○利害関係者との接触に関する指針の制定について

平成一一年三月三一日

一〇教人職第八五三号

都立学校長

東京都立学校職員服務規程(昭和六三年東京都教育委員会訓令第八号)第八条の三の規定に基づき、利害関係があるもの(以下「利害関係者」という。)との接触に関する指針を下記のとおり定めたので、通知します。

利害関係者との接触に関する指針

一 利害関係者の定義

(一) 児童・生徒、保護者並びに職員の職務(許可、立入検査、監査、監察、補助金の交付、不利益処分、行政指導、各種選考、工事の請負、各種委託、物品の購入その他契約、教科書採択、教材選定等)に利害関係を有する団体及び個人をいう(以下「利害関係者」という。)

(二) 職員の異動前の職務の利害関係者は、当該異動の日から起算して三年間は当該職員の利害関係者とみなす。

(三) 自らの地位等の客観的な事情から事実上の影響力を他の職員に及ぼし得る職員(以下「当該職員」という。)においては、当該他の職員の利害関係者は、当該職員の利害関係者とみなす(自己の利益を図ることを目的として、当該職員と接触していることが明らかな場合に限る。)

二 利害関係者との接触に関する職員の遵守事項

(一) 職員の遵守事項

ア 職員は、職務上利害関係者と接触するに当たっては、公務員としての自覚を持って接触し、職務上特に必要がある場合を除き、複数の職員で応対するとともに、密室での接触を避ける等場所その他の環境にも十分配慮すること。

イ 職員は、やむを得ず単独で職務上利害関係者と接触(相談を含む。)する場合には、上司に事前及び事後の報告をすること。また、その際に利害関係者から職務上の要望、意見等を受けたときは、速やかにその内容を上司に報告し、指示を受けること。

ウ 職員は、利害関係者からさぐり行為(予定価格や最低制限価格などの厳格管理情報を職員等から聞き出そうとするなどの行為)を受けた場合、決して応じず、速やかにその内容を上司に報告した上で、適切な対応を取ること。

(二) 管理監督者の遵守事項

ア 職員を管理又は監督する地位にある者は、職員と利害関係者との接触について、日頃から状況の把握に努めるとともに、職員が報告、相談しやすい職場づくりに取り組むこと。

イ 職員を管理又は監督する地位にある者は、利害関係者がみだりに執務室内に立ち入らないよう徹底するとともに入室制限を行うなど、必要な措置を講じること。また、職員と利害関係者が、公開で打ち合わせることのできる場所を確保するなど、室内配置や職場環境の整備に努めること。

三 利害関係者との接触についての原則(禁止事項)

職員は、利害関係者との間で、職務執行の公正さに対する都民の信頼を損ねるおそれのあるものとして、次に掲げる行為(家族、友人等の個人的関係に基づく私生活面における行為で職務に関係のない行為を除く。)をしてはならない。

ただし、次に掲げる行為((九)を除く。)については、四により上司の承認を得た場合はこの限りでない。

(一) 会食(パーティーを含む。)をすること。

(二) 遊技、スポーツ又は旅行をすること。

(三) 金銭、物品(せん別、祝儀、香典、供花その他これに類するものを含む。)及び不動産の贈与を受けること。

(四) 金銭の貸付け(業として行われる金銭の貸付けにあっては、無利子又は利率が著しく低いものに限る。)を受けること。

(五) 無償で物品又は不動産の貸付けを受けること。

(六) 無償で役務の提供を受けること。

(七) 未公開株式を譲り受けること。

(八) 供応接待を受けること。

(九) 校長又は副校長が、教科書若しくは教師用指導書の執筆・編集等又は教材(児童・生徒を対象とした副教材、問題集、参考書、教育ソフト等教科書に準拠して作成されたあらゆる補助教材をいう。以下同じ。)の作成等(以下「教科書作成等」という。)に従事すること。

(一〇) その他一切の利益や便益の供与を受けること(社会一般の接遇として容認される湯茶の提供を除く。)

(一一) 利害関係者をして、第三者に対し、(一)から(八)まで及び(一〇)に掲げる行為をさせること。

四 上司の承認を得ることができる場合(上記三の例外)

上司の承認を得ることができる場合は、次に掲げる行為に該当し、かつ、職務執行の公正さに対する都民の信頼を損ねるおそれがないと上司が判断した場合に限る。なお、上司が承認する場合には、当該職員に対して東京都立学校職員服務規程(昭和六三年東京都教育委員会訓令第八号)の趣旨に反することのないよう、改めて注意を喚起しなければならない。

(一) 会食(パーティーを含む。)

ア 職務上の必要性が認められ、かつ、正当な対価を支払う場合

(正当な対価を支払う場合でも、打合せ等の業務終了後に、場所を変えて会食する等の場合は、職務上の必要性は認められない。)

イ 利害関係者が主催する公式的な行事に職務として出席する場合で社会通念上許される範囲の飲食が出される場合

ウ PTAの公式的な行事に出席する場合で社会通念上許される範囲の飲食が出される場合

(二) 遊技、スポーツ又は旅行

ア 職務として児童・生徒を引率する場合(遠足、修学旅行、移動教室、部活動等)

