日本語指導ガイドライン
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1           2/22345             ■4 評価(評価方法) ● ミニトマトの生長の変化を観点に基づいて観察し、分かったことを観 察文に書いている。 (ワークシート) ● 植物の生長の様子を表す言葉を理解して短冊メモに書いている。 (ワークシート) ● 短冊メモから観察文にしたいメモを選び、順序を考えて文章にしてい る。(ワークシート) ■5 在籍学級(在籍校)との連携 ● 在籍級に先行した学習として実施する。より具体的な観点で観察した メモを使って観察文を完成させて発表することで、在籍学級の児童か らも認められ、書くことへの自信を付けることができる。また、在籍学 級の児童の手本となることもできる。【本モデルの活用例】・ 理科の学習での植物観察記録に生  かすことができる。 ・ 本事例は、理科だけでなく、生活科  の学習と関連付けて実施すること  も可能である。 ・ 観察の観点が分かることで、日々の  生活科の時間でのミニトマトの観  察時に、書きたいことをたくさん見  付けることができる。72具体的な様子指導・支援の工夫主な学習活動観察メモの例(生き物)2 「実・花・茎・葉」のそれぞれの大きな変化で気づいたことについて話し合う。 T : 前と比べて、どこが変わりまし  たか。見付けましょう。 S : 花が9つ咲いています。 T : いくつ増えましたか。 S : 5つ増えました。 S : 実が赤くなりました。 S : 緑のトマトがいっぱいあります。 T : 緑のトマトはどんなトマトですか。 S : 小さいかわいいトマトです。 T : 本当に小さくてかわいいです  ね。小指ぐらいの大きさです。3 「実・花・茎・葉」のそれぞれについてさらに詳しい観点の観察メモを書く。 T : 茎や葉については緑色の短冊  です。分かったことを書きまし  ょう。触った感じやにおいはどう  ですか。 S : 葉はざらざらしています。トマ  トのにおいがします。 S : 茎に白い毛があります。 T : 花は黄色の短冊です。実はピン  クの短冊です。それぞれについ  て書きましょう。4 短冊メモの中から書く内容を選び、順番を決めて、観察文にまとめる。5 自分の書いた観察文を在籍学級で発表する。6 学級の友達からの感想を聞く。● 目の前に、育てているミニトマトを置き、目立った変化について、感想を交えながら発表をさせる。● 児童の気付きのよさを認め、トマトの生長を喜び合う。● 「〜みたいな色・〜ぐらいの大きさ」などの表現を取り上げ、使える表現になるよう指導する。● どの短冊に、どのように書けばよいかを児童と話し合いながら板書し、メモを書く練習をさせる。● 書きたい短冊から選んで書くように助言し、対話しながら短い言葉でメモを書くように指導する。● 触った感触について表現しやすいように、オノマトペの語彙カード(つるつる、ちくちくなど)等を提示しておく。● 例文を提示し、観察文の組み立てのイメージがもてるようにする。● メモの言葉を、どのように文にすればよいかについては、話し合いながら確認し、書き言葉で書く練習をする。● 発表に向けて、相手意識をもたせ、「ゆっくり・はっきり・大きな声で」などのめあてを明確にして練習させる。練習を通じ、更に、自分の言葉として習得できるようにする。● 学級の児童に「一言感想」のカードを配布して書いてもらうと、更に自信を深めることができる。小学生【前半】タイプ Bタイプ別に見る日本語指導モデル ❺

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