○職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例及び同条例施行規則等の改正について
平成一〇年三月三一日
九教総総人第五一五号
庁内各部長
出張所長
教育事務所長
事業所長
職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例(平成七年東京都条例第一五号。以下「条例」という。)及び職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例施行規則(平成七年東京都規則第五五号。(以下「規則」という。)の一部がそれぞれ改正され、平成一〇年四月一日から施行されることとなった。これに伴い、条例等の解釈及び運用について下記のとおり定めたので、平成七年四月一日付け七教総総人第一〇号「職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例及び同条例施行規則並びに関連規程の改正について」(以下「通知」という。)の該当部分については、以後これによりお取り扱い願います。
記
第一 妊娠出産休暇(規則第一七条関係)
一 改正の内容
休暇期間について多胎妊娠の場合は二四週間に、産前の最低休養期間については、一四週間とする。
二 適用
平成一〇年四月一日以後の承認に係るものについて適用する。したがって、平成一〇年三月三一日現在、改正前の規則によりすでに妊娠出産休暇の承認を受けているものは対象とならないので留意すること。
三 留意事項
妊娠出産休暇等、母性健康管理の休暇の承認に当たって、所属長は、妊娠週数又は出産予定日、あるいは本人の健康状態等を確認するため、診断書、出産予定日証明書等の証明書又は母子手帳のいずれかの提出を職員に求めることになるが、これらの情報は個人のプライバシーに属するため、その保護には充分留意する必要がある。
第二 妊娠初期休暇(規則第一八条関係)
一 改正の内容
妊娠初期休暇を請求するときは、医師又は助産婦の証明書あるいは母子手帳のいずれかを示すことで足りるものとする。
二 適用
平成一〇年四月一日以後の承認に係るものについて適用する。
第三 母子保健健診休暇(規則第一九条関係)
一 改正内容
承認回数については、妊娠中に九回及び出産後に一回、あるいは妊娠中に一〇回を原則とすることとする。
「一回」とは、健康診査とその結果に基づく保健指導をあわせたものであること。
なお、通常、健康診査と保健指導は同一の日に引き続き行われることが多いが、医療機関等によっては、健康診査に基づく保健指導を別の日に実施する場合もあり、この場合においても、両者をあわせて一回とみなすこと。
また、医師、助産婦又は保健婦の指導により、さらに健康診査又は保健指導の必要があるとされた者については、上記以外の組合せ、あるいはその上限回数を超えて承認することができることとする。
当該職員が妊娠中であるか否かの判断に当たっては、必ずしも当該妊娠について交付された母子手帳に限らず、医師又は助産婦の証明書の提示をもってこれに代えることができることとする。
二 適用
平成一〇年四月一日以後の承認に係るものについて適用する。なお平成一〇年三月三一日現在、すでに改正前の規則により母子保健健診休暇の承認を受けているもので、すでに承認を受けた回数については、改正後の規則により承認を受けたものとして取り扱うこと。
第四 妊婦通勤時間(規則第二〇条関係)
一 改正の内容
規則に定める交通機関に自家用車を含めるものとする。ただし、通勤経路の道路混雑が激しい者に対して承認することができる。よって、自家用車を利用して通勤する場合であっても、混雑が激しくない場合は承認することができない。なお、自転車等を利用する場合は、従来通り対象とはしない。
妊婦通勤時間を請求するときは、医師又は助産婦の証明書あるいは母子手帳のいずれかを示すことで足りるものとする。
二 適用
平成一〇年四月一日以後の承認に係るものについて適用する。
第五 長期勤続休暇(一部を改正する規則附則第二条別表関係)
一 改正内容
特例承認に該当する職員の付与期間について、以下のように改正することとする。
職員の生年 | 付与期間 |
昭和一七年から一九年まで | 平成一〇年四月一日から平成一一年三月三一日まで |
昭和二〇年以降 | 平成一一年 |
これに伴い、生年が昭和一七年から昭和一九年までに該当するものについては、平成八年三月二九日付け七総勤労第四八四号により改正済の通知中「特別の取扱いがなされる者」に関して、「承認期間の一月一日」とあるのは、「承認期間の四月一日」と読替えるものとし、また、「病気休暇等に係る特例」に関して、長期勤続休暇の付与期間「同表同欄に掲げる年の一月一日から同日の属する年度の翌々年度の一二月三一日まで」とあるのは、「平成一〇年四月一日から平成一二年三月三一日まで」と読替えるものとする。