イ その他職務上の必要性から利害関係者と旅行(出張)する場合

(生徒引率の事前準備のための視察等職務上必要性がある場合でも、利害関係者の勧誘、あっせん、案内により旅行(出張)する場合は、職務執行の公正さに対する都民の信頼を損なうおそれがあるもので認められない。)

ウ PTAの行事で旅行に参加する場合

(三) 物品の受領

以下の物品を利害関係者から受領する場合

ア 広く配布される宣伝広告用の物品で、一個人としてではなく組織として受け取る場合で、社会通念上許される範囲のもの(カレンダー、手帳、ボールペン等)

イ 利害関係者が主催する公式的な行事に職務として出席する場合で出席者全員に配布される記念品(社会通念上許される範囲のものに限る。)

(四) その他の利益や便益の供与

ア 出張の際に、用務地の事情や職務上の必要性からやむを得ず利害関係者の提供する自動車を利用する場合

イ 職務上の必要からやむを得ず利害関係者の所有する物品を借用したり、利用する場合(筆記用具を借りる、コピー機を利用する等)

五 事前に上司の承認を得られなかった場合

(一) 職員は、やむを得ない事情により、事前に上司の承認を得られなかった場合には、事後、速やかに上司に報告し、承認を得なければならない。

(二) 職員は、やむを得ない事情により、三に掲げる禁止事項(上司が承認できる場合を除く。)に該当した場合は、速やかに上司に報告するとともに、職務の執行の公正を確保するため、迅速かつ適切に、次に掲げるような対応をとらなければならない。

なお、報告を受けた上司は、その履行状況を確認しなければならない。

ア 職員の自宅等に利害関係者から金銭や物品が持参又は送付された場合は、当該金銭や物品を速やかに返却し、その証拠を上司に提出する。さらに、送り主に対し、今後、職員には金銭やいかなる物品も送ることのないよう連絡する。

イ 食事の提供を受けて正当な対価を支払わなかった場合や、タクシーに同乗するなど役務の提供を受け、応分の料金負担をしなかった場合は、正当な対価や応分の料金を確実に支払い、その証拠を上司に提出する。

六 官公庁職員との接触について

職員が、官公庁(国、他の地方公共団体及び都が出資その他の方法で助成する団体等)の職員と接触する場合については、職務上の必要に留意しつつ、この指針を準用する。

七 教科書会社又は教材会社との接触について

(一) 校長又は副校長は、教科書会社又は教材会社からの教科書作成等に関する依頼に応対してはならない。

(二) 校長又は副校長以外の職員が教科書作成等に関する依頼に応対する場合は、事前に上司の承認を得なければならない。

(三) 教科書作成等に関する依頼に応対することについて上司が承認できる場合とは、次に掲げる事由のすべてに該当するものとする。この場合において、同一年度に教科書及び当該教科書に準拠する教師用指導書の執筆・編集等に従事する場合は、イに該当するものとみなす。

ア 当該職員が、当該教科書若しくは教師用指導書が準拠する教科書の採択の補助業務に直接かかわらない者又は当該教材の選定に直接的な権限を有していない者であること。

イ 当該職員が、同一年度において他の教科書作成等に従事していないこと。

(四) 教科書、教師用指導書又は教材について教科書会社又は教材会社との意見交換に従事する場合は、上司の承認を得なければならない。ただし、当該意見交換の従事に関しては、いかなる謝礼又は報酬も得てはならない。

八 校長又は副校長以外の職員が教科書作成等に従事することについて

校長又は副校長以外の職員が教科書作成等に従事する場合は、事前に七(二)の上司の承認を得るとともに、学校職員の兼業等及び教育公務員の教育に関する兼職等に関する事務取扱規程(昭和六三年東京都教育委員会訓令第七号)の規定により、事前に兼業の許可を得なければならない。

九 教科書・教師用指導書・教材以外の原稿の執筆について

教科書・教師用指導書・教材以外の原稿執筆については、教科書・教材会社から依頼され、謝礼(原稿料、車代等名目は問わない。)又は報酬を得て従事する場合は、上司の承認を得なければならない。

一〇 その他

(一) 各所属において、業務内容に応じた利害関係者との接触について別に基準を定めている場合は、この指針の趣旨に反しない限り、その適用を妨げるものではない。

(二) この指針は、平成一一年四月一日から適用する。

(平成一二年一一教人職第九七二号)

本指針の一部改正は、平成一二年四月一日から施行する。

(平成一五年一五教人職第一六五〇号)

本指針の一部改正は、平成一六年一月一日から施行する。

(平成二〇年一九教人職第二六七〇号)

本指針の一部改正は、平成二〇年四月一日から施行する。

(平成二五年二四教人職第三〇八六号)

本指針の一部改正は、平成二五年二月一日から施行する。

(平成二八年二八教人職第三〇二二号)

本指針の一部改正は、平成二八年一一月一日から施行する。

(平成三一年三一教人職第四六号)

本指針の一部改正は、平成三一年四月一日から施行する。

利害関係者との接触に関する指針の制定について

平成11年3月31日 教人職第853号

(平成31年4月1日施行)

体系情報
人事部職員課
沿革情報
平成11年3月31日 教人職第853号
平成12年3月31日 教人職第972号
平成15年12月26日 教人職第1650号
平成20年3月31日 教人職第2670号
平成25年2月1日 教人職第3086号
平成28年10月31日 教人職第3022号
平成31年4月1日 教人職第46号