令和5年 度東京都教職課程学生ハンドブック
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−48− A 児童・生徒に向かって、「お前たちは…」と呼んだり、あだ名や名前だけで呼び捨てにしたりすることはないでしょうか。このような呼び方を親愛の情の表れという⼈がいます。 Q 一⽣懸命教えているのに、児童・⽣徒が全然理解しようとしません。 A 児童・生徒に向かって、「何でこんなことができないの。」などと⾔うことはありませんか。できなかったり、分からなかったり、やる気にならない原因は児童・生徒にあるのでしょうか。 (3)確認してみましょう、人権感覚 しても構いませんか︖ しかし、親愛の情は、教職員と児童・生徒、相互に通じ合える心の交流の上で育まれるものです。一⼈一⼈の児童・生徒はかけがえのない存在であり、⼈格を尊重するという趣旨から、名前を呼ぶときは、あだ名や呼び捨てにせず敬称を付けて呼ぶことが⼤切です。 やる気をもたせるためには、叱った方がよいのでしょうか︖ 児童・生徒の実態や発達の段階に応じたきめ細かな指導を⾏っているかどうかを、まず教師自⾝が問うべきでしょう。「一緒に考えてみよう。」、「○○するとよさそうだね。」という共感的で⾒通しのもてるような指導を児童・生徒は待っています。 Q 児童・⽣徒が⾃分の指⽰に従わなかったら、どうすればよいですか︖ A 児童・生徒が自分の指示に従わなかったとき、自分自⾝の指導の在り方を振り返ってみることが⼤切です。また、児童・生徒の⾏動の背景を理解し、一⼈一⼈に応じた丁寧な指導を⾏うことが⼤切です。 あってはならないことは、自分の思うようにならないからと⾔って、⼤きな声で一方的な指示を出したり、ついカッとなってたたいたりするなど、⼒で抑えようとすることです。 肉体的苦痛を与えるような懲戒である体罰は、教育への信頼そのものを崩壊させます。また、暴⾔等は精神的な苦痛を与える不適切な⾏為として体罰と同じように⼈権侵害に当たる可能性があります。 日々の授業、学級経営においては、児童・生徒に対する適切な配慮を⾏うことが必要です。一⼈一⼈を⼤切にするために、あなたの⼈権感覚を確認してみましょう。 Q 児童・⽣徒と親しくなるために、呼び捨てにしたり、あだ名で呼んだり

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