東京都尖閣諸島現地調査 調査報告書
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4 まとめ 潮流の流向・流速については、計測結果を図6に示した。ここで、午前5時から午前6時までの間の調査地点が日本サルヴェージ株式会社から提供された地図の外側に位置していたため、地図の外側にプロットした。 この結果、潮流は概ね南西方向から北東方向へ流れていた。また、島の南部では島の外周に沿って流れていた。これは、広く知られている黒潮のものであると推定できる。流速は概ね3kt以下で、島から離れるにつれて大きくなる傾向があった。また、午後2時40分に南小島の東側で流速6.2ktの潮流を観測したが、他に参考となるデータもなく、正常値かどうかは判明しなかった。 今回の尖閣諸島周辺海域の気象・海象調査により、風の流れや潮流について基礎データを得ることができた。また、尖閣諸島近海の海況については、図書『尖閣研究(上)』に1960年代の調査報告(伊志嶺 安進「尖閣列島海洋調査報告」)が収録されており、調査を計画する上で大いに参考となった。 図6 調査日(9/2)における潮流(流向・流速)の計測結果 ― 25 ―(凡例)        1周目 潮流        2周目 潮流        3周目 潮流上の矢印は流速2ktを示す流速の大小は矢印の長短に比例※ 1kt ≒ 1.85km/時

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