二 適用
平成一〇年四月一日から施行する。
第六 ボランティア休暇(規則第二六条の三関係)
一 趣旨
職員が自発的に、かつ、報酬を得ないで社会に貢献する活動(専ら職員の親族に対する支援となる場合を除く。)を行う場合で、勤務しないことが相当であると認められるときにおける特別休暇とする。
二 対象活動
(一) 地震、暴風雨、噴火等により相当規模の災害が発生した被災地又はその周辺の地域における生活関連物資の配布その他被災者を支援する活動
(二) 身体障害者療護施設、特別養護老人ホームその他の主として身体上若しくは精神上の障害がある者又は負傷し、若しくは疾病にかかった者に対して必要な措置を講ずることを目的とする施設における活動
(三) (一)、(二)に掲げる活動のほか、身体上若しくは精神上の障害、負傷又は疾病により常態として日常生活を営むのに支障がある者の介護その他の日常生活を支援する活動
(四) 東京都の区域内で開催される国、地方公共団体等が主催、共催、協賛又は後援する国際交流事業における通訳その他外国人を支援する活動
三 活動要件
(一) 職員の自発的な意思に基づく活動であること
(二) 無報酬(交通費の実費弁償は該当しない)で行う営利を目的としない公共性を有する活動であること
(三) 対象活動を直接行う活動であること
(四) 施設における活動の場合を除き、ボランティア団体等を介すること
「直接行う活動」とは、被災者、高齢者、障害者、外国人等を直接支援する活動を指すものであり、活動を行うための打合せや会議又は活動の宣伝、広報を行うようなものは活動対象としないこと。
「ボランティア団体等」とは、職員が活動する場合に、通常のボランティア団体のほかに任意のボランティアグループや地方公共団体その他の団体を含む。
四 承認期間及び日数
(一) 規則第二六条の三第二項に言う「一の年」とは歴年を言うものとし、一月一日に付与するものであること(ただし、平成一〇年については、平成一〇年四月一日に五日を付与する。)。
(二) 「五日の範囲内」の取扱いは、承認は日、時間又は分を単位として取り扱うが、時間又は分を単位として休暇を請求、承認された場合であっても、「五日」のうち一日分を使用したことになる。
ボランティア活動のための事前講習等に参加する場合については、一日の全部が講習等であり実際の活動を行わない場合は、その日については休暇の対象とはならないが、実際に活動を行う日の一部の時間が講習等に充てられている場合には、その時間についても休暇の対象となる。
ボランティア活動のため遠隔の地に赴く場合には、活動期間と往復に要する期間が連続する場合でこれらを合わせた日数が5日の範囲内であれば、当該往復に要する期間についても休暇の対象となる。
五 手続
職員は休暇を請求するときは、活動期間、活動の種類、活動場所、仲介団体、活動内容等活動の計画を明らかにする書類(別記様式。以下「活動計画書」という。)を休暇・職免等処理簿に添付し、承認権者に請求する。
また、やむを得ず事前に活動計画書を提出できない場合には、承認権者から承認を受けた上で活動を行い、事後に活動期間、活動の種類、活動場所、仲介団体、活動内容等活動の結果を明らかにする書類(以下「活動報告書」という。)を提出しなければならない。やむを得ない場合とは、例えば、旅行先等で相当規模の災害に遭遇し、現地においてボランティアの募集に応じて活動に従事したような場合が考えられるが、そうした場合を除いて、ボランティア休暇の申請にあたっては、あくまで事前に計画書を提出することが原則であること。
なお、活動報告書の様式は自由様式とするが、できるだけ活動計画書に準じたものを使用すること。
六 具体的な取扱い
(一) 規則第二六条の三第一項の「報酬を得ないで」とは、交通費の実費弁償以外に活動の対価として金品を得るような場合はもちろんのこと、いわゆるボランティア切符のような将来的な見返りを期待するような場合も休暇の対象とはならないという趣旨である。
(二) 同条第二項第一号の「相当規模の災害」とは、災害救助法(昭和二二年法律第一一八号)による救助の行われる程度の規模の災害をいい、「被災地又はその周辺」とは、被害が発生した市町村又はその属する道府県若しくはこれに隣接する都道府県をいうが、現に東京都内地域で被害が発生している場合は休暇を承認することはできない。ただし、教育長が特に必要があると認めた場合は、休暇を承認することができる。この場合の取扱いについては、その都度教育長が定める。
