新しい多摩の振興プラン
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2021(令和3)年9月 多摩地域は、東京の面積の二分の一を占め、三分の一に相当する400万人もの人口を擁しています。緑豊かな自然に恵まれ、高い技術力を持つ企業や大学、研究機関等が集積するなど、多面的な魅力に溢れており、東京の持続的発展に欠かすことのできない地域です。 一方で、人口減少・少子高齢化への対応をはじめ、道路・交通インフラの整備、防災対策、産業振興など、地域ごとの課題も抱えています。 私は知事就任以来、機会あるごとに多摩地域を訪問し、現場を見るとともに、30市町村長と毎年、直接意見交換を行うなど、地域それぞれの実情をしっかりと把握しながら、多摩地域の振興に努めてきました。今後とも、暮らしと自然、都市機能が調和する多摩の魅力に磨きをかけ、同時に、一つひとつの課題に丁寧に向き合っていき、多様なポテンシャルを花開かせることに繋げてまいります。 100年に1度の危機とも言われる新型コロナウイルス感染症が与える、社会経済活動の制限、外出や移動の自粛といった影響の中からは、新しい働き方や暮らし方、デジタル化の進展など、社会構造の変化も生まれています。 こうした社会の変化・変革を的確に捉え、多摩地域が一層発展していくチャンスにしていくことが大切です。東京都は、ただコロナ禍以前の元の社会に戻るのではなく、その先の持続可能な新しい暮らしを追求する「サステナブル・リカバリー」の視点で政策を展開してまいります。 今般策定した「新しい多摩の振興プラン」では、こうした方向性を軸に据え、サテライトオフィスの充実や先端技術を活用したイノベーション創出など、多摩地域だからこそ、より一層輝く取組を戦略的に掲げました。そして、市町村をはじめ地域の皆様とこれまで以上に緊密に連携・協力していくことが、施策の効果をさらに高めていくことでしょう。賑わいと活力に満ち溢れたより良い多摩の未来を、皆様と力を合わせ、創り上げてまいります。東京都知事「新しい多摩の振興プラン」の策定にあたって

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