日本語指導ガイドライン
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12                       ■1 生徒の実態 ● 日常会話に支障がないが、学習言語能力が十分育って いない。 ● 教科学習面では成功体験があまりなく、周囲からは「意欲がない」と いった見方をされがちである。 ■2 日本語指導の目標(「個別の指導計画」日本語指導の目標) ❶ 高校に入学し、社会で生活していくための日本語を理解し、将来の社 会生活や希望する進路について考え、自分自身で行動することができる。 ❷ 将来を意識し、学習言語の習得と思考力・判断力・表現力等の学力を 身に付けることができ、より高度な日本語の力を身に付けるために学 習することができる。 ★本単元は②に基づき、「内容と日本語の統合学習」の授業の一環として実施 ❸ 高校での学びと将来へのキャリア形成を意識しながら、多文化共生社 会で生きていく上で求められる姿勢や力を高め、母語・母文化を活用 し、自信をもつことができる。 ■3 指導形態  日本語指導が必要な生徒は、高校生活のスタートにおいて戸惑う生徒も多  い。自分の学校の仕組みや様子、特色等について知ることを通して、学校生活  を安心して、自信をもって送ることができるようにする。学校への信頼を高め、  自分の居場所、学びの場、自己を高める場、交流できる場として捉えることが  できるようにする。  高校入学後の授業で、高校生活で必要な様々な情報を、「やさしい日本語」  と母語を活用しながら学習することができる。また、入学時より将来のキャリア  を意識できるようにすることで、主体的・意欲的に学習に取り組む姿勢を育む  ことができる。[ 1 ] 対象児童について[ 2 ] 本単元について[ 3 ] 日本語指導案 ■1 単元名 「高校のしくみや目的、特徴を知り、今後の学校生活について考えよう」 ■2 単元目標 ● 高校の情報をホームページや学校案内、入学ガイダンス資料などに より収集し、高校の特色、カリキュラム、学校生活、学校行事、特別活 動、課外活動などについて、日本語と母語など自分の得意な言語と概 念で理解することができる。 ● 高校と中学の仕組みの違いを知るとともに、高校入学後の計画を立 て、高校生活の目標をもてるように、進級、卒業に向けて具体的なイ メージをもつことができる。 ■3 展開89具体的な様子語 彙主な学習活動表 現指導・支援の工夫 週2回 合計4時間、自校 クラス指導・単位をとります。・自分の将来を考えて、○○(科目)を選 びます。単位、履修、修得、必履修科目、選択科目、カリキュラム、進路、将来の目標、欠時数1 高校のホームページと入学案内などを見て、高校の特色や仕組みについて気になるところをワークシートに記入する。2 中学校と高校の違いを比較し、進級や卒業の仕組み、単位、学校行事、特別活動、授業の欠席、相談室、校則などの用語をワークシートにまとめる。● ホームページを翻訳する。入学案内の漢字に振り仮名を振るとともに、やさしい日本語に書き換え、説明する。● 入学ガイダンスやオリエンテーション、授業の導入時に配布した資料を活用して、やさしい日本語版や多言語版を用意する。高校生タイプ別に見る日本語指導モデル ●12タイプ C           1/2

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