「その他被災者を支援する活動」とは、居宅の損壊、水道、電気、ガスの遮断等により日常生活を営むのに支障が生じているものに対して行う炊出し、避難場所での世話、がれきの撤去その他必要な援助をいう。
(三) 同条第二項第二号の「施設」とは、
ア 身体障害者福祉法(昭和二四年法律第二八三号)第五条第一項に規定する身体障害者更生施設、身体障害者療護施設、身体障害者福祉ホーム、身体障害者授産施設、身体障害者福祉センター、補装具製作施設及び視聴覚障害者情報提供施設
イ 精神薄弱者福祉法(昭和三五年法律第三七号)第五条に規定する精神薄弱者更生施設、精神薄弱者授産施設、精神薄弱者通勤寮及び精神薄弱者福祉ホーム
ウ 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(昭和二五年法律第一二三号)第五〇条の二第一項に規定する精神障害者生活訓練施設、精神障害者授産施設、精神障害者福祉ホーム及び精神障害者福祉工場
エ 児童福祉法(昭和二二年法律第一六四号)第七条に規定する精神薄弱児施設、精神薄弱児通園施設、盲ろうあ児施設、肢体不自由児施設、重症心身障害児施設及び情緒障害児短期治療施設
オ 老人福祉法(昭和三八年法律第一三三号)第五条の三に規定する老人デイサービスセンター、老人短期入所施設、養護老人ホーム及び特別養護老人ホーム
カ 生活保護法(昭和二五年法律第一四四号)第三八条第一項に規定する救護施設、更生施設及び医療保護施設
キ 老人保健法(昭和五七年法律第八〇号)第六条第四項に規定する老人保健施設
ク 医療法(昭和二三年法律第二〇五号)第一条の五第一項に規定する病院
ケ 学校教育法(昭和二二年法律第二六号)第一条に規定する盲学校、ろう学校及び養護学校
コ 身体上又は精神上の障害がある者の職業訓練等を目的として設置されている協同作業所のうち、利用定員が五人以上であり、かつ、利用者の作業指導等のため当該施設において常時勤務する者が置かれている施設をいう。「施設における活動」とは、各施設によってボランティアの位置づけがまちまちであるが、当該施設においてボランティアが行うものとして位置づけられていればこの休暇の対象とできる。
また、この休暇の対象となる活動からは「専ら親族に対する支援となる活動」は除外されているが、親族が入所または通所している施設における活動であっても、その活動が当該施設においてボランティアが行うものとして位置づけられているものであり、職員がボランティアとして参加するものであれば、この休暇の対象としてよい。なお、ここでいう親族とは、民法にいう親族である六親等内の血族、配偶者、三親等内の姻族である。
(四) 同条第二項第三号の「常態として…日常生活を営むのに支障のある」とは、その者にとっての普通の状態が日常生活を営むのに支障が生じているということであり、短期間で治癒するような負傷、疾病などにより支障の生じているものに対する看護等については、休暇の対象とはならない。
また、「その他日常生活を支援する活動」とは、身体上の障害等により常態として日常生活を営むのに支障がある者に対して行う調理、衣類の洗濯及び補修、慰問その他直接的な援助をいう。
(五) 同条第二項第四号の「国、地方公共団体等」とは、国、地方公共団体の他、国や地方公共団体の財団法人、社団法人、公社、公団等の公益法人や、国、地方公共団体が出資を行っている株式会社等を含むという趣旨である。
また、「通訳その他外国人を支援する活動」とは、国際会議や国際スポーツ大会等国際交流事業に参加し、通訳や案内、相談等、語学能力を用いて外国人を支援する活動をいう。
七 ボランティア休暇使用に当たっての留意事項
(一) この休暇を利用してボランティア活動を行うに当たっては、地方公務員法等の規定に抵触することのないよう留意するとともに、いやしくも都民の誤解を招くことのないように注意すること。
(二) ボランティア活動中の安全には十分注意を払う必要があるが、活動中の不慮の事故により、職員自身が負傷する場合や他人の物を壊してしまう可能性もあることから、予めボランティア活動保険に加入しておくことが望まれること。
八 適用
平成一〇年四月一日から施行する。
第七 その他
一 語句整理
雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等のための労働省関係法律の整備に関する法律(平成九年法律第九二号)の一部の施行及び同法律の一部の施行に伴う関係省令の整備等に関する省令(平成九年労働省令第三一号)の施行に伴い、規則中の「女子」並びに「男子」という語句を「女性」並びに「男性」と改めた。これに伴い、通知中「女子」を「女性」に「男子」を「男性」に読替えるものとする。
二 適用
平成一〇年四月一日から施行する。