東京都尖閣諸島現地調査 調査報告書
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3)水温および潮流 北小島、南小島周辺の水温は28.7~30.4℃の範囲であった(表2)。両島間の西側は29.1~30.4℃とやや高かったが、両島の周辺は28℃台であった。潮流は両島の中間で、南西から北東に向かう強い流れがあった。また、島の周辺では北小島の西側のやや深くなっている所で速い流れが認められた。 3 まとめ 測深データから作成した、魚釣島西側の「船着き場」(St.1)、東側の「東岬北側」(St.4)、「和蘭曲~和平泊」(St.6)および「北小島、南小島間」(St.8)の4ヶ所の海底地形イメージ図を図21に示した。今回の水深調査では、魚釣島では東側より西側、北側より南側が急峻となる傾向が見られた。また、北小島、南小島では西側が深くなっており、いずれも陸上の地形がそのまま海底の傾斜に反映されていた。また、今回の調査地点の海底はほとんど岩礁であった。岩礁にはくぼみや切れ込みが多く、櫛形に沖に延びているなど、水深の変動も激しく、地形は複雑であった。岩礁の表面にはサンゴの着生が認められたが、ほとんど表面に付着しているのみで、サンゴ礁の発達は見られなかった。 写真17 南小島の陸上 ― 111 ―

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