○東京都公立学校の管理運営に関する規則の一部改正について
平成一〇年七月一七日
一〇教学高第三四五号
都立学校長
「東京都公立学校の管理運営に関する規則の一部を改正する規則」(平成一〇年東京都教育委員会規則第四〇号。以下「新規則」という。)が別添のとおり制定され、本日、公布施行されたので通知する。
今回の規則改正は、適正な学校運営の推進を図るため、職員会議の位置づけの明確化、主任発令方法の改善及び教頭の職務権限の明確化を行い、校長が学校経営の責任者としてその職責を十分に果たすことができるよう学校運営体制を整備するものである。
ついては、貴職におかれては、新規則及び本通達に基づき適正に処理願いたい。
なお、都立高等専門学校においては、職員会議に関する事項のみが適用される。
記
一 改正の趣旨
二 解釈及び運用方針
(一) 第九条第一項の「所属職員」とは、校長及び教頭以外の、当該学校に勤務を命ぜられた者のうち、事務室職員を除いた者すべて(以下「教育職員」という。)をいう。
(二) 「監督」とは、学校の運営が本来の目的に則って適正かつ円滑に行われるよう、上司として教育職員に対し校務を分担させるとともに、校務の処理について指導、助言を行うほか、必要に応じ職務命令を発し、指示命令等を行うことをいう。
(三) 「校長の命を受け」としたのは、教育職員の監督権は、学校においては、最終的に校長が有していることによるものである。
なお、学校における事案の決定に際しての教頭の関与(専決を含む。)については、「東京都立学校事案決定規程」及び「東京都立学校事案決定実施細目」によること。
(四) 教頭が、校長の職務を代理し、又は代行する場合(第九条第二項)は、当然、事務室職員に対しても監督権が及ぶことに留意すること。
一 改正の趣旨
本来、主任の設置は、児童及び生徒の指導の充実を図るために、学校運営における指導組織を整備し、調和のとれた創意ある学校運営を目指すものである。
しかしながら、多くの学校において、主任の人選に校長の意向が反映できないことや充て命じた教員とは異なった教員を東京都教育委員会(以下「委員会」という。)に届けるなど、不適正な実態があることが明らかになった。
主任制度の適正な運用を図るためには、委員会としても責任を負う仕組みづくりが必要であることから、今回の改正により、第一〇条の二に定める主任は、当該学校の教諭(保健主任については養護教諭を含む。)の中から、校長の具申により、委員会が命ずることとした。
二 経過措置
第一〇条の四第一項の規定は、教務主任、生活指導主任(盲学校、ろう学校及び養護学校(以下「盲学校等」という。)に置くものを除く。)、進路指導主任及び学部主任にあっては平成一一年四月一日以後に行う命免について、保健主任、学年主任、学科主任、農場主任及び盲学校等に置く生活指導主任にあっては平成一二年四月一日以後に行う命免について適用することとした。
三 解釈及び運用方針
(一) 第一〇条の四第一項関係
ア 今回の改正は、校長の主任人事における権限を明確にし、制度の適正な運用を図るものである。したがって、主任の人選に当たっては、校長が学校経営の責任者として自らの判断で適材適所及び人材育成の観点から決定し、委員会に具申することとした。その際、すべての教員に主任の職務の重要性を認識させ、教職員相互の協力関係の確立を図る必要がある。
イ 主任の職務を命ぜられている者が、退職、休職、異動その他の事由により欠けたときなど、その職務を執行できなくなった場合には、校長の具申により、委員会が新たに主任として命ずるものとし、その任期は残余期間とする。
ウ 委員会は、校長の具申を尊重して、各学校の主任を命ずることとする。ただし、校長の具申により、学校運営上必要があると認めるときは、他の主任との兼務をさせることができるものとする。
(二) 履歴登載について
当分の間、履歴登載を省略することとする。
(三) その他
主任に関する事項のうち、委員会発令に関すること以外の事項の解釈及びその取扱いについては、本通達の趣旨に抵触しない限り、従前と同様とする。
一 改正の趣旨
第一二条の六を新設した趣旨は、学校教育法(以下「法」という。)第二八条第三項において「校長は、校務をつかさどり、所属職員を監督する。」と定められており、校長がすべての校務について決定権を持つことから、職員会議はあくまでも校長の補助機関であり、このことを規則で確認的に規定することによって、職員会議の位置づけを明確にし、職員会議の運営の適正化を図るところにある。
もとより、校長には、日頃から所属職員との円滑なコミュニケーションが求められており、校長は、職員会議が補助機関であることを踏まえた上で、職員会議の場を活用することなどにより、所属職員の建設的な考え方や意見を聞き、それを学校運営に生かすよう努める必要がある。
二 改正の要点
(一) 職員会議を校長の補助機関として明確に位置づけ、その設置について校長の決定に委ねた。
(二) 職員会議の機能を、次の三点とした。
ア 校長が学校の管理運営に関する方針等を周知すること。
イ 校長が校務に関する決定等を行うに当たって、所属職員等の意見を聞くこと。
ウ 校長が所属職員等相互の連絡を図ること。
(三) 職員会議の招集及び運営管理を校長の権限とし、その組織及び運営について必要な事項は、校長が定めることとした。
三 解釈及び運用方針
(一) 第一二条の六第一項関係
職員会議は校長の職務を補助するための機関であり、それ自体が決定権限を有するものではないことを明らかにしたものである。
職員会議において、人事や校内予算編成など、本来校長の責任において決定する事項に対して、不当に制約するような運営は許されない。
また、職員会議は意思決定機関ではないので、議決によって校長の意思決定権を拘束することはできない。
(二) 第一二条の六第二項関係
イ 第一号の「学校の管理運営に関する方針等」とは、校長が定める方針のほか、法令、通達及び委員会の方針などをいう。
ウ 第二号の「校務に関する決定等を行うに当たつて、所属職員等の意見を聞くこと」とは、校務に関する決定を行う場合に限らず、円滑な学校運営を図るため、広く校務に関して所属職員の意見を聞くことをいう。
オ 校長は、主任の人選や特別昇給など校長の人事権に専ら属する事項を職員会議の議題にして、所属職員の意見を聞くことはできない。
(三) 第一二条の六第三項関係
本規定は、校長が職員会議の招集及び運営管理の権限を有することを定めたものである。当然のことながら、校長自らが招集や運営管理の事務を処理する必要はない。例えば、校長が職員会議の司会や記録を所属職員に命ずることができるのは言うまでもない。
(四) 第一二条の六第四項関係
「職員会議の組織及び運営について必要な事項」とは、職員会議の構成員、招集手続、定例開催日、司会、記録方法等をいう。
(五) その他
校長がすべての校務について決定権を持つという法第二八条第三項の趣旨は、校務に係る会議のすべてに及ぶものである。したがって、職場懇談会等、その名称の如何にかかわらず、それらの会議の運用において、校長の決定権を拘束することはできない。