向けた土地鑑定、平坦地割合、海岸線確認と活用に向けた避難港適地調査、沿岸観測調査、沿岸水質調査、生物相観測を行いました。本市職員は、調査監督員という位置付けで本船に留まり、東京都の調査状況の推移を見守りながら尖閣諸島の各島々(魚釣島、北小島、南小島)の様子を望遠鏡等で観察をしました。最初に魚釣島を視察しました。灯台が設置してある箇所の沖約500メートルに本船を停泊し、そこから時計回りに周航しました。その後、北小島と南小島を視察しました。北小島と南小島の中間地点の東側沖に本船を停泊し、魚釣島同様に北小島と南小島を時計回りに周航しました。 これら島々の観察からの所感を以下の4つにまとめさせていただきました。 1.漁業及び漁業のための施設整備 第1点目は漁場調査の必要性です。昭和50年代初期における沖縄県の調査・統計はありますが、それ以降の統計実績はありません。そのため、最近における漁業実績の把握調査、必要性及び周辺海域における漁業形態並びに魚種別漁獲調査が必要であると感じました。また、周辺海域における外国漁船等とのトラブル調査の必要性もあると感じました。 第2点目として、漁業の安全・安心のための施設整備の必要性です。具体的には、5トン未満の漁船が避難できる浮き桟橋程度の施設、10ワット対応の無線施設、そして、現在の漁業気象は与那国海域が最北端情報であるためこれを尖閣諸島海域まで広げるための気象観測施設です。 ― 31 ―

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