日本語指導ガイドライン
82/92

5本時12                   ■1 生徒の実態 ● 日常生活では支障のない程度の日本語の力がある。 ● 教科の学習への参加には、十分な日本語の力はまだ獲得できていない。 ■2 日本語指導の目標(「個別の指導計画」日本語指導の目標) ❶ 日本語指導を通して育まれた興味・関心・意欲・学力を、学校生活や社 会生活で活用することができる。 ❷ 「読む」「書く」「表現する」「対話する」「考える」力を高め、日本語や母語 を活用しながら、多様性が尊重される社会の市民として、学校、地域、 社会に関わることができる。 ★本単元は②に基づき、「内容と日本語の統合学習」の授業の一環として実施 ❸ 母国での経験を生かしながら、日本語と母語を活用し、多様で潜在的 な学力を高めることで、自信をもって日本での学校・社会生活を送るこ とができる。 ■3 指導形態  消費者の権利や消費者トラブルの事例を知ることで、被害を防ぐとともに、  健全な社会形成をするための消費者(=市民)としての認識を育成することが  できる。日本語の能力を考慮し、中学校の教科書も参考にしながら、「消費者  生活と消費者の権利」の単元を「やさしい日本語」で学べるようにすることで、  内容の理解や行動面での留意点について理解できるようにする。また、生徒の  母語も活用することで、消費者トラブルの事例、消費者の権利、相談場所や  相談機関等についても理解を促し、自身の経済活動を振り返り、市民として  消費者の権利の実現に向けた行動ができる。[ 1 ] 対象生徒について[ 2 ] 本単元について[ 3 ] 日本語指導案 ■1 単元名 「消費生活と消費者の権利」(教科:公民科 科目:公共) ■2 単元目標 【教科(公民科)】 ● 生徒が自分自身の力で、消費者問題を考え、活動することで、多様な 人々が暮らす社会の一人の市民として社会に参加し、行動できる。 ● 多言語での消費者相談や啓発事業に触れることで、多文化共生社会で求めら れる力、資質を身に付け、将来のキャリア形成・実現に役立てることができる。 【日本語】 ● 消費者相談の公共機関のサイトや相談窓口で使用される日本語を知 り、自分で調べることができる。 ● 日本語と母語を使って、身近な消費者問題に関して解決方法を考え ることができる。 ■3 展開81語 彙主 な 内 容表 現 週2回 合計4時間、自校 グループ指導消費者、消費者被害、東京都消費生活センター、契約、取り消し、広告、消費者の権利と義務、クーリングオフ、18歳成年年齢引き下げ・契約・消費・相談・解決します。・被害を受けました。/権利があります。 /消費者(未成年者)を守ります。● コンビニなどで買い物をした領収書(レシート)を活用し、自分の消費生活を週ごとにまとめて書き出す。● 一人ひとりの生活が消費活動によって成り立っていることに気付く。● 契約の成立、モノやサービス、販売、権利と義務、消費と消費者などの用語について調べる。● 東京都消費生活相談センターのサイトを活用して、インターネットなど様々な消費者トラブルの事例を知り、ワークシートにまとめる。消費者被害の実態を捉えるとともに、その背景・原因をグループに分かれて対話し、思考を深め、消費者被害に遭わないための方法をまとめる。3● 消費者保護の仕組みについて調べ、その経緯と仕組みをワークシートにまとめる。●18歳成年年齢引き下げと未成年者の契約取り消しの制度などを知り、なぜ消費者、特に未成年者は守られているのか、グループでディスカッションをすることで学びを深める。4● 子供の権利尊重の視点で、未成年者の契約を取り消すことができることを知る。● 東京都こども基本条例のサイトを紹介し、ふりがな付き版、英語版、中国語版、韓国語版、タガログ語版を活用する。● 消費者トラブルの解決に向け、東京都の消費者生活相談センターや外国人相談窓口などを調べてまとめる。● 消費者の権利を自覚し、消費者被害のトラブルを防ぐために、生徒が協力して解決に向けて取り組む。市民として消費者啓発を通して社会に参加することで将来のキャリア形成に役立てる。高校生タイプ B           1/2タイプ別に見る日本語指導モデル ❽

元のページ  ../index.html#82

このブックを